JP3007598B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP3007598B2
JP3007598B2 JP30716197A JP30716197A JP3007598B2 JP 3007598 B2 JP3007598 B2 JP 3007598B2 JP 30716197 A JP30716197 A JP 30716197A JP 30716197 A JP30716197 A JP 30716197A JP 3007598 B2 JP3007598 B2 JP 3007598B2
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の後輪操舵装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の4輪操舵装置として、車速
と前輪舵角に応じて後輪を操舵するものが知られてい
る。低速時には、舵角に応じて逆相(逆位相)に、高速
時には舵角に応じて同相(同位相)に制御される。
【0003】ところが、このような制御の場合、旋回初
期において、ゆっくりとハンドルを操舵しながらコーナ
ーをまわるような場合は、前輪と後輪の舵角量が異なる
ので、必要なヨーレートが発生して問題を生じないが、
急激にハンドルを切るようにした場合には、高速で後輪
は同相にあるので、車両は斜めに進み、ヨーレートは抑
制され、車両の向きと進行方向とのなすスリップ角度β
が0とならず、運転者の向きを変えたいと言う要求が満
たされない。
【0004】すなわち、初期操舵のときには、まず、向
きを変え、その後に同相となって安定することが望まし
く、それによって常にスリップ角β=0が達成される。
【0005】そこで、上記要求を満たすように、例え
ば、 TGθR =−KF ・θF +KR ・V・ψ′ TGθR :後輪の目標舵角 θF :前輪の舵角 V:車速 ψ′:ヨーレート KF ,KR :例えばホイールベース、車両の重量、重心バラ ンスなどの車両の特性によって定まる定数 に基づいて、後輪を転舵することが提案されている。な
お、ここで、KF 、KRは、次の式により決定される。
【0006】
【数1】 すなわち、前輪の舵角は逆相に、車速V及びヨーレート
ψ′は同相に後輪を操舵する成分として働く。したがっ
て、低速時にはVが小さく第2項の影響が小さく、逆相
となるが、高速になると、車速V、ヨーレートψ′が共
に大きくなり、第2項の影響が大きくなって同相とな
る。しかしながら、旋回初期では、ヨーレートが未だ小
さいので、第2項の影響がそれほど大きくなく、逆相で
ある。
【0007】ところで、例えば特開昭57−44568
号公報に記載されるように、横風などの外乱による影響
を補正するために、ヨーレートセンサの出力に応じて後
輪を転舵するものは知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、そのような
ものでは、KF 、KR を定数としているが、定数である
と、実際に車両に適用するのが困難となる。例えば低速
時に、前輪の舵角は35度程度であるので、後輪が同程
度操舵されると、すごく小回りが効き、車両に尻振り現
象が生じ、また、後輪が操舵されない2輪操舵(2W
S)に対する慣れから、違和感を感じ、乗りにくい。
【0009】また、上記数式によれば、例えば急ブレー
キにより車両がロックされているような状態では、車速
V=0で、逆相となるが、実際の車速Vは0ではないの
で、不安定方向となるし、急減速時には車速Vは急激に
減少して、不安定方向へと変化していき、安定方向にし
たいという運転者の要求と一致しない。また、加速時に
も、ホイールスピンが生じているときなどに同様な問題
がある。
【0010】さらに、前輪舵角θF はハンドル舵角で遅
れはないといえるが、ヨーレートψ′は車両の運動系と
して遅れを有しており、θF は逆相成分、ψ′は同位相
成分であることから、θF に対するψ′の時間的遅れは
操縦安定性に悪影響を与えることになる。
【0011】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、ヨーレートの時間的遅れによる操縦安定性への悪影
響を防止して安定化させ得る車両の後輪操舵装置を提供
することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1記載の
発明は、上記目的を達成するために、ヨーレートを検出
するヨーレート検出手段と、前輪の舵角を検出する前輪
舵角検出手段と、前輪の舵角速度を検出する前輪舵角速
度検出手段と、上記ヨーレート検出手段により検出され
るヨーレートが増大する程増加する第1制御量と上記前
輪舵角検出手段により検出される前輪舵角が増大する程
減少する第2制御量とを加算することで後輪転舵量を求
めて後輪を転舵制御する転舵制御手段とを備える。上記
転舵制御手段は、上記前輪舵角速度検出手段からの信号
に基づいて前輪舵角速度が大きい程上記第1制御量のみ
を増大補正するよう構成されていることを特徴とする。
【0013】上記構成の場合、前輪の舵角速度が増大す
ると第1制御量のみが増大補正されてヨーレートに基づ
く第1制御量の増大による同位相側への制御量が増大さ
れることになる。これにより、前輪の舵角速度が大きい
ときに、前輪舵角に基づく第2制御量の減少による逆位
相側への制御量が増加したとしても、上記同位相側への
制御量の増大補正により前輪舵角に対するヨーレートの
立ち上がりの遅れ分がカバーされることになり、ヨーレ
ートの時間的遅れによる操縦安定性への悪影響を防止し
て安定化させ得ることになる。
【0014】請求項2記載の発明は、数式 TGθR =−KF ・θF +KR ・V・ψ′ TGθR :後輪の目標舵角 θF :前輪の舵角 V:車速 ψ′:ヨーレート KF ,KR :車両の特性によって定まる係数 に基づいて後輪を転舵する転舵制御手段を有する車両の
後輪操舵装置を前提として、前輪の舵角を検出する前輪
舵角検出手段と、上記転舵制御手段及び前輪舵角検出手
段に連係され検出された前輪の検出舵角に基づく舵角速
度に応じて上記制御値を変更する変更手段とを有する構
成とする。そして、上記変更手段として、上記舵角速度
が増大する程、上記係数KR を増加補正する構成とする
ものである。
【0015】上記構成の場合、前輪の舵角速度が増大す
ると係数KR が増加補正されて上記数式中のヨーレート
ψ′に基づく第2項の値が増大されて同位相側への制御
量が増大されることになる。これにより、前輪の舵角速
度が大きいときに、上記数式中の前輪舵角θF に基づく
第1項により逆位相側への制御量が増加したとしても、
上記同位相側への制御量の増加補正により前輪舵角に対
するヨーレートψ′の立ち上がりの遅れ分がカバーされ
ることになり、ヨーレートの時間的遅れによる操縦安定
性への悪影響を防止して安定化させ得ることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて詳細に説明する。
【0017】車両の後輪操舵装置の全体構成を示す図1
において、1L、1Rはそれぞれ左右の前輪、2L,2
Rは左右の後輪であり、左右の前輪1L,1Rは前輪転
舵機構Aにより連係され、また左右の後輪2L,2Rは
後輪転舵機構Bにより連係されている。
【0018】前輪転舵機構Aは、それぞれ、左右の一対
のナックルアーム3L,3Rおよびタイロッド4L,4
Rと、該左右の一対のタイロッド4L,4R同士を連結
するリレーロッド5とから構成されている。この前輪転
舵機構Aにはステアリング機構Cが連係されており、ス
テアリング機構Cは、ラックアンドピニオン式とされ、
その構成要素であるピニオン6は、シャフト7を介して
ハンドル8に連結されている。
【0019】これにより、ハンドル8を右に切るように
操作をしたときには、リレーロッド5が図1の左方向に
変位し、ナックルアーム3L,3Rがハンドル8の操作
変位量すなわちハンドル舵角に応じた分だけ同図の時計
方向に転舵される。同様に、ハンドル8を左に切る操作
をしたときには、この操作変位量に応じて、左右の前輪
1L,1Rが左へ転舵されることとなる。
【0020】後輪転舵機構Aも、前輪転舵機構Bと同様
に、左右の一対のナックルアーム10L,10Rおよび
タイロッド11L,11Rと、該左右の一対のタイロッ
ド11L,11R同士を連結するリレーロッド12とを
有し、このリレーロッド12には中立保持手段13が付
設されている。
【0021】中立保持手段13は、図2に詳細を示すよ
うに、車体14に固定されたケーシング15を有し、ケ
ーシング15内には一対のばね受け16a,16bが遊
嵌されて、これらばね受け16a,16bの間に圧縮ば
ね17が配設されている。上記リレーロッド12はケー
シング15を貫通して延び、このリレーロッド12には
一対のフランジ部12a,12bが間隔をおいて形成さ
れ、該フランジ部12a,12bにより上記ばね受け1
6a,16bを受け止めする構成とされ、リレーロッド
12は圧縮ばね17によって常時中立方向に付勢されて
いる。圧縮ばね17はコーナリング時のサイドフォース
に打ち勝つだけのばね力を備えるものとされている。
【0022】上記後輪転舵機構Bは、後輪2L,2Rを
転舵させる駆動源としてのサーボモータ20に連係され
ている。リレーロッド12とサーボモータ20との連係
機構中には、クラッチ22が介在されている。このクラ
ッチ22によって適宜サーボモータ20と後輪転舵機構
Bとの連係を機械的に切断しうる構成とされている。
【0023】以上の構成により、クラッチ22が接続状
態にあるときには、サーボモータ20の正回転あるいは
逆回転により、リレーロッド12が図1の左方あるいは
右方へ変位して、ナックルアーム10L,10Rがその
回動中心を中心にして上記サーボモータ20の回転量に
応じた分だけ同図時計方向あるいは反時計方向に転舵さ
れることとなる。
【0024】他方、上記クラッチ22が切断された状態
にあるときには、上記中立保持手段13によって後輪2
L,2Rは強制的に中立位置に復帰され、この中立位置
で保持されることとなる。つまり、クラッチ22が断た
れたときには、前輪1L,1Rのみが転舵される、いわ
ゆる2WSの車両ということになる。
【0025】後輪操舵の制御は、次の(1) 式に基づいて
行われることになる。
【0026】数式 TGθR =−KF ・θF +KR ・V・ψ′ ………(1) TGθR :後輪の目標舵角 θF :前輪の舵角 V:車速 ψ′:ヨーレート なお、係数KF ,KR は車速に基づいて変更される変数
で、車両の特性によって定まるが、具体的な一例を示す
と、KF は、例えば図3に示すように、10km/H 付近
までは0.3であるが、10km/H を越えると車速Vの
増加と共に徐々に大きくなって1となる。一方、KR
は、図4に示すように、10km/H を越えると徐々に大
きくなり、30km/H 付近で0.005まで増加するよ
うに変更される。
【0027】上記制御をなすべく、コントロールユニッ
トUは、上記(1) 式に基づいて後輪を転舵する転舵制御
手段101を有し、さらに、車両の諸条件としての車速
Vを検出する条件検出手段102と、上記転舵制御手段
101及び条件検出手段102に連係され車両の諸条件
により係数KF 、KR を変更させる変更手段103とを
有する(図13参照)。すなわち、上記数式における係
数KF 、KR は、変更手段103により車速に基づい
て、前述した例えば図3および図4に示すように変更せ
しめられる。
【0028】具体的には、図1に示すように、ハンドル
舵角センサ30、車速センサ31、サーボモータ20の
回転位置を検出するエンコーダ32、フロント横Gセン
サ33及びリヤ横Gセンサ34からの信号が入力され、
コントロールユニットUでは、係数KF 、KR を車速に
応じて変化させつつ、ハンドル舵角θF (前輪の舵
角)、車速V及びヨーレートψ′に基づいて上記数式に
より目標後輪舵角TGθRを演算し、必要とする後輪操
舵量に対応する制御信号がサーボモータ20に出力され
る。しかして、サーボモータ20の作動が適正になされ
ているか否かをエンコーダ32によって常時監視しつ
つ、つまりフィードバック制御の下で後輪2L,2Rの
転舵がなされる。
【0029】上記制御は、フェイルセーフのために、そ
の制御系が二重構成とされている。
【0030】つまり、図5に示すように、ハンドル舵角
センサ30に対して前輪舵角センサ35が付加され、車
速センサ31に対し車速センサ36が付加され、エンコ
ーダ32に対してクラッチ22よりもリレーロッド12
側の部材の機械的変位を検出する後輪舵角センサ37が
付加されて、これらセンサ30,31,32,35,3
6,37において、対応するセンサの両者が同一の値を
検出したときにのみ後輪操舵を行うようにされている。
すなわち、上記センサ30〜32,35〜37におい
て、例えば車速センサ31で検出した車速と別の車速セ
ンサ36で検出した車速とが異なるときには、故障発生
ということでフェイルモード時の制御によって後輪2
L,2Rを中立位置に保持するようになってる。
【0031】上記両横Gセンサ33,34は、それぞれ
車体の中心軸線上に重心を挾んで前後に配設されて横G
の大きさを検出し、ヨーレートψ′の検出に用いるもの
で、ヨーレート検出手段を構成するものである。そし
て、両横Gセンサ33,34の出力により次式で現在の
ヨーレートψ′n が算出される。
【0032】 なお、横Gセンサの代わりに、ヨーレートψ′を直接検
出するヨーレートセンサを付加するようにすることもで
きる。
【0033】また、各種制御のために、コントロールユ
ニットUには、車高センサ39、雨滴センサ40、ブレ
ーキスイッチ41、リバーススイッチ42およびアクセ
ルスイッチ43からの信号が入力され、また、図示して
いないが、オルタネータのL端子からは発電の有無を表
す信号が入力される。
【0034】上記車高センサ39は車高を検出するもの
で、それにより積載重量を間接的に検出するものであ
る。雨滴センサ40は雨滴を検出するもので、それによ
り路面の摩擦係数μを間接的に検出するものである。ブ
レーキスイッチ41はブレーキペダルを踏み込んだとき
にオン信号を出力するもので、リバーススイッチ42は
シフトレバーがリバース位置になったときにオン信号を
出力するものであり、アクセルスイッチ43はアクセル
変化率が所定値以上になったときにオン信号を出力する
ものである。
【0035】制御は、相互に連係されたメインコントロ
ーラ50Aおよびサブコントローラ50Bの2つによっ
てなされ、各コントローラ50A,50Bには各種セン
サ30,37,39,40およびオルタネータのL端子
からの信号がアナログバッファ51およびA/Dコンバ
ータ52を介してそれぞれに入力され、またセンサ3
1,35,36およびスイッチ41,42,43からの
信号がデジタルバッファ53を介してそれぞれに入力さ
れ、また、両横Gセンサ33,34からの信号が別のア
ナログバッファ54およびA/Dコンバータ55を介し
てメインコントローラ50Aに入力されるようになって
いる。
【0036】他方、メインコントローラ50Aにおいて
生成された信号は、サーボアンプ61およびサーボドラ
イバ62を介してサーボモータ20に出力され、目標後
輪舵角とする。サーボモータ20の回転量はエンコーダ
32によって検出され、エンコーダ32からの信号がサ
ーボアンプ61を介してメインコントローラ50Aに入
力され、サーボモータ20をフィードバック制御するよ
うになっている。
【0037】また、両コントローラ50A,50Bから
の信号がアンド回路71,72に於いて比較され一致し
たときのみ、クラッチ73,74を連結して後輪の操舵
が可能となるようにしている。また、オア回路75にお
いても比較され、両信号が不一致のときには、ウォーニ
ングランプ76が点灯するようになっている。
【0038】なお、この後輪操舵の制御は、オルタネー
タのL端子からの信号がハイ(Hi)となったことを条
件に開始されるようになっている。
【0039】なお、同図中、77は5Vレギュレータを
有すると共に異常時のメインコントローラ50Aのリセ
ットを行う電圧制御回路、78はバッテリ、79はイグ
ニッションスイッチ、80はヒューズであるしたがっ
て、上記の構成によれば、図6に示すように、ハンドル
舵角θF の時間的変化が同一でも、本願発明の4輪操舵
(4WS)の場合は、2輪操舵(2WS)の場合(後輪
舵角ゼロ)に比して、ヨーレートψ′が小さくなり、ス
リップ角βもほとんどゼロとなる。
【0040】また、上記コントロールユニットUの条件
検出手段101はアクセルスイッチ43及びブレーキス
イッチ41にも連係されて、加減速状態を検出するよう
にもなっており、車速だけでなく、加減速に応じても、
係数KF 、KR を変更するようになっている。すなわ
ち、アクセルスイッチ43よりの信号により条件検出手
段101が加速状態を検出したときには、変更手段10
2が、係数KR に補正値αを加えてKR +αと変更し、
補正値αを加速度に応じて徐々に大きくし(図7参
照)、加速時に運転者の要求に一致した安定方向とする
ようになっている。一方、減速時にも、同様にすること
ができるが、減速時には加速時よりも補正値αの変化の
度合を大きくするようにするのが望ましい。また、その
補正は、図7に鎖線で示すように、加減速度が所定値を
越えたときから係数KR を、一定の補正値α10,α11だ
け大きくなるようにしてもよい(α10<α11)。なお、
係数KFを変更する場合には、係数KR の場合とは逆に
補正値が小さくなるようにすればよい。
【0041】上記実施形態では、係数KF 、KR を車速
や加減速に応じて変更するようにしているが、そのほ
か、積載重量、路面の摩擦係数、ハンドル舵角速度など
によって変更するようにしてもよい。
【0042】すなわち、積載重量(例えば300kg程
度)が増加すると、図8に示すように、前述した数式を
そのまま用いた補正なしの場合は、スリップ角βが時間
の経過と共に大きくなり、ゼロとならないが、積載重量
Wについて補正すれば、スリップ角βは略ゼロとなる。
【0043】摩擦係数μが小さくなると、図9(μ=
0.5)と図10(μ=0.2)を比較すれば明らかな
ように、補正をしないで上記数式をそのまま用いた場
合、スリップ角βの絶対値が大きくなるが、摩擦係数μ
に基づいて補正してやると、スリップ角βを略ゼロにす
ることができる。
【0044】さらに、θF はハンドル舵角で遅れはない
といえるが、ヨーレートψ′は車両の運動系として遅れ
を有しており、θF は逆相成分、ψ′は同位相成分であ
ることから、θF に対するψ′の時間的遅れは操縦安定
性に悪影響を与えるので、ハンドル舵角速度に応じて変
化する補正値γ1 ,γ2 をKF 、KR にかけてすなわち
KF ・γ1 、KR ・γ2 と補正する。具体的には、前述
の(1) 式のKF の代わりにKF ・γ1 を代入し、上記
(1) 式のKR の代わりにKR ・γ2 を代入する。
【0045】すなわち、補正値γ1 は、ハンドル舵角速
度θF ′が速くなるに連れてKF (=KF ・γ1 )を小
さくし、後輪が逆相方向へ急に操舵されるのを抑制し、
ヨーレートが大きくなるのを待つようになっている(図
11参照)。補正値γ2 は、図12に示すように、ハン
ドル舵角速度θF ′が小さいときにはほぼ1に抑制さ
れ、ハンドル舵角速度θF ′が大きくなると1よりも大
きい値となってθF ′が増大する程増加するように設定
され、舵角速度θF ′が速いときはKR (=KR・γ2
)を大きくしてヨーレートの立ち上がりの遅れ分をカ
バーすることができるようになっている(図12参
照)。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、後輪の転舵制御の制御量が、前輪の舵角速度が
大きいときには検出ヨーレートに基づいて定められる第
1制御量のみを増大補正したものに増大され、これによ
り、舵角速度が速いときにおけるヨーレートの立ち上が
りの遅れをカバーすることができ、ヨーレートの時間的
遅れによる操縦安定性への悪影響を防止して安定化させ
得ることになる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、前輪の舵角
速度が増大すると係数KR が増加補正されて数式中のヨ
ーレートψ′に基づく第2項の値を増大させて同位相側
への制御量を増大させることができる。これにより、前
輪の舵角速度が大きいときに、上記数式中の前輪舵角θ
F に基づく第1項により逆位相側への制御量が増加した
としても、上記同位相側への制御量の増加補正により前
輪舵角に対するヨーレートψ′の立ち上がりの遅れ分を
カバーすることができ、ヨーレートの時間的遅れによる
操縦安定性への悪影響を防止して安定化させ得ることに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の後輪操舵装置を示す模式図
である。
【図2】図1の実施形態の中立保持手段の拡大断面図
【図3】係数KF の変化の説明図である。
【図4】係数KR の変化の説明図である。
【図5】制御系のブロック図である。
【図6】2WSの場合と比較して示すタイムチャートで
ある。
【図7】加減速状態での補正値αを示す図である。
【図8】積載重量の影響を示すタイムチャートである。
【図9】μ=0.5の場合の路面の摩擦係数の影響を示
すタイムチャートである。
【図10】μ=0.2の場合の路面の摩擦係数の影響を
示すタイムチャートである。
【図11】ハンドル舵角速度に対する補正値γ1 の説明
図である。
【図12】ハンドル舵角速度に対する補正値γ2 の説明
図である。
【図13】コントロールユニットのブロック図である。
【符号の説明】
U コントロールユニット 30 ハンドル舵角センサ(前輪舵角検出手
段) 31,36 車速センサ 33,34 横Gセンサ(ヨーレート検出手段) 35 前輪舵角センサ(前輪舵角検出手段) 101 転舵制御手段 102 条件検出手段 103 変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 (72)発明者 古沢 明洋 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 中島 隆志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 秀島 政雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−207772(JP,A) 特開 昭62−18367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨーレートを検出するヨーレート検出手
    段と、前輪の舵角を検出する前輪舵角検出手段と、 前輪の舵角速度を検出する前輪舵角速度検出手段と、 上記ヨーレート検出手段により検出されるヨーレートが
    増大する程増加する第1制御量と上記前輪舵角検出手段
    により検出される前輪舵角が増大する程減少する第2制
    御量とを加算することで後輪転舵量を求めて後輪を転舵
    制御する転舵制御手段とを備え、 上記転舵制御手段は、上記前輪舵角速度検出手段からの
    信号に基づいて前輪舵角速度が大きい程上記第1制御量
    のみを増大補正するよう構成されている ことを特徴とす
    る車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 数式 TGθR =−KF ・θF +KR ・V・ψ′ GθR :後輪の目標舵角 θF :前輪の舵角 V:車速 ψ′:ヨーレート KF ,KR :車両の特性によって定まる係数 に基づいて後輪を転舵する転舵制御手段を有する車両の
    後輪操舵装置において、 前輪の舵角を検出する前輪舵角検出手段と、 上記転舵制御手段及び前輪舵角検出手段に連係され検出
    された前輪の検出舵角に基づく舵角速度に応じて上記係
    数KR を変更する変更手段とを有し、 上記変更手段は、上記舵角速度が増大する程、上記係数
    KR を増加補正するように構成されていることを特徴と
    する車両の後輪操舵装置。
JP30716197A 1997-11-10 1997-11-10 車両の後輪操舵装置 Expired - Lifetime JP3007598B2 (ja)

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