JP3008038B2 - 平行平板型プラズマ装置 - Google Patents

平行平板型プラズマ装置

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JP3008038B2
JP3008038B2 JP3200198A JP20019891A JP3008038B2 JP 3008038 B2 JP3008038 B2 JP 3008038B2 JP 3200198 A JP3200198 A JP 3200198A JP 20019891 A JP20019891 A JP 20019891A JP 3008038 B2 JP3008038 B2 JP 3008038B2
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利泰 速水
成也 小田島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平行平板型プラズマ装
置、より詳細には上部電極、下部電極及びウェハクラン
プ等を備え、前記上部電極と前記下部電極との間に高周
波電源(以下RF電源と記す)が接続され、ウェハ上に
集積回路の微細パターンを形成する際等に使用される平
行平板型プラズマ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路の製造においては、半導
体ウェハ上に微細なパターンを形成する必要があり、こ
のために主にドライエッチング装置が用いられている。
ドライエッチング装置としてこれまで種々の形式の装置
が提案されているが、集積度の高い大規模集積回路の製
造においては、微細パターンを再現性良く形成すること
のできる平行平板型プラズマエッチング装置が主流とな
ってきている。この種平行平板型プラズマエッチング装
置の概略を図1に示す。図中10は反応室を示してお
り、この反応室10の上部には上部電極11が配設さ
れ、この上部電極11に対向して反応室10の下部に
は、下部電極12が配設されている。下部電極12の上
面にはウェハ13が載置されており、下部電極12の外
周にはフォーカスリング14が配設され、さらにフォー
カスリング14の外周には排気リング15が配設され、
フォーカスリング14と排気リング15の間に排気路1
6が形成されている。上部電極11の上方にはシールプ
レート18が配設され、このシールプレート18の中央
部にガス導入路19が形成されており、ガス導入路19
はガス供給源(図示せず)に接続されている。上部電極
11の外周にはコンファインメントリング21が当接し
て配設され、さらにコンファインメントリング21の外
周にはアタッチメントリング22が配設されており、ア
タッチメントリング22にはウェハ13を下部電極12
に固定するためのクランプ板23が取り付けられてい
る。上部電極11と下部電極12との間にはRF電源2
5が接続されており、このRF電源25から上部電極1
1及び下部電極12にRF電力を印加することにより、
ガス導入路19から供給された反応ガスがプラズマ化さ
れてウェハ13にエッチング処理が施されるようになっ
ている。
【0003】このエッチング処理を行なう際、ウェハ1
3の径が大きくなるにつれてプラズマのウェハ13への
集中及びプラズマ安定領域の拡大が要求されるようにな
ってきており、またパターンの微細化につれて大口径の
ウェハ13ではプラズマイオンの指向性がより求められ
てきている。このため反応室10の低圧化が図られると
共にRF電力の高出力化、上部電極11と下部電極12
との間隔の拡張が図られてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の多用されていた
6インチウェハを8インチウェハに大口径化を図り、該
ウェハに0.5μm以下の微細加工を施し、しかも高ス
ループット化を図るためには、例えば上部電極11と下
部電極12との間隔を従来の0.8cmから1.0cm程度
とし、反応室10内の圧力を従来の800mTorr から3
00mTorr 以下とし、RFパワーを1200W以上とす
ることが要求される。しかしながら従来のRF電源は、
その高調波含有率の合計が−20dB程度であり、この
ようなRF電源を用いた場合、上部電極11と下部電極
12との間隔を1.0cm程度とし、RFパワーを120
0Wに設定すると、図2に示すように、安定したプラズ
マ状態を維持することができない。なお、図2は後述す
るように、RF電源の各高調波含有率におけるプラズマ
の安定領域を示す図であり、高調波含有率の合計が−2
0dBの場合、電極間間隔は0.9cm以下、RFパワー
は1400W以下が安定領域であり、前述した電極間隔
1.0cm、RFパワー1200Wはこの範囲を逸脱して
いる。このため大口径ウェハを歩留り良く、精度良く
しかも高スループットで処理することは困難であるとい
った課題があった。
【0005】本発明は上記課題に鑑み発明されたもので
あって、電極間間隔を広くし、反応室を低圧としても、
またRFパワーを高パワーとしても安定したプラズマを
立てることができ、大口径ウェハに微細加工を高スルー
プットで施すことができる平行平板型プラズマエッチン
グ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る平行平板型プラズマ装置は、互いに対向
して配置された上部電極及び下部電極を備え、前記上部
電極と前記下部電極との間に高周波電源が接続された平
行平板型プラズマ装置において、前記上部電極及び下部
電極間の間隔が0.9cmを超える場合に、プラズマ状態
の安定を得るために、前記高周波電源の各高調波成分に
おける高調波含有率の合計が−30dB以下に設定され
ていることを特徴とする。
【0007】
【作用】図2は低圧下におけるプラズマ安定領域を示す
図であり、反応室内の圧力を200mTorr 、CF4 ガス
を25SCCM、CHF3 ガスを25SCCM、Arガスを65
0SCCM、Heのガス分圧を9Torrの条件下で実験を行な
い、RF電源の各高調波成分における高調波含有率の合
計をそれぞれ−20dB、−30dB、−45d
Bに設定し、電極間間隔とRFパワーとの関係に基づく
プラズマ安定領域の範囲を調べた結果である。プラズマ
安定領域は、高調波含有率の合計が約−20dBの場合
は、電極間間隔が0.9cm以下でかつRFパワーが14
00W以下の範囲であり、高調波含有率の合計が約−3
0dBの場合は、電極間間隔が1.15cm以下でかつR
Fパワーが1300W以下の範囲と電極間間隔が1.0
5cm以下でかつRFパワーが1800W以下の範囲とを
加えた範囲であり、高調波含有率の合計が約−45dB
の場合は、高調波含有率の合計が約−30dBの範囲に
さらに電極間間隔が0.9cm以下でかつRFパワーが2
000W以下の範囲を加えた範囲である。従来のRF電
源はその高調波含有率の合計が−20dB程度であり、
電極間間隔を1.0cmとし、1200WのRFパワーを
印加すると、プラズマ安定領域を外れてしまう。
【0008】一方、RF電源の高調波含有率の合計を−
30dB程度に設定すると、大口径ウェハに微細加工を
高スループットで施すために、電極間間隔を1.0cm
度まで広げ、RFパワーを1200W以上印加しても十
プラズマ安定領域内に入ることとなる。従って、大
口径ウェハを精度良く、また高スループットで処理する
ために、上部電極と下部電極の間隔を1.0cm程度ある
いはそれ以上に広げ、またRFパワーを1200W以上
印加しても安定したプラズマ処理を施すことができる。
【0009】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る平行平板型プ
ラズマ装置の実施例及び比較例を説明する。
【0010】図1に示した装置を用い、種々の条件下で
プラズマ安定領域の確認を行なった。RF電源25を除
く平行平板型プラズマ装置の構成は従来のものと同様で
あるので、ここではその説明を省略する。なお、本装置
において上部電極11と下部電極12とに印加する高周
波の位相は180°ずらしてある。
【0011】本装置における反応室10内の圧力を20
mTorr とし、反応室10への供給するCF4 ガスの流
量を25SCCM、CHF3 ガスの流量を25SCCM、Arガ
スの流量を650SCCMとし、Heガスの分圧を9Torrに
設定した。またRF電源25における高調波含有率を除
く条件は、電源入力が200V±5%、50/60H
z、3相、最大入力電源が3KVA 、発振周波数400KH
z ±0.05%、定格出力2KW連続、出力調整5〜10
0%、リップル含有率3%以下、出力安定度±0.75
%(負荷変動時の電源電圧変動)、出力インピーダンス
50〜52Ω(同軸出力)、使用環境は周囲温度が5〜
40℃、周囲湿度が15〜80%のものを使用した。
【0012】RF電源25の各高調波成分及びその高調
波含有率の合計は下記の表1に示したものを使用した。
【0013】
【表1】
【0014】このうち高調波含有率の合計が約−44.
6dB(各次高調波ひずみ率の合計が0.0035%)
であるものの基本波形を図3(a)に、スペクトル分布
を図3(b)に示し、また高調波含有率の合計が約−2
0.7dB(各次高調波ひずみ率の合計が0.85%)
であるものの基本波形を図4(a)に、スペクトル分布
を図4(b)にそれぞれ示した。これらの図から高調波
含有率の合計が約−44.6dBであるものの2次、3
次、4次の各高調波成分は、高調波含有率の合計が約−
20.7dBであるものの2次、3次、4次の各高調波
成分に比べて急激に減衰していることがよくわかる。
【0015】以上のような条件下で上部電極11と下部
電極12との間隔、及び印加するRFパワーを種々に変
更して反応室10内におけるプラズマ安定状況を調査し
た。これらの結果を図2及び表1に示した。各高調波成
分の高調波含有率の合計が約−30.7dBである実施
例のものでは、低圧下(200mTorr )、上部電極11
と下部電極12との間隔を1.0cmに設定しても、RF
パワーが1800Wまでは、プラズマ放電状態が安定し
ている。従ってウェハ13の径が8インチの大口径とな
っても微細加工を歩留り良く、しかも高スループットで
処理することが可能となる。
【0016】他方、その高調波含有率の合計が約−2
0.7dBである比較例のものでは、RFパワーを12
00Wまで取ろうとすると上部電極11と下部電極12
との間隔は0.9cmまでしか広げることはできず、大口
径のウェハ13を精度良く、高歩留り、高スループット
で処理することは不可能である。
【0017】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明に係る平行平板型プラズマエッチング装置にあって
は、RF電源の各高調波成分における高調波含有率の合
計が−30dB以下に設定されているので、上部電極と
下部電極との間隔を広くとり、RFパワーを高くして低
圧化を図ってもプラズマを安定した状態で立てることが
できる。従って、大口径ウェハに微細加工を高歩留り、
高スループットで施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平行平板型プラズマエッチング装置を示す概略
断面図である。
【図2】高調波含有率をパラメータにとり、電極間間隔
とRFパワーとの関係に基づくプラズマ安定領域の範囲
を示した図である。
【図3】(a)は−44.6dBにおけるRFの基本波
形を示す図、(b)はスペクトル分布を示す図である。
【図4】(a)は−20.7dBにおけるRFの基本波
形を示す図、(b)はスペクトル分布を示す図である。
【符号の説明】
11 上部電極 12 下部電極 16 排気路 19 ガス導入路 23 クランプ板 25 RF電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 清逸 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−179735(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配置された上部電極及び
    下部電極を備え、前記上部電極と前記下部電極との間に
    高周波電源が接続された平行平板型プラズマ装置におい
    て、前記上部電極及び下部電極間の間隔が0.9cmを超
    える場合に、プラズマ状態の安定を得るために、前記高
    周波電源の各高調波成分における高調波含有率の合計が
    −30dB以下に設定されていることを特徴とする平行
    平板型プラズマ装置。
JP3200198A 1991-08-09 1991-08-09 平行平板型プラズマ装置 Expired - Fee Related JP3008038B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2685610B2 (ja) * 1989-12-07 1997-12-03 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
WO1993005630A1 (en) * 1991-09-09 1993-03-18 Sematech, Inc. Harmonic and subharmonic isolator for plasma discharge

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