JP3006891U - 植木鉢吊具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢を回転可能となし、吊具と鉢との連結
によるねじれを無くして安定性の高い吊り下げを行うこ
とのできる植木鉢吊具を提供する。 【構成】 下端部に植木鉢への連結部３が設けられた紐
部２および紐部２の上端部に設けられた係止部４とから
なる複数本の吊紐１と、下端部にリング状の吊環を有
し、この吊環に複数本の吊紐１の係止部４が一体的に結
合されて嵌入係止される筒状係合部が設けられたフック
とを備えたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は植木鉢吊具に係り、さらに詳しくは、吊紐およびフックからなる回 転可能な植木鉢吊具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

植木鉢を吊り下げる吊具の一例として実開平２−３６３６６号公報および実公 昭５４−５７３８号公報に開示された考案がある。

【０００３】 実開平２−３６３６６号公報に開示された植木鉢吊下用ツルは、吊下げ鉤を備 えた基部と、この基部から同一平面上にほぼ並行に少なくとも３本以上に枝分け されて下方に伸びる枝と、各枝の先端に設けられる掛け部とからなり、掛け部は 、鉢の縁に対してその上方から幅方向に当てられる縁当て部と、この縁当て部の 一端から延在して鉢の内周面に当てられる内当て部と、縁当て部の他端から延在 して鉢の外縁から縁裏に曲がり込む曲がり爪部とからなるものである。

【０００４】 そして、植木鉢を吊り下げる場合は、まず、鉤型となっている吊下げ鉤の基部 から枝分けされている枝を植木鉢の円周上に等間隔に開くように放射状に開き、 枝の掛け部を鉢の縁に係合して植木鉢とツルを連結する。ついで、ツルの吊下げ 鉤を止金などに掛けて植木鉢を吊り下げる。

【０００５】 また、実公昭５４−５７３８号公報に開示された植木鉢は、底部に受皿が添装 されており、この植木鉢の吊り下げ具は、合成樹脂製の鉢主体の口縁外周に肉厚 の段部を形成してこの段部に抜け止め用頭部付の突起が周縁部に適数個配設され た係止環が嵌装係止されるとともに、突起には可撓性を有する合成樹脂材よりな る掛鉤部に続く偏平基部に同材よりなる３本の細杆体を並行に垂設したものであ る。

【０００６】 そして、植木鉢を吊り下げる場合は、まず、吊り下げ具の各細杆体を拡開させ た上、細杆体の下端部に設けた係合孔を係止環に配設した突起に係止させて吊り 下げ具と鉢主体を連結し、吊り下げ具の掛鉤部をもって止金などに植木鉢を吊り 下げる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の植木鉢の吊具（吊下用ツル）は、掛鉤部と細杆体（枝）が 一体形成されているため、当然植木鉢の回転は不可能であり、さらに掛鉤部に続 く偏平基部に３本の細杆体が並行に垂設されているので、植木鉢に吊具を連結し た時に植木鉢と吊具の連結部の角度の違いにより各細杆体にねじれが生じ、この ねじれの作用によって種々の問題が発生することとなる。すなわち、植木鉢と吊 具の連結の外れの原因となり、また、植木鉢重量以外にねじれの応力が加わるた め、連結部あるいは細杆体切損の原因となり、さらに細杆体の湾曲あるいは植木 鉢の傾斜により美観を損なってしまうなどの問題があった。

【０００８】 この考案は、上記のような課題を解決するためになされたもので、植木鉢を回 転可能となし、さらに吊具と鉢との連結によるねじれを無くして、安定性の高い 吊り下げを行うことのできる植木鉢吊具を提供することを目的としたものである 。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る植木鉢吊具は、下端部に植木鉢への連結部が設けられた紐部お よび紐部の上端部に設けられた係止部とからなる複数本の吊紐と、下端部にリン グ状の吊環を有し、この吊環に複数本の吊紐の係止部が一体的に結合されて嵌入 係止される筒状係合部が設けられたフックとを備えたものである。

【００１０】 また、係止部を、１つの平坦部またはＶ字状の２つの平坦部と円弧部とにより 断面半円形または扇形に形成し、上部に係止段部を設けるとともに、平坦部に凹 部と凸部を並設してなる少なくとも１組の結合部を設けた、あるいは、平坦部に 凹部または凸部よりなる少なくとも１個の結合部を設けたものである。

【００１１】 さらに、フックの筒状係合部の上部または吊紐の係止部の上部に割り溝を設け たものである。

【００１２】

【作用】

複数本の吊紐の上端部に設けた係止部の平坦部を向い合わせてそれぞれ結合部 の凹部に凸部を嵌合して一体的に結合し、これをフックの筒状係合部に嵌入して 係止し、吊具を構成する。そして、この吊具の吊紐の下端部に設けた連結部と鉢 の係合部を連結し、吊具のフックを止金などにかけて鉢を吊り下げる。この時、 筒状係合部と一体に結合された吊紐相互間は回転可能であり、さらに吊紐にねじ れなどが生ぜず、吊紐の切断のおそれなどがない安定性の高い吊り下げが行える 。また、鉢の美観の向上も計れる。

【００１３】

【実施例】

実施例１． 図１はこの考案の第１の実施例に係る吊紐の正面図およびその左側面図、図２ はこの考案の第１の実施例に係るフックの正面図およびその下面図、図３はこの 考案の第１の実施例に係る鉢の平面図、図４はその一部縦断面図である。図にお いて、１は合成樹脂材料で構成され、紐部２の下方が二股に分れてそれぞれの下 端部にリング状の連結部３が設けられた吊紐で、その紐部２の上端部には図５に 示すように、平坦部４ａと円弧部４ｂとからなり紐部２の外径より大径の胴部５ ａと頭部５ｂとを備えたほぼ半円柱状の係止部４が設けられており、胴部５ａの 上部は縮径されてその縮径部より大径の頭部５ｂに連続していて、頭部５ｂの下 端面は係止段部６を形成している。また、係止部４の平坦部４ａには凹部７ａと 凸部７ｂを並設してなる１組または複数組の結合部７が設けられている。なお、 この実施例の係止部４は大きさの異なる２組の結合部７が上下に設けられており 、組立作業性の面からは上の結合部７の凹凸部７ａ，７ｂと下の結合部７の凹凸 部７ａ，７ｂとは凹凸を同一方向にした方が好ましいものの、結合力の面から逆 方向にして示した。

【００１４】 ８は合成樹脂材料からなり、下端部にほぼリング状の吊環９を有するフックで 、吊環９には筒状係合部１０が設けられている。筒状係合部１０は図６に示すよ うに、上部が縮径された円筒状で、その下部の内径ｄ１は係止部４の胴部５ａの 外径ｄ２とほぼ等しく、また上部の内径ｄ３は係止部４の係止段部６部分の外径 ｄ４より小さくかつ胴部５ａの最縮径部の外径ｄ５とほぼ等しいかやや大きく形 成されており、さらに上部には少なくとも２つの割り溝１１が設けられている。 そして、複数本の吊紐１とフック８によって吊具を構成する。

【００１５】 １２は合成樹脂材料によって構成された鉢で、上部になるにしたがって拡径さ れて開口し、内部に底部より高所に設けられた水抜き穴１３および目皿（図示せ ず）が載置されるリブ１４が設けられ、鉢１２の外周面から多少内側に先端部１ ５ａを有する突起部１５が少なくとも４個設けられており、この突起部１５は吊 紐１の連結部３の穴３ａに貫入されて鉢１２と吊紐１を連結する。また、突起部 １５は中心部を通る線からそれぞれ等しい角度の位置に設けられており、吊紐１ で鉢１２を吊った場合に鉢１２が安定するようになっている。なお、突起部１５ の先端部１５ａは吊紐１の連結部３が抜けないように拡径されている。

【００１６】 このように構成したこの実施例においては、鉢１２を吊り下げる場合、まず、 ２本の吊紐１の係止部４の平坦部４ａを向い合わせてそれぞれ結合部７の凹部７ ａに凸部７ｂを嵌合し、両者を一体的に結合して係止体を形成する。ついで、一 体結合した係止体をフック８の筒状係合部１０の下から嵌入すると、図７に示す ように、筒状係合部１０の上部は割り溝１１により弾性変形して一体結合した係 止体Ａの頭部が筒状係合部１０から突出し、その係止段部６が筒状係合部１０の 上端部に係止する。そして、２本の吊紐１とフック８とは結合し、吊具を構成す る。この時、係止体Ａは筒状係合部１０内において回動可能である。

【００１７】 次に、２本の吊紐１の連結部３が鉢１２の円周上に位置するように多少開き、 吊紐１の連結部３のそれぞれの穴３ａに鉢１２の突起部１５を貫入させて、吊紐 １と鉢１２とをしっかり連結する。この時、一体的に結合した係止体Ａを筒状係 合部１０内で回動させて吊紐１と鉢１２とを連結させるので、吊紐１の紐部２に はねじれが生じない。そして、フック８を天井等に設置された止金などにかけて 鉢１２を吊り下げる。

【００１８】 このように、吊紐１の係止部４、凹凸部７ａ，７ｂおよびフック８の筒状係合 部１０等によって吊紐１とフック８をしっかりと結合して吊具を構成し、この吊 具によって鉢１２を吊り下げるので、吊紐１の紐部２にねじれを生じさせること なく鉢１２に吊紐１を連結することができ、吊紐１の切断などを防いで安定性の 高い鉢１２の吊り下げを行うことができる。また、紐部２にねじれが無いので、 その吊り下げられた鉢の美観を向上させることができる。

【００１９】 実施例２． 図８はこの考案の第２の実施例の一部を省略した要部の断面図である。この実 施例は、第１の実施例の吊紐１の断面半円形（１８０゜の扇形）の係止部４に代 えて、円周を３分割した１２０゜の扇形に形成されてＶ字状の２つの平坦部１６ ａのそれぞれに凹部１７ａと凸部１７ｂを並設してなる１組または複数組の結合 部１７が設けられた係止部１６を紐部２の上端部に設けたもので、３本の吊紐１ の係止部１６を一体的に結合した係止体Ｂをフックの筒状係合部に嵌入して係止 し、吊具を構成している。

【００２０】 このように構成したこの実施例においては、図８に示すように、３本の同形状 の吊紐１の係止部１６の平坦部１６ａを向い合わせてそれぞれの結合部１７の凹 部１７ａに凸部１７ｂを嵌合し、三者を一体結合して係止体Ｂを形成する。つい で、一体結合した係止体Ｂをフックの筒状係合部に嵌入して係止する。そして、 吊紐１とフックとが結合してなる吊具の連結部と鉢とを連結し、この鉢を吊り下 げる。これにより、鉢を３本の吊紐１とフックからなるねじれの無い吊具によっ て安定性の高い吊り下げを行うことができ、より大きな鉢を吊り下げることがで きる。

【００２１】 実施例３． 図９はこの考案の第３の実施例に係る吊紐の要部の平面図で、この実施例は、 第１の実施例の吊紐１の係止部４の平坦部４ａに設けた上結合部７と、フックの 筒状係合部に設けられた割り溝を省略し、係止部４の頭部５ｂ上端部から胴部５ ａに向って割り溝１８を設けたものである。

【００２２】 このように構成したこの実施例においては、２本の同形状の吊紐１の係止部４ の平坦部４ａを向い合わせてそれぞれの結合部７の凹部７ａに凸部７ｂを嵌合し 、両者を一体結合して係止体を形成する。ついで、一体結合した係止体をフック の筒状係合部の下から嵌入すると、係止体（係止部４）の上部は割り溝１８によ って弾性変形しながら突出し、係止体（係止部４）の上部が元の形状に戻りなが ら係止段部６が筒状係合部の上端部に係止する。そして、結合された吊紐１とフ ックとからなる吊具を鉢に連結し、この鉢を吊り下げる。これにより、実施例１ とほぼ同じ効果を奏する。

【００２３】 実施例４． 図１０はこの考案の第４の実施例の一部を省略した要部の断面図である。この 実施例は、第１の実施例の吊紐１の係止部４の平坦部４ａに設けた凹部７ａと凸 部７ｂを並設してなる２組の結合部７に代えて、一方の吊紐１の係止部４の平坦 部４ａに少なくとも１つの凹部１９ａを設け、他方の吊紐１の係止部４の平坦部 ４ａに凹部１９ａに嵌合する少なくとも１つの凸部１９ｂを設けたもので、この ２本の吊紐１の係止部４を一体的に結合した係止体Ｃをフックの筒状係合部に嵌 入して係止し、吊具を構成している。なお、吊紐１を３本とする場合は、図１１ に示すように、円周を３分割した１２０゜の扇形に形成された係止部２０のＶ字 状の２つの平坦部２０ａの一方に少なくとも１つの凹部２１ａを設け、他方に少 なくとも１つの凸部２１ｂを設ける。

【００２４】 このように構成したことにより、実施例１，２とほぼ同じ作用および効果が得 られ、吊具に連結した鉢を回転可能となし、吊紐１にねじれが無く安定性の高い 吊り下げを行うことができる。

【００２５】 以上この考案の実施例について説明したが、この考案はこれに限定するもので はなく、例えば以下の如く適宜変更することができる。 （１）吊紐１の連結部３には穴３ａを設け、鉢１２には外周面から多少内側に先 端部１５ａを有する突起部１５を設けた場合を示したが、吊紐１の連結部３が突 起構造あるいは鉤構造を持ち、それに対応する鉢に穴あるいは縁構造を設けるな ど、互いに連結しうる構造であれば、連結部の設置位置および形状は適宜変更す ることができる。

【００２６】 （２）吊紐１を２本または３本とした場合を示したが、吊紐１を４本以上として もよく、吊紐１を４本とする場合は、吊紐１の係止部を９０゜の扇形に形成して 四者を一体結合し、吊紐１を５本以上とする場合は、係止部をその本数に対応し た数に円周を分割して形成した扇形とし、この同形状の扇形を有するの複数の吊 紐１を一体結合する。

【００２７】 （３）吊紐１の紐部２の下方が二股に分れた場合を示したが、分岐させず１本そ のものでよく、また３つ以上に分岐させてもよい。このような場合も、実施例１ とほぼ同様の効果を奏する。

【００２８】 （４）実施例３において、実施例１の係止部４に割り溝１８を設けた場合を示し たが、実施例２の係止部１６等に割り溝を設けても実施例３とほぼ同じ効果を奏 する。

【００２９】

【考案の効果】

以上のようにこの考案に係る植木鉢吊具は、下端部に植木鉢への連結部が設け られた紐部および紐部の上端部に設けられた係止部とからなる複数本の吊紐と、 下端部にリング状の吊環を有し、この吊環に複数本の吊紐の係止部が一体的に結 合されて嵌入係止される筒状係合部が設けられたフックとを備え、係止部を、１ つの平坦部またはＶ字状の２つの平坦部と円弧部とにより断面半円形または扇形 に形成し、上部に係止段部を設けるとともに、平坦部に凹部と凸部を並設してな る少なくとも１組の結合部を設け、あるいは平坦部に凹部または凸部よりなる少 なくとも１個の結合部を設け、さらに、フックの筒状係合部の上部または吊紐の 係止部の上部に割り溝を設けたので、吊紐とフックとを簡単かつ確実に連結させ て容易に回転可能な吊具を構成することができるとともに、鉢に吊具を連結した 場合に吊紐にねじれが生じるのを防ぎ、吊紐の切断などのおそれのない安定性の 高い鉢の吊り下げを行うことができる植木鉢吊具を得ることができる。また、吊 紐にねじれなどが無いので、美観を向上を計ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施例に係る吊紐の正面図お
よびその左側面図である。

【図２】この考案の第１の実施例に係るフックの正面図
およびその下面図である。

【図３】この考案の第１の実施例に係る鉢の平面図であ
る。

【図４】図３の一部縦断面図である。

【図５】この考案の第１の実施例に係る吊紐の要部の平
面図およびそのＸ−Ｘ断面図である。

【図６】この考案の第１の実施例に係るフックの要部の
断面図である。

【図７】（ａ）はこの考案の第１の実施例の要部のフッ
クを断面表現した作用説明図である。（ｂ）は（ａ）の
Ｙ−Ｙ断面図である。

【図８】この考案の第２の実施例の一部を省略した要部
の断面図である。

【図９】この考案の第３の実施例に係る吊紐の要部の平
面図である。

【図１０】この考案の第４の実施例の一部を省略した要
部の断面図である。

【図１１】図１０の変形例を示す一部を省略した要部の
断面図である。

【符号の説明】

１ 吊紐 ２ 紐部 ３ 連結部 ３ａ 穴 ４，１６，２０ 係止部 ４ａ，１６ａ，２０ａ 平坦部 ４ｂ 円弧部 ５ａ 胴部 ５ｂ 頭部 ６ 係止段部 ７，１７ 結合部 ７ａ，１７ａ，１９ａ，２１ａ 凹部 ７ｂ，１７ｂ，１９ｂ，２１ｂ 凸部 ８ フック ９ 吊環 １０ 筒状係合部 １１，１８ 割り溝 １２ 鉢 １５ 突起部 １５ａ 先端部 Ａ，Ｂ，Ｃ 係止体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端部に植木鉢への連結部が設けられた
   紐部および該紐部の上端部に設けられた係止部とからな
   る複数本の吊紐と、下端部にリング状の吊環を有し、該
   吊環に前記複数本の吊紐の係止部が一体的に結合されて
   嵌入係止される筒状係合部が設けられたフックとを備え
   たことを特徴とする回転可能な植木鉢吊具。
2. 【請求項２】 係止部を、１つの平坦部またはＶ字状の
   ２つの平坦部と円弧部とにより断面半円形または扇形に
   形成し、上部に係止段部を設けるとともに、前記平坦部
   に凹部と凸部を並設してなる少なくとも１組の結合部を
   設けたことを特徴とする請求項１記載の植木鉢吊具。
3. 【請求項３】 係止部を、１つの平坦部またはＶ字状の
   ２つの平坦部と円弧部とにより断面半円形または扇形に
   形成し、上部に係止段部を設けるとともに、前記平坦部
   に凹部または凸部よりなる少なくとも１個の結合部を設
   けたことを特徴とする請求項１記載の植木鉢吊具。
4. 【請求項４】 フックの筒状係合部の上部または前記吊
   紐の係止部の上部に割り溝を設けたことを特徴とする請
   求項１，２または３記載の植木鉢吊具。