JP3009335B2 - 床板装置 - Google Patents

床板装置

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JP3009335B2
JP3009335B2 JP7009876A JP987695A JP3009335B2 JP 3009335 B2 JP3009335 B2 JP 3009335B2 JP 7009876 A JP7009876 A JP 7009876A JP 987695 A JP987695 A JP 987695A JP 3009335 B2 JP3009335 B2 JP 3009335B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はベッド、ソファ−ある
いは椅子などに用いられるクッション体を載置するため
の床板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記ベッド、ソファ−あるいは椅子など
においては、負荷となる利用者の荷重を弾性的に支持す
るための弾性支持構造が採用されることが多い。たとえ
ば、ベッドの場合、基体と、この基体に設けられた支持
装置に載置されるマットレスとから構成され、上記支持
装置によってマットレスに加わる利用者の荷重を上記マ
ットレスとともに弾性的に支持するため、上記支持装置
に弾性支持構造が採用されることがある。
【0003】弾性支持構造が採用されたベッドの場合、
ダブルクッションタイプといわれ、ボトムマットレスに
上部マットレスを載置して構成されたものが知られてい
る。上記ボトムマットレスは、利用者にソフトな感触を
与える上部マットレスを床面から所定の高さで確実に支
え、寝心地の向上を計るという役割を果たすもので、そ
のためボトムマットレスは硬いスプリング構造体が用い
られている。したがって、ボトムマットレス構造が複雑
で、高重量化するということがあった。
【0004】このようなボトムマットレスに代わる弾性
支持構造として、たとえば実開昭56−48853号公
報に示される床板装置が用いられている。この床板装置
は、上方に向かって湾曲した帯状の複数の板ばねを所定
間隔で配置し、これらの両端部を断面L字状の連結部材
でそれぞれ連結固定してなる。そして、これら板ばねの
端部を基体の側板内面に設けられた受け桟に係合させて
架設されている。
【0005】上記床板装置上にはクッション体であるマ
ットレスが載置され、このマットレス上に利用者が仰臥
することで、上記板ばねが弾性変形して利用者の荷重
(負荷)を支えることになる。
【0006】ところで、上記構成の床板装置によると、
その複数の板ばねの端部が連結部材によって連結固定さ
れている。これら板ばねの連結状態を強固なものとする
ために、連結部材を剛性の高い材料によって形成する
と、上記床板装置に加わる負荷に対して連結部材によっ
て連結された複数の板ばねが一体的に弾性変形し、それ
ぞれ別々に弾性変形しづらいということがある。
【0007】そのため、床板装置の一部に、たとえばマ
ットレス上に仰臥した利用者の臀部などによって大きな
負荷が加わった場合、床板装置はその大きな荷重に応じ
て全体が大きく弾性変形してしまうから、臀部の上下に
位置する背部や脚部の支持状態が損なわれる、つまり利
用者の身体が凹状に曲がってしまうということが生じ
る。
【0008】複数の板ばねを連結部材で連結しなけれ
ば、床板装置に部分的に大きな負荷が加わっても、それ
ぞれの板ばねを独立して弾性変形させることができる。
しかしながら、その場合、両端を基体の側板の内面に設
けられた受け桟に係合させただけの帯状の板ばねは幅方
向に捩じれが生じ易いから、がたついたりして架設状態
が不安定になるということがある。
【0009】しかも、上記床板装置に加わる負荷の変動
が大きな場合、板ばねの弾性変形量、つまり湾曲した板
ばねが平坦になる方向や湾曲する方向へ弾性変形する量
も大きくなるから、湾曲方向への変形量が大きくなり過
ぎた場合には、その端部が上記受け桟から外れてしまう
ということがある。このようなことは複数の板ばねの端
部を連結部材で連結した場合にも発生する虞がある。
【0010】さらに、前者の場合、複数の板ばねの両端
部をそれぞれ連結部材で連結しなければならないから、
その作業に手間が掛かったり、連結部材やねじなどの余
計な部品が必要になるということがあり、また後者の場
合には複数の板ばねを1本づつ取り扱わなければならな
いから、部品点数が多くなるばかりか、その取り扱いが
煩わしいなどのことがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の床
板装置は複数の板ばねによって形成されていたので、こ
れら板ばねを一体的に結合して利用する場合には部分的
な負荷に対して全体がほぼ一様に弾性変形してしまうと
いうことがあり、独立して弾性変形できるよう一体的に
結合せずに利用すると、幅方向に捩じれが生じてがたつ
くなど、架設状態が不安定になるということがある。
【0012】この発明は上記事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、一体構造でありながら、
部分的な負荷に対して確実に応答することができ、しか
も部品点数が少なく、構成が簡単な床板装置を提供する
ことにある。
【0013】また、この発明の他の目的は、従来のダブ
ルクッションタイプのボトムマットレスに比べて構造を
簡易化でき、しかも高重量化を招くことのない床板装置
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基体
の両端部に設けられた受け部に端部を係合させて架設さ
れる床板装置において、載置部およびこの載置部の所定
方向両端部にほぼL字状に屈曲形成され下端が上記受け
部に着脱自在に係合される係合部とが板状部材によって
一体成形されているとともに、上記載置部には上記所定
方向に沿う通孔がその所定方向と交差する方向に対して
所定間隔で穿設されていて、上記板状部材は複数の板材
を積層接着した積層合板からなり、この積層合板の上記
係合部と載置部の両端部に形成された湾曲部とにわたる
部分には補強板が介装されていることを特徴とする床板
装置にある。
【0015】
【作用】上記構成によれば、載置部に通孔を所定間隔で
穿設することで、これら通孔の間の部分が板ばね部とな
り、負荷に対してそれぞれの板ばね部が独立して弾性変
形し、また基体の受け部に係合される係合部を載置部の
両側にほぼL字状に形成したことで、上記載置部が受け
る荷重の変動に連動して一対の係合部が基体の受け部に
対してずれ動きにくい。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1乃至図3はこの発明の第1の実施例を示
し、図1はこの発明の床板持装置1が適用されたベッド
2を示す。上記床板装置1は複数、この実施例ではベッ
ド2の約半分の長さの2枚の床板1Aに分割され、各床
板1Aは一枚の板状部材3によって載置部4と係合部5
とが一体成形されてなる。
【0017】上記板状部材3は図3(a)に示すように
3枚の板材3aを積層接着した積層合板からなり、幅方
向中央部分が上方に向かって凸に湾曲した上記載置部4
をなし、幅方向両端部に上記係合部5がL字状に曲成さ
れてなる。上記載置部4の両端部は上方に向かって湾曲
した湾曲部4aに形成され、この湾曲部4aは載置4に
加わる荷重によって弾性変形し易くなっている。
【0018】上記板状部材3の板材3a間には、上記係
合部5および湾曲部4aとにわたってたとえば合成樹脂
製や板材3aと同じ材料などの補強板3bが介装されて
いる。この補強板3bは図3(b)に示すように先端部
がテ−パ部3cに形成されている。
【0019】したがって、上記係合部5を形成するため
に上記板状部材3の幅方向両端部を曲成すると、上記補
強板3bの先端部分が湾曲部4aに位置することになる
から、支持部5から湾曲部4aにわたる部分が補強され
ることになる。しかも、補強板3bの先端部分はテ−パ
部3cに形成されているから、補強板3bがある部分と
ない部分との境界部分の板材3a間に空隙ができること
がない。
【0020】さらに係合部5に補強板3bを設けたこと
で、係合部5が厚くなり、下端面の面積が拡大される。
それによって、係合部5と受け部材15との接合面積が
増大するから、上記係合部5による板状部材3の架設状
態の安定化を図ることができる。
【0021】上記載置部4には幅方向に沿って細長い複
数の通孔6が長手方向に所定間隔で穿設されている。こ
れら通孔6によって上記載置部4には、それぞれの通孔
6の間の部分が板ばね部7に形成されている。
【0022】上記ベッド1は基体11を備えている。こ
の基体11は平行に離間対向した一対の側板12を有す
る。これら側板12の長手方向一端側にはヘットボ−ド
13が取り付けられ、他端側にはフットボ−ド14が取
り付けられている。上記側板12の内面には長手方向の
ほぼ全長にわたって受け部としての受け桟15が取り付
けられている。上記受け桟15の上面にはゴムや合成樹
脂などの弾性材料で作られた断面凹状の受け部材16が
接着などの手段によって取り付けられている。そして、
上記受け部材16の凹部には上記一対の床板1Aがその
係合部5を係合させて架設されている。
【0023】ベッド1に架設された一対の床板1A上に
はマットレス21が載置される。このマットレス21は
コイルスプリング22を行列状に配置し、その上下端面
をヘリカル線23で結合したスプリングユニット24を
有する。このスプリングユニット24の上下面にはそれ
ぞれウレタンフォ−ムなどのシ−ト状の弾性材25が積
層されている。上記スプリングユニット24と弾性材2
5との積層体の上下面および外周面は外装地26によっ
て被覆されている。
【0024】上記マットレス21はその上下面の幅方向
両端部が厚さ方向内方に向かって湾曲した曲面21aに
形成されている。そのため、床板1A上に載置されたマ
ットレス21は、その幅方向両端部の曲面21aが上記
床板1Aの湾曲部4aに係合するため、床板1A上で幅
方向にずれ動くのが規制されている。つまり、マットレ
ス21は床板1A上で安定状態で載置されることにな
る。
【0025】なお、図2において、31は連結金具を示
す。この連結金具31はアングル状の部材からなり、そ
の一辺は側板12の長手方向端部内面に固着され、他辺
には上下方向に一対の係合溝32が形成されている。
【0026】一方、ヘッドボ−ド13の内面の幅方向両
端部の下部にはそれぞれ一対のピン33が突設されてい
る。そして、上記連結金具31の一対の係合溝32を、
上記ピン33に係合させることで、側板12にヘッドボ
−ド13が着脱自在に連結されている。なお、図示しな
いが、フットボ−ド14も同じ連結金具31を用いて側
板12に連結されている。
【0027】上記構成の床板装置1が用いられたベッド
2によれば、上記床板装置1の各床板1Aは載置部4と
係合部5とが板状部材3によって一体成形されている。
そして、上記載置部4には、複数の通孔6をその載置部
4の長手方向に所定間隔で穿設することで、これら通孔
6間の部分に複数の板ばね部7を形成したから、各板ば
ね部7はそれぞれが係合部5に連続する両端部を支点と
して荷重に対して独立して弾性変形することが可能とな
る。したがって、上記載置部4に負荷が均一に加わるこ
とがなくとも、各板ばね部7は、それぞれに加わる荷重
に応じて弾性変形するから、重たい部分と軽い部分とを
確実かつ良好に支持することができる。
【0028】また、上記床板装置1は載置部4と係合部
5とが1枚の板状部材3によって一体成形されてなる。
そのため、床板装置1は1つの部材で形成されることに
なり、部品点数が少なくてすむから、分解組立が容易と
なるばかりか、各板ばね部7には捩じれが生じずらい。
【0029】さらに、板ばね部7を有する載置部4は、
基体11の受け桟15に、その上面に対してほぼ垂直な
状態で係合支持された係合部5と一体である。そのた
め、板ばね部7(載置部4)の弾性変形量が大きくなっ
ても、上記板ばね部7の係合部5が受け桟15でその幅
方向にずれ動くということがほとんどないから、上記係
合部5が受け桟15上から外れてしまったり、ずれ動く
ことできしみ音が発生するなどのことがない。しかも、
係合部5は受け桟15の上面に弾性材料で作られた受け
部材16を介して設けられているため、そのことによっ
てもきしみ音が発生しづらい。
【0030】さらに、載置部4に通孔6を穿設したこと
で、この載置部4の通気性を十分に高めることができ
る。そのため、載置部4の上面と、この上面に載置され
たマットレス21の下面との間に湿気がこもりづらくな
り、上記マットレス21の下面にかびが発生するなどの
ことが防止される。
【0031】また、上記構成のベッド2は載置部4とマ
ットレス12とのダブルクッションタイプとなるから、
ベッド2のクッション性能の向上を図ることができる。
さらに、載置部4に形成される板ばね部7の密度を変え
ることで、その硬さを設定することができる。
【0032】図4はこの発明の床板1Bの変形例を示す
第2の実施例である。すなわち、この実施例の床板1B
は載置部4の幅方向両端部に湾曲部4aを形成せずに係
合部5を形成し、その係合部5の下端面に弾性材料によ
って作られたシ−ト材41を貼着することで、受け桟1
5の上面に係合載置するようにした。
【0033】床板1Bに湾曲部4aが形成されていない
ことで、載置部4の弾力性は低下するものの、床板1b
の製造が容易となる。この発明は上記各実施例に限定さ
れず、種々変形可能である。たとえば、床板を形成する
板状部材は積層合板に限られず、FRP(強化プラスチ
ック)によって形成するようにしてもよい。
【0034】また、この発明の床板装置はベッドだけで
なく、ソファ−や椅子などにも適用することができるこ
と、勿論である。ソファ−や椅子に適用した場合、載置
部に形成にされる通孔をソファ−や椅子の幅方向でな
く、前後方向に沿って形成してもよい。
【0035】さらに上記一実施例では床板装置を2つの
床板に分割したが、床板装置は分割せずに1つの床板あ
るいは3つ以上に分割してもよく、その点はなんら限定
されるものでない。
【0036】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明は、負荷が加
えられる載置部およびこの載置部の所定方向両端部にほ
ぼL字状に屈曲形成された係合部を板状部材によって一
体成形するとともに、上記載置部には上記所定方向に沿
う通孔をその所定方向と交差する方向に対して所定間隔
で穿設し、上記係合部を基体の両端部に設けられた受け
部に係合させて架設し、さらに上記板状部材は複数の板
材を積層接着した積層合板とし、この積層合板の上記係
合部と載置部の両端部に形成された湾曲部とにわたる部
分には補強板を介装した。
【0037】そのため、上記載置部に上記通孔を穿設す
ることで、各通孔の間の部分をそれぞれ荷重に対して独
立して弾性変形する板ばね部にすることができるから、
載置部に加わる荷重が均一でなくとも、その荷重のばら
つきに応じて各板ばね部が弾性変形することで、支持性
能を高めることができる。
【0038】また、載置部と係合部とが板状部材によっ
て一体成形されてなるから、1つの部品として取り扱う
ことができて便利であり、しかも各板ばね部は両端部が
係合部に連続しているから、ねじれが生じるのを防止で
き、さらに荷重が繰り返して加わっても、係合部が上記
受け部の幅方向にづれ動きにくいため、上記係合部が上
記受け部から外れて床板装置の架設状態が損なわれるる
ようなことがほとんどない。
【0039】さらに、上記構成の床板装置をダブルクッ
ションタイプのベッドのボトムマットレスの代わりに用
いるようにすれば、構成の簡略化や軽量化を計ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の全体構成を示す斜視
図。
【図2】同じくベッドの幅方向に沿う縦断面図。
【図3】同じく(a)は床板の一部分の拡大断面図、
(b)は同じく係合部を曲成する前の板状部材の側面
図。
【図4】この発明の第2の実施例を示すベッドの幅方向
に沿う縦断面図。
【符号の説明】
3…板状部材、4…載置部、5…係合部、6…通孔、7
…板ばね部、11…基体、12…側板、15…受け桟。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の両端部に設けられた受け部に端部
    を係合させて架設される床板装置において、 載置部およびこの載置部の所定方向両端部にほぼL字状
    に屈曲形成され下端が上記受け部に着脱自在に係合され
    る係合部とが板状部材によって一体成形されているとと
    もに、上記載置部には上記所定方向に沿う通孔がその所
    定方向と交差する方向に対して所定間隔で穿設されてい
    て、上記板状部材は複数の板材を積層接着した積層合板
    からなり、この積層合板の上記係合部と載置部の両端部
    に形成された湾曲部とにわたる部分には補強板が介装さ
    れていることを特徴とする床板装置。
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