JP3005727U - 歩行者表示灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 夜間における走行車両のドライバーに対し、
自己の存在を明確することのできる装置を提供する。 【構成】 別体のケース１０ａ，１０ｂから成る本体１
０に対し、発光ダイオードなどの発光体１４，１４を一
部表出する状態に固定する。そして、切替スイッチ１５
をＯＮの状態にしたとき、前記発光体１４，１４が点滅
動作するようにしてある。また、本体１０にはバンド１
３が設けられ、本装置を人体、例えば腰部に固定できる
ようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、夜間歩行時に有用な歩行者表示灯に関し、特に走行車両に対して歩 行者の存在を明確に知らしめることのできる歩行者表示灯である。

【０００２】

【従来の技術】

街路灯や歩道がなく、また道幅の狭い場所において、夜間の歩行はドライバー の視界が急激に悪化することもあって非常に危険である。

【０００３】 特に、そのような場所において、対向車の照明や歩行者の服装の状態如何によ っては、ドライバーは歩行者を殆ど確認できないといっても過言ではない。

【０００４】 このような状況にあって、歩行者は自らを交通事故から防護するべく、夜間歩 行の際に懐中電灯を携帯して、自己の存在をドライバーに知らしめる防護手段を 採っている。

【０００５】 一方、その他にも反射板が取り付けられた腕章や襷などの商品も数多く案出さ れ、実用に供されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、懐中電灯は比較的重量があり、携帯するのが非常に煩わしく、 また消費電力も大きいので不経済である。

【０００７】 更に、懐中電灯は電源を入れると常時点灯するようになるので、ドライバーの 注意が向きにくく、存在を明確にする点で不十分である。

【０００８】 一方、反射板は車両のヘッドライトなど光源がないと反射せず、また反射光の 照度も非常に弱いという欠点があった。

【０００９】 本考案は上記事情に鑑み、夜間における走行車両のドライバーに対し、自己の 存在を明確にすることのできる装置を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を達成するため、バッテリが内蔵される本体と、この本体 から一部が表出する発光体および切替スイッチを含む電子部品を実装し前記発光 体を点滅させる回路を構成した電子回路基盤と、前記本体を所定箇所に固定する ための固定手段とを具備して成る歩行者表示灯を提供するものである。

【００１１】 特に、電子回路基盤には、発光体を点滅させる少なくとも二系統の回路が構成 されており、前記発光体の点滅における点灯時間の長短が切替自在とされている ことを特徴とする歩行者表示灯である。

【００１２】

【作用】

本考案の歩行者表示灯によれば、切替スイッチを操作してバッテリーと電子回 路基盤を導通状態にすると、この電子回路基盤に実装される電子部品の働きで発 光体が繰り返し点滅するようになる。

【００１３】 点滅する発光体は、夜間において極めてよく目立ち、接近してくる通行車両に 対し早くから自己の存在を知らしめることができ、歩行者と車両のドライバーの 双方にとって、交通安全上極めて有効に作用する。

【００１４】 なお、固定手段によって本体が人体などに固定されるので、本装置を携帯する ことの煩わしさはなく、また本体の方向性が安定する効果を得る。

【００１５】 また、バッテリーが内蔵されることにより、行動範囲に制約がなく、歩行者に とって極めて有効に作用する。

【００１６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明すると、図１は本考案の歩行者表示灯を示す斜視 図であり、図中１０は本体を示す。

【００１７】 この本体１０は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、スチロー ル樹脂などの熱可塑性樹脂から成る合成樹脂製で、これはそれらの熱可塑製樹脂 を例えば射出成形機を用い、図示するような矩形状に成形することにより得られ る。

【００１８】 特に、この本体１０は、嵌合可能な別体のケース１０ａ，１０ｂとから成る中 空状で、そのケース１０ａ，１０ｂはネジなどを用いて強固に嵌合できるように してある。

【００１９】 なお、双方のケース１０ａ，１０ｂには、それぞれ両端にコ字形状の係止部１ ２，１２が一体に成形されており、そこに固定手段としてのバンド１３を通せる ようにしてある。

【００２０】 このバンド１３は、全長６０〜１００ｃｍの布帯で、その長手方向両端には互 いに係着し合うマジックテープやホックが設けてある。

【００２１】 一方、図中１４，１４は発光体、また１５は切替スイッチである。発光体１４ ，１４は発光ダイオード（赤色ＬＥＤ）であり、その一部が本体１０から表出す る状態に固定せしめられている。

【００２２】 また、切替スイッチ１５はスライドスイッチで、特に本体１０の上面から表出 するスイッチレバー１５ａが図示する初期位置（電源がＯＦＦの状態）から二段 階式にスライドするようになっており、その一段階目で発光体１４，１４が点滅 し、二段階目にあってはその点滅における点灯の時間が長くなるようにされてい る。

【００２３】 従って、街路灯などのある比較的明るい場所では発光体１４，１４の点灯時間 を長くして、その点灯をより明確にすることができ、また街路灯などのない比較 的暗い場所では発光体１４，１４の点灯時間を短くして、消費電力を節減するこ とができる。

【００２４】 次に、図２は本装置の内部構造を示す。図中１６はバッテリーであり、これは 本体１０に内蔵され、双方のケース１０ａ，１０ｂに挟持された状態で固定され る。

【００２５】 特に、このバッテリー１６は９Ｖの乾電池で、その電極１６ａ，１６ｂは近接 される電子回路基盤１７とリード線Ｌを介して接続せしめてある。

【００２６】 この電子回路基盤１７には、前記発光体１４，１４や切替スイッチ１５を含む 電子部品Ｒ１〜Ｒ５，ＴＲ，・・・が実装されていて、それら電子部品によって 発光体１４，１４を点滅させる回路が構成されている。

【００２７】 なお、Ｒ１〜Ｒ５は抵抗、ＴＲはトランジスタ、Ｄ１，Ｄ２はダイオード、Ｃ １，Ｃ２はコンデンサ、Ｉは集積回路を示す。

【００２８】 図３で明らかにしているように、集積回路Ｉは３つのインバータＩ1〜Ｉ3で構 成される標準ロジックＩＣ（例えばＴＣ４０４９）で、この集積回路Ｉとコンデ ンサＣ１，Ｃ２などを接続せしめてマルチバイブレータを構成している。

【００２９】 この図に示す状態にあって、切替スイッチ１５はＯＦＦの状態にあり、このた め発光体１４は消灯している。

【００３０】 次に、その切替スイッチ１５を一段階スライドさせると、回路が導通状態にな って発振回路が作動し、トランジスタＴＲを介して発光体１４に断続的に電流が 流れ発光体１４が点滅する。

【００３１】 なお、このとき接点ａ，ｂが接続されるようにしてあるので、一方のコンデン サＣ２に対する充電は成されない。

【００３２】 一方、切替スイッチ１５をさらにスライドすると、回路が導通状態のまま接点 ａ，ｂが切断され、双方のコンデンサＣ１，Ｃ２に対して充電が成されるように なり、双方のコンデンサＣ１，Ｃ２が同一容量であるとき充電容量が二倍となる ので、発光体１４の点滅における点灯時間が倍加するようになる。

【００３３】 このようにコンデンサＣ１，Ｃ２を用いて発光体１４を点滅させる回路を二系 統設けると、前述のように状況に応じて発光体１４の点灯時間を適時切り替えら れるので極めて有効である。

【００３４】 なお、点灯時間の短い方で連続動作試験をしたところ、３００時間連続使用可 能であるという結果が得られた。

【００３５】 次に、図４で明らかにしているように、固定手段としてのバンド１３は、本体 １０の裏側すなわち発光体１４が表出される逆側に通されるのであり、これによ り発光体１４がバンド１３で阻害されることはなく、また本装置を装着したとき の美観が向上するようにもなる。

【００３６】 次に、図５は本装置の使用状態を示す。この図で明らかなように、本装置は固 定手段としてのバンド１３を用い、例えば腰の回り固定することができる。

【００３７】 なお、図示する使用例は本装置が腹部に位置しているが、これを背の側に回し て固定するようにしてもよく、そうすることにより後方からくる車両に対して存 在を知らしめることができ、夜間歩行時の安全が一段と上がって効果的である。

【００３８】 勿論、本装置の固定箇所は様々で、例えば股や腕あるいは頭に固定することも できる。

【００３９】 また、固定手段として、リング状の鎖などを用いれば、本装置を首に吊り下げ ることもでき、またＬ字形の金具を用いればズボンのベルトやポケットに固定す ることができる。

【００４０】 一方、発光体として、寿命、機械的強度、電気−光の変換効率、低電圧動作性 などの点で発光ダイオードが最も好ましいが、タングステンランプ、エレクトロ ルミネセンス（ＥＬ）などを利用することもできる。

【００４１】 殊に、赤色ＬＥＤが表示性の点で最適であるが、青色ＬＥＤや黄色ＬＥＤを用 いてもよい。

【００４２】 また、多数の発光体を用いて文字や図形を点滅表示させることもでき、これに より利便性を一層向上させることができる。

【００４３】 また、その発光体を点滅動作させるための回路としては、上述の他にも様々な 回路が構成可能であることは勿論であり、例えば発光体の点滅動作を三段階、四 段階式に切り替えられるような回路も容易に案出することができる。

【００４４】 他方、万一の事故に備え本体１０に氏名や電話番号を記しておくと一層効果的 である。

【００４５】

【考案の効果】

本考案の歩行者表示灯は、点滅動作される発光体を備えているので、これを夜 間の歩行に携帯すれば、走行車両のドライバーに対して自己の存在を極めて明確 に知らしめることができ、交通安全上非常に有効である。

【００４６】 特に、発光体の点滅動作における点灯時間の長短を切り替えられるようにした ことにより、状況に応じた最適表示が可能であり、また消費電力の節減を図るこ ともできる。

【００４７】 更に、本装置は軽量化が容易で、また本体を人体などの所定箇所に固定できる 固定手段を備えていることにより、本装置を携帯することの煩わしさがなく、夜 間の歩行に際し気軽に携帯できるという効果がある。

【００４８】 また、その固定手段により、装置本体の揺動が防止され方向性が安定するよう になるので、前方あるいは後方のドライバーに対して常時自己の存在表示をする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す歩行者表示灯の斜視図

【図２】同装置の内部構造を示す正面図

【図３】同装置に設けられる発光体を点滅させる回路図

【図４】同装置を示す平面図

【図５】同装置の使用状態を示す斜視図

【符号の説明】

１０ 本体 １０ａ，１０ｂ ケース １２ 係止部 １３ バンド １４ 発光体 １５ 切替スイッチ １５ａ スイッチレバー １６ バッテリー １７ 電子回路基盤

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バッテリが内蔵される本体と、この本体
   から一部が表出する発光体および切替スイッチを含む電
   子部品を実装し前記発光体を点滅させる回路を構成した
   電子回路基盤と、前記本体を所定箇所に固定するための
   固定手段とを具備して成る歩行者表示灯。
2. 【請求項２】 電子回路基盤には、発光体を点滅させる
   少なくとも二系統の回路が構成されており、前記発光体
   の点滅における点灯時間の長短が切替自在とされている
   ことを特徴とする請求項１記載の歩行者表示灯。