JP3006474B2 - マルチコアファイバ及びこれを用いた光増幅器ならびにこの増幅器を用いた装置 - Google Patents

マルチコアファイバ及びこれを用いた光増幅器ならびにこの増幅器を用いた装置

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JP3006474B2
JP3006474B2 JP8035262A JP3526296A JP3006474B2 JP 3006474 B2 JP3006474 B2 JP 3006474B2 JP 8035262 A JP8035262 A JP 8035262A JP 3526296 A JP3526296 A JP 3526296A JP 3006474 B2 JP3006474 B2 JP 3006474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利得の波長特性の
平坦性が要求されるマルチコアファイバ及びこれを用い
た増幅器ならびにこの増幅器を用いた装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバのコア内にEr(エル
ビウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)等
の希土類元素を添加した光ファイバ増幅器が実用レベル
に達するようになってきた。特に、Erを添加した光フ
ァイバ増幅器は、1.55μm帯において高利得、高飽
和出力を有することから、種々のシステムへの適用が考
えられている。その中でも1.53μmから1.56μ
m波長帯の信号光を数波以上用いた波長多重伝送による
高速、大容量、長距離伝送や光CATV(CableTelevis
ion)システムへの適用が注目されている。このような
システムへのEr添加光ファイバ増幅器の適用に対して
は、光S/N特性やクロストーク特性の劣化を抑えるた
めに、上記使用波長帯におけるEr添加光ファイバ増幅
器の利得が平坦であることが重要である。
【0003】このような高利得及び平坦化を達成するた
めに、本発明者らは先に図14に示すようなEr添加マ
ルチコアファイバ、及びこのEr添加マルチコアファイ
バを用いた図15に示すような光増幅器を提案してい
る。まず、用いられるEr添加マルチコアファイバ37
は、図14に示すように、プライマリークラッド層32
の中に希土類元素、例えばErとAl(アルミニウム)
を共添加したコア31-1〜31-7を備えたガラスロッド
34を複数本(図では7本)を集合し、更に、これらガ
ラスロッド34の周囲をクラッド33で覆った構造にし
たものである。このような光ファイバを用いることによ
り、高利得化及び利得の波長特性の平坦化を達成するこ
とができる。
【0004】この達成については、2つの理由をあげる
ことができる。まず、第1の理由は、Er添加マルチコ
アファイバはAlの添加濃度が従来のようなコアが1つ
のEr添加ファイバに対して十分に多くできることであ
る。第2の理由は、従来の光ファイバでコア内の励起光
のパワーを低くしていった場合、波長1.535μm付
近の利得のピークが減少し、徐々に平坦な利得−波長特
性になり、更にパワーを低くするに従って波長1.53
μm側の短波長域の利得が下がり、1.56μm側の長
波長域の利得が上がる、いわゆる短波長から長波長に向
けて右上がりの利得−波長特性になるため、励起光を低
くしていくと利得が非常に低くなり、光増幅器として使
えないことがわかっていたが、このEr添加マルチコア
ファイバは逆にこの原理を積極的に利用するようにした
からである。すなわち、図示のように、Erが添加され
た各々のコア31-1〜31-7内に励起光と信号光がほぼ
均等に伝搬するように各々のコア径Dとコア間隔dを最
適化すれば、コア31-1〜31-7の各々の内部を伝搬し
ていった信号光の増幅利得は低くなるものの、その波長
特性はほぼ平坦になり、所望の長さを伝搬して行った後
ではコア31-1〜31-7の各々の内部で増幅された信号
が重畳されることになり、且つその利得の波長特性がほ
ぼ平坦になることを利用している。
【0005】次に、上記した原理による図15の光増幅
器の構成、及びこれに対する利得の波長特性を評価した
結果について説明する。Er添加マルチコアファイバ3
7にはコア間隔dが1.3μm、各々のコア径が約2μ
m、クラッド径が125μm、コアとクラッドとの比屈
折率差Δが1.45%、モードフィールド径が約8.8
μm、各々のコア内のErとAlの添加量が400pp
mと8500ppm、ファイバ長が約45mのものを用
いた。このEr添加マルチコアファイバ37の両端には
光が逆方向に伝搬するのを防止するためのアイソレータ
35a,35bが接続され、この各々の内側にはWDM
(波長分割多重:Wavelength Division Multiplexing)
カプラ36a,36bが設けられている。アイソレータ
35aには信号光S1 が入力され、アイソレータ35b
から増幅された信号光S2 が出力される。
【0006】このWDMカプラ36a,36bの各々に
は、励起用半導体レーザ38a,38bに接続された光
ファイバ39a,39bが結合され、励起用半導体レー
ザ38a,38bで生成された励起光40a,40bが
Er添加マルチコアファイバ37に伝搬できるように構
成されている。アイソレータ35aを経由して信号光S
1 が入光されているとき、励起用半導体レーザ38aで
短い波長のレーザ光を生成し、このレーザ光をWDMカ
プラ36aを介してEr添加マルチコアファイバ37に
入射させると、イオンのあるエネルギー準位が励起さ
れ、誘導放出による増幅作用が生じる。増幅された光信
号S2 はEr添加マルチコアファイバ37からアイソレ
ータ35bを通して外部へ出力される。同様に、励起用
半導体レーザ38生成されたレーザ光は、Er添加マル
チコアファイバ37に対して後方向から入射され、上記
した原理で光増幅を行う。ここでは、前後から励起光を
付与しているが、前又は後のいずれか一方でもよい。
【0007】ここで、励起光40a,40bの波長を
0.98μmとし、励起光40aの励起光パワーが70
mW、励起光40bの励起光パワーが80mWとなるよ
うにした。これらの値は、利得の波長特性が平坦化に適
していたことから決定した値である。図15の構成にお
ける利得の波長特性を測定したのが図16である。すな
わち、信号光パワーSpが−37dB、−27dB、−
17dB、−9dBの各場合について、夫々の利得の波
長特性を測定した結果である。図16から明らかなよう
に、広い波長範囲にわたって利得が平坦化されているこ
とがわかる。
【0008】図17はEr添加マルチコアファイバ37
のコア間隔dと利得が最大値から1dB低下した場合の
帯域幅(以下、「1dB帯域幅」という)との関係を実
験的に求めてプロットしたものであり、図16の場合と
同様に信号光パワーSpをパラメータにしている。コア
間隔dが0の場合、従来のEr添加光ファイバ増幅器
(所謂コアが一個の構造のもの)の特性である。図17
から明らかなように、Er添加光マルチコアファイバ増
幅器の方が利得の波長特性が平坦になることを示してお
り、かつコア間隔dを大きくするほど、1dB帯域幅は
広がることを示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のEr添
加マルチコアファイバ増幅器によると、利得が或るレベ
ル以下では平坦な波長特性が得られるものの、40dB
前後の高利得域においては、利得の波長特性は満足な結
果が得られなかった。そこで本発明は、高利得時でも十
分な平坦特性を得ることのできるマルチコアファイバ及
びこれを用いた増幅器ならびにこの増幅器を用いた装置
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、クラッドの中心部に、該クラッドの
屈折率よりも高い屈折率を有し、希土類元素が添加され
た複数のコアを配置してなるマルチコアファイバにおい
て、前記複数のコアは、第1のコアと、該第1のコアよ
り大きい直径を有し、前記第1のコアの周囲を取り囲む
ように配置された第2のコアからなる構成にしている。
【0011】この構成によれば、第1のコアを取り囲む
第2のコア径を第1のコアに対して大きくしたことによ
り、第1のコア内を伝搬するパワーと第2のコア内を伝
搬するパワーとが等しくなり、パワーアンバランスが無
くなる。この結果、利得の波長特性の平坦特性を良好に
することができる。また、上記の目的は、クラッドの中
心部に、該クラッドの屈折率よりも高い屈折率nW を有
し、希土類元素及びAlが共添加された複数のコアを配
置してなるマルチコアファイバにおいて、前記複数のコ
アは、第1のコアと、該第1のコアより大きい直径を有
し、前記第1のコアの周囲を取り囲むように配置された
第2のコアからなり、前記クラッドは、前記第1のコア
を被覆する第1のプライマリークラッド層と、前記第2
のコアを被覆する第2のプライマリークラッド層及び第
2のプライマリークラッド層の外側に位置するセカンダ
リクラッド層とからなり、前記第1,第2のプライマリ
ークラッド層の屈折率nP は前記セカンダリクラッド層
の屈折率nC 以下にしたマルチコアファイバによっても
達成される。
【0012】この構成によれば、中心に配設された第1
のコアの径を、その周辺に配設された複数の第2のコア
の径よりも小さくした結果、第1のコア内を伝搬するパ
ワーは第2のコア内を伝搬するパワーに等しくなり、パ
ワーアンバランスが無くなるため、利得の波長特性の平
坦特性を良好にすることができる。また、前記マルチコ
アファイバにおいて、前記第2のプライマリークラッド
層は、その外径を前記第1のプライマリークラッド層の
外径に等しくすることができる。
【0013】この構成によれば、このように第1,第2
のプライマリークラッド層の外径が等しくなるようにす
ることで、対称性良く複数本のコアを配設できる。更
に、前記マルチコアファイバにおいて、前記第1のプラ
イマリークラッド層は、その厚みが前記第2のプライマ
リークラッド層の厚みに等しくしている。この構成によ
れば、マルチコアファイバ内に励振された信号光及び励
起光をより効率良く第1のコア内に結合させて伝搬する
ことができ、結果的に高利得化を図ることができる。
【0014】また、前記マルチコアファイバにおいて、
前記第1のプライマリークラッド層及び前記第2のプラ
イマリークラッド層は、前記セカンダリクラッド層と同
一材料にすることができる。この構成によれば、ファイ
バの製造が容易になる。また、上記の目的は、クラッド
の中心部に、該クラッドの屈折率よりも高い屈折率nW
を有し、希土類元素及びAlが共添加された複数のコア
を配置してなるマルチコアファイバにおいて、前記複数
のコアは、第1のコアと、該第1のコアより大きい直径
を有し、前記第1のコアの周囲を取り囲むように配置さ
れた第2のコアからなり、前記クラッドは、前記第1,
第2のコアを共通に被覆するプライマリークラッド層
と、該プライマリークラッド層を被覆するセカンダリク
ラッド層とからなり、前記プライマリークラッド層の屈
折率nP は前記セカンダリクラッド層の屈折率nC 以下
である構成によっても達成される。
【0015】この構成によれば、プライマリークラッド
層の屈折率nP と第2クラッド層の屈折率nC を異なら
せたファイバを製作するのに適し、例えば、プライマリ
ークラッド層にFを添加してコアとの比屈折率差Δを大
きくすることができ、これによって高効率(すなわち高
利得を意味する)の光増幅器用の光ファイバを得ること
ができる。
【0016】更に、上記した本発明の目的は、上記希土
類添加マルチコアファイバの入力側または出力側、もし
くは両側に設けられたWDM回路と、このWDM回路に
励起光を供給するための励起用光源と、前記WDM回路
と入力端又は出力端との間に設けられたアイソレータと
を備えた構成の光増幅器によって達成される。この構成
によれば、コアの径に配慮した希土類添加マルチコアフ
ァイバは利得の波長特性の平坦特性に優れ、これをWD
M回路と組み合わせることにより励起用のレーザ光を希
土類添加マルチコアファイバに注入でき、これによって
光増幅を行わせることができる。この結果、利得の波長
特性の平坦特性を確保しながら高利得化を図ることがで
きる。
【0017】また、上記した本発明の目的は、上記希土
類添加マルチコアファイバを用いた光増幅器の入力側又
は出力側、もしくは両側に分散シフトファイバを接続し
た構成の光増幅中継装置によって達成される。この構成
によれば、分散シフトファイバと希土類添加マルチコア
ファイバのモードフィールド径が非常に近い値であるた
め、情報信号の伝送を低接続損失で行うことのできる光
増幅中継装置を得ることができる。
【0018】更に、前記光増幅中継装置において、分散
シフトファイバの途中に分散補償デバイスを接続した構
成にすることができる。この構成によれば、高速、大容
量の情報をより長距離へ伝送しようとする場合に問題と
なるファイバの分散値が、分散補償デバイスによって補
償される。したがって、利得の波長特性の平坦特性及び
高利得化を確保しながら、大容量の情報を高速に遠方へ
伝送することができる。
【0019】また、前記光増幅中継装置において、その
入力側又は出力側、もしくは両側に光合分波回路を設け
ることができる。この構成によれば、光合分波回路によ
って波長多重が行え、この波長多重した信号光を希土類
添加マルチコアファイバ及び分散シフトファイバを通過
させることにより、長距離伝送が可能になる。
【0020】更に、上記した本発明の目的は、上記の光
増幅器の出力側に、この光増幅器より出力された増幅後
の光信号を複数の異なる波長に分配出力する光スターカ
プラを設けた構成の光増幅分配装置によっても達成され
る。この構成によれば、希土類添加マルチコアファイバ
を用いた光増幅によって利得の波長特性の平坦特性を確
保しながら増幅された信号光が光スターカプラによって
分配され、複数の加入者へ波長多重化された情報信号を
ほぼ均等に、且つS/Nの劣化及びクロストーク特性の
劣化を極めて低い値にして伝送することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を基に説明する。図1は本発明によるマルチコア
ファイバの第1の実施の形態を示す断面図である。構成
の説明の前に、本発明による構成のマルチコアファイバ
に至った経緯について説明する。Er添加マルチコアフ
ァイバに波長0.98μmの励起光及び波長1.55μ
mの信号光を入射させたときのEr添加マルチコアファ
イバ内を1m伝搬した状態における各々のコア内のパワ
ー分布を理論解析したところ、図12(図中、(a)は
ファイバ断面図、(b)は波長0.98μmにおけるコ
ア間隔d−パワー入射/出射特性)及び図13(波長
1.55μmにおけるコア間隔d−パワー入射/出射特
性)の結果を得た。いずれもパワー比とコア間隔との関
係を示し、横軸は各々のコアの間隔d、縦軸は各々のコ
アに入射したパワーと出射したパワーとの比を示してい
る。
【0022】発明者らの理論解析によれば、図12及び
図13の(a)におけるA−A軸、B−B軸及びC−C
軸とが対称であることから、周辺部の各々のパワー比は
等しくなる。したがって、図12及び図13では中心部
のコア内のパワー比と周辺部のコア内のパワー比の夫々
の最小値及び最大値をプロットしている。まず、図12
について説明すると、波長0.98μmの励起光に対し
てはコア間隔dが小さいと、中心部及び周辺部のパワー
比の最小値と最大値との間には大きな差がある。つま
り、励起光は各々のコア内を大きな振動を伴いながら伝
搬しており、中心部のコア内と周辺部のコア内のパワー
とに大幅なパワーアンバランスが生じる。ところが、コ
ア間隔dを徐々に大きくしていくと、パワーアンバラン
スは小さくなり、コア間隔dが1.3〜1.5の範囲で
は中心部及び周辺部のコア内のパワーが近似した値にな
ってくることが判明した。
【0023】また、波長1.55μmの信号光に対する
図13においても同様の傾向を示しており、各々のコア
内に励起光及び信号光をほぼ均等に分配して伝搬させる
ためのコア間隔dの最適値は1.3〜1.5の範囲にあ
ることが判明した。しかし、以上の結果からわかるよう
に、中心部のコア内と周辺部のコア内を伝搬するパワー
には未だアンバランスがあり、図16に示したように、
利得の波長特性の平坦性を劣化させる原因になっている
と考えられる。
【0024】そこで本発明においては、図12及び図1
3における中心部のコア内と周辺部のコア内を伝搬する
パワーがより等しくなるように、中心部のコアの直径D
c を周辺部のコアの直径Do よりも小さくし、中心部の
コア内を伝搬するパワーが低下するようにしている。こ
れにより、中心部のコア内を伝搬するパワーと周辺部の
コア内を伝搬するパワーとをほぼ等しくすることがで
き、利得の波長特性の平坦性を改善することができる。
【0025】次に、以上の考えを具体化した本発明の実
施の形態について図1を基に説明する。コア1a〜1g
はプライマリークラッド層2によって被覆されている。
コア1a〜1gにはErとAlが共添加されている。そ
して、コア1a〜1gは1本(コア1g)を中心に据
え、これを取り囲むようにして他の6本(コア1a〜1
f)が一体的に束ねられている。これらコア1a〜1g
は、更にセカンダリクラッド層3で被覆されている。こ
のセカンダリクラッド層3は屈折率nC であり、これに
対してコア1a〜1gの屈折率nW は、nC に対してn
W >nC に設定されている。また、プライマリークラッ
ド層2の屈折率nP は、セカンダリクラッド層3の屈折
率nC に対し、nC ≧nP に設定される。つまり、各々
の屈折率は、nW >nC ≧nP の関係にある。更に、中
心のコア1gのコア径がDc で、コア1a〜1fのコア
径がDo であるとき、Dc <Do の関係を満たすように
設定される。
【0026】図1の構成においては、中心のコア1gを
伝搬する信号光(波長1.53μm〜1.57μm帯)
と励起光(0.98μm帯或いは1.48μm帯)のパ
ワー量を図14の場合の値に比べて抑えたことにより、
コア1a〜1g内の光のパワー量の略均等分配化を図れ
るため、利得の波長特性を更に平坦化することができ
る。
【0027】具体的例を示せば、セカンダリクラッド層
3の外径を125μm、コア1a〜1fのコア径Do
約2μm、コア1gのコア径Dc を約1.4μm、コア
1a〜1fのコア間隔d1 を約1.3μm、コア1a〜
1fとコア1gとのコア間隔d2 を約1.6μm、プラ
イマリークラッド層2屈折率nP 及びセカンダリクラッ
ド層3の屈折率nC を1.458、コア1a〜1gの各
々の屈折率nW を1.4795、コア1a〜1gの屈折
率nW とセカンダリクラッド層3の屈折率nC(プライ
マリークラッド層の屈折率nP )との屈折率差Δを1.
45%、波長1.55μmでのモードフィールド径を約
8.8μm、コア1a〜1gにおけるErの添加量を4
00ppm、Alの添加量を8500ppmにした。そ
して、図15に示した構成によって利得特性及び1dB
帯域幅特性を測定した。これにより、図2及び図3に示
すような結果が得られた。図2及び図3から明らかなよ
うに、利得の波長特性は平坦化できたことがわかる。
【0028】なお、図1の構成において、その製作を容
易にし、かつ各コア内にできる限り信号光及び励起光を
効率良く閉じ込められるように、また、設計通りに完成
できるようにする手段として、コア1gのプライマリー
クラッド層2の厚みをその外側のコア1a〜1fのプラ
イマリークラッド層2の厚みよりも厚くし、全てのプラ
イマリークラッド層2の外径がほぼ等しくなるように設
定している。このような構成にすることで、夫々のプラ
イマリークラッド層2付きのコアロッドをセカンダリク
ラッド層3になる石英ガラス管内に束ねて挿入し、石英
ガラス管を当該管の外周から酸水素バーナで加熱し、夫
々のコアロッドと管内壁面との間に隙間が生じないよう
に溶着(コプラス)して、プリフォームロッドを形成す
る際に非常に都合がよい。
【0029】つまり、プライマリークラッド層2を形成
済みのコア1a〜1gをセカンダリクラッド層になる石
英ガラス管の中心に対してほぼ一様に且つ対称性良く配
置することができ、コア1a〜1gの束をほぼ真円に保
った状態で溶着して中実のプリフォームロッドを実現す
ることができる。このプリフォームロッドは、その後、
線引きされてファイバ化されるが、この製造工程によれ
ば、コア1a〜1gの間隔d1 を夫々等しくすると共
に、コア1a〜1fと1gとの各々のコア間隔d 2 を夫
々等しくしたファイバを容易に製造することができる。
【0030】図4は本発明によるEr添加マルチコアフ
ァイバの第2の実施の形態を示す断面図である。プライ
マリークラッド層2が被覆されたコア1a〜1gは、セ
カンダリクラッド層3の中心に束ねた状態で配設され
る。中心のコア1gのコア径Dc は、その周囲のコア1
a〜1fのコア径Do よりも小さくしているが、図1の
構成と異なるところは、中心のコア1gを被覆している
プライマリークラッド層2の厚みがコア1a〜1fを被
覆しているプライマリークラッド層2の厚みと同程度に
している。この結果、中心のコア1gを被覆しているプ
ライマリークラッド層2の外径が、その周囲のコア1a
〜1fを覆っているプライマリークラッド層の外径より
も小さくなる。
【0031】この構成を図1の構成と比較すると、Er
添加マルチコアファイバ内の励振された信号光と励起光
をより効率良く各々のコア内に結合させて伝送すること
ができ、結果として高利得化を図ることができる。図4
の構成において具体的な数値を示せば、セカンダリクラ
ッド層3の外径を125μm、コア1a〜1fのコア径
o を約1.9μm、コア1gの径Dc を約1.4μ
m、コア1a〜1fのコア間隔d1 を約1.3μm、コ
ア1a〜1fとコア1gとのコア間隔d2 を約1.4μ
m、プライマリークラッド層2の屈折率nP とセカンダ
リクラッド層3の屈折率nC を1.458、各々のコア
1a〜1gの屈折率nW を1.481、コア1a〜1g
の屈折率nW とセカンダリクラッド層3の屈折率n
C (プライマリークラッド層2の屈折率nP )との屈折
率差Δを2.19%、波長1.55μmでのモードフィ
ールド径を約5.2μm、コア1a〜1gにおけるEr
の添加量を400ppm、Alの添加量を17000p
pmにした。そして、図16と同様の利得の波長特性の
測定により、最大利得45dB(波長1.533μmに
おける値)を得ることができた。また、利得の波長特性
も図5に示す様に得ることができた。図5から明らかな
ように、図2の結果よりも更に利得の波長特性を平坦化
できることがわかる。
【0032】図6は本発明によるEr添加マルチコアフ
ァイバの第3の実施の形態を示す断面図である。この構
成では、コア1a〜1gの各々を被覆しているプライマ
リークラッド層2はセカンダリクラッド層3と同一材料
を用いており、実質的には図1、図4におけるプライマ
リークラッド層2を除去した構成になっている。セカン
ダリクラッド層3の材料には、例えばSiO2 を用いる
ことができる。このように、プライマリークラッド層2
とセカンダリクラッド層3を同一材料にしたことによ
り、光ファイバの製造が容易になる。
【0033】図7は本発明によるEr添加マルチコアフ
ァイバの第4の実施の形態を示す断面図である。この構
成では、コア1a〜1gの各々を共通のプライマリーク
ラッド層2で被覆し、このプライマリークラッド層2を
セカンダリクラッド層3で被覆する構造にしている。こ
の構成のEr添加マルチコアファイバは、プライマリー
クラッド層2の屈折率nP と、セカンダリクラッド層3
の屈折率nC とを異ならせた光ファイバを実現するのに
適している。例えば、プライマリークラッド層2の材料
にF(フッ素)を添加したSiO2 を用いた場合、コア
との比屈折率差Δをより大きく選ぶことができ、より高
効率(高利得)の光ファイバ増幅器用ファイバを提供す
ることができる。
【0034】図8は本発明によるEr添加マルチコアフ
ァイバを用いた光増幅器の実施の形態を示す接続図であ
る。Er添加マルチコアファイバ4の両端にはレンズ5
a,5bが配設され、このレンズ5a,5bの各々に面
してWDM回路6a,6bが配設されている。また、W
DM回路6a,6bに対する鉛直線に対し、レンズ5
a,5bに対し対称な角度位置にレンズ7a,7bが配
設されている。更にWDM回路6a,6bの外側にはバ
ルク構造のアイソレータ8a,8bを介してレンズ9
a,9bが配設され、このレンズ9a及びレンズ9bに
面して、入力側ファイバ10a及び出力側ファイバ10
bが配設されている。また、レンズ7a,7bに面して
光ファイバ11a,11bが配設され、この光ファイバ
11a,11bの各々の端部には励起用半導体レーザ1
2a,12b(励起光13a,13bを発生)の各々が
配設されている。そして、光ファイバ10aには信号光
1 が入光され、光ファイバ10bからは増幅された信
号光S2 が出力される。なお、各レンズは、非平行光を
平行光に変換するために用いられる。
【0035】ここで、WDM回路6a,6bは、SiO
2 とTiO2 膜の交互膜で形成された干渉膜フィルタで
構成されている。なお、アイソレータ8a,8b及びW
DM回路6a,6bにファイバ型構造のものを用いない
理由は、Er添加マルチコアファイバ4の比屈折率差Δ
が大きいため、ファイバ型構造のものを使った場合、モ
ードフィールド整合回路を設けねばならなくなり、これ
による損失が生じるのを避けるためである。
【0036】入力側ファイバ10aに入光された信号光
1 は、レンズ9a、アイソレータ8a及びWDM回路
6aを介してEr添加マルチコアファイバ4へ送られる
が、同時にWDMカプラ6aには励起用半導体レーザ1
2aから励起光13aが付与される。Er添加マルチコ
アファイバ4に入射された励起光13aは、イオンのあ
るエネルギー準位を励起し、誘導放出による増幅作用が
生じる。ここで増幅された光信号S2 は、Er添加マル
チコアファイバ4からレンズ5b、WDM回路6b、ア
イソレータ8bを順次経由して出力側ファイバ10bへ
送出される。同様に、励起用半導体レーザ12bで生成
された励起光13bは、Er添加マルチコアファイバ4
に対して後方向から入射され、上記した原理で光増幅を
行う。ここでは、前後双方向から励起光を付与している
が、前側又は後側のいずれか一方からでもよい。
【0037】この励起光は、0.98μmまたは1.4
8μm(或いは両方)を用いることできる。Er添加マ
ルチコアファイバ4にはコア間隔dが1.3μm、各々
のコア径が約2μm、クラッド径が125μm、コアと
クラッドとの比屈折率差Δが1.45%、モードフィー
ルド径が約8.8μm、各々のコア内のErとAlの添
加量が400ppmと8500ppm、ファイバ長が約
45mのものを用いた。このEr添加マルチコアファイ
バ4の両端には光が逆方向に伝搬するのを防止するため
のアイソレータ8a,8bが接続され、この各々の内側
にはWDMカプラ6a,6bが設けられている。アイソ
レータ8aには信号光S1 が入力され、アイソレータ8
bから増幅された信号光S2 が出力される。
【0038】ここで、励起光13a,13bの波長を
0.98μmとし、励起光13aの励起光パワーが70
mW、励起光13bの励起光パワーが80mWとなるよ
うにした。これらの値は、利得の波長特性が平坦化に適
していたことから決定した値である。図9は図8に示し
た光増幅器を用いて構成した光増幅分配装置の構成例を
示す接続図である。
【0039】図8に示した光増幅器に対し、光スターカ
プラ14を接続することにより増幅分配装置が構成され
る。つまり、図8の出力側ファイバ10bに光スターカ
プラ14を接続することにより、増幅ならびに分配され
た複数の信号出力光15を得ることができる。光スター
カプラ14には、入力がN(N:1,2)で出力がM
(M:≧2)のものが用いられ、その入力の一方が出力
側ファイバ10bに接続される。ここでは、Nが
「2」、Mが「16」である。Nは1でもよく、また、
Mは「4」,「8」,「32」,「64」等を用いるこ
とができる。更に、光スターカプラ14には、ファイバ
型構造、導波路型構造のいずれも用いることができる。
【0040】なお、出力側ファイバ10bと光スターカ
プラ14の入力側ファイバのモードフィールド径をEr
添加マルチコアファイバの径に等しくしておくと、より
低損失で且つ反射光を無くして光スターカプラ14の出
力側から増幅ならびに分配された出力光15を取り出す
ことができる。図10は図8に示した光増幅器を用いて
構成した光増幅中継装置の構成例を示す接続図である。
【0041】図10に示すように、同一仕様の複数の分
散シフトファイバ16a,16b,16cが用いられ、
その相互間には図8に示した構成のEr添加マルチコア
ファイバ増幅器17a,17bが配設されている。更
に、分散シフトファイバ16cの出力側には光増幅器1
7cが配設されている。分散シフトファイバ16aの入
力側には光合分波回路18aの出力ポート19aが接続
され、光増幅器17cの出力端には光合分波回路18b
の入力ポート20bが接続されている。また、光合分波
回路18aは入力ポート20aを備え、波長λ1 〜λ8
の光信号が入力される。更に、光合分波回路18bは出
力ポート19bを備え、波長λ1 〜λ8 の増幅された各
光信号が個別に出力される。
【0042】図10の構成においては、波長λ1 〜λ8
の光信号が光合分波回路18aに入力されると、光合分
波回路18aで波長多重された光信号は分散シフトファ
イバ16a,16b,16cを介して光増幅器17a,
17b,17cに順次供給され、光増幅が行われる。最
後に、光合分波回路18bによって夫々の波長の信号光
を波長λ1 〜λ8 に分離して出力する。このとき、光増
幅器17a,17b,17cの利得の波長特性は上記し
た様に平坦であるので、出力ポート19bにおける光S
/N及び光クロストーク特性を高性能に維持することが
できる。また、分散シフトファイバ16a,16b,1
6cと光増幅器17a,17b,17cのモードフィー
ルド径を接近した値にすることにより、低反射、低損失
の光伝送系を構成することができる。つまり、低ノイズ
フィギュアで高速、大容量の情報を長距離に伝送するこ
とが可能になる。
【0043】なお、図10においては、波長多重数を8
チャンネルとしたが、これに限定されるものではなく、
例えば、「16」、「32」、「64」、「128」等
のチャンネル数にすることができる。更に、分散シフト
ファイバ及び光増幅器の数は各3個としたが、任意にす
ることができる。図11は光増幅中継装置の他の構成例
を示す接続図である。
【0044】ここに示す増幅中継装置は、図10の構成
において、その光増幅器17cに代え、ファイバ型又は
導波路型の分散補償デバイス21を用いた構成にしてい
る。図10の構成で大容量の情報を高速に長距離伝送し
ようとすれば、ファイバの分散特性が問題になる。この
問題を解決するため、分散補償デバイス21を設けてい
る。
【0045】なお、上記の各実施の形態において、コア
1a〜1gは、Erを添加する例について説明したが、
これに代えてPr(プラセオジム)、Nd、Yb(イッ
テルビウム)、Sm(サマリウム)、Ce(セリウム)
等の希土類元素を用いることができる。また、希土類元
素は、上記の内の少なくとも2種を添加することができ
る。
【0046】また、コア1a〜1gの主材料は、SiO
2 系(SiO2 にGe、P、Al、Ti、B、F等の屈
折率制御用の添加物を少なくとも1種を添加したも
の)、フッ化物系、多成分系材料のいずれかを用いるこ
とができる。更に、プライマリークラッド層2及びセカ
ンダリクラッド層3は、SiO2 或いは上記SiO
2 系、フッ化物系、多成分系のいずれかの材料を用いる
ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、第1のコ
アに対し、その周辺に配設された第2のコアの径を大き
くしたので、第1のコア内を伝搬するパワーは第2のコ
ア内を伝搬するパワーに等しくなり、パワーアンバラン
スが無くなるため、利得の波長特性の平坦特性を良好に
することができる。
【0048】更に、前記第1のコアと前記第2のコアを
共通のプライマリークラッド層で被覆し、更に、その外
周にセカンダリクラッド層を被覆する構成にすれば、プ
ライマリークラッド層の屈折率nP とセカンダリクラッ
ド層の屈折率nC を異ならせたファイバを製作するのに
適し、高効率(=高利得)の光増幅器用の光ファイバを
得ることができる。
【0049】また、本発明は、利得の波長特性の平坦特
性を良好にした希土類添加マルチコアファイバと、WD
M回路と組み合わせて光増幅器を構成したので、利得の
波長特性の平坦特性を確保しながら高利得化を図ること
ができる。更に、本発明は、分散シフトファイバを付加
することにより、分散シフトファイバと希土類添加マル
チコアファイバのモードフィールド径を非常に近い値に
することができ、情報信号の伝送を低接続損失で行うこ
とが可能になる。
【0050】また、本発明は、希土類添加マルチコアフ
ァイバを用いた光増幅器に分散シフトファイバ及び光合
分波回路を付加することにより、波長多重が行え、この
波長多重した信号光を各ファイバに通せば、利得の波長
特性の平坦性及び高利得を維持しながらの長距離伝送が
可能になる。また、本発明は、分散シフトファイバに分
散補償デバイスを接続した構成にしたので、高速、大容
量の情報をより長距離へ伝送しようとする場合に問題と
なるファイバの分散値が、分散補償デバイスによって補
償される。したがって、利得の波長特性の平坦特性及び
高利得化を確保しながら、大容量の情報を高速に遠方へ
伝送することができる。
【0051】更に、本発明は、光スターカプラを設け、
増幅後の光信号を複数の異なる波長に分配出力するよう
にしたので、希土類添加マルチコアファイバを用いた光
増幅によって利得の波長特性の平坦特性を確保しながら
増幅された信号光が光スターカプラによって分配され、
複数の加入者へ波長多重化された情報信号をほぼ均等
に、且つS/Nの劣化及びクロストーク特性の劣化を極
めて低い値にして伝送することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチコアファイバの第1の実施
の形態を示す断面図である。
【図2】図1のマルチコアファイバにおける波長−利得
特性図である。
【図3】図1のマルチコアファイバにおけるコア間隔−
帯域幅特性図である。
【図4】本発明によるマルチコアファイバの第2の実施
の形態を示す断面図である。
【図5】図4のマルチコアファイバにおける波長−利得
特性図である。
【図6】本発明によるEr添加マルチコアファイバの第
3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】本発明によるEr添加マルチコアファイバの第
4の実施の形態を示す断面図である。
【図8】本発明による光増幅器の実施の形態を示す接続
図である。
【図9】図8に示した光増幅器を用いて構成した増幅分
配装置の構成例を示す接続図である。
【図10】図8に示した光増幅器を用いて構成した増幅
中継装置の構成例を示す接続図である。
【図11】増幅中継装置の他の構成例を示す接続図であ
る。
【図12】波長0.98μmにおけるコア間隔d−パワ
ー入射/出射特性図である。
【図13】波長1.55μmにおけるコア間隔d−パワ
ー入射/出射特性図である。
【図14】従来のEr添加マルチコアファイバの一例を
示す断面図である。
【図15】図14に示したEr添加マルチコアファイバ
を用いた光増幅器を示す接続図である。
【図16】図15の構成のEr添加マルチコアファイバ
における利得の波長特性を測定した波長−利得特性図で
ある。
【図17】マルチコアファイバのコア間隔dと光増幅器
の1dB帯域幅の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g コア 2 プライマリークラッド層 3 セカンダリクラッド層 4 Er添加マルチコアファイバ 6a,6b WDM回路 8a,8b アイソレータ 12a,12b 励起用半導体レーザ 13a,13b 励起光 14 光スターカプラ 16a,16b,16c 分散シフトファイバ 17a,17b 光増幅器 18a,18b 光合分波回路 21 分散補償デバイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−37385(JP,A) 特開 平9−5539(JP,A) 特開 平5−299733(JP,A) 特開 平8−43668(JP,A) 特開 平6−37385(JP,A) 特開 平6−85759(JP,A) 特開 平6−252487(JP,A) 特許2816097(JP,B2) 信学技報,Vol.95,No.415 (1995),p.7−12 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 - 6/54 H01S 3/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッドの中心部に、該クラッドの屈折率
    よりも高い屈折率を有し、希土類元素が添加された複数
    のコアを配置してなるマルチコアファイバにおいて、 前記複数のコアは、第1のコアと、該第1のコアより大
    きい直径を有し、前記第1のコアの周囲を取り囲むよう
    に配置された第2のコアからなることを特徴とするマル
    チコアファイバ。
  2. 【請求項2】クラッドの中心部に、該クラッドの屈折率
    よりも高い屈折率nW を有し、希土類元素及びAlが共
    添加された複数のコアを配置してなるマルチコアファイ
    バにおいて、 前記複数のコアは、第1のコアと、該第1のコアより大
    きい直径を有し、前記第1のコアの周囲を取り囲むよう
    に配置された第2のコアからなり、 前記クラッドは、前記第1のコアを被覆する第1のプラ
    イマリークラッド層と、前記第2のコアを被覆する第2
    のプライマリークラッド層及び第2のプライマリークラ
    ッド層の外側に位置するセカンダリクラッド層とからな
    り、 前記第1,第2のプライマリークラッド層の屈折率nP
    は前記セカンダリクラッド層の屈折率nC 以下であるこ
    とを特徴とするマルチコアファイバ。
  3. 【請求項3】前記第2のプライマリークラッド層は、そ
    の外径が前記第1のプライマリークラッド層の外径に等
    しいことを特徴とする請求項2記載のマルチコアファイ
    バ。
  4. 【請求項4】前記第1のプライマリークラッド層は、そ
    の厚みが前記第2のプライマリークラッド層の厚みに等
    しいことを特徴とする請求項2記載のマルチコアファイ
    バ。
  5. 【請求項5】前記第1のプライマリークラッド層及び前
    記第2のプライマリークラッド層は、前記セカンダリク
    ラッド層と同一材料であることを特徴とする請求項2記
    載のマルチコアファイバ。
  6. 【請求項6】クラッドの中心部に、該クラッドの屈折率
    よりも高い屈折率nW を有し、希土類元素及びAlが共
    添加された複数のコアを配置してなるマルチコアファイ
    バにおいて、 前記複数のコアは、第1のコアと、該第1のコアより大
    きい直径を有し、前記第1のコアの周囲を取り囲むよう
    に配置された第2のコアからなり、 前記クラッドは、前記第1,第2のコアを共通に被覆す
    るプライマリークラッド層と、該プライマリークラッド
    層を被覆するセカンダリクラッド層とからなり、 前記プライマリークラッド層の屈折率nP は前記セカン
    ダリクラッド層の屈折率nC 以下であることを特徴とす
    るマルチコアファイバ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6に記載のマルチコアファイ
    バの入力側又は出力側、もしくは両側に設けられたWD
    M回路と、 前記WDM回路に励起光を供給するための励起用光源
    と、 前記WDM回路と入力端又は出力端との間に設けられた
    アイソレータとを具備することを特徴とするマルチコア
    ファイバを用いた光増幅器。
  8. 【請求項8】請求項7記載の光増幅器の入力側又は出力
    側、もしくは両側に分散シフトファイバを接続したこと
    を特徴とするマルチコアファイバを用いた光増幅中継装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の光増幅中継装置における分
    散シフトファイバの途中に分散補償デバイスを接続した
    ことを具備することを特徴とするマルチコアファイバを
    用いた光増幅中継装置。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の光増幅中継装置
    の入力側又は出力側、もしくは両側に光合分波回路を設
    けたことを特徴とするマルチコアファイバを用いた光増
    幅中継装置。
  11. 【請求項11】請求項7に記載の光増幅器の出力側に、
    この光増幅器より出力された増幅後の光信号を複数の異
    なる波長に分配出力する光スターカプラを設けたことを
    特徴とする光増幅分配装置。
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