JP3010342B2 - コンクリート・モルタル法面におけるクラックモニター方法及びその装置 - Google Patents

コンクリート・モルタル法面におけるクラックモニター方法及びその装置

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JP3010342B2 JP7349314A JP34931495A JP3010342B2 JP 3010342 B2 JP3010342 B2 JP 3010342B2 JP 7349314 A JP7349314 A JP 7349314A JP 34931495 A JP34931495 A JP 34931495A JP 3010342 B2 JP3010342 B2 JP 3010342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート・モルタ
ル法面におけるクラックモニター方法及びその装置に関
するもので、特に法面に施工されている既存のコンクリ
ート吹付層又はモルタル吹付層が長い年月の経過によっ
て老朽化し、これに発生しているクラックがそれ以上に
拡大する恐れがある場合に、予め察知できるようにし、
自然災害による地山の崩落等の事故を未然に防止する保
安管理とその器材の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】一般に切り通しの法面や崖、造成地の法
面は雨水や地震による崩落を防ぐために施工したコンク
リート吹付面又はモルタル吹付面は、地震等の自然環境
の激変のほか、長い年月の経過によって老朽化すると、
クラックと呼ばれる割れ目が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、上記のクラッ
クは、地震等の自然環境の激変によりその割れ目が広く
なっている場合は、点検によって危険を察知できること
が多く、本格的な補修工事をする等の保安対策が講じら
れる。ところが、長い年月の経過により老朽化したコン
クリート吹付面又はモルタル吹付面にのクラックが細い
場合は、それが直ちに崩落事故につながるとは限らな
い。しかしながら、クラックの割れ目がそれ以上に拡大
していくと崩落事故につながる恐れもあるので本来は日
夜を問わず継続的に監視することが望ましい。その場
合、短期に起こるのか、長期間かかるのかの予測は全く
不明な監視体勢を人的に行うには作業時間や疲労等の労
務管理上に多大な支障があると共に作業コストが高くつ
くため、現実には事故につながる確率の高いクラックを
中心に監視することが実情である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記従
来の課題を解決し、且つ本発明の目的を達成するために
提供するものである。すなわち本発明の第1は、コンク
リート・モルタル法面におけるクラックモニター方法に
おいて、法面に施工されているコンクリート吹付層又は
モルタル吹付層の表面に発生しているクラック部位にク
ラック変化検出器を設置してクラック拡大発生したと
きに、一端を止め具に接続し、他端をクラック変化検出
器のスイッチに接続してある紐状体の緊張力によってス
イッチを作動させして当該スイッチに接続してある警報
灯用のコードによって警報灯ボックスの警報灯及び/又
警報音等によって報知するようにしたものである。本
発明の第2は、コンクリート・モルタル法面におけるク
ラックモニター装置において、法面に発生しているクラ
ックにクラック変化検出器を配置すると共に、その検出
器を形成する基板を2分割してその合わせ目を前記クラ
ック部位に沿わせて接地し、クラック変化検出器のスイ
ッチに接続した紐状体を基板の合わせ目及びクラックを
横切って適度の緊張力を保持して設置し、前記2分割し
た基板の一方に取付けるスイッチをプルタイプとし、そ
のスイッチに接続した紐状体を2分割の基板の合わせ目
を横切ってジグザグ状に折り返すと共に各折り返し部に
滑車を設け、且つ前記紐状体の端部をいずれか一方の基
板に適度の緊張力を持たせてアンカーピン等の止め具で
固定し、前記のスイッチに基端部を接続した警報灯用コ
ードの先端部位をブザーを具備した警報灯ボックスに接
続し、前記クラック変化検出器の分割基板の合わせ目を
クラック部位に沿って配置し、且つその各分割基板をア
ンカーボルトで接地固定したものである。
【0005】
【作用】本発明に基づく作用は、次のとおりである。法
面に施工されている既設のコンクリート吹付層又はモル
タル吹付層の法面を点検し、その表面に発生しているク
ラックがそれ以上拡大する恐れがあると思われるクラッ
クを抽出する。そして、抽出したクラックに目地を施
す。続いてクラックの長さ方向に沿って分割基板の合わ
せ目を接地した後に各基板をアンカーボルトで固定す
る。これにより、クラック発生器の紐状体はクラックを
横切った状態が保持される。そして、クラックの割れ目
の広がりが予め設定した幅以上の拡がりが発生すると
分割した基板の合わせ目が互いに離反することによって
プルスイッチと止め具に連結してある紐状体が緊張し、
その緊張力でプルスイッチが引かれてスイッチオンとな
る。前記のスイッチに接続しているケーブルコードによ
って警報灯又は警報音が作動する。同時に配電盤等を介
してさらに配線によって所定距離の保安管理小屋又は保
安作業者に報知する。
【0006】
【実施例】次に、本発明のコンクリート・モルタル法面
におけるクラックモニター装置のびその装置の実施例を
図面を以て説明する。図において、1はクラック変化検
出器であり、基板2を2枚(2.2)又はそれ以上
の複数に分割し、その一方2(又は2)にプルスイ
ッチ4を取付けてある。また、そのスイッチには、ステ
ンレス製針金又はたこ糸等を可とする紐状体5の一端を
接続し、且つ他端を基板の一方2(又は2)にアン
カーピン等の止め具で固定する。前記の紐状体5は分
割した基板2又は2の合わせ目3を横切って平面方
向にジグザグに折り返すようになっている。また、紐状
体5の折り返し部6には小滑車7を設けてあり、紐状体
の緊張又は弛緩に円滑に対応できるようになっている。
9は警報灯ボックスであり、プルスイッチ4の切替え作
動で青色灯9・赤色灯9に点灯するようになってお
り、青色点灯は平常時安全状態を示し、赤色点灯はクラ
ック拡大発生の異常状態を示す。また、前記警報灯ボッ
クスには、公知のタイマー、ブザー(以上は図示省略)
を具備しておき、タイマーにあってはクラックの拡大発
生を記憶する機能を有し、ブザーにあっては警報音が鳴
るようになっている。10は基板2を2分割し、その両
方の板2・2の取付け部2′・2′を介して法
面に接地固定するためのアンカーボルト、11はクラッ
ク変化検出器1の内部を保護するためのカバー体であ
り、具体的には縦L=50cm、厚さT=10cm、横
35cm程度に設定してある。12は電源コード、13
は警報灯用のコード、14は配電盤である。なお、本発
明装置の標準使用電力は、100V(40W程度)とす
る。なお、図2に示すように、電源として太陽電池を具
備したバッテリーの使用も可能とするが、その場合はバ
ッテリーによる警報灯ボックス9′に平常時に点灯する
青色灯9′と異常時に点灯の赤色灯9′を外部から
視認できるように設けるものとする。
【0007】
【具体的な工程例】上記の手段に基づく本発明の具体的
な工程例を説明する。法面に施工されている既設のコン
クリート吹付面又はモルタル吹付面Aを点検し、その表
面に発生しているクラックのうち、それ以上に拡大する
恐れがあると思われるクラックBを抽出する。そして、
抽出したクラックに目地Cを施す。続いてクラックの長
さ方向に沿うようにして分割基板2・2の合わせ目
3を接地し、アンカーボルト10を取付け部2′・2
′に通して前記の分割基板2・2を法面に固定す
る。これにより、クラック変化検出器1の紐状体5はク
ラックBを横切った状態が保持される。また、警報灯の
ボックス9は管理しやすいように法面の下部付近に設置
する。そして、クラックCの割れ目の広がりが予め設定
した作動幅W(具体的には例えば2.0mm〜1.0c
m)以上の拡がりが発生すると、分割した基板2・2
が互いに離反してその合わせ目3が拡がる。これによ
ってプルスイッチ4と止め具8に連結してある紐状体が
緊張し、その緊張引力でプルスイッチ4が引かれて平時
は青色の安全灯9の点灯から赤色の警報灯9の点灯
に切り替わる。そして、電源コード12及び前記のプル
スイッチに接続している警報灯用コード13によって警
報灯ボックス9内のタイマーによる記憶及びブザーによ
る警報音が作動する。同時に配電盤14を介してさらに
配線によって所定距離の保安管理小屋又は保安作業者に
報知する。なお、図4に示す太陽電池による警報灯ボッ
クス9′を使用する場合は、クラック部位に沿うように
して接地固定し、警報灯の青色灯9′と異常時赤色灯
′を外部から視認による監視ができる位置に設置す
る。
【0008】
【発明の効果】本発明は上記の構成であるから、法面に
老朽化したコンクリート吹付面やモルタル吹付面に発生
したクラックが危険な状態に拡大するのを人手を使わ
ず、且つきわめて簡単に検出できる。そして、早め
ラック拡大発生を検知することによって、クラック部位
の目地補修ないしは、本格的な崩落防止対策を講じるこ
とができ、地滑りや地崩れ等の大事故を未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンクリート・モルタル法面にクラックモニ
ター装置を設置した実施例を示す概略正面図である。
【図2】 クラック変化検出器の内部を示す平面図であ
る。
【図3】 クラック変化検出器の法面への設置状態を示
す側面図である。
【図4】 太陽電池型検出器の斜視図である。
【符号の説明】
1 クラック変化検出器 2 基板 3 分割基板の合わせ目 4 切替えスイッチ 5 紐状体 6 紐状体の折り返し部 7 小滑車 8 アンカーピン等の止め具 9 警報灯ボックス 10 アンカーボルト 11 検出器の保護カバー体 12 電源コード 13 警報灯用のコード 14 配電盤

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面に施工されているコンクリート吹付
    層又はモルタル吹付層の表面に発生しているクラック部
    位にクラック変化検出器を設置してクラック拡大発生
    したときに、一端を止め具に接続し、他端をクラック変
    化検出器のスイッチに接続してある紐状体の緊張力によ
    ってスイッチを作動させて当該スイッチに接続してある
    警報灯用のコードによって警報灯ボックスの警報灯及び
    /又は警報音等によって報知することを特徴とするコン
    クリート・モルタル法面におけるクラックモニター方
    法。
  2. 【請求項2】 法面(A)に発生しているクラック
    (B)にクラック変化検出器(1)を配置すると共に、
    その検出器を形成する基板(2)を2分割(2)・
    (2)してその合わせ目(3)を前記クラック部位に
    沿わせて接地し、その検出器のスイッチ(4)に接続し
    た紐状体(5)を基板の合わせ目(3)及びクラック
    (B)を横切って適度の緊張力を保持して設置し、前記
    2分割した基板の一方(2 )に取付けるスイッチ
    (4)をプルタイプとし、そのスイッチに接続した紐状
    体(5)を2分割の基板(2 )・(2 )の合わせ目
    (3)を横切ってジグザグ状に折り返すと共に各折り返
    し部(6)に滑車(7)を設け、且つ前記紐状体の端部
    をいずれか一方の基板に適度の緊張力を持たせてアンカ
    ーピン等の止め具(8)で固定し、前記のスイッチ
    (4)に基端部を接続した警報灯用コード(13)の先
    端部位をブザーを具備した警報灯ボックス(9)に接続
    し、前記クラック変化検出器の分割基板(2 )・(2
    )の合わせ目(3)をクラック(A)部位に沿って配
    置し、且つその各分割基板をアンカーボルト(10)で
    接地固定したことを特徴とするコンクリート・モルタル
    法面におけるクラックモニター装置。
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