JP3010446U - 球先外科メス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療用外科メスの刃先部に刃幅に対応する径
の球部を設け、望まない過切開を防止する。 【構成】 刃部ハンドル一体の外科メス、使い捨て脱着
刃等の刃先端部に刃幅に対応する径の球を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

各科医療の内、外科領域において、まれではあるが皆無でない医療過誤に、手 術時の血管、神経、等の誤切断がある。これは、術者の手技の巧否による場合も あるが、メスの形状により、殆ど防止しうるものである。

【０００２】

【従来の技術】

高周波、レーザーメス等の電気メスと異なる従来型の外科メスは、ハンドル固 定刃、使い捨て脱着刃があり、手術部位により大小、長短の刃部形状がある。 脳外科、眼科など顕微鏡下の手術メスも、開腹等のメスも刃部先端は鋭利端末 である。術者は微細な組織の微小部分の切開、切除には、細心の注意をして行う ものであるが、予期せぬ患者の呼吸、動き、は絶無ではなく、メスが鋭利端末で あるための、望まない部分にまで及ぶ切断もありうる。過切断が何ら影響のない 組織なら患者に影響なきも、神経、血管等の部位に依っては影響を与えることも ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

電気メスが外科領域で使用されるとしても、手術部位によっては従来型金属メ スも多用されている。ハンドル固定刃、ディスポ替え刃に拘らず、尖刃による望 まない組織、部位にたいする切断、切除により、患者の受ける目的外の影響を防 止するために、尖刃による初期切開後、次期切開に際し、本考案の球先メスを使 用することにより、望まない部位に至る切開、切除を防止しようとした。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

術者は専門領域において習練を経たとすれば、患者の不測の体動その他の理由 により、過切開があったとしても、ミリメートルの範囲内であろうと推計される ので、尖刃端に設ける球の直径を刃幅の２０−３０％とし、汎用される刃長約４ ０ミリメートル、刃幅１３ミリメートルのメスの場合の球直径を約４ミリメート ルと設定した。脳外科等の極小部位切開に使用するメスもその刃幅に応じた球部 を設けることにより、不測の過誤を防止しうる。

【０００５】

【作用】

外科医療における切開手技は、まな板の上で切るのとは異なり、宙に浮いた、 言わば三次元的切開であり、刃先が、板の上で留まるのではないから、切開深度 は術者の技術にのみ依存する。従来の外科メスに於いては、先端まで附刃され、 切開を望む深度と望まない深度とは、言わば紙一重の差といえる。本考案のメス は切開に際し、所望の深度は切開し得るも、隣接する切開を望まない組織には刃 先が到達しない形状であり、不測の過切開を防止しうるものである。

【０００６】

【実施例】

球先メスの鍛造による試作は困難なため、市販の小型ナイフの刃先部に２ミリ メートルの孔を開け、塊状にハンダを付着せしめ、刃幅の約３０％の球状に鑢を もって加工し、４０センチメートル程のはまちの腹部を切開した。表皮は通常の メスを要するも、開腹後の内臓の部分切開、切除は隣接臓器を損傷することがな かった。人体に対しては、医療器具としての許可認定がないと実施は不能であり 魚類、動物での実験におわった。

【０００７】

【考案の効果】

表皮等の開口切開と内部臓器の分離等の切開において、後者の切開、切除には 隣接臓器に対する過切開をきたさない作用効果があった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の球先外科メス

【図２】通常使用されている外科円刃メスの一つであ
る。替え刃ディスポーザブルの先刃部も同様の形状とす
る。

【図３】従来型のメスが深度により、望まない切開部位
に及ぶ可能性を示すもので、二重円は血管或いは神経、
隣接臓器を示す。

【図４】本考案のメスの手元方向の切開

【図５】内部臓器等の押し方向切開の図であり、いずれ
も隣接臓器に刃先が及ぶも、先球により損傷しがたきこ
とを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 尖刃、円刃、極尖刃等の外科用メスの附
   刃先端部に、最大刃幅の２０−３０％の球状部を設け、
   組織切断時にメスの刃先端部が望まざる組織、神経、血
   管等の切断、切除を防止しうるメスの形状。