JP3006769U - 水耕栽培装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】培養液に酸素を十分に含ませた培養液を内外二
重に配置された栽培槽の間に還流させて、栽培植物の根
をこの水流に浸すことによって、栽培効率を高めて、よ
り多くの収穫を擧げることができる小型で効率の良い水
耕栽培装置を提供する 【構成】上面に複数の植え込み穴１のある蓋２を有し、
全体として門型に形成された水密性の栽培槽３の中に、
一回り小さく、左右両垂直部分４、５の下端部が解放さ
れ、上部水平部分の上面に開口部を有する門型の内側栽
培槽６を１個または複数個内接せしめ、この門型６の管
体の一方の垂直部分４の下端部に、空気ポンプ７にホー
ス８で接続された散気管９を配置した構成（この装置に
培養液をいれ、空気ポンプによって散気管から気泡を噴
出させると、溶存酸素量酸素量が高められた培養液が、
内外の栽培槽を含む栽培装置全体を還流する。この培養
液の流れの中に根が浸るように植物を配置して植物を栽
培する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植物を栽培するにあたって、培地を用いないで、植物の根をその必 要とする栄養分と酸素を含む培養液の中に浸して植物を栽培する、水耕栽培装置 に関する

【０００２】

【従来の技術】

一般に、水耕栽培においては特開昭５９−１７９０２５に記載されているよう に、栽培容器の中に空気を気泡として噴出させて培養液の溶存酸素量を高め、こ れを送水ポンプと配管によって、栽培容器の中に循環させる装置が存在する

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の水耕栽培装置は、前記のように、栽培槽や通気設備の他に、送水設備と これに伴う配管類を必要とし、この設備には多額の費用を必要とした。

【０００４】 また、培養液の流路となる養液槽や栽培槽等に、培養液が滞留する部分を生じ 、栽培する植物全体に、平均して酸素や養分を与えることができない欠点があっ た。

【０００５】 この考案の目的は、このような従来の技術の欠点を除去して、より効果的で経 済的な、そしてよりコンパクトな水耕栽培装置を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような課題を解決するため、実施例に対応する図１、２、３、 ４、５に示すように、上面に複数の植え込み穴１のある蓋２を有し全体として門 型に形成された栽培槽３の中に、左右両垂直部分４、５の下端部が解放され上部 水平部分の上面に開口部を有する、一回り小さい門型の栽培槽を、１個または複 数個内接せしめ、この内側の門型栽培槽６の一方の垂直部分４の下端部に、空気 ポンプ７にホース８で接続された散気管９が配置されている。

【０００７】

【作用】

本考案の水耕栽培装置において、栽培槽に培養液を満たして、空気ポンプ７を 作動させると、散気管９から噴出する気泡に伴って培養液が、門型の内側栽培槽 ６の垂直部分４の中を上昇し、次にその水平部分を流れた後、この栽培槽のもう １方の垂直部分５を流下して、外側の栽培槽３の中に流出する。この流出した培 養液は、外側の栽培槽３の中を最初の散気管９のある場所まで戻り、再び内側の 栽培槽６の中に流入する。このようにして、噴出気泡によって溶存酸素量が高め られた培養液が、空気ポンプ７が作動を続ける間、内側外側の栽培槽３、６、す なわち栽培装置全体の中を継続的に循環する。

【０００８】 栽培槽３、６の上面の植え込み穴１に植物１０を定植すると、その根１１は、 その下の内側栽培槽６と外側栽培槽３の中を流れる、栄養分と酸素多く含んだ培 養液の流れに浸りつつ、流れに沿って伸長する。

【０００９】

【実施例】

本考案を適用した１例を示す図１、２、３、４、５の断面図について説明する と、外側栽培槽３は、プラスチック等の耐アルカリ性、耐酸性の材料を用いて全 体として門型に形成されている。同じ材料で作られた一回り小さい門型の栽培槽 ６が、外側栽培槽３の内部の片側に寄せられて配置されている。この栽培槽３、 ６の水平部分の上面は、全面的に解放されている。内側の栽培槽６の左右の垂直 部分４、５ の下部は解放端となっていて、この１方４の下端内部に、空気ポン プ７に送気ホースによって連結された散気管９が配設されている。

【００１０】 空気ポンプ７を作動させると、散気管９から気泡が培養液と共に内側の栽培 槽６の垂直部分４に噴出上昇し、水平の栽培部分を流れた後、内側の栽培槽６の もう１方の垂直部分５の下端から外側の栽培槽３に流出し、この上面の水平栽培 部分を流れた後流下して、最初の散気管７のところまで戻り、このようにして内 側外側の栽培槽を通して還流する。

【００１１】 この水耕栽培装置を用いて植物を栽培するにあたっては、植物の苗１０の茎を スポンジ片１２で挟んで、外側栽培容器３の蓋の上面に開けられた植え込み穴１ に挿入し、その根１１が培養液に浸るようにする。

【００１２】 培養液の水位は植物の吸収によって低下するので、平均して１週に１回の割合 で培養液を補充する。植物によって各栄養成分の吸収量の比率が異なるので、培 養液に含まれる各成分のバランスが次第にくずれる傾向があり、培養液を補給す る際に、４回または５回に１回は、栽培槽に残った培養液を捨ててから新しい培 養液を補充することが推奨される。

【００１３】 また、図６に示すように、幅のより広い外側栽培容器３の中に、２個または２ 個以上のの内側栽培槽６を入れて、同様に栽培することもできる。この場合複数 の内側栽培槽６はその間に空間をとって配置する。

【００１４】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の水耕栽培装置は、門型の外側栽培槽３の中に 、一回り小さい門型栽培槽６を二重にしてはめ込み、この内側の門形の栽培槽６ の垂直部分４の下端から小型空気ポンプ７によって気泡を噴出させ、そのエアリ フト作用によって、内側の栽培槽３に水流を生じさせ、これが外側の栽培槽６に 導かれるので、内外の栽培槽全体にわたって溶存酸素量が高められた培養液が循 環する。それぞれの栽培槽の上面の、限られた断面の液流の中に植物の根が浸る ように植物が配置されるので、植物の栄養分の吸収効率が極めて良くなり、植物 は非常に良く成育し、とくに野菜の場合は多くの収穫を擧げることができる。従 って従来の水耕栽培装置に比較してはるかに効果的に植物を栽培することができ る。

【００１５】 また、水耕栽培装置の上面全体にわたって培養液が流れるので、比較的多くの 植え込み穴を配置することができ、したがって多くの植物を同時に栽培すること ができ、限られたスペースを有効に利用して栽培することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の水耕栽培装置の構造を説明するため、
外側栽培槽の蓋を取り除いて、内部を透視的に表現した
実施例の斜視図。

【図２】本考案の水耕栽培装置の全体の外観斜視図

【図３】内側栽培槽の斜視図

【図４】本考案の実施例の主要断面図

【図５】図４の場合の平面図

【図６】内側栽培槽を２個入れた場合の実施例の平面図

【符号の説明】

１：植え込み穴 ２：蓋 ３：外側栽培槽 ４：内側栽培槽の垂直部分 ５：内側栽培槽のもう一方の垂直部分 ６：内側栽培槽 ７：空気ポンプ ８：空気ホース ９：散気管 １０：植物 １１：植物の根 １２：スポンジ 図１の矢印は液流の方向を示す

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に複数の植え込み穴１のある蓋２を有
   し、全体として門型に形成された栽培槽３の中に、左右
   両垂直部分４、５の下端部が解放され、上部水平部分の
   上面に開口部を有する、一回り小さい門型の栽培槽６を
   １個または複数個内接せしめ、内側の門型栽培槽６の片
   方の垂直部分４の下端部に、空気ポンプ７にホース８で
   接続された散気管９を配置したことを特徴とした水耕栽
   培装置