JP3009534U - サンダル・靴等の履物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、履物の底の部分に空隙部に於ける
エアクッションからなる緩衝作用によって弾力性のある
履き心地と通気性を良好としたサンダル・靴等の履物に
関する。 【構成】 内部に凹部等の空間部からなる緩衝吸収部を
設けた履物底本体に、天板、中敷きなどの足裏対応部材
を対設してこの足裏対応部材によって緩衝吸収部を閉塞
すると共に、この足裏対応部材には、前記緩衝吸収部に
通じる通気部を設けたことを特徴とする構成にある。
又、本考案は、緩衝吸収部内に、消臭剤・芳香剤・坑菌
剤等を含浸させたクッション材を内装する場合もある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、履物の底の部分に空隙部に於けるエアクッションからなる緩衝作用 によって弾力性のある履き心地を良好としたサンダル・靴等の履物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、開放性履物としてサンダルがある。このサンダルの構成は、通常、足裏 形に裁断したボール紙芯の表面にスポンジ製の弾性材をのせ、更にこの弾性材を 塩化ビニール等の合成樹脂製シートからなる化粧シートを被覆してその周端をボ ール紙芯の裏側に折返し、そのまま接着して天板を形成した後、更にこの天板に バンドを取付けてから、あらかじめＥＶＡ樹脂板より形抜きした足裏形の履物底 の上面へ貼着した構成によるもか、或は成形によって足裏形に形成した一枚構成 の天板にバンドを取付けて、この天板をＥＶＡ樹脂で無垢状態の履物底へ貼着し た構成によるものである。

【０００３】 又、実開平２−１３６５０８号公報に開示されているように緩衝吸収性と反発 弾性を兼備した履物として、履物底の踵部、踏付け部に、変形により復元力が具 現する反発弾性素材と空気とを非通気性包材にて密封製袋した衝撃吸収性及び反 発弾性付与部材を挿着することにより衝撃吸収性とともに発弾性をも兼ね備える 構成のものが提案された。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記従来のサンダルは、足裏が対応する天板構成としてスポンジ製の 弾性材を使用したり、比較的弾力性のあるＥＶＡ樹脂製の履物底を使用して全体 に緩衝性を有する構成としてあっても、その弾性力は微細であるから長時間に亘 って歩行した場合、弾性力が失なわれて履き心地は悪くなる。又、天板へ足裏が 密着するので通気性も悪く、歩行時に生ずる汗等で悪臭を発することもあるし、 又、坑菌性に対しても低い等の問題点があった。

【０００５】 又、緩衝吸収性と反発弾性を兼備した履物は、反発弾性素材と空気とを非通気 性包材にて密封製袋した衝撃吸収性及び反発弾性付与部材を挿着する構成である から、緩衝性は有するが足に対し通気性は皆無であるから、前記と同様に悪臭を 発することもあるし、又、坑菌性に対しても低い等の問題点を有する。

【０００６】 本考案は、前記した従来の課題を解消するためになされたものでその目的とす るところは、凹部からなる緩衝吸収部を設けた履物底本体に、天板等の足裏対応 部材を対設してこの足裏対応部材によって緩衝吸収部を密封し、更に足裏対応部 材には、前記緩衝吸収部に通じる通気部を設けて長時間に亘って歩行しても、弾 性力が失なわれることなく常に履き心地が良好で、通気性も良く清潔で坑菌性も 高いサンダル・靴等の履物の提供にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

叙上の目的を達成するための本考案に係るサンダル・靴等の履物の手段は、内 部に凹部等の空間部からなる緩衝吸収部を設けた履物底本体に、天板、中敷きな どの足裏対応部材を対設してこの足裏対応部材によって緩衝吸収部を閉塞すると 共に、この足裏対応部材には、前記緩衝吸収部に通じる通気部を設けたことを特 徴とする構成にある。又、本考案は、緩衝吸収部内に、消臭剤・芳香剤・坑菌剤 等を含浸させたクッション材を内装する場合もある。

【０００８】

【作用】

本考案に係るサンダル・靴等の履物を実施例に示すようにサンダルとしこれを 製作して使用した場合は、先ず足裏形に形抜きしたボール紙等の芯材の表面に、 足裏形に形抜きしたスポンジからなる通気性のある弾性材を当て、この弾性材を 、あらかじめ適所に通気孔を穿設した塩化ビニール等の化粧シートにより被覆し て、その周端を前記芯材の裏面へ折返して接着し弾力性と通気性を有する天板か らなる足裏対応部材を形成してから、この足裏対応部材にバンドを掛け渡し更に その端部を足裏対応部材へ固着した後、このバンド付きの足裏対応部材を凹部等 の空間部からなる緩衝吸収部を設けた履物底本体に当てて、前記緩衝吸収部を足 裏対応部材によって閉塞し、この履物底本体内に緩衝用の空隙部を形成したサン ダルを得るもので、このサンダルを履いて歩行した場合、足裏対応部材の通気孔 より履物底本体の緩衝吸収部の空気が流通してサンダルにクッション性を出し、 歩行時の衝撃を吸収するので、その履き心地はきわめて良好となるし、又、通気 によって足裏も清潔に保つことができる。

【０００９】

【実施例】

次に本考案に係るサンダル・靴等の履物の実施例を図面に基づいて説明すると 、この実施例による履物はサンダルを示し図１はサンダルの要部を縦断した側面 図、図２は同要部を縦断した平面図、図３は接地部分を硬質材によって形成した サンダルを示し、更に図４は一枚構成の天板からなる足裏対応部材を使用したも のを示すもので、このサンダルＡは、内部に凹部等の空間部からなる緩衝吸収部 １を設けた履物底本体２と、天板、中敷きなどの足裏対応部材３と、この足裏対 応部材３に取付けたバンド４とより構成し、前記履物底本体１は、大形のＥＶＡ 樹脂板より足裏形に型抜きし、更に足の踏付け部に対応する部分に凹部からなる 緩衝吸収部１を形成してあるし、所定高さの踵部も有する。この履物底本体２は 、図３に示すように足裏形でリング状に形成した柔軟な合成樹脂製の履物底１ａ に硬質材による底板１ｂを対設し固着することによって内部に凹部からなる緩衝 吸収部１を形成した構成による場合もある。

【００１０】 次に履物底本体１に対設する天板からなる足裏対応部材３は、足裏形に裁断す ると共に、爪先側に複数の通気孔５を穿設したボール紙製の芯材６の表面に、こ れと同様に足裏形に形抜きした通気性のあるスポンジ製の弾性材７を載置し、更 にこの弾性材７の表面に、爪先側に近い部分に複数の孔からなる通気部８を穿設 した合成樹脂製シートによる化粧シート９を被覆して、その周端を前記芯材６の 裏側に折返し、そのまま接着して通気性良好な天板からなる足裏対応部材とする もので、この足裏対応部材３は、図４に示すように前記構成とは違い、ＥＶＡ樹 脂板より足裏形に型抜きした一枚構成のものを使用することもある。

【００１１】 更に、足裏対応部材３に取付けるバンド４は、足裏対応部材３の側部寄りに開 口させたバンド差込み口より端部を通してそのまま足裏対応部材３の裏側へ折返 して接着し、掛け渡して足を挿入可能としてある。

【００１２】 更に又、符号１０は、履物底本体２の上端に周設した化粧縁材である。

【００１３】 以上、この実施例によるサンダルＡの製作に際しては、足裏形に形抜きしたボ ール紙製の芯材６の表面に、同様に足裏形に形抜きしたスポンジからなる通気性 のある弾性材７を当て、更にこの弾性材７を、爪先側に複数の通気部８を穿設し た塩化ビニール製の化粧シート９により被覆した後、その周端を前記芯材６の裏 面へ折返して接着し弾力性と通気性を有する天板からなる足裏対応部材３を形成 してから、この足裏対応部材３にバンド４を掛け渡し、その端部を足裏対応部材 ３へ固着してから、このバンド４付きの足裏対応部材３を凹部等の空間部からな る緩衝吸収部１を設けた履物底本体２に当てて、前記緩衝吸収部１を足裏対応部 材３によって閉塞し、この履物底本体２内に緩衝用の空隙部を形成したサンダル Ａを得るもので、このサンダルＡを履いて歩行した場合、足裏対応部材３の通気 部８より履物底本体２の緩衝吸収部１の空気は、円滑に流通してサンダルＡにク ッション性を出し、歩行時の衝撃を吸収するので、弾力性に富みその履き心地は きわめて良好となるし、又、通気によって足裏も清潔に保つことができる。

【００１３】 次に本考案に係るサンダル・靴等の履物の他の実施例を図５に基づいて説明す ると、この実施例によるものは凹状の緩衝吸収部１′内に、消臭剤・芳香剤・坑 菌剤等を含浸させたクッション材１１を内装したもので、このサンダルＡ′は、 内部に凹部等の空間部からなる緩衝吸収部１′を設けた履物底本体２′と、天板 構成からなる足裏対応部材３′と、この足裏対応部材３′に取付けたバンド４′ と、前記クッション材１１とより構成し、前記履物底本体１′は、大形のＥＶＡ 樹脂板より足裏形に型抜きし、更に足の踏付け部に対応する部分に凹部からなる 緩衝吸収部１′を形成してあるし、所定高さの踵部も有する。

【００１４】 次に履物底本体１′に対設する天板からなる足裏対応部材３′は、足裏形に裁 断すると共に、爪先側に複数の通気孔５′を穿設したボール紙製の芯材６′の表 面に、これと同様に足裏形に形抜きした通気性のあるスポンジ製の弾性材７′を 載置し、更にこの弾性材７′の表面に、爪先側に近い部分に複数の孔からなる通 気部８′を穿設した合成樹脂製シートによる化粧シート９′を被覆して、その周 端を前記芯材６′の裏側に折返し、そのまま接着して通気性良好な天板からなる 足裏対応部材とするもので、この足裏対応部材３′は、ＥＶＡ樹脂板より足裏形 に型抜きした一枚構成のものを使用することもある。

【００１５】 更に、足裏対応部材３′に取付けるバンド４′は、足裏対応部材３′の側部寄 りに開口させたバンド差込み口より端部を通してそのまま足裏対応部材３′の裏 側へ折返して接着し、掛け渡して足を挿入可能としてある。

【００１６】 更に又、符号１０′は、履物底本体２′の上端に周設した化粧縁材である。

【００１７】 次に緩衝吸収部１′に収容するクッション材１１は、芳香剤等の吸収性の良い 弾性材を使用し、この弾性材へ使用用途に応じて消臭剤・芳香剤・坑菌剤を含浸 させるもので、前記足裏対応部材３′の通気部８′より芳香臭等を発するように 緩衝吸収部１′内へ収納させる。

【００１８】 以上、この実施例によるサンダルＡ′を履いて歩行した場合、クッション材１ １に例ば芳香剤を含浸させておけば、前記足裏対応部材３′の通気部８′より履 物底本体２′の緩衝吸収部１′内に於ける芳香臭の空気は、円滑に流通して周囲 に良好な臭を発すると共に、サンダルＡ′にクッション性を出し、歩行時の衝撃 を吸収するので、弾力性に富みその履き心地はきわめて良好となるし、又、通気 によって足裏も清潔に保つことができて、更にクッション材１１に含浸させた芳 香剤の臭気発生に伴い趣味性に富んだサンダルＡとなるものである。

【００１９】 叙上のように本考案に示す実施例のサンダル・靴等の履物は、サンダルを示し たが、通常の靴構成とすることがあって、その構成に於て、足裏対応部材３を靴 内に敷く中敷きとするもので、前記実施例と同様に歩行時、クッション性を出し 、歩行時の衝撃を吸収するので、弾力性に富みその履き心地はきわめて良好とな る。

【００２０】

【考案の効果】

前記のように本考案に係るサンダル・靴等の履物は、内部に凹部等の空間部か らなる緩衝吸収部を設けた履物底本体に、天板、中敷きなどの足裏対応部材を対 設してこの足裏対応部材によって緩衝吸収部を閉塞すると共に、この足裏対応部 材には、前記緩衝吸収部に通じる通気部を設けたことを特徴とする構成であるか ら、この履物を使用した場合は、緩衝吸収部により弾性力が発揮されので、長時 間に亘って歩行したときでも、弾性力は失なわれることはなく常時履き心地を良 好とする。又、天板等へ足裏が密着しても通気性も良好で、歩行時、足裏に汗を 掻くこともないので、該汗に伴う悪臭を発することもないから、清潔な履物とな る等の特有の効果がある。

【００２１】 本考案は、緩衝吸収部内に、消臭剤・芳香剤・坑菌剤等を含浸させたクッショ ン材を内装することによって、クッション材１１に含浸させた芳香剤の臭気発生 に伴い趣味性に富んだサンダルとるし、又、消臭剤の含浸によれば汗による悪臭 の発生を解消することができるし、更に坑菌剤によれば、水虫等に対しても充分 に対応できて、水虫の発生も防止できる実施上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るサンダル・靴等の履物の実施例を
示すもので、そのサンダルの一部を縦断した側面図であ
る。

【図２】同実施例の一部を破断した平面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す縦断側面図である。

【図４】本考案に係る足裏対応部材の変形例の使用状態
を示す縦断側面図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す一部を破断した側面
図である。

【符号の説明】

１ 緩衝吸収部 ２ 履物底本体 ３ 足裏対応部材 ４ バンド ５ 通気孔 ６ 芯材 ７ 弾性材 ８ 通気部 ９ 化粧シート １１ クッション材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ４３Ｂ 17/00 Ｂ 17/03

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に凹部等の空間部からなる緩衝吸収
   部を設けた履物底本体に、天板、中敷きなどの足裏対応
   部材を対設してこの足裏対応部材によって緩衝吸収部を
   閉窒すると共に、この足裏対応部材には、前記緩衝吸収
   部に通じる通気部を設けたことを特徴とするサンダル・
   靴等の履物。
2. 【請求項２】 緩衝吸収部内に、消臭剤・芳香剤・坑菌
   剤等を含浸させたクッション材を内装したことを特徴と
   する請求項１記載のサンダル・靴等の履物。