JP3007618U - 海外携帯用電気機器における電圧表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光ダイオードの発光点灯の有無により、国
内外における電源電圧の高・低を視認できる海外携帯用
電気機器における電圧表示装置を提供する。 【構成】 表示用の発光ダイオード（ＬＥＤ）２と、定
電圧用の複数個のツエナダイオード（ＺＤ）３と、電流
制限用の抵抗体（Ｒ）４と、整流用ダイオード（Ｄ）５
とを直列に接続して形成された電圧表示回路６を、制御
回路１の電源寄りに並列に接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、海外など国によって電源電圧が異なる場合に、ヘアドライヤー、ブ ラシ付きドライヤー、トラベルポット、ヘアカール器、携帯用アイロン等の海外 へ携帯する電気機器のプラグをコンセントに差し込むと、その電源側の電圧の高 低が直ちに判るようにした海外携帯用電気機器における電圧表示装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、海外では一般家庭に配電されている商用電源の電圧は、国によって異な るが、大別して高低の２グループに分けられ、実際には低い方の電源電圧１００ 〜１２０Ｖのグループに属する国と、高い方の電源電圧２００〜２４０Ｖのグル ープに属する国の場合とがある。 従って、日本のように商用電源の電圧が低い方のグループである１００Ｖを使 用している国の電気機器を外国で使用したい場合、予めその国の電源電圧を調べ ておき、その電気機器を前記電源電圧に適応させて使用するために、該電気機器 に電源電圧の高低切り替えスイッチ機能を保有させたものも市販されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これらの海外の国の商用電源の電圧は各種各様であるので、そ の各電圧を予め調べることは面倒なことでもあり、最近のように海外出張や海外 旅行で短期間に幾つもの国に出かける場合には、自分の携帯した電気機器、例え ばヘアドライヤーを使用するために、その都度それらの国の電源電圧を知得しな ければならないという問題点があった。 本考案は前記従来の問題点を解決することを目的とする海外携帯用電気機器に おける電圧表示装置を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は、表示用の発光ダイオードと、定電圧用の複数個のツエナダイオード と、電流制限用の抵抗体と、整流用ダイオードとを直列に接続して形成された電 圧表示回路を、海外携帯用電気機器の制御回路の電源寄りに並列に接続するとい う手段を採用することにより、上記問題点を解決した。

【０００５】

【作用】

上記構成より成る本考案によれば、ヘアドライヤー、ブラシ付きドライヤー、 トラベルポット、ヘアカール器、携帯用アイロン等の海外へ携帯する電気機器の のプラグを電源コンセントに差し込むと、そのコンセント側の電源電圧がツエナ ダイオードで設定した一定の値より高い場合には、表示用の発光ダイオードは発 光し、高くない場合には同発光ダイオードは発光しない、という作用がある。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施の一例を、図面に基づいて詳細に説明する。 本考案を使用する海外携帯用電気機器は、例えばヘアドライヤー、ブラシ付き ドライヤー、トラベルポット、ヘアカール器、携帯用アイロン等があるが、説明 の都合上海外携帯用電気機器を、ヘアドライヤーとして以下に説明する。 図１は回路説明図であり、図中１はドライヤー（海外携帯用電気機器）の制御 回路であり、該制御回路１には電源コードＣが取付けられ、且つ該電源コードＣ の先端にはプラグＰが取付けられている。

【０００７】 前記制御回路１の電源寄りの端子には、表示用の発光ダイオード（ＬＥＤ）２ と、定電圧用のツエナダイオード（ＺＤ）３と、電流制限用の抵抗体（Ｒ）４と 、半波整流用ダイオード（Ｄ）５とを直列に接続して形成された電圧表示回路６ を、制御回路１の電源寄りに並列に接続してある。

【０００８】 前記ツエナダイオード３は、本実施例ではツエナ電圧６８Ｖの素子を３個直列 接続し、ツエナ電圧２０４Ｖを構成している。また、前記抵抗体４は、回路中の 電流を制限することにより、発光ダイオード２の明るさを適切な値に設定すると 共に、発光ダイオード２とツエナダイオード３と整流用ダイオード５の過負荷を 防止して、これらの部品を損傷から保護し、機能の安定化、長寿命化を図ってい る。更に、整流用ダイオード５は、電源側から供給される交流を半波整流して直 流にするものである。なお、前記ダイオード２は、図示していないヘアドライヤ ーの把持部等の見やすい位置に配設しておく。

【０００９】 本回路中における発光ダイオード２の発光条件は、電源電圧をツエナダイオー ド３のツエナ電圧と比較して、電源電圧の方が高ければ発光点灯し、逆に電源電 圧の方が低い場合は発光点灯しないように構成されている。すなわち、実際には 海外の国によって電源電圧が、低い方の１００〜１２０Ｖのグループに属する場 合と、高い方の２００〜２４０Ｖのグループに属する場合に大別でき、このうち 電源電圧が低い方の１００〜１２０Ｖのグループに属する場合は、電源電圧がツ エナ電圧より低いので発光ダイオード２は発光点灯せず、逆に電源電圧が高い方 の２００〜２４０Ｖのグループに属する場合は、ツエナ電圧より高いので発光点 灯するように本実施例では構成されている。

【００１０】 而して、交流電源のピーク電圧は、通常の実効値に１．４１倍することによっ て算出される。すなわち、交流１２０Ｖのピーク電圧は１７０Ｖ、２００Ｖのピ ーク電圧は２８３Ｖとなる。そして、電源電圧が、低い方の１００〜１２０Ｖな のか、または高い方の２００〜２４０Ｖなのか識別するためには、前記１２０Ｖ の方のピーク電圧１７０Ｖと、前記２００Ｖの方のピーク電圧２８３Ｖの間に境 界となる値を考えればよい。そのため、本実施例ではツエナダイオード３は、ツ エナ電圧６８Ｖの素子３個を直列に接続して２０４Ｖのツエナ電圧を構成し、こ れを境界電圧とする。

【００１１】 これにより、プラグＰをコンセントに差し込んだとき、低い方の電源電圧１０ ０〜１２０Ｖのグループに属する場合には、電源電圧のピーク電圧は必ず１７０ Ｖ以下であるので、前記設定のツエナ電圧２０４Ｖより小さく、従って発光ダイ オード２は発光点灯しない。

【００１２】 また、電源電圧が高い方のグループの２００〜２４０Ｖの場合は、ピーク電圧 は少なくとも２８３Ｖ以上であるので、ツエナ電圧２０４Ｖより常に大きいこと となり、発光ダイオード２は必ず発光点灯することとなる。実測によれば、交流 電源１５０Ｖ（ピーク電圧は２１２Ｖ）付近でツエナ電圧とつり合っている。従 って、電源電圧１２０Ｖと２００Ｖとの識別表示は、この発光ダイオード２が発 光点灯するかしないかで確実に識別できる。

【００１３】 前記発光ダイオード２は、ツエナダイオード３のツエナ電圧より電源電圧が高 い場合に発光点灯するが、単に発光点灯すればよいというだけではなく、電源電 圧２００〜２４０Ｖにおいて、表示用として発光の明るさが適切なものであるこ との外に、電力値がオーバーにならないような適切な抵抗値の抵抗体４を用いる 必要がある。

【００１４】 次に本考案の実施例の作用について説明する。 先ず海外携帯用電気機器を使用するに当たっては、プラグＰを電源側のコンセ ントに差し込んで、前記発光ダイオード２が発光点灯した場合、それを視認して 制御回路１の図示しない切替えスイッチを２００〜２４０Ｖ用に切替えて使用す る。もし、発光ダイオード２が発光点灯しない場合は、それを視認して制御回路 １の図示しない切替えスイッチを１００〜１２０Ｖ用に切替えて使用する。

【００１５】 本考案の海外携帯用電気機器における電圧表示装置は、前記のようにプラグを コンセントに差し込むだけで、前記発光表示により、電源電圧が高い方の２００ 〜２４０Ｖに属するものなのか、または低い方の１００〜１２０Ｖに属するもの なのかを識別できるように構成したので、予めその国の電源電圧を調べておく必 要もなく、また特別な電圧測定装置の携行も要せず、例えば海外の数ヶ国に業務 や旅行で行くときでも、常に同一ヘアドライヤー等の電気機器で前記各電源電圧 に適応させて使用することができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上述のようであるから、発光ダイオードの発光点灯の有無により、そ の国の異なる電源電圧を容易に識別でき、ヘアドライヤー等の海外携帯用電気機 器を切替えスイッチで適応させて切替え使用できるので、海外に行く場合に予め その国の電源電圧を調べる必要がなく、且つ電源電圧測定器を携行する必要もな いという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の一例を示す回路説明図である。

【符号の説明】

１ 制御回路、 ２ 発光ダイオード（ＬＥＤ）、 ３
ツエナダイオード（ＺＤ）、 ４ 抵抗体（Ｒ）、
５ 整流用ダイオード（Ｄ）、 ６ 電圧表示回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示用の発光ダイオードと、定電圧用の
   複数個のツエナダイオードと、電流制限用の抵抗体と、
   整流用ダイオードとを直列に接続して形成された電圧表
   示回路を、海外携帯用電気機器の制御回路の電源寄りに
   並列に接続して成る海外携帯用電気機器における電圧表
   示装置。