JP3010266B2 - 構造決定方法および装置 - Google Patents

構造決定方法および装置

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JP3010266B2 JP2178456A JP17845690A JP3010266B2 JP 3010266 B2 JP3010266 B2 JP 3010266B2 JP 2178456 A JP2178456 A JP 2178456A JP 17845690 A JP17845690 A JP 17845690A JP 3010266 B2 JP3010266 B2 JP 3010266B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複雑な構造物の一部分(構成部分)の形状
等を変更する場合に最適な変更形状等を効率良く決定す
ることのできる構造決定方法および装置に関する。さら
に詳しくは、本発明者らが開発した新しい予測方法(プ
ログラム;以下E−BBA(Extracting & Building Bloc
k Approach)と呼ぶ)を用いて成る構造決定装置および
方法に関する。
(従来の技術) 新しい構造物を製作する場合、その構造物が静的荷重
に対して十分安全であるか否かを検討することは勿論の
こと、動的荷重に対する動的応答についても十分に検討
する必要がある。
構造物に動的荷重が作用すると動的応答として振動が
生じる。かかる振動は当然のことながら所定の目標範囲
内に抑えることが必要であり、そのため新しい構造物を
製作する場合には、その構造物の振動を検討し、その振
動が目標範囲を越える場合には例えば構造物の一部分
(構成部分)に形状等の変更を加えて振動が目標範囲内
におさまるようにする、いわゆる動特性開発を行なう必
要がある。
かかる動特性開発を行なうにあたっては、構造物の構
成部分の形状等をどの様に変更するか変更案を決定し、
構成部分の形状等をその様に変更した場合変更後の構造
物(変更後の構成部分を含む構造物)の振動はどの様な
ものになるかを調べ、変更後の構造物の振動が目標範囲
内におさまらなければ上記変更案を修正し、最終的に振
動が目標範囲内におさまるように構成部分の形状等の変
更案を決定する必要がある。
かかる変更後の構造物の振動を調べる方法として、従
来モーダル解析を用いる方法や、FEM(Finite Element
Method;有限要素法)を用いる方法や、BBA(Building B
lock Approach;部分構造合成法)を用いる方法等が知ら
れている。
上記モーダル解析を用いる動特性開発の方法の一例
を、第5図に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。この例においては開発対象たる構造物は図示の試作
エンジンユニット組立体(エンジンとトランスミッショ
ンとの組立体)2であり、振動対策として形状等の変更
を施すべき対策構成部分はシリンダブロック2aである。
まず、S1において試作エンジンユニット組立体2を実
際に運転し、その運転時における該組立体2の動特性
(ここでいう動特性は振動レベル)を計測する。そし
て、S2においてその振動レベルが目標範囲内にあるか否
か、即ち所定の目標値をクリアしているか否かを判定
し、クリアしている場合にはS3に進んで動特性開発は終
了する。クリアしていない場合には、S4に進みそこで公
知のモーダル解析によって変更前のシリンダブロック2a
の動特性(ここでいう動特性とは、モーダルパラメー
タ、即ちモードシェープ、モーダルマスおよびモーダル
スティフネスの3つを意味する)を把握する。このシリ
ンダブロック2aの動特性の把握は、上記エンジンユニッ
ト組立体2についてモーダル解析を行なって該組立体2
の動特性を求め、その中からシリンダブロック2a部分の
動特性を抽出するようにしても良いし、シリンダブロッ
ク2a単体についてモーダル解析を行なって動特性を求め
るようにしても良い。このモーダル解析は、例えばシリ
ンダブロック2a単体について行なう場合、該シリンダブ
ロック2a単体について加振実験を行ない、実験データを
周波数分析(フーリエ変換)して伝達関数を求め、該伝
達関数の所定のピークに対してカーブフィットを行なっ
て動特性、即ち上記モードシェープ、モーダルマスおよ
びモーダルスティフネスを求めることにより行なわれ
る。この様にして変更前のシリンダブロック2aの動特性
を把握したら、それらからモードシェープ、伝達関数
(上記モードシェープ、モーダルマスおよびモーダルス
ティフネスの3つから求められる)および固有振動数
(上記モーダルマスとモーダルスティフネスとから求め
られる)を求め、それらからシリンダブロック2aの振動
評価を行ない、その弱点を知ることができる。なお、こ
のモーダル解析については、例えば「機械のモーダル・
アナリシス(大久保信行著 昭和57年5月 中央大学出
版部発行)」の第47〜111頁や、「モード解析の基礎と
応用(日本機械学会編 昭和61年7月丸善株式会社発
行)」の第42〜99頁に詳しく説明されている。
上記の如くモーダル解析によって変更前のシリンダブ
ロック2aの動特性(弱点)を把握したら、S5においてそ
の弱点を考慮しながらシリンダブロック2aの改善案を試
作し、S6において該改善案の試作品を組込んで変更後の
エンジンユニット組立体を作り、S1に戻ってその改善シ
リンダブロック2aを組込んだ変更後のエンジンユニット
組立体を運転し、動特性(振動レベル)を計測し、以下
S2で目標値をクリアするまでこの手順を繰り返す。
上記モーダル解析を用いる方法は、シリンダブロッ
クの改善によりエンジンユニット組立体全体の動特性が
どの程度改善されるか実際にシリンダユニット改善案の
試作をしてみないとわからない、およびその試作に時
間とコストがかかるという欠点を有していた。
上記FEMを用いた動特性開発の方法の一例を、第6図
に示すフローチャートを参照しながら説明する。このFE
Mを用いる方法は、実物を用いることなく数学的モデル
(FEMモデル)によって動特性を予測するものである。
この方法は、まずS7において設計図に基づきエンジン
ユニット2を複数の構成部分(コンポーネント)に分割
し、各コンポーネントについてFEMモデルを作成する。
次に、S8においてS7で作成した各コンポーネントのFEM
モデルの結合を行なう。この結合は、例えば各FEMモデ
ル同志を設計図面上の各コンポーネント同志の結合点に
対応する位置でバネにより結合するものとし、かつその
バネ定数を設計図面上の結合手段の種類や結合される相
互のコンポーネントの大きさ等に基づいて適宜に決定す
ることによって行なう。この様にして各FEMモデルを結
合したら、即ち結合部特性(剛性)、具体的には結合位
置とバネ定数を決定したら、S9においてFEM解析を行な
ってエンジンユニット組立体の動特性を予測する。この
FEM解析は、上記各コンポーネントのFEMモデルのデータ
と各コンポーネントの結合部特性のデータとに基づいて
公知のFEM解析手法により動特性(ここでいう動特性
も、モーダルパラメータ、即ちモードシェープ、モーダ
ルマスおよびモーダルスティフネスの3つを意味する)
を求める。続いて、S10においてそのモーダルパラメー
タから前記したモードシェープ、伝達関数および固有振
動数を求め、それらに基づく振動評価を行ない、目標値
をクリアしているか否か、即ち振動が目標範囲内である
か否かの判定を行ない、クリアしていればS11に進んで
動特性開発は終了し、クリアしていない場合はS12に進
みそこで対策構成部分であるシリンダブロックの改善案
を決めると共に該改善案のFEMモデルを作成し、S8に戻
り、以下S10で目標値をクリアするまでこの過程を繰り
返す。
上記FEMを用いる方法は、実際に物を作る必要がな
く、従ってシリンダブロックを改善する際にも該シリン
ダブロックの改善案を作成する必要がないという利点を
有しているが、反面結合部特性が良くわからず従って
適切な結合部特性を設定することが困難である、および
対象となる構造物が大きくなるとモデル化工数大、計
算時間大、モデル化、計算等でミスを生じやすくまたそ
の発見が困難等の問題を有している。
上記BBAを用いる動特性開発の方法の概要を第7図に
示すフローチャートを参照しながら説明する。このBBA
を用いる方法は上記モーダル解析とFEM解析の双方を利
用するものであり、実際に製作されているものについて
はモーダル解析を適用し、今だ製作されていない構成部
分つまり改善後の対策構成部分についてはFEM解析を適
用し、もって対策構成部分の変更(改善)を行なった場
合の動特性の予測をその変更後の対策構成部分を実際に
作成することなくかつ多くの構成部分(コンポーネン
ト)のFEMモデル化を必要とすることなく効率良く予測
を行なおうとするものである。なお、この第7図は、変
更後のシリンダブロックを組込んだ場合のエンジンユニ
ットの動特性を予測する方法を示すものである。
まず、S13においてシリンダブロック以外の各コンポ
ーネントについて加振実験を行ない、モーダル解析によ
り各コンポーネントについての動特性(ここでいう動特
性も、モーダルパラメータ、即ちモードシェープ、モー
ダルマスおよびモーダルスティフネスの3つを意味す
る。以下この第5図のフローチャートにおいては同じ)
を求める。また、S14において変更後のシリンダブロッ
ク2aのFEMモデルを作成し、FEMにより該変更後のシリン
ダブロック2aの動特性を求める。続いてS15において上
記すべてのコンポーネントをBBA(計算理論)により計
算機上で組合せ、変更後のエンジンユニット組立体全体
の動特性を予測する。即ち、S13における各コンポーネ
ントの動特性およびS14における変更後のシリンダブロ
ックの動特性をBBAにより加え合せて変更後のエンジン
ユニット組立体の動特性を計算する。そして、フローチ
ャートには示されていないが、その組立体の動特性から
前記したモードシェープ、伝達関数および固有振動数を
求め、これらによって振動評価を行なう。
上記第7図に示すフローチャートはBBAを用いた動特
性開発方法を原理的に示すものであり、該方法は、実際
には結合部特性の問題やFEMモデル作成上のミス等の問
題に対処するため、例えば第8図のフローチャートに示
す手順で行なわれる。
まず、S16において変更前のシリンダブロックを含む
全てのコンポーネントについて加振実験を行ない、モー
ダル解析により各コンポーネントについての動特性(モ
ーダルパラメータ、即ちモードシュープ、モーダルマ
ス、モーダルスティフネス。以下この第8図に示すフロ
ーチャートにおいては同じ)を求める。また、S17にお
いて変更前のシリンダブロックを含むエンジンユニット
組立体について加振実験を行ない、モーダル解析により
該組立体の動特性を求める。次に、S18において変更前
のシリンダブロック(C/B)のFEMモデルを作成し、FEM
により該モデルの動特性(モーダルパラメータ)を求
め、S19においてそのFEMにより求めた変更前のシリンダ
ブロックの動特性がS13において加振実験モーダル解析
により求めた変更前のシリンダブロックの動特性と一致
するか否かを判定し、一致しなければS20において一致
するように該変更前のシリンダブロックのFEMモデルを
修正する。そして、S19で動特性が一致したら、即ち正
しいFEMモデルを作成することができたら、S21において
BBAによりS16で求めたシリンダブロック以外のコンポー
ネントの動特性とS18で求めたシリンダブロックの動特
性とを加算して変更前のエンジンユニット組立体の動特
性を求め、S22においてこの動特性がS17で求めた動特性
と一致するか否かを判定し、一致しなければS23におい
て一致するように結合部特性等を修正する。そして、S2
2において一致したら、つまり結合部特性を正確に設定
できたらS24に進み、そこで変更前のシリンダブロック
のFEMモデルを該シリンダブロックの形状等の変更に合
せて修正し、S22においてその修正することによって作
成された変更後のシリンダブロックのFEMモデルからそ
の動特性を算出すると共にその動特性と上記S16で算出
したシリンダブロック以外のコンポーネントの動特性お
よび上記S23で修正した結合部特性に基づきBBAにより変
更後のエンジンユニット組立体の動特性を求める。
なお、上記BBAの計算を行なうソフト・プログラムと
しては例えばSDM(Structural Dynamic Modification p
rogram);SMS社(Structural Measurement Systems社)
等が市販されている。
上述したように、BBAを用いる動特性開発方法は、モ
ーダル解析を用いる場合の如く変更後の対策構成部分を
実際に製作する必要がない、変更を加える対策構成部分
以外については既に製作されている実物を用いるのでFE
Mモデルを作成する必要がない、および計算時間の短縮
が図れるという利点を有する。
しかしながら、このBBAを用いる方法においても、以
下の様な問題が存在する。
まず、BBAにより計算する場合には結合部特性(剛
性)を設定する必要があるが、その結合部特性を正確に
把握することが困難であり、そのため例えば第8図のS2
3の如くトライアンドエラーで修正しているが、そうす
ること自体極めて面倒であると共にそうしても必ずしも
正しい結合部特性を設定することはできず、その結果予
測の誤差が大きくなる。
また、BBAにより計算する場合には弾性モードの動特
性(モーダルパラメータ)と剛性モードの動特性(モー
ダルパラメータ)とを求める必要があるが、加振実験を
してモーダル解析により求め得るのは弾性モードのモー
ダルパラメータのみであり、従って実際に計算する場合
には加振実験により求めたコンポーネントのモーダルパ
ラメータに関しては剛体モードを無視して計算するかも
しくは主要な部材のみ別途剛体モードのモーダルパラメ
ータを求める試験を行ない、それによって得られた剛体
モードのモーダルパラメータを使用することになる。と
ころが、この様に剛体モードのモーダルパラメータを無
視すると予測誤差が非常に大きくなると共に剛体モード
のモーダルパラメータを求める実験は困難かつ長時間を
要する。
また、特に上記シリンダブロックのように対策構造部
分が組立体の中心部分であるときにはその組立体を除く
コンポーネトの加振実験を行なう際(第7図S13参照)
どうしても残りの部分が多数のコンポーネントに別れて
しまい、従って多数のコンポーネントについて加振実験
を行なう必要があり、時間と手間がかかる。
また、例えば対策構造部分が車両のサイドシル等の如
く他の部分と容易に切り離すことができない場合にはそ
の対策構造部分を除いた他の部分の加振実験を行なうこ
とが困難となり、従ってBBAを用いることがむずかしい
場合も生じる。
さらに、上記の如く多数のコンポーネントについて加
振実験を行なうと、それらの試験誤差が累積して結局予
測精度が大きく低下するおそれがある。
そこで、本出願人は、上記BBAの利点を生かしながら
試験工程数および累積誤差の減少、試験可能範囲の拡
大、結合部特性の問題および剛体モードの問題の解決を
図り得る振動予測装置を開発し、先に出願を行なった
(特開平2−120636号公報参照)。
かかる振動予測装置は、前述の如く本発明者らが開発
した新しい計算理論E−BBAを用いて成るものであり、 変更前の構造物の加振実験を行ない、該加振実験のデ
ータにモーダル解析を施して上記変更前の構造物の動特
性を演算するモーダル解析手段と、変更前後の上記構成
部分のFEMモデルを作成し、該作成された両FEMモデルの
動特性を演算するFEM解析手段と、上記変更前の構成部
分のFEMモデルの動特性と変更後の構成部分のFEMモデル
の動特性との差である動特性変化分を演算し、この動特
性変化分を上記モーダル解析手段によって演算された変
更前の構造物の動特性に加算して変更後の構造物の動特
性を演算するE−BBA演算手段とを備えて成るものであ
る。
上記モーダル解析手段によって求められる変更前の構
造物全体の動特性とは、例えばモーダルパラメータ、即
ちφ(モードシェープ)、m0(モーダルマス)および
k0(モーダルスティフネス)である。
上記FEM解析手段によって求められる変更前後の構成
部分の動特性とは、例えば変更前の構成部分にあっては
[M](物理質量行列)および[K](物理剛性行列)
であり、変更後の構成部分にあっては[M′](物理質
量行列)および[K′](物理剛性行列)である。
上記E−BBA演算手段は、本発明者らが新しく開発し
てE−BBA(Extracting & Building Block Approach)
と名付けた計算理論に基づいて計算を実行する手段であ
り、該計算理論E−BBAはモード法BBAを発展させたもの
であって下式を基本式とするものである。
上記E−BBAの基本式は変更後の構造物の運動方程式
であり、この基本式を解いて固有値解析することによ
り、変更後の構造物の動特性、例えばモーダルパラメー
タ、即ちφ′(モードシェープ)、m′(モーダルマ
ス)およびk′(モーダルスティフネス)が求められ、
かつそれらから固有振動数や伝達関数を求めることによ
って振動評価を行なうことができる。
上記E−BBAを用いる振動予測装置によれば、後に詳
しく説明する様に、構造物の一部分を変更する場合にそ
の変更後の構造物の動特性の予測を、BBAを用いる予測
の長所を有しつつ行なうことができ、かつその予測に際
し試験工程数の減少および累積誤差の減少、試験適用可
能範囲の拡大、結合部特性の問題および剛体モードの問
題の解決を図ることができる。
(発明が解決しようとする課題) しかるに、上述の様に動特性開発を行なうにあたって
は、まず構造物の構成部分の形状等をどの様に変更する
かを決定し、しかる後その構成部分をその様に変更した
場合構造物全体の振動はどの様になるかを調べ、変更後
の構造物の振動が目標範囲のものとなるまで上記2つの
ステップを繰り返して最終的な変更形状を決定する訳で
あるが、からる動特性の開発を効率良く行なうために
は、変更後の構造物の振動を効率良く調べ得るだけでな
く、さらに振動を目標範囲内に抑えるためには構成部分
をどの様に変更すれば良いかを効率良く予測し決定し得
ることが要請される。
本発明の目的は、上記事情に鑑み、上記E−BBAを用
いた振動予測と組合せ、構成部分の最適変更形状等を効
率良く予測し決定することのできる構造決定方法および
装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明に係る構造決定方法は、上記目的を達成するた
め、 構造物の構成部分の形状等を変更する場合にその構成
部分の変更後の形状等を決定する構造決定方法であっ
て、 変更前の構造物の加振実験を行ない、該加振実験のデ
ータにモーダル解析を施して上記変更前の構造物の動特
性を演算し、 変更前の上記構成部分のFEMモデルを作成し、該作成
されたFEMモデルの動特性を演算し、 上記変更前の構成部分のエネルギ分布を演算し、該エ
ネルギ分布に基づいて上記構成部分の形状等を変更し、 該変更後の構成部分のFEMモデルを作成し、該作成さ
れたFEMモデルの動特性を演算し、 上記変更前の構成部分のFEMモデルの動特性と上記変
更後の構成部分のFEMモデルの動特性との差である動特
性変化分を演算し、 E−BBA計算理論に基づいて、上記動特性変化分と上
記モーダル解析によって得られた変更前の構造物の動特
性とを加算して変更後の構造物の動特性を演算し、 該演算によって求められた変更後の構造物の動特性が
目標動特性を満足しているか否かを検討することを特徴
とする。
本発明に係る構造決定装置は、上記目的を達成するた
め、 請求項1に記載の構造決定方法を実施するための構造
決定装置であって、 変更前の構造物の加振実験を行ない、該加振実験のデ
ータにモーダル解析を施して上記変更前の構造物の動特
性を演算するモーダル解析手段と、変更前の上記構成部
分のFEMモデルを作成し、該作成されたFEMモデルの動特
性を演算する第1FEM解析手段と、変更前の上記構成部分
のエネルギ分布を演算するエネルギ分布演算手段と、該
演算により求められた上記変更前の構成部分のエネルギ
分布に基づいて変更した変更後の上記構成部分のFEMモ
デルを作成し、該作成されたFEMモデルの動特性を演算
する第2FEM解析手段と、上記変更前の構成部分のFEMモ
デルの動特性と変更後の構成部分のFEMモデルの動特性
との差である動特性変化分を演算し、この動特性変化分
を上記モーダル解析手段によって演算された変更前の構
造物の動特性に加算して変更後の構造物の動特性を演算
するE−BBA演算手段とを備えて成ることを特徴とす
る。
上記エネルギとは、歪エネルギおよび/または運動エ
ネルギを意味する。
上記エネルギ分布とは、対策構成部分が有するエネル
ギの構造物全体が有するエネルギに対する割合(分担
率)もしくは対策構成部分を複数の部位に分割した場合
における各部位が有するエネルギの構造物全体が有する
エネルギに対する割合を意味し、後者の如く対策構成部
分を複数の部位に分割した場合は、さらに各部位が有す
るエネルギの対策構成部分全体が有するエネルギに対す
る割合もしくは各部位の有するエネルギ同志の割合等を
意味する。
上記エネルギ分布の演算は、例えば上記E−BBAの理
論式がエネルギの次元であることに鑑み、上記加振実験
およびモーダル解析によって得られる変更前の構造物、
対策構成部分もしくは対策構成部分の各部位の動特性と
上記変更前の対策構成部分のFEMモデルの動特性とに基
づいて上記E−BBAの理論式を利用して演算することが
できる。
(作用) (1) 一般にある部分のもつ歪エネルギが大きければ
その部分に変形が大きいことを意味し、例えば肉厚を大
きくしたりリブを設ける等の変形抑止措置をとることに
より有効な対策を施すことができる。また、ある部分の
もつ運動エネルギが大きければその部分が良く振動して
おり、例えばその部分のマスを変化させると敏感に振動
特性が変わるということを意味し、よってマスを変える
等の振動抑止措置をとることにより有効な対策を施すこ
とができる。また、反対にその部分の歪エネルギや運動
エネルギが小さいときは、その部分に対策を施しても有
効な対策にはなり得ないし、さらにはその部分は肉厚を
薄くしたりして軽量化、構造の簡素化を図り得ることと
なる。即ち、歪エネルギや運動エネルギ分布を利用すれ
ば、対象とする振動に対して寄与の大きい部分か小さい
部分かを知ることができる。
従って、対策構成部の有するエネルギ分布、例えば対
策構成部分が有するエネルギの構造物全体が有するエネ
ルギに対する割合(分担率)を見れば、その対策構成部
分にどの様な対策を施せばどの様な効果が得られるかを
予測することができ、また対策構成部分の各部位が有す
るエネルギの構造物全体が有するエネルギに対する割合
(分担率)を見れば、各部位毎に予測することができる
のでさらに正確に対策構成部分の最適な変更案を予測す
ることが可能となり、最適変更案を効率良く決定するこ
とができる。
(2) なお、上記エネルギ分布を見るのは結局振動に
対する寄与率を見ていることに他ならず、かかる振動に
対する寄与率を求める方法の代表的なものとして、次の
3つが知られている。
FEMによって歪エネルギおよび運動エネルギの分布を
求める方法(MSC/NASTRAN,Theoretical Manual,§5,Str
uctural Elements for the Displacement Method) FEMによって各部分又は部分間の感度を求める方法(M
SC/NASTRAN,Theoretical Manual,§9,Desigh Sensitivi
ty Analysis) 加振実験によって得られた伝達関数によって各部分又
は部分間の感度を求める方法 しかしながら、上記,のFEMを用いる方法は、広
く使用されてはいるが、構造物全体のFEMモデルを作る
必要がある。さらに、構造物が複雑になれば、FEMモデ
ルの精度確認のための実験も必要になる。このため、上
記,の方法は入手と時間がかかるという問題があ
る。
また、上記の方法は、対象物が存在する場合、効率
的な方法である。しかし、特性の点の質量を変えた場合
の影響と、特定の2点間の剛性を変更した場合の影響の
大きさはわかるが、その部分又は部位の寄与率はわから
ないし、部分全体を変更した様な場合にどれだけ振動特
性が変化するかを正確に知ることは困難である。
これに対し、エネルギ分布を上述のE−BBAを利用し
て求める方法によれば、構造物全体のFEMモデルを作る
必要がなく、上記,のFEMを用いる方法に比して極
めて短時間で簡単にエネルギ分布を求めることができ、
しかもそのE−BBAを利用するエネルギ分布演算を上記
E−BBAに基づく振動予測と組合せれば、E−BBAを利用
するエネルギ分布演算はE−BBAに基づく振動予測を行
なうにあたって得られたデータを利用することによって
エネルギ分布演算を行なうためのデータ入手に殆んど工
数を必要とせず、従って極めて簡単にエネルギ分布を求
めることができ、それによって効率的に最適変更形状を
決定することができる。
以下に、上記E−BBAを利用したエネルギ分布演算に
ついて詳説する。
まず、上記E−BBAの理論式はエネルギの次元であ
る。即ち、上記E−BBAの基本式において、 は変更後の構造物全体の運動エネルギを表わし、そのう
は変更前の構造物全体の運動エネルギを、[φ
[ΔM][φ]は対策構成部分の変更前後の運動エ
ネルギの差を表わしている。同様に、 は変更後の構造物全体の歪エネルギを表わし、そのうち は変更前の構造物全体の歪エネルギを表わし、[φ
[ΔK][φ]は変更前後の歪エネルギの差を表わ
している。
従って、上記基本式を利用すれば、 から変更前の構造物全体の運動および歪エネルギが求め
られ、また[ΔM],[ΔK]の代わりに変更前の対策
構成部分の物理質量行列[M]、物理剛性行列[K]を
置けば、[φ[M][φ]および[φ
[K][φ]によって変更前の対策構成部分の運動
エネルギおよび歪エネルギが得られ、さらに変更前の対
策構成部分の各部位のモードシェープ[φ]を用いれ
ば[φ[M][φ]および[φ[K]
[φ]によって上記各部位の運動および歪エネルギを
求めることができ、これらから対策構成部分のエネルギ
分布を求めることができる。
つまり、E−BBAを利用してエネルギ分布を求める方
法は、既に存在する変更前の構造物に対する加振実験に
より求められる[φ], [φ]と変更前の構成部分のみのFEMモデルによる
[M],[K]とからエネルギ分布が求められ、上記加
振実験はFEMモデルを作る場合に比して極めて短期間で
簡単に行なうことができ、しかも面倒なFEMモデル作成
は変更前の対策構成部分のみで良いので、上記従来の構
造物全体のFEMモデルを作って求める方法に比して極め
て簡単である。
また、上記E−BBAを利用してエネルギ分布を求める
方法は、上記E−BBAに基づく振動予測と組合せること
により、さらに簡単に実行することができる。即ち、上
記E−BBAに基づく振動予測を行なうにあたって上記 ,[φ]が加振実験によって求められ、また上記変更
前の対策構成部分の[K],[M]もFEMモデルを作っ
て求められる。さらに、上記対策構成部分の各部位のモ
ードシェープ[φ]も、予めその各部位に振動ピック
アップを設けておくことにより上記加振実験によって上
[φ]と同様に求めることができる。なお、上記[φ
]を上記加振実験とは別個の加振実験で求めたとして
も、その加振実験はそれ程手間はかからず、簡単に行な
うことができる。
即ち、上記E−BBAを利用してエネルギ分布を求める
方法は、E−BBAによる振動予測によって求められるデ
ータもしくはそれらと加振実験によって容易に求められ
るデータのみによって簡単に求めることができ、従って
E−BBAによる振動予測に上記E−BBAを利用したエネル
ギ分布演算を組合せれば、極めて効率的に最適な変更形
状を予測し、決定することができる。
(実 施 例) 以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳
細に説明する。
第1図は本発明に係る構造決定方法の一実施例を実施
するための構造決定装置の一実施例を示すブロック図で
ある。本実施例における構造決定装置は動特性の開発を
行なうための装置であって、開発対象たる構造物はエン
ジン10と、トランスミッション12と、フロントプロペラ
シャフト14と、リヤプロペラシャフト16と、デファレン
シャルギヤ18とを組合せたパワートレイン組立体20であ
り、振動対策を施すべくその形状等の変更を行なう対策
構成部分はリヤプロペラシャフト16である。
図示の構造決定装置は、モーダル解析手段22と、第1F
EM解析手段24と、エネルギ分布演算手段26と、第2FEM解
析手段28と、E−BBA演算手段30とを備えて成る。
上記モーダル解析手段22は、構造物であるパワートレ
イン組立体20を加振する加振手段32と、該組立体20の振
動を検出する加速度ピックアップ等の振動検出手段34
と、モーダル解析を行なって動特性を算出する演算部36
とを備えて成る。この演算部36は、加振実験データ収録
プログラム、フーリエ変換プログラムおよびカーブフィ
ットプログラムを有する。
上記第1および第2FEM解析手段24,28は、それぞれ対
策構成部分であるリヤプロペラシャフト16について対策
前(変更前)のリヤプロペラシャフト16のFEMモデルお
よび対策後(変更後)のリヤプロペラシャフト16のFEM
モデルを作成し、かつFEMによりそれらのモデルの動特
性を算出するものであり、FEMモデル作成プログラムとF
EM解析プログラムとを有する。
上記エネルギ分布演算手段26は、対策構成部分である
リヤプロペラシャフト16が有するエネルギのパワートレ
イン組立体20が有するエネルギに対する割合(分担率)
およびリヤプロペラシャフト16の各部位が有するエネル
ギのパワートレイン組立体20が有するエネルギに対する
割合(分担率)を演算するものであり、以下に述べるE
−BBA理論式を利用したエネルギ分布演算プログラムを
有する。
上記E−BBA演算手段30は、上記第1および第2FEM解
析手段24,28によって求められた変更前のリヤプロペラ
シャフトのFEMモデルの動特性と変更後のリヤプロペラ
シャフトのFEMモデルの動特性との間の変化分を算出
し、E−BBA計算理論により該変化分を上記モーダル解
析手段22によって求められたパワートレイン組立体の動
特性に加算して変更後のパワートレイン組立体の動特性
を求めるものであり、E−BBA解析プログラムを有す
る。
次に、上記構造決定装置による構造決定方法につい
て、そのフローを示す第2図およびリヤプロペラシャフ
トを各部位に分割した状態を示す第3図を参照しながら
説明する。以下に説明する方法は、試作された実際のパ
ワートレイン組立体20が存在し、その構成部分であるリ
ヤプロペラシャフト16の形状等を変更する場合、その変
更後のパワートレイン組立体(変更後のリヤプロペラシ
ャフトを組込んだ組立体)の振動を評価しつつリヤプロ
ペラシャフトの最適変更形状を決定するものである。
E−BBAによる振動予測 まず、P1において変更前の全体構造物であるパワート
レイン組立体20に対し加振手段32で所定の荷重を与え、
該荷重によって生じるパワートレイン組立体20の振動
(加速度)を該組立体20上に配置した上記加速度ピック
アップ34によって検出する。この様な振動検出は、一般
的に組立体20上の例えば数十点で行なわれるが、本実施
例では、予め対策構成部分がリヤプロペラシャフト16と
されており、かつリヤプロペラシャフトは第3図に示す
様に3つの部位16a,16b,16cに分割して変更形状を検討
することとされていることから、第1図に示す様に、フ
ロントプロペラシャフト14上の1点と共に少なくともリ
ヤプロペラシャフトの各部位16a,16b,16c上の各1点に
加速度ピックアップ34を配置し、それらの各部16a,16b,
16cの振動を検出するようにしている。そして、上記加
振手段32によって与えられた加振力(F)とピックアッ
プ34から検出された加速度(α)とをFFT(Fast Fourie
r Transform;高速フーリエ変換)機能を有する演算部36
により周波数分析、即ちフーリエ変換し、そうすること
によって伝達関数、例えば周波数−アクセラレンス(α
/F)曲線を求め、該伝達関数の特定のピークに対してカ
ーブフィットを行なうことにより変更前の組立体20の動
特性であるモーダルパラメータ、即ちモードシェープ
[φ]、モーダルマス およびモーダルスティフネス を求める。
次に、P2において、パワートレイン組立体20の中の形
状等の変更を行なう部分、つまり対策構成部分を抽出す
る。本実施例では、この対策構成部分としてリヤプロペ
ラシャフト16を抽出する。
上記の様に対策構成部分を抽出したら、P3において、
上記第1FEM解析手段24により、対策構成部分であるリヤ
プロペラシャフト16について、対策前(変更前)のリヤ
プロペラシャフトのFEMモデルを作成し、その変更前のF
EMモデルの動特性である物理質量行列[M]および物理
剛性行列[K]を求める。
次に、P4〜P10に従って対策構成部分であるリヤプロ
ペラシャフトの形状等の変更案を決定する。なお、この
P4〜P10については後に詳述する。
そして、P10で変更案を決定したら、第2FEM解析手段2
8により、P11でその変更案の形状等のリヤプロペラシャ
フト、即ち変更後のリヤプロペラシャフトのFEMモデル
を作成し、その変更後のFEMモデルの動特性である物理
質量行列[M′]および物理剛性行列[K′]を求め
る。
しかる後、P12において、上記E−BBA演算手段30によ
り、変更前後のリヤプロペラシャフトの上記動特性の変
化分[ΔM]および[ΔK]を計算し、 [ΔM]=−[M]+[M′] [ΔK]=−[K]+[K′] それらの変化分と上記モーダル解析手段22により求めた
変更前のパワートレイン組立体の動特性であるモーダル
パラメータとをE−BBAの基本式に基づいて加算し、そ
うすることによって変更後のパワートレイン組立体の動
特性であるモーダルパラメータを求める。
以下、このE−BBAの基本式について詳細に説明す
る。
今、第4図(a)に示す形状の構造物が存在し、その
構造物の一部を変更して第4図(b)に示す形状の構造
物とする場合について考える。
この場合、物理質量および物理剛性の行列は次の様に
なる。
[M′]=[M]+[ΔM] ……(1) [K′]=[K]+[ΔK] ……(2) ただし、[M] :変更前の構造物全体の物理質量行
列 [K] :変更前の構造物全体の物理剛性行
列 [M′]:変更後の構造物全体の物理質量行
列 [K′]:変更後の構造物全体の物理剛性行
列 [ΔM]:変更前後における物理質量変化分
の行列 [ΔK]:変更前後における物理剛性変化分
の行列 上記[ΔM],[ΔK]は次の様にして求めることが
できる。つまり、今変更前後の物理質量および物理剛性
行列を詳細に示すと以下の様になる。
従って、 となり、[ΔM],[ΔK]は構造変更部分の変更前後
の構造により求まる。
一方、変更前後の振動方程式は以下の様になる。
[M]{}+[K]{X}={F} ……(5) [M′]{′}+[K′]{X′}={F} ……(6) 今、この[M],[K]を固有値解析するとモードシ
ェープ行列[φ]が求まる。この[φ]を用いる
と、 {X}=[φ]{u} ……(7) ただし、{u}:モード自由度 となり、この(7)式を上記(5),(6)式に代入
し、前から[φを乗じると、 [φ[M][φ]{}+[φ [K][φ]{u}=[φ{F} ……(8) [φ[M′][φ]{′}+[φ [K′][φ]{u′}=[φ{F} ……(9) が得られる。
上記(8)式から下式が得られる。
ただし、 そして、上記(9)式と、(1),(2),(10)式
より、前述のE−BBAの基本式である下式が得られる。
この基本式(11)を固有値解析すると変更後の構造物
のモードシェープ行列[φ′]が得られる。また、次式
より変更後の構造物のモーダルマス行列 およびモーダルスティフネス行列 が得られる。
なお、上記(12),(13)式をさらに説明すると次の
通りである。
即ち、まず変更後のパワートレイン組立体20の対角化
されていないモーダルマス行列[m′]とモーダルステ
ィフネス行列[k′]とが下式(14),(15)によって
得られ、 さらに下式(16),(17)によって変更後のパワートレ
イン組立体の対角化されたモーダルマス行列 とモーダルスティフネス行列 とが得られる。
上述の様に、変更前の構造物全体の動特性であるモー
ダルパラメータ[φ], および変更前後の動特性である物理質量と物理剛性の変
化分の行列[ΔM],[ΔK]から、上記基本式によ
り、変更後の構造物の動特性であるモーダルパラメータ
[φ′], を求めることができ、固有モード、固有振動数を求める
ことが可能となる。更に、上記[φ′], を用いて伝達関数[G(ω)]を(18)式によって求め
ることができる。
[G(ω)]=[φ′] 従って、それらにより変更後の構造物の振動評価を適
正に行なうことが可能となる。
そして、上記の如く変更後のパワートレイン組立体20
の動特性を算出したら、P13において、それらの動特性
に基づいて変更後のパワートレイン組立体20の振動評価
を行ない、その振動が目標とする振動特性を満足してい
るか否かの判定を行ない、満足していなければP7あるい
はP10に戻って再度リヤプロペラシャフトの変更案を修
正し、P11を経てP12で変更後のパワートレイン組立体の
動特性を算出する。そして、P13で最終的に目標振動特
性を満足していると判定されれば、そこで動開発特性は
終了する。
なお、上記E−BBAによる計算精度を向上させるた
め、静縮少を採用することが望ましい。即ち、加振実験
の際振動を加速度計により計測するが、現在の加速度計
である一点の変位はX,Y,Zの並進方向の変位しか検出す
ることができず、振動時には回転も生じているがその回
転角は加振実験において通常測定されない。従って、加
振実験においては6自由度のうち回転を除くX,Y,Zの3
方向、つまり3自由度のみを計測することとなる。これ
に対し、FEMにおいてそのFEMモデルはX,Y,Z方向の変位
の他それらの軸の回りの回転角をも持っている、つまり
6自由度をもっている。従って、加振実験の場合とFEM
との間では自由度が合わず、それが大きな計算誤差の要
因となり得る。そこで、静縮少によりFEMの6自由度を
3自由度に落とし、そうした上でE−BBAの計算を行な
うことが望ましく、そうすることにより計算精度の向上
が図れる。
なお、静縮少という手法はFEMでの計算時間を減少さ
せるためのものであり、その詳細は例えば自動車技術会
論文集No.30 1985の第68頁〜第75頁「車体の大規模振動
解析法」西岡正夫他やMSC/NASTRAN Primer Static and
Normal Modes Analysis Harry G.Schaeffer等に記載さ
れている。
上記E−BBAを用いた方法は、BBAを用いた方法と同様
に、変更後の構成部分についてはFEMにより行なうので
該変更後の構成部分を実際に作成する必要がなく、また
FEMは変更前後の構成部分についてのみ行なうので多数
のFEMモデルを行なう必要もなく、従ってBBAの長所をそ
のまま引継ぐものである。
また、加振実験は変更前の構造物について1回のみで
良く、これは対策構成部分を除いたものに対して加振実
験を行なうBBAを用いた方法においてはその対策構成部
分が例えば中央に位置するものである場合残りの部分が
必然的に多数のコンポーネントに別れてしまい、その結
果加振実験も多数回行なわれなければならないことが多
いのに比し、試験工程数の減少という意味で極めて大き
な利点ということができる。また、その試験工程数が少
ないということにより、時間、コストの減少および誤差
の累積解消を図ることができる。
また、加振実験は変更前の構造物全体に対して行なう
だけであるので、例えば構造部が車体ボディである場合
において対策構成部分がサイドシルの如く容易に分離し
得ないものである場合においても本方法は容易に適用す
ることができ、この点もBBAを用いる方法に比し大きな
利点である。
また、BBAを用いる方法では剛体モードを無視すると
大きな誤差が生じるのでそれを無視することはできない
が、E−BBAを用いる方法では剛体モードを無視しても
誤差は小さく、実用上は剛体モードを無視することがで
きる場合が多い。特に、変更前後の質量差つまり質量変
化分が最初の構造物全体の10%以下であれば剛体モード
を無視しても誤差は0.7〜0.8%以下(理論計算で確認
済)であり、殆んど問題は生じない。
さらに、上記E−BBAを用いる方法においては、BBAを
用いる方法において顕著であった結合部特性を正確に把
握することが困難という問題を解決することができる。
即ち、E−BBAを用いる方法においては最初に構造物全
体の動特性を求めるので、各結合部特性は全てその構造
物全体の動特性の中に含まれている。そして、構成部分
の形状等を変更する場合通常は結合部分まで変更するこ
とは殆んどないので、その様に結合部分は変更されない
ということを前提とすれば、対策構成部分を結合部を含
まない状態で設定し、従ってFEMモデルも結合部を含ま
ないものとし、そうすると該モデルの変更前後の物理剛
性行列も結合部特性を含まないものとすることができ、
よって本E−BBAを用いる方法によれば結合部特性を把
握することなく変更後の組立体の動特性を予測すること
ができる。勿論結合部が変化する場合には、結合部を含
んだ状態でFEMモデルを作り、上記変更前後の物理剛性
行列の変化分[ΔK]を、変更される構成部分の内部剛
性の変化と結合部剛性の変化の双方を含ませて計算する
ことにより、その結合部の変化を適正に考慮した結果を
得ることができる。
E−BBAを利用するエネルギ分布演算 次に、上記P4〜P9について詳細に説明する。このP4〜
P9のステップは、対策構成部分であるリヤプロペラシャ
フトのエネルギ分布を計算し、それによりリヤプロペラ
シャフトが対策構成部分として適当か否かを判断し、適
当であればさらにリヤプロペラシャフトのエネルギ分布
に基づきリヤプロペラシャフトの形状等の変更案を決定
するものである。
即ち、変更対策部分であるリヤプロペラシャフトのエ
ネルギを求め、そのエネルギのパワートレイン組立体の
エネルギに対する割合(分担率)を算出すれば、その分
担率の大きさによってリヤプロペラシャフトに対策を施
した場合最大どこまで組立体の振動特性を改善できる
か、つまり対策構成部分として適当な否かを判断するこ
とができるし、また、実際にリヤプロペラシャフトに対
策を施すにあたっては、リヤプロペラシャフトを複数の
部位に分割し、各部位のエネルギを求め、それらのパワ
ートレイン組立体のエネルギに対する分担率を算出すれ
ば、それらに基づいてリヤプロペラシャフトの各部位の
うちどこが重要かあるいはどの部位をどの様に変更すれ
ば良いかを具体的かつ適確に知ることができ、最適な変
更案を効率的に決定することができる。
上記P4〜P10は、上記知見に基づいてリヤプロペラシ
ャフトが対策構成部分として適当であるかを判定すると
共に該リヤプロペラシャフトの変更案を決定するもので
ある。
まず、P4において、対策構成部分として抽出されたリ
ヤプロペラシャフトの持つ歪エネルギESと運動エネルギ
EKとを算出する。この算出は、上記モーダル解析手段22
によって求められたパワートレイン組立体のモードシェ
ープ[φ]と上記第1FEM解析手段24によって求められ
た変更前のリヤプロペラシャフトの物理質量[M]およ
び物理剛性[K]とに基づき、下式(19),(20)によ
って行なわれる。
ES=[φ][K][φ] ……(19) EK=[φ][M][φ] ……(20) ES,EKが上記(19),(20)式により求められること
は既に説明した通りである。
上記の様にして変更前のリヤプロペラシャフトの歪エ
ネルギES、運動エネルギEKを求めたら、次に、P5におい
て、それらES,EKの変更前のパワートレイン組立体の歪
エネルギおよび運動エネルギに対する分担率を算出す
る。それらの分担率は、前述した様に、変更前のパワー
トレイン組立体の歪エネルギおよび運動エネルギは および で表わされることから、下式(21),(22)によって求
められる。
そして、上記の様にしてプロペラシャフトのエネルギ
分担率を求めたら、それらの大きさに基づいてプロペラ
シャフトが対策構成部分として適当であるか否か、即ち
それらの分担率が所定値以上であるかをP6で判定する。
もし、適当でなければP2に戻り、他の構成部分を対策
構成部分として抽出し、P3〜P6によりそれが対策構成部
分として適当か否かを判定する。本実施例ではリヤプロ
ペラシャフトが対策構成部分として適当であったとして
次に進む。
リヤプロペラシャフト16が対策構成部分として適当で
あったと判定されれば、次にP7に進み、変更前のリヤプ
ロペラシャフトを適当な複数の部位(本実施例では3つ
の部位)に分割し、P8で各部位の歪エネルギEsiと運動
エネルギEkiとを算出する。
本実施例では、第3図に示す様にプロペラシャフトを
3つの部位16a,16b,16cに分割し、それらの各部位の歪
エネルギEsiと運動エネルギEkiを下式(23),(24)に
よって求める。
Esi=[φ[K][φ] ……(23) Eki=[φ[M][φ] ……(24) (i=2,3,4) 上記式(23),(24)において、ES2,ES3,ES4はそれ
ぞれ部位16a,16b,16cの歪エネルギ、Ek2,Ek3,Ek4はそれ
ぞれ部位16a,16b,16cの運動エネルギ、[φ],[φ
],[φ]はそれぞれ部位16a,16b,16cのモードシ
ェープである。
なお、上記[φ],[φ],[φ]は上記各部
位16a,16b,16cにそれぞれピックアップ34を設け、上記
モーダル解析手段22によって加振試験を行ない、各ピッ
クアップにより各部位の振動データx1,x2,x3を収録し、
上記演算部36によってモーダル解析を行なって求めれば
良い。本実施例では、前述の様に予めプロペラシャフト
を上記3つの部位16a,16b,16cに分割することを決めて
おき、従って上記パワートレイン組立体の加振実験を行
なってその動特性[φ], を求める際に各部位16a,16b,16cにピックアップ34を配
置してパワートレイン組立体の動特性と同時に上記各部
位のモードシェープ[φ],[φ],[φ]も求
めるようにしている。
上記の如くして各部位16a,16b,16cの歪エネルギと運
動エネルギとを求めたら、次にP9で各部位の歪エネルギ
および運動エネルギのリヤプロペラシャフト全体の歪エ
ネルギおよび運動エネルギに対する分担率を、下式(2
5),(26)に基づいて算出する。
各部位の歪エネルギ分担率:Esi/Es ……(25) 各部位の運動エネルギ分担率:Eki/Ek ……(26) そして、各部位のエネルギ分担率Esi/EsおよびEki/Ek
を求めたら、それらに基づいてP10で適宜リヤプロペラ
シャフトの変更案を決定する。
なお、第3図中において、Wはパワートレイン組立体
全体の有するエネルギ、wは対策構成部分であるリヤプ
ロペラシャフト16全体の有するエネルギ、w2,w3,w4はそ
れぞれリヤプロペラシャフトの各部位16a,16b,16cの有
するエネルギであり、上記第2図に基づく説明との関係
は下記の通りである。
w=w1+w2+w3=Es+Ek w2=ES2+EK2 w3=ES3+EK3 w4=ES4+EK4 上記の様に、対策構成部分の変更案を決定するにあた
って、該対策構成部分のエネルギ分布を求め、それに基
づいて変更案を決定することにより効率適に最適変更案
を決定することができる。
また、エネルギ分布を求めるにあたっては、上記の様
にE−BBAの理論計算式を利用する方法によれば、前述
の様に構造物全体のFEMモデルを作る必要はなく、実際
に存在する変更前の構造物に対する加振実験と対策構成
部分のみのFEMモデルを作るだけで求めることができ、
従来の構造物全体のFEMモデルを作成する場合に比して
必要な時間、工数を飛躍的に減少させることができる。
さらに、上記E−BBAの理論計算式を利用するエネル
ギ分布を求める方法は、特にE−BBAによる振動予測と
組合せることによって、前述の様に極めて簡単に実行す
ることができる。
なお、上記第2図に示す実施例ではP4〜P6において対
策構成部分として適当か否かの検討を行なっているが、
構造物によっては経験的にどこの部分に対策を施すべき
であるかを予め知ることができる場合があり、その様な
場合にはそのP4〜P6のステップは省略することができ
る。
また、第2図に示す実施例では、対策構成部分の変更
案を、P7〜P9により対策構成部分の各部位のエネルギ分
担率に基づいて決定しているが、前述の様に、それより
も精度は落ちるものの、各部位に分けることなく対策構
成部分全体のエネルギ分担率のみに基づいて決定するこ
とも可能である。
また、本発明は、構造物の振動を目標範囲内に抑える
ために構成部分の形状を変更する場合に限らず、例えば
構造物の構成部分をどこまで軽量化できるか等を検討す
る場合にも適用可能である。
(発明の効果) 以上詳細に説明した様に、本発明に係る構造決定方法
および装置は、変更後の構造物の振動予測をE−BBAに
より行なうので前述した様に高精度かつ短時間で振動予
測を行なうことができ、かつその際の変更形状を対策構
成部分のエネルギ分布を求めそれに基づいて決定するよ
うにしているので、最適変更形状を極めて効率的に決定
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、 第2図は本発明の一実施例を示すフローチャート、 第3図は対策構成部分を各部位に分割した状態を示す
図、 第4図はE−BBAを説明するための図、 第5図は従来のモーダル解析を用いる方法の一例を示す
フローチャート、 第6図は従来のFEMを用いる方法の一例を示すフローチ
ャート、 第7図は従来のBBAを用いる方法の原理を示すフローチ
ャート、 第8図は従来のBBAを用いる方法の具体例を示すフロー
チャートである。 20……構造体 16……対策構成部分 22……モーダル解析手段 24……第1FEM解析手段 26……エネルギ分布演算手段 28……第2FEM解析手段 30……E−BBA演算手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−120636(JP,A) 部分構造合成法による動特性の予測 結合部特性取り扱いの簡素化 森田茂、 宇都宮昭則、他 日本機械学会通常総会 講演会講演論文集 Vol.67th P age165〜167(1990) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物の構成部分の形状等を変更する場合
    にその構成部分の変更後の形状等を決定する構造決定方
    法であって、 変更前の構造物の加振実験を行ない、該加振実験のデー
    タにモーダル解析を施して上記変更前の構造物の動特性
    を演算し、 変更前の上記構成部分のFEMモデルを作成し、該作成さ
    れたFEMモデルの動特性を演算し、 上記変更前の構成部分のエネルギ分布を演算し、該エネ
    ルギ分布に基づいて上記構成部分の形状等を変更し、 該変更後の構成部分のFEMモデルを作成し、該作成され
    たFEMモデルの動特性を演算し、 上記変更前の構成部分のFEMモデルの動特性と上記変更
    後の構成部分のFEMモデルの動特性との差である動特性
    変化分を演算し、 E−BBA計算理論に基づいて、上記動特性変化分と上記
    モーダル解析によって得られた変更前の構造物の動特性
    とを加算して変更後の構造物の動特性を演算し、 該演算によって求められた変更後の構造物の動特性が目
    標動特性を満足しているか否かを検討することを特徴と
    する構造決定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の構造決定方法を実施する
    ための構造決定装置であって、 変更前の構造物の加振実験を行ない、該加振実験のデー
    タにモーダル解析を施して上記変更前の構造物の動特性
    を演算するモーダル解析手段と、変更前の上記構成部分
    のFEMモデルを作成し、該作成されたFEMモデルの動特性
    を演算する第1FEM解析手段と、変更前の上記構成部分の
    エネルギ分布を演算するエネルギ分布演算手段と、該演
    算により求められた上記変更前の構成部分のエネルギ分
    布に基づいて変更した変更後の上記構成部分のFEMモデ
    ルを作成し、該作成されたFEMモデルの動特性を演算す
    る第2FEM解析手段と、上記変更前の構成部分のFEMモデ
    ルの動特性と変更後の構成部分のFEMモデルの動特性と
    の差である動特性変化分を演算し、この動特性変化分を
    上記モーダル解析手段によって演算された変更前の構造
    物の動特性に加算して変更後の構造物の動特性を演算す
    るE−BBA演算手段とを備えて成ることを特徴とする構
    造決定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
部分構造合成法による動特性の予測 結合部特性取り扱いの簡素化 森田茂、宇都宮昭則、他 日本機械学会通常総会講演会講演論文集 Vol.67th Page165〜167(1990)

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Publication number Publication date
JPH0465773A (ja) 1992-03-02

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