JP3009286U - 介護用移動楽シーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 医療中の患者を看護人等の人力でベット等よ
り運搬車、担架等に移動する場合に少ない労力で滑らし
て移動することを可能にする。 【構成】 滑りやすい素材の例えば筒状のポリエチレン
を裁断またはポリエチレン・シート等の両端を接着また
は縫合してエンドレスのループ状の幅の広い帯状にし、
複数枚を重ねて多層とした介護用移動楽シーツにもちい
る滑り構造２である。介護用移動楽シーツ１の内部の滑
り構造２が使用中にはみ出し、重ね合わさり等となり効
力を減じることを防止するために介護用移動楽シーツ用
布カバー５の両縁９、１０の内側に滑り構造の両縁７、
８を縫合して取り付け、使用時に滑り運動を妨げないた
めの伸縮性のあるメリヤス編生地等を長方形、楕円形等
に裁断した化粧蓋１２を布カバー５の開孔部に取り付け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、医療分野で患者等を人力によりベッドから運搬車、担架等に移送ま たは寝具、敷布等を交換する場合等に、看護人の負担を軽減し、少ない労力によ り安全に移動させる用途に使用するものである。 また、他の産業分野では、重量物等を搬送する場合にリフト、クレーン車等の 機械を使用できない条件で人力に頼る場合の省力に応用することができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来、患者等をベッドから運搬車、担架等に移動する場合等には、数人の看護 人の人力により頭部、胴体、手、足等を持ち上げて搬送しており、看護人に苛酷 な重量等の労力の負担が生じている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の人力に頼らなければならない場合に、看護人の負担を軽減し、安全で楽 に患者を搬送移動させることが課題である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を解決する方法として、摩擦係数の小さい滑る素材または構造ある いは両方の機能を有したエンドレス状の幅広の複数多層の帯状の物体を移動した い患者の下に敷いて容易に移動を可能とすることである。 移動する原理としては、コロ棒を使用する方法と相似しているが、本考案の介 護用移動楽シーツを使用することにより看護人の負担を軽減し、移動搬送が安全 で簡便になり患者に苦痛を与えることなく快適に移動を行なうことができる。

【０００５】

【作用１】 請求項の１として、軟質で摩擦係数の小さ、例えば製造過程においてステリア ン酸等の飽和脂肪酸類のスリップ剤を配合、処理されたポリ・オレフィン系等の 厚さ０．０１〜０．５ミリメートル程度のポリエチレン、ポリプロピレン樹脂あ るいは滑性のあるフッソ樹脂、シリコーン樹脂等の素材の中空の幅広インフレー ション・チューブ（４）を裁断、あるいはそれらの前述の素材からなるフィルム またはシートをエンドレスのループ状の幅広の帯状となるように溶解融着、接着 または縫合し、そのループ状の帯状エンドレス・シート（３）の内側にさらに滑 り易くするためにそれらのシートを複数枚を重ねて多層の構造にすると、介護用 移動楽シーツにもちいる滑り構造（２）となる。 滑り構造（２）の上に医療患者等（１３）を載せてそれらを任意の方向に押し 出しまたは牽引するとその滑り構造（２）の内側が滑るので軽い力により容易に 移動が可能となる。 製品の寸法は移動させる距離等の使用条件により任意選択することができる。

【０００６】

【作用２】 請求項の２は、前述の請求項１のポリエチレン、またはポリプロピレン等の介 護用移動楽シーツにもちいる滑り構造（２）が使用中に物品の角等の鋭角の場所 が当たり裂けること等を防止する、綿布、麻または、ナイロン等の合成化学繊維 等の布を筒状に縫合（６）した介護用移動楽シーツ用の布カバー（５）である。 使用時には内側に軟質で摩擦係数の小さい表裏面が平滑性である前述請求項１ の滑り構造（２）を設置するが、使用中にその滑り構造（２）が布カバー（５） より外部にはみ出すことおよび使用中に重ね合わさり、皺等の発生のために滑り 効果を減じること等を防止するために、滑り構造（２）の両縁（７、８）を布カ バー（５）の両縁（９、１０）の箇所に縫合、接着等により取り付け、さらに滑 り効果を増大させるために別のエンドレス・シート（３）を滑り構造（２）の内 部に設置し、布カバー（５）の開孔部を使用中に滑り運動を妨げない伸縮性およ び形状の例えばメリヤス生地等を長方形または円盤形、楕円形等の任意の形状の 化粧蓋（１２）を縫合して取り付けると介護用移動楽シーツ（１）が完成する。

【０００７】

【実施例１】 請求項１の実施例として、軟質の摩擦係数の小さい滑りやすい物質として複数 の厚さ０．１ミリメートルおよび０．０４ミリメートルの折り幅８０センチメー トルの製造過程においてステリアン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸類等のスリ ップ剤を添加して製造された中空のポリエチレン樹脂製のインフレーション・チ ューブ（４）を、それぞれ長さ１．２メートルに裁断するか、または厚さ０．１ ミリメートルおよび０．０４ミリメートル、幅１．６メートル、長さ１．２メー トルに裁断されたポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂また は弗素樹脂等、またはそれらの合成樹脂を配合あるいは張り合わせまたは塗布さ れたフィルムあるいはシートの両端をエンドレス・ループ状にヒート溶解融着ま たは接着、あるいは縫合すると幅８０センチメートルで長さ１．２メートルのル ープ状で帯状のエンドレス・シート（３）ができる。 これらの複数組を内側に重ねることにより介護用移動楽シーツ（１）に使用する 滑り構造（２）ができる。 この製品のサイズは、用途によりチューブ等の厚さ、天地左右の寸法等を任意 に変更して選ぶことが可能であり、また使用する時に複数の介護用移動楽シーツ （１）を重ね合わせまたは延長して使用することにより移動搬送する患者等の条 件の範囲を広げることが可能である。

【０００８】 請求項の２は、前述請求項１の滑り構造（２）の耐久性を増加し保護するため に、綿布、麻、またはナイロン等の合成化学繊維を滑り構造（２）に適合する寸 法の筒状に縫合（６）した布カバー（５）を使用した介護用移動楽シーツ（１） である。 前述の布カバー（５）の内部に前述の滑り構造（２）を設置すると介護用移動 楽シーツ（１）ができるが、多層構造のため滑りやすく不安定のために使用中に 外部にはみ出し、ずれ、皺寄り、重ね合わせ等が発生して滑り効果を減じるので これを防止するための改善方法として滑り構造（２）の両縁（７、８）を布カバ ー（５）の両縁（９、１０）に縫合し布カバー（５）の内部に取り付ける。 さらに滑り性能を向上させる方法として、布カバー（５）に縫合されない別の 長さ１．１メートル程度にした小サイズのエンドレス・シート（３）を、予め滑 り構造（２）の内側、外側に設置してから縫合することが良い効果をもたらす。 布のカバー（５）の開孔部を縫合する場合には、使用中に滑り運動が妨げられ ないように伸縮性のある素材で例えばメリヤス編生地等を使用し長方形、楕円形 、円盤形等の形状の化粧蓋（１２）を縫合することが適当であり、また縫合され る滑り構造（２）がミシン目部分より裂けることを防止するために、シートの縫 合場所を、前以て布、不織布等の粘着テープ等の裂け防止テープ（１１）を貼付 しておくことが良い効果をもたらす。

【０００９】

【考案の効果】

本考案による介護用移動楽シーツ（１）は、医療用等の用途として患者をベッ トから搬送車に移動する場合には、患者（１３）の下に敷いてある敷布（１４） の下に介護用移動楽シーツ（１）を設置し、敷布（１４）の両端を引くことによ り看護人の負担を軽くし、また患者に苦痛を与えることがなく、安全で容易に移 送させることができる。 また、他の応用例としてリフト、運搬車等の使用できない箇所において人力に より重量物を搬送する場合にも同様な方法により使用することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】介護用移動楽シーツ（１）の全体説明図

【図２】介護用移動楽シーツ（１）の内部構造説明図

【図３】介護用移動楽シーツ（１）の使用例説明図

【図４】介護用移動楽シーツ（１）の使用例説明図

【符号の説明】

１ 介護用移動楽シーツ ２ 滑り構造 ３ エンドレス・シート（滑り構造単体） ４ 滑り構造素材等（インフレーション・チューブ
等） ５ 布カバー ６ 布カバーの縫合箇所 ７ 滑り構造側の縫合取り付け箇所 ８ 滑り構造側の縫合取り付け箇所 ９ 布カバー側の縫合取り付け箇所 １０ 布カバー側の縫合取り付 け箇所 １１ 裂け防止テープ １２ カバーの開孔部化粧蓋 １３ 移送される患者等の人体 １４ 敷布 １５ 看護人等の移送者等

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟で滑べり易い素材の例えばステリア
   ン酸等の飽和脂肪酸類等のスリップ剤を配合して製造し
   たポリ・オレフィン樹脂系あるいは滑性のあるシリコー
   ン樹脂系、弗素樹脂系等の素材の合成樹脂の中空幅広の
   インフレーション・チューブ（４）または前述のそれら
   の素材からなるシートまたはフィルムをエンドレス状の
   筒型となるように裁断、接着または縫合して幅広の筒型
   の帯状に成形した複数のエンドレス・シート（３）を重
   ね合わせて、多層の構造とした介護看護に使用する介護
   用移動楽シーツに用いる滑り構造（２）。
2. 【請求項２】 綿布、麻、合成化学繊維等をエンドレス
   状の中空筒形に縫合（６）し、請求項１の滑り構造
   （２）に使用するの布カバー（５）とし、その布カバー
   （５）の内側両縁（９、１０）の箇所に滑り構造（２）
   のずれ等を防止し保持するために滑り構造（２）の両縁
   （７、８）の箇所を縫合し、さらに別の複数のエンドレ
   ス・シート（３）を滑り構造（２）の内側に縫合しない
   で設置した後に、その布カバー（５）の両端の開孔部を
   伸縮性のある例えばメリヤス編み生地等を長方形、楕円
   形、円盤形等の任意の形状の化粧蓋（１２）を縫合し取
   り付けた介護用移動楽シーツ（１）。