JP3008856U - 電動歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 把手部への振動の伝達を抑制し歯ブラシに
効率よく振動が伝達されるような振動式電動歯ブラシを
提供する。 【構 成】 振動式電動歯ブラシの本体ケースを、内部
にモーターとおもりを収納するとともに先端部に歯ブラ
シの装着が可能な接続軸を設けた振動部と、歯磨きの際
に手で掴むための把手部とに分割し、この振動部と把手
部の接続部分に制振のための緩衝部材を介在させること
により、振動の大部分を歯ブラシへ伝達させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、モーターと電池を使用して歯ブラシを振動させ、歯磨きの際に歯 の刷掃効果や歯ぐきのマッサージ効果を高めることができる電動歯ブラシに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電動歯ブラシの本体ケースは、モーターや電池などの機構部品を収納す るために本体ケースの後端部に開口部を設け、機構部品を収納した後にキャップ 形状の部材によって開口部が塞がれていた。また、本体ケースが略中央部あるい は先端部付近で分割されているものにおいては、接続部分は強固に密着された状 態で固定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の方法では、以下のような問題点があった。歯ブラシに振動 を付与するには、本体ケースの内部に重心のずれたおもりを取り付けたモーター を収納してこれを回転させる方法がとられる。この方法によれば、発生した振動 の振源は本体ケースの内部であるために本体ケースに振動が伝達される。すなわ ち、実際に振動を付与したいのは歯ブラシ部分であるにもかかわらず、モーター の回転により発生した振動は歯ブラシを振動させるだけでなく本体ケース全体も 振動させてしまう。このため、歯を磨く時に歯ブラシを振動させようとした場合 には、モーターの動力が歯ブラシに効率よく伝達されないばかりでなく、本体ケ ースを手で掴んだときに振動が手に伝達されて手がしびれるなどの不快感を受け ることになる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記のような従来の問題点を解決するために成されたもので、振動 式電動歯ブラシの本体ケースを、内部にモーターとおもりを収納するとともに先 端部に歯ブラシの装着が可能な接続軸を設けた振動部と、歯磨きの際に手で掴む ための把手部とに分割し、この振動部と把手部の接続部分に制振のための緩衝部 材を介在させたものである。

【０００５】

【作用】

この考案の電動歯ブラシは、本体ケースの歯ブラシ側に位置する振動部の内部 に重心のずれたおもりを取り付けたモーターを収納しており、モーターを回転さ せることによって振動部が振動する。振動部で発生した振動は、振動部先端の接 続軸を介して接続軸に装着された歯ブラシに伝達される。一方、振動部の後端部 には制振のための緩衝部材を介して把手部が接続されており、振動部で発生した 振動は緩衝部材で遮られて減衰した微弱な振動となって把手部に伝達される。し たがって、モーターの動力により発生した振動は把手部にはあまり伝わらずに歯 ブラシに効率良く伝達され、しかも把手部を掴んだ時に手に伝わる振動を大幅に 減少させることが可能となる。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案の実施例について図面に基づいて説明する。この実施例は乾電 池駆動の振動式電動歯ブラシについてのもので、図１に示すようにこの電動歯ブ ラシは本体ケース１とその先端部に装着された歯ブラシ２からなる。本体ケース １は先端側と後端側との間で分割された構造となっており、先端側が振動を発生 させるための振動部３、後端側が手で掴むための把手部４で構成されている。振 動部３には電源を入／切するためのスイッチ５が設けられている。また、図２に 示すように振動部３の先端部には歯ブラシ２を嵌合および固定するための接続軸 ６が設けられ、歯ブラシ２の容易かつ確実な着脱が可能となっている。振動部３ と把手部４との接続部分は緩衝部材７が介在した状態で固定され、振動部３から 把手部４への振動の伝達を遮断するとともに使用時の接続部分からの水の浸入を 防止している。緩衝部材７の材質としては、天然ゴム，合成ゴム，シリコンゴム ，軟質樹脂，熱可塑性エラストマー等のように柔軟で弾性を有するものが好まし い。

【０００７】 この電動歯ブラシの本体ケース１の内部は、図２に示すような構造となってお り、振動部３の内部にはモーター８が収納，固定され、このモーター８の回転軸 に偏心した軸孔のあいた円柱形のおもり９が嵌め込まれている。一方、把手部４ の内部には乾電池１０が装填され、乾電池１０の負極とモーター８の負極とが負 極接点１２で接触し、乾電池１０の正極と接触する正極接点１１の他端はスイッ チ５へと導かれ、スイッチ５をスライドさせることによって正極接点１１とモー ター８の正極とが接触して通電する機構となっている。

【０００８】 ここで、スイッチ５をスライドしてモーター８に通電すると、モーター８が回 転して重心のずれたおもり９を回転させて振動部３全体が振動する。この振動は 振動部３の先端部に設けられた接続軸６を介して歯ブラシ２に伝達される。一方 把手部４は緩衝部材７を介在した状態で振動部３に接続されているので、把手部 ４に伝達される振動は緩衝部材７で遮られて減衰した微弱な振動となるため、把 手部４を手で掴んだ時の手に伝わる振動は微弱なものとなる。

【０００９】

【考案の効果】

この考案の電動歯ブラシは、振動部で発生した振動が把手部に伝達され難いの で、モーターの動力を効率良く歯ブラシの振動に変換することができ、消費電力 の低減と確実な振動の付与が可能である。また、把手部を掴んだ時に手に伝わる 振動が大幅に減少するので、振動が手に伝達されて手がしびれるなどの不快感を 受けることがなく、しっかりと把手部を掴んで歯を磨くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す電動歯ブラシの外観側
面図である。

【図２】この考案の実施例を示す電動歯ブラシの縦断面
図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 歯ブラシ ３ 振動部 ４ 把手部 ５ スイッチ ６ 接続軸 ７ 緩衝部材 ８ モーター ９ おもり １０ 乾電池 １１ 正極接点 １２ 負極接点

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース内にモーターを収納し、該モ
   ーターの回転軸に重心のずれたおもりを取り付けて回転
   させることによって振動を発生し、この振動を歯ブラシ
   に伝達させる振動式電動歯ブラシにおいて、本体ケース
   が、内部に前記モーターとおもりを収納するとともに先
   端部に歯ブラシの装着が可能な接続軸を設けた振動部
   と、歯磨きの際に手で掴むための把手部とに分割され、
   この振動部と把手部の接続部分に制振のための緩衝部材
   を介在させたことを特徴とする電動歯ブラシ。