JP3005676B2 - ターボジェットエンジン及び該ターボジェットエンジンを備えた複合エンジン - Google Patents
ターボジェットエンジン及び該ターボジェットエンジンを備えた複合エンジンInfo
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- JP3005676B2 JP3005676B2 JP10196457A JP19645798A JP3005676B2 JP 3005676 B2 JP3005676 B2 JP 3005676B2 JP 10196457 A JP10196457 A JP 10196457A JP 19645798 A JP19645798 A JP 19645798A JP 3005676 B2 JP3005676 B2 JP 3005676B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙往還機、高速
航空機、および打ち上げロケット等に適用できる推進用
エンジン、特に高圧力推力が得られるターボジェットエ
ンジン、及び該ターボジェットエンジンを備えた宇宙往
還用に好適な複合エンジンに関する。
航空機、および打ち上げロケット等に適用できる推進用
エンジン、特に高圧力推力が得られるターボジェットエ
ンジン、及び該ターボジェットエンジンを備えた宇宙往
還用に好適な複合エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高速航空機及び宇宙往還機の推進
用エンジンとしては、ターボジェットエンジン(ターボ
ファンエンジン等を含む、以下単にターボジェットエン
ジンという)、ラムジェットエンジン(スクラムジェッ
トエンジン等を含む、以下単にラムジェットエンジンと
いう)、ロケットエンジンとその派生型、及びこれらの
エンジンの複合型がある。
用エンジンとしては、ターボジェットエンジン(ターボ
ファンエンジン等を含む、以下単にターボジェットエン
ジンという)、ラムジェットエンジン(スクラムジェッ
トエンジン等を含む、以下単にラムジェットエンジンと
いう)、ロケットエンジンとその派生型、及びこれらの
エンジンの複合型がある。
【0003】従来推進用エンジンのうち、単独で宇宙空
間まで作動できるのはロケットエンジンだけである。し
かし、ロケットエンジンは、大気中では他形式のエンジ
ンに比べて比推力が低いので燃料効率が悪く、燃料と酸
化剤の消費重量が過大となる欠点がある。一方、大気中
の空気を吸い込んで作動するターボジェットエンジン及
びラムジェットエンジンは、大気中を飛行するときに
は、ロケットエンジンと比べて高い比推力を発揮する
が、宇宙空間では使用不能である。従って、離着陸から
宇宙空間までの飛行領域全体の平均比推力を上げて、燃
料と酸化剤の消費重量を減らすためには、上記複数形式
のエンジンを搭載して、各エンジンの作動最適領域で各
エンジンを作動させることが有効であるが、各エンジン
をそのまま搭載すると、推進系の重量が過大及びエンジ
ン収納部の容積増加となってしまい、結局搭載重量があ
まり増やせなくなる問題点がある。
間まで作動できるのはロケットエンジンだけである。し
かし、ロケットエンジンは、大気中では他形式のエンジ
ンに比べて比推力が低いので燃料効率が悪く、燃料と酸
化剤の消費重量が過大となる欠点がある。一方、大気中
の空気を吸い込んで作動するターボジェットエンジン及
びラムジェットエンジンは、大気中を飛行するときに
は、ロケットエンジンと比べて高い比推力を発揮する
が、宇宙空間では使用不能である。従って、離着陸から
宇宙空間までの飛行領域全体の平均比推力を上げて、燃
料と酸化剤の消費重量を減らすためには、上記複数形式
のエンジンを搭載して、各エンジンの作動最適領域で各
エンジンを作動させることが有効であるが、各エンジン
をそのまま搭載すると、推進系の重量が過大及びエンジ
ン収納部の容積増加となってしまい、結局搭載重量があ
まり増やせなくなる問題点がある。
【0004】そのため、従来複数形式のエンジン構成要
素の全部あるいは一部を共有化することによって推進系
の重量過大及び容積増加を防止するようにした複合エン
ジンが提案されている。従来提案されている複合エジン
としては、例えば、中央胴部内にロケットエンジンを配
置し、その周囲の環形気流管をターボジェットエンジン
及びラムジェットエンジンとして共用するようにしたタ
ーボジェット・ラムジェット・ロケット推進複合エンジ
ン(米国特許5052176)、あるいは、スクラムジ
ェットエンジンにロケットエンジン機能を付与し、離陸
時及び大気圏外飛行時にも使用できるようにした多機能
のスクラムジェットエンジン(特開平7−4314
号)、又は空気液化ロケットエンジン(LACE)とス
クラムジェットエンジンの2種類のエンジンを複合させ
たもの(特開平7−34969号)等がある。
素の全部あるいは一部を共有化することによって推進系
の重量過大及び容積増加を防止するようにした複合エン
ジンが提案されている。従来提案されている複合エジン
としては、例えば、中央胴部内にロケットエンジンを配
置し、その周囲の環形気流管をターボジェットエンジン
及びラムジェットエンジンとして共用するようにしたタ
ーボジェット・ラムジェット・ロケット推進複合エンジ
ン(米国特許5052176)、あるいは、スクラムジ
ェットエンジンにロケットエンジン機能を付与し、離陸
時及び大気圏外飛行時にも使用できるようにした多機能
のスクラムジェットエンジン(特開平7−4314
号)、又は空気液化ロケットエンジン(LACE)とス
クラムジェットエンジンの2種類のエンジンを複合させ
たもの(特開平7−34969号)等がある。
【0005】一方、大気中でマッハ4程度までの高速推
進用エンジンとしてはターボジェットエンジンが知られ
ているが、従来のターボジェットエンジンは、ロケット
エンジンと比べて比推力は高いが、作動圧力が低いため
高圧力のロケットエンジンと同等の推力を得る為には、
エンジン自体を大型化する必要があり、推進系の重量が
過大となり、高推力を要する高速航空機への適用は困難
である。
進用エンジンとしてはターボジェットエンジンが知られ
ているが、従来のターボジェットエンジンは、ロケット
エンジンと比べて比推力は高いが、作動圧力が低いため
高圧力のロケットエンジンと同等の推力を得る為には、
エンジン自体を大型化する必要があり、推進系の重量が
過大となり、高推力を要する高速航空機への適用は困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されている宇
宙往還機用複合エンジンは、それぞれの速度域と高度域
で、ターボジェット推進、ラムジェット推進及びロケッ
ト推進に切り替え機能するものであり、離着陸及びマッ
ハ4程度までの低速度域の推進系としては、ロケットエ
ンジン又はターボジェットエンジンの何れかによってい
る。しかしながら、ロケットエンジンの場合、前述のよ
うに大気中では他形式のエンジンに比べて低い比推力で
作動させることになり燃料効率が悪く、燃料と酸化剤の
消費重量が過大となり、搭載重量があまり増やせないと
いう問題点がある。さらに、ロケットエンジンの場合、
離着陸時に低速動力飛行できる距離が短くなるため、飛
行場での離着陸が困難であるという問題点があり、有人
飛行を考慮すると望ましくない。一方、ターボジェット
エンジンは、作動圧力が低いため、高圧力のロケットエ
ンジンと同等の推力を生成するためには、大型で重量の
大きいエンジンを必要し、複合エンジンの重量及び表面
積を大きくさせるという問題点がある。
宙往還機用複合エンジンは、それぞれの速度域と高度域
で、ターボジェット推進、ラムジェット推進及びロケッ
ト推進に切り替え機能するものであり、離着陸及びマッ
ハ4程度までの低速度域の推進系としては、ロケットエ
ンジン又はターボジェットエンジンの何れかによってい
る。しかしながら、ロケットエンジンの場合、前述のよ
うに大気中では他形式のエンジンに比べて低い比推力で
作動させることになり燃料効率が悪く、燃料と酸化剤の
消費重量が過大となり、搭載重量があまり増やせないと
いう問題点がある。さらに、ロケットエンジンの場合、
離着陸時に低速動力飛行できる距離が短くなるため、飛
行場での離着陸が困難であるという問題点があり、有人
飛行を考慮すると望ましくない。一方、ターボジェット
エンジンは、作動圧力が低いため、高圧力のロケットエ
ンジンと同等の推力を生成するためには、大型で重量の
大きいエンジンを必要し、複合エンジンの重量及び表面
積を大きくさせるという問題点がある。
【0007】そこで本発明は、ターボジェットエンジン
の単位重量当たりの推力をロケットエンジン並みに増加
させさせることにより、小型の高推力のターボジェット
エンジンを得ることを第1の目的とし、該小型化された
高推力のターボジェットエンジンを宇宙往還機用の複合
推進用エンジンに適用して、飛行領域全体の平均比推力
を上げることにより、推進系の重量及び設置容積を減少
させて、搭載重量を増大することができ、且つ飛行場で
の離着陸が可能となる宇宙往還機用に好適な複合エンジ
ンを得ることを第2の目的とするものである。
の単位重量当たりの推力をロケットエンジン並みに増加
させさせることにより、小型の高推力のターボジェット
エンジンを得ることを第1の目的とし、該小型化された
高推力のターボジェットエンジンを宇宙往還機用の複合
推進用エンジンに適用して、飛行領域全体の平均比推力
を上げることにより、推進系の重量及び設置容積を減少
させて、搭載重量を増大することができ、且つ飛行場で
の離着陸が可能となる宇宙往還機用に好適な複合エンジ
ンを得ることを第2の目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、ターボジェ
ットエンジンの単位重量あたりの推力をロケットエンジ
ン並みに増加させるために、空気に対して理論混合比以
上の過剰の極低温燃料を供給し、その燃料の冷熱を利用
した入口空気冷却を行うことにより、空気圧縮仕事を大
きく下げるとともに、過剰の燃料をすべて燃焼器に供給
することでタービンに流入する燃焼ガス流量を増加さ
せ、小さなタービン膨脹比で空気圧縮を行うことによ
り、排気ガスの圧力を向上させ、高推力のターボジェッ
トエンジンを得ることができた。即ち、本発明のターボ
ジェットエンジンは、圧縮機に流入する空気を燃料タン
クから供給される極低温燃料の冷熱により冷却する入口
空気冷却器、該入口空気冷却器に用いた極低温燃料を燃
焼器に供給する燃料管路を備え、前記入口空気冷却器に
より前記圧縮機への流入空気の冷却を行うと共に、該入
口冷却器に用いた極低温燃料を燃焼器に供給して、ター
ビンに流入する燃焼ガス流量を増加させ、小さなタービ
ン膨脹比で空気圧縮を行うことにより、排気ガスの圧力
を上げて推力を向上させた。
ットエンジンの単位重量あたりの推力をロケットエンジ
ン並みに増加させるために、空気に対して理論混合比以
上の過剰の極低温燃料を供給し、その燃料の冷熱を利用
した入口空気冷却を行うことにより、空気圧縮仕事を大
きく下げるとともに、過剰の燃料をすべて燃焼器に供給
することでタービンに流入する燃焼ガス流量を増加さ
せ、小さなタービン膨脹比で空気圧縮を行うことによ
り、排気ガスの圧力を向上させ、高推力のターボジェッ
トエンジンを得ることができた。即ち、本発明のターボ
ジェットエンジンは、圧縮機に流入する空気を燃料タン
クから供給される極低温燃料の冷熱により冷却する入口
空気冷却器、該入口空気冷却器に用いた極低温燃料を燃
焼器に供給する燃料管路を備え、前記入口空気冷却器に
より前記圧縮機への流入空気の冷却を行うと共に、該入
口冷却器に用いた極低温燃料を燃焼器に供給して、ター
ビンに流入する燃焼ガス流量を増加させ、小さなタービ
ン膨脹比で空気圧縮を行うことにより、排気ガスの圧力
を上げて推力を向上させた。
【0009】前記タービンから流出する排気ガスに酸化
剤を噴射する酸化剤噴射器を備え、前記入口空気冷却器
に理論混合比以上の過剰な極低温燃料を供給し、該過剰
の燃料を燃焼器に供給することによって得られる高圧力
で燃料が過剰な排気ガスに、酸化剤を供給して排気ダク
ト内で燃焼させることで、ロケットエンジンと同様の高
圧力推力を得ることができる。一方、前記入口冷却器
に、理論混合比以下の燃料を供給して、該理論混合比以
下の希薄燃料を燃焼器に供給して燃焼させることで、高
比推力で作動させることができる。そして、空気取入口
を開状態と閉状態に切換可能及び飛行状態に応じてエン
ジン性能が最適となる開位置に開くことができるインテ
ーク切替ドアと、排気ダクトからの排気ガスのノズルを
開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適とな
る開位置に開くことができるノズル切替ドアとを設け、
且つ前記燃焼器の入口に燃焼ガスの逆流を防ぐ遮断弁を
設け、該遮断弁により燃焼器入口を遮断して燃料と酸化
剤を排気ダクト部分に供給することで、排気ダクト部分
を高圧力推進のロケットエンジンとして作動させること
ができ、ロケットエンジン機能を有するターボジェット
エンジンを得ることができる。
剤を噴射する酸化剤噴射器を備え、前記入口空気冷却器
に理論混合比以上の過剰な極低温燃料を供給し、該過剰
の燃料を燃焼器に供給することによって得られる高圧力
で燃料が過剰な排気ガスに、酸化剤を供給して排気ダク
ト内で燃焼させることで、ロケットエンジンと同様の高
圧力推力を得ることができる。一方、前記入口冷却器
に、理論混合比以下の燃料を供給して、該理論混合比以
下の希薄燃料を燃焼器に供給して燃焼させることで、高
比推力で作動させることができる。そして、空気取入口
を開状態と閉状態に切換可能及び飛行状態に応じてエン
ジン性能が最適となる開位置に開くことができるインテ
ーク切替ドアと、排気ダクトからの排気ガスのノズルを
開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適とな
る開位置に開くことができるノズル切替ドアとを設け、
且つ前記燃焼器の入口に燃焼ガスの逆流を防ぐ遮断弁を
設け、該遮断弁により燃焼器入口を遮断して燃料と酸化
剤を排気ダクト部分に供給することで、排気ダクト部分
を高圧力推進のロケットエンジンとして作動させること
ができ、ロケットエンジン機能を有するターボジェット
エンジンを得ることができる。
【0010】即ち、上記問題点を解決する本発明のター
ボジェットエンジンは、少なくとも空気取入口を開状態
と閉状態に切換可能及び飛行状態に応じてエンジン性能
が最適となる開位置に開くことができるインテーク切替
ドア、圧縮機、該圧縮機に流入する空気を燃料タンクか
ら供給される極低温燃料の冷熱により冷却する入口空気
冷却器、燃焼器、前記入口空気冷却器に用いた極低温燃
料を前記燃焼器に供給する燃料管路、閉状態で前記燃焼
器の入口に燃焼ガスの逆流を防ぐ遮断弁、タービン、酸
化剤噴射機、排気ダクト、該排気ダクトからの排気ガス
のノズルを開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能
が最適となる開位置に開くことができるノズル切替ドア
を有し、前記インテーク切替ドアと前記ノズル切替ド
ア、前記酸化剤噴射器、及び前記遮断弁を制御すること
で、高推力のターボジェットエンジン又は高圧力のロケ
ットエンジンとして切替作動させることができることを
特徴とするものである。
ボジェットエンジンは、少なくとも空気取入口を開状態
と閉状態に切換可能及び飛行状態に応じてエンジン性能
が最適となる開位置に開くことができるインテーク切替
ドア、圧縮機、該圧縮機に流入する空気を燃料タンクか
ら供給される極低温燃料の冷熱により冷却する入口空気
冷却器、燃焼器、前記入口空気冷却器に用いた極低温燃
料を前記燃焼器に供給する燃料管路、閉状態で前記燃焼
器の入口に燃焼ガスの逆流を防ぐ遮断弁、タービン、酸
化剤噴射機、排気ダクト、該排気ダクトからの排気ガス
のノズルを開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能
が最適となる開位置に開くことができるノズル切替ドア
を有し、前記インテーク切替ドアと前記ノズル切替ド
ア、前記酸化剤噴射器、及び前記遮断弁を制御すること
で、高推力のターボジェットエンジン又は高圧力のロケ
ットエンジンとして切替作動させることができることを
特徴とするものである。
【0011】本発明の宇宙往還機用複合エンジンは、複
数形式の比推力の高いエンジンの作動を最小限の重量増
加で実現するため、上記のロケットエンジンと兼用の高
推力のターボジェットエンジンを複数採用し、該ターボ
ジェットエンジン間の空間部をラムジェットエンジンと
して作動させることによって、単位推力当たりの推進系
重量と表面積を低減し、且つ離着陸時の滑走路での動力
飛行を可能にすることができたものである。
数形式の比推力の高いエンジンの作動を最小限の重量増
加で実現するため、上記のロケットエンジンと兼用の高
推力のターボジェットエンジンを複数採用し、該ターボ
ジェットエンジン間の空間部をラムジェットエンジンと
して作動させることによって、単位推力当たりの推進系
重量と表面積を低減し、且つ離着陸時の滑走路での動力
飛行を可能にすることができたものである。
【0012】即ち、本発明の宇宙往還用複合エンジン
は、少なくともインテーク切替ドア、入口空気冷却器、
圧縮機、遮断弁、燃焼器、タービン、酸化剤噴射器、排
気ダクト、ノズル切替ドアを備えてなるターボジェット
エンジンを複数個間隔をおいて配列し、該ターボジェッ
トエンジンの外壁間にラムジェット用燃料噴射器を設け
て前記外壁間空間部にラムジェットエンジンを形成して
なり、前記インテーク切替ドア、前記ノズル切替ドア及
び前記遮断弁を開閉制御し、且つ前記燃焼器又はラムジ
ェット用燃料噴射器への燃料供給制御及び前記酸化剤噴
射器への酸化剤供給制御することにより、ターボジェッ
ト推進、ラムジェット推進又はロケット推進の何れかの
推進機構に切替可能になっていることを特徴とするもの
である。
は、少なくともインテーク切替ドア、入口空気冷却器、
圧縮機、遮断弁、燃焼器、タービン、酸化剤噴射器、排
気ダクト、ノズル切替ドアを備えてなるターボジェット
エンジンを複数個間隔をおいて配列し、該ターボジェッ
トエンジンの外壁間にラムジェット用燃料噴射器を設け
て前記外壁間空間部にラムジェットエンジンを形成して
なり、前記インテーク切替ドア、前記ノズル切替ドア及
び前記遮断弁を開閉制御し、且つ前記燃焼器又はラムジ
ェット用燃料噴射器への燃料供給制御及び前記酸化剤噴
射器への酸化剤供給制御することにより、ターボジェッ
ト推進、ラムジェット推進又はロケット推進の何れかの
推進機構に切替可能になっていることを特徴とするもの
である。
【0013】前記ターボジェット推進機構は、前記燃焼
器に理論混合比以下の燃料を供給して燃焼させて高比推
力を得る機構と、前記排気ダクト部分に高圧力で燃料が
過剰の排気ガスを供給して前記酸化剤噴射器により酸化
剤を供給し、燃焼させることにより高圧力の推進を得る
機構とに切り替え可能となっている。
器に理論混合比以下の燃料を供給して燃焼させて高比推
力を得る機構と、前記排気ダクト部分に高圧力で燃料が
過剰の排気ガスを供給して前記酸化剤噴射器により酸化
剤を供給し、燃焼させることにより高圧力の推進を得る
機構とに切り替え可能となっている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。図1は、本発明のターボジェットエンジンの
実施形態を示し、図2はそのエンジン系統図を示してい
る。図中、1は入口空気冷却器、2は圧縮機、3は燃焼
器、4はタービン、5は酸化剤噴射器、6は排気ダク
ト、7はインテーク切替ドア、9は遮断弁、10はノズ
ル切替ドアである。前記インテーク切替ドア7は、空気
取入口を開状態と閉状態に切替可能及び飛行状態に応じ
てエンジン性能が最適となる開位置に開くことができる
ようになっている。また、同様にノズル切替ドア10も
飛行形態に応じて、排気ダクト6からの排気ガスのノズ
ルを開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適
となる開位置に開くことができるようになっている。排
気ダクト6は、該排気ダクト部分をロケットエンジンと
して作動させることができるように、高圧力用に設計さ
れている。
説明する。図1は、本発明のターボジェットエンジンの
実施形態を示し、図2はそのエンジン系統図を示してい
る。図中、1は入口空気冷却器、2は圧縮機、3は燃焼
器、4はタービン、5は酸化剤噴射器、6は排気ダク
ト、7はインテーク切替ドア、9は遮断弁、10はノズ
ル切替ドアである。前記インテーク切替ドア7は、空気
取入口を開状態と閉状態に切替可能及び飛行状態に応じ
てエンジン性能が最適となる開位置に開くことができる
ようになっている。また、同様にノズル切替ドア10も
飛行形態に応じて、排気ダクト6からの排気ガスのノズ
ルを開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適
となる開位置に開くことができるようになっている。排
気ダクト6は、該排気ダクト部分をロケットエンジンと
して作動させることができるように、高圧力用に設計さ
れている。
【0015】なお、図1に示すターボジェットエンジン
では、排気ダクト部をロケットエンジンとして機能させ
ることによってロケットエンジンと兼用できるようにし
てあるが、ロケットエンジンと兼用せずに、単に高比推
力のターボジェットエンジン及び高推力のターボジェッ
トエンジンとしてのみ使用する場合は、遮断弁9は不要
である。
では、排気ダクト部をロケットエンジンとして機能させ
ることによってロケットエンジンと兼用できるようにし
てあるが、ロケットエンジンと兼用せずに、単に高比推
力のターボジェットエンジン及び高推力のターボジェッ
トエンジンとしてのみ使用する場合は、遮断弁9は不要
である。
【0016】図2に示すターボジェットエンジン系統図
では、実線矢印は気流又は排気ガスの流れ方向を示し、
破線矢印は燃料又は酸化剤の流れを示している。上記タ
ーボジェットエンジンは、図2のエンジン系統図に示す
ように、極低温燃料(例えば液体水素)が充填されてい
る燃料タンク20から燃料ポンプ21により入口空気冷
却器1に供給し、該入口空気冷却器1を循環した燃料を
管路28を介してすべて燃焼器3に供給する。また、タ
ーボジェットエンジンを高推力で作動させる場合、及び
ロケットエンジンとして作動させる場合は、酸化剤(例
えば液体酸素)が貯留されている酸化剤タンク30から
酸化剤ポンプ31により排気ダクト6の入口側に設けて
ある酸化剤噴射器5に酸化剤を供給するようになってい
る。
では、実線矢印は気流又は排気ガスの流れ方向を示し、
破線矢印は燃料又は酸化剤の流れを示している。上記タ
ーボジェットエンジンは、図2のエンジン系統図に示す
ように、極低温燃料(例えば液体水素)が充填されてい
る燃料タンク20から燃料ポンプ21により入口空気冷
却器1に供給し、該入口空気冷却器1を循環した燃料を
管路28を介してすべて燃焼器3に供給する。また、タ
ーボジェットエンジンを高推力で作動させる場合、及び
ロケットエンジンとして作動させる場合は、酸化剤(例
えば液体酸素)が貯留されている酸化剤タンク30から
酸化剤ポンプ31により排気ダクト6の入口側に設けて
ある酸化剤噴射器5に酸化剤を供給するようになってい
る。
【0017】本実施形態のターボジェットエンジンは以
上のように構成され、ターボジェットエンジンとして作
動させるときは、インテーク切替ドア7とノズル切替ド
ア10は飛行状態に合わせて、エンジン性能が最適にな
る位置に開けておく。ターボジェットエンジン作動状態
では、燃料タンクから空気に対して理論混合比以上の過
剰の極低温燃料を入口空気冷却器1に供給し、極低温燃
料の冷熱により空気を冷却する。流入する空気を冷却す
ることにより、圧縮機2における空気圧縮仕事を大きく
下げるとともに、空気の密度が上がって、同じ大きさの
圧縮機2に、多くの重量流量の空気が供給できるように
なり、ガスタービンの効率と動作性能を向上させること
ができる。また、空気冷却に用いた過剰の極低温燃料
は、すべて管路28を通って燃焼器3に供給し、タービ
ン4に流入する燃焼ガス流量を増加させる。すると、小
さなタービン膨張比でも、空気圧縮を行うのに十分な動
力を取ることができる。これにより、排気ダクト6内の
排気ガスの圧力が上がり、空気流量が増えた効果と合わ
せて、ターボジェットエンジンの推力を向上させること
ができる。
上のように構成され、ターボジェットエンジンとして作
動させるときは、インテーク切替ドア7とノズル切替ド
ア10は飛行状態に合わせて、エンジン性能が最適にな
る位置に開けておく。ターボジェットエンジン作動状態
では、燃料タンクから空気に対して理論混合比以上の過
剰の極低温燃料を入口空気冷却器1に供給し、極低温燃
料の冷熱により空気を冷却する。流入する空気を冷却す
ることにより、圧縮機2における空気圧縮仕事を大きく
下げるとともに、空気の密度が上がって、同じ大きさの
圧縮機2に、多くの重量流量の空気が供給できるように
なり、ガスタービンの効率と動作性能を向上させること
ができる。また、空気冷却に用いた過剰の極低温燃料
は、すべて管路28を通って燃焼器3に供給し、タービ
ン4に流入する燃焼ガス流量を増加させる。すると、小
さなタービン膨張比でも、空気圧縮を行うのに十分な動
力を取ることができる。これにより、排気ダクト6内の
排気ガスの圧力が上がり、空気流量が増えた効果と合わ
せて、ターボジェットエンジンの推力を向上させること
ができる。
【0018】その際、排気ダクト6には、高圧力で燃料
が過剰の排気ガスが供給されるため、ここに酸化剤タン
ク30から酸化剤噴射器5を通して酸化剤を供給し燃焼
させることで、高圧力のロケットエンジンと同様の作動
ができるようになる。それにより、推進系の単位重量当
たりの推力を飛躍的に向上させることができ、エンジン
の小型化を図ることができる。且つマッハ6程度までの
高速航空機用エンジンとして採用可能なターボジェット
エンジンが得られる。なお、離着陸時の低速動力飛行を
する場合は、理論混合比以下の燃料を入口空気冷却器1
を通して燃焼器3に供給して燃焼させることで、高比推
力の作動をすることができる。その際は、排気ダクトへ
の酸化剤の供給は行わない。
が過剰の排気ガスが供給されるため、ここに酸化剤タン
ク30から酸化剤噴射器5を通して酸化剤を供給し燃焼
させることで、高圧力のロケットエンジンと同様の作動
ができるようになる。それにより、推進系の単位重量当
たりの推力を飛躍的に向上させることができ、エンジン
の小型化を図ることができる。且つマッハ6程度までの
高速航空機用エンジンとして採用可能なターボジェット
エンジンが得られる。なお、離着陸時の低速動力飛行を
する場合は、理論混合比以下の燃料を入口空気冷却器1
を通して燃焼器3に供給して燃焼させることで、高比推
力の作動をすることができる。その際は、排気ダクトへ
の酸化剤の供給は行わない。
【0019】上記ターボジェットエンジンをロケットエ
ンジンとして作動させる場合は、燃焼器3の入口に設け
られた遮蔽弁9を閉にして燃焼ガスが逆流しないように
する。燃料は、ターボジェットエンジンと同様に、燃焼
器3に供給し、タービン4を通過して排気ダクト6に供
給される。酸化剤は酸化剤噴射器5を通して排気ダクト
6に供給される。そのとき、インテーク切替ドア7はタ
ーボジェットエンジン側に閉じ、ノズル切替ドア10は
ロケットエンジンの燃焼ガスを排出するために開く。
ンジンとして作動させる場合は、燃焼器3の入口に設け
られた遮蔽弁9を閉にして燃焼ガスが逆流しないように
する。燃料は、ターボジェットエンジンと同様に、燃焼
器3に供給し、タービン4を通過して排気ダクト6に供
給される。酸化剤は酸化剤噴射器5を通して排気ダクト
6に供給される。そのとき、インテーク切替ドア7はタ
ーボジェットエンジン側に閉じ、ノズル切替ドア10は
ロケットエンジンの燃焼ガスを排出するために開く。
【0020】次に、以上のように構成されたターボジェ
ットエンジンを採用して構成された宇宙往還用複合エン
ジンの実施形態を図3により説明する。図3は、宇宙往
還機13の推進系としての宇宙往還用複合エンジンの概
念図を示している。本発明の宇宙往還用複合エンジン
は、上記のようにロケットエンジンと複合したターボジ
ェットエンジンを小型化できるので、複数のターボジェ
ットエンジンの外壁間の空間をラムジェットエンジンと
して使用することができ、且つ飛行領域全体の平均比推
力をあげて、推進系の小型化と表面積の減少を図ること
ができたものである。図3に示す例では、前記実施形態
に示す同じ原理に基づくターボジェットエンジン14が
上下に2列配列したエンジンを1組として、それを図5
に示すように横方向に間隔をおいて5組配列してあり、
該横方向間隔の空間16がラムジェットエンジン15を
構成している。なお、同図において、図1に示すターボ
ジェットエンジンの構成部材と同様な部材については、
同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
ットエンジンを採用して構成された宇宙往還用複合エン
ジンの実施形態を図3により説明する。図3は、宇宙往
還機13の推進系としての宇宙往還用複合エンジンの概
念図を示している。本発明の宇宙往還用複合エンジン
は、上記のようにロケットエンジンと複合したターボジ
ェットエンジンを小型化できるので、複数のターボジェ
ットエンジンの外壁間の空間をラムジェットエンジンと
して使用することができ、且つ飛行領域全体の平均比推
力をあげて、推進系の小型化と表面積の減少を図ること
ができたものである。図3に示す例では、前記実施形態
に示す同じ原理に基づくターボジェットエンジン14が
上下に2列配列したエンジンを1組として、それを図5
に示すように横方向に間隔をおいて5組配列してあり、
該横方向間隔の空間16がラムジェットエンジン15を
構成している。なお、同図において、図1に示すターボ
ジェットエンジンの構成部材と同様な部材については、
同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0021】次に、上記に示す宇宙往還機用複合エンジ
ンの要部を図4〜図6により詳細に説明する。図4はタ
ーボジェットエンジン作動状態、図5はラムジェットエ
ンジン作動状態(仮想線はターボジェットエンジン作動
状態)、図6はロケットエンジン作動状態をそれぞれ示
している。宇宙往還機用複合エンジンの要部が、図1の
ターボジェットエンジンと相違しているところは、ラム
ジェット用燃料噴射を有していることである。
ンの要部を図4〜図6により詳細に説明する。図4はタ
ーボジェットエンジン作動状態、図5はラムジェットエ
ンジン作動状態(仮想線はターボジェットエンジン作動
状態)、図6はロケットエンジン作動状態をそれぞれ示
している。宇宙往還機用複合エンジンの要部が、図1の
ターボジェットエンジンと相違しているところは、ラム
ジェット用燃料噴射を有していることである。
【0022】上記複合エンジンの燃料及び酸化剤系統
は、その概略図が図4に示されており、極低温燃料(液
体水素)が充填されている燃料タンク20から燃料ポン
プ21により所定位置に所定流量の燃料を供給する。本
実施形態では、燃料ポンプから下流側が第1〜第3の3
つの燃料管路22〜24に分岐され、それぞれにバルブ
24〜26が設けられ、飛行状態に応じて燃料管路を切
替制御できるようになっている。第1燃料管路22は、
ポンプ21から入口空気冷却器1に供給し、該入口空気
冷却器1を循環した燃料をすべて燃焼器3に供給する管
路からなる。また、第2燃料管路23は、ポンプから直
接ラムジェット用燃料噴射器8に燃料を供給する管路で
ある。また、第3燃料管路24は、ポンプから直接燃焼
器3の燃料噴射器に燃料を供給する管路である。なお、
本実施形態では、ロケット推進機構を作動させる場合
は、バルブ27のみを開いて第3燃料管路により直接燃
焼器に燃料を供給するようにしてあるが、第3燃料管路
を設けずに、ロケット推進機構を作動させる場合も、第
1燃料管路により燃焼器に燃料を供給するようにしても
良い。また、図示されていないが、前記ポンプ及び各バ
ルブは、燃料制御ユニットによって制御され、それぞれ
の飛行状態に応じて、ポンプによる燃料流量及びバルブ
の開閉制御等が行われる。
は、その概略図が図4に示されており、極低温燃料(液
体水素)が充填されている燃料タンク20から燃料ポン
プ21により所定位置に所定流量の燃料を供給する。本
実施形態では、燃料ポンプから下流側が第1〜第3の3
つの燃料管路22〜24に分岐され、それぞれにバルブ
24〜26が設けられ、飛行状態に応じて燃料管路を切
替制御できるようになっている。第1燃料管路22は、
ポンプ21から入口空気冷却器1に供給し、該入口空気
冷却器1を循環した燃料をすべて燃焼器3に供給する管
路からなる。また、第2燃料管路23は、ポンプから直
接ラムジェット用燃料噴射器8に燃料を供給する管路で
ある。また、第3燃料管路24は、ポンプから直接燃焼
器3の燃料噴射器に燃料を供給する管路である。なお、
本実施形態では、ロケット推進機構を作動させる場合
は、バルブ27のみを開いて第3燃料管路により直接燃
焼器に燃料を供給するようにしてあるが、第3燃料管路
を設けずに、ロケット推進機構を作動させる場合も、第
1燃料管路により燃焼器に燃料を供給するようにしても
良い。また、図示されていないが、前記ポンプ及び各バ
ルブは、燃料制御ユニットによって制御され、それぞれ
の飛行状態に応じて、ポンプによる燃料流量及びバルブ
の開閉制御等が行われる。
【0023】酸化剤系統は、酸化剤(例えば液体酸素)
が貯留されている酸化剤タンク30から酸化剤ポンプ3
1、バルブ32を介して酸化剤管路33を介して排気ダ
クト入口側に設けてある酸化剤噴射器5に酸化剤を供給
するようになっている。酸化剤は、ターボジェット推進
機構による高推力飛行の場合と、ロケットエンジン機構
作動時に酸化剤噴射器に供給される。
が貯留されている酸化剤タンク30から酸化剤ポンプ3
1、バルブ32を介して酸化剤管路33を介して排気ダ
クト入口側に設けてある酸化剤噴射器5に酸化剤を供給
するようになっている。酸化剤は、ターボジェット推進
機構による高推力飛行の場合と、ロケットエンジン機構
作動時に酸化剤噴射器に供給される。
【0024】本実施形態の宇宙往還用機複合エンジン
は、以上のように構成され、起動から略マッハ6に達す
るまでは、ターボジェットエンジン作動で飛行し、略マ
ッハ6〜12の間はスクラムジェットエンジン作動状態
で、マッハ12以上及び宇宙空間ではロケット作動状態
で飛行する。ターボジェットエンジンとして作動させる
ときは、インテーク切替ドア7とノズル切替ドア10は
飛行状態に合わせて、エンジン性能が最適になる位置に
開けておく。このときは、ラムジェット用燃料噴射器8
は使用せず、遮蔽弁9は取り入れた空気通過させるため
に開にし、先に説明したと同様にしてターボジェット推
進を行う。
は、以上のように構成され、起動から略マッハ6に達す
るまでは、ターボジェットエンジン作動で飛行し、略マ
ッハ6〜12の間はスクラムジェットエンジン作動状態
で、マッハ12以上及び宇宙空間ではロケット作動状態
で飛行する。ターボジェットエンジンとして作動させる
ときは、インテーク切替ドア7とノズル切替ドア10は
飛行状態に合わせて、エンジン性能が最適になる位置に
開けておく。このときは、ラムジェット用燃料噴射器8
は使用せず、遮蔽弁9は取り入れた空気通過させるため
に開にし、先に説明したと同様にしてターボジェット推
進を行う。
【0025】飛行速度が上がると、ターボジェットエン
ジンよりも、ラムジェットエンジンの比推力が高くな
る。そのため、本実施形態では、マッハ6〜マッハ12
の速度域ではラムジェットエンジン作動状態に切り替え
る。このときは、図2に示すように、インテーク切替ド
ア7とノズル切替ドア10をターボジェットエンジン側
に閉じ、且つバルブ26のみ開状態にする。それによ
り、複数のターボジェットエンジンの外壁間の空間に設
けられたラムジェット用燃料噴射器8から燃料が噴射さ
れ、その空間をラムジェットエンジンとして使用する。
ジンよりも、ラムジェットエンジンの比推力が高くな
る。そのため、本実施形態では、マッハ6〜マッハ12
の速度域ではラムジェットエンジン作動状態に切り替え
る。このときは、図2に示すように、インテーク切替ド
ア7とノズル切替ドア10をターボジェットエンジン側
に閉じ、且つバルブ26のみ開状態にする。それによ
り、複数のターボジェットエンジンの外壁間の空間に設
けられたラムジェット用燃料噴射器8から燃料が噴射さ
れ、その空間をラムジェットエンジンとして使用する。
【0026】さらに、空気の無い宇宙空間を飛行する場
合は、ロケットエンジン作動状態に切り替える。ロケッ
トエンジン作動状態では、図6に示すように、インテー
ク切替ドア7はターボジェットエンジン側に閉じ、ノズ
ル切替ドア10はロケットエンジンの燃焼ガスを排出す
るために開くと共に、燃焼器の入口に設けられた遮蔽弁
9を閉にして燃焼ガスが逆流しないようにする。燃料系
統は弁25、26は閉じて、弁27を開き燃焼器に燃料
を供給すると共に、酸化剤タンク30から酸化剤を酸化
剤噴射器により排気ダクトに噴射することで高圧力のロ
ケットエンジンとして作動する。
合は、ロケットエンジン作動状態に切り替える。ロケッ
トエンジン作動状態では、図6に示すように、インテー
ク切替ドア7はターボジェットエンジン側に閉じ、ノズ
ル切替ドア10はロケットエンジンの燃焼ガスを排出す
るために開くと共に、燃焼器の入口に設けられた遮蔽弁
9を閉にして燃焼ガスが逆流しないようにする。燃料系
統は弁25、26は閉じて、弁27を開き燃焼器に燃料
を供給すると共に、酸化剤タンク30から酸化剤を酸化
剤噴射器により排気ダクトに噴射することで高圧力のロ
ケットエンジンとして作動する。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のターボジ
ェットエンジンは、単位重量当たりの推力をロケットエ
ンジン並みに増加させることができ、小型化できると共
に高推力を得ることができる。従って、本発明のターボ
ジェットエンジン及びそれを採用した複合エンジンは、
大きな重量増加を伴わずに、地上から宇宙空間まで良好
な比推力を発揮することができる。それ故本発明のエン
ジンを、宇宙往還機、高速航空機、及び打ち上げロケッ
ト等に採用することによって、従来より搭載重量を増加
させることができる。
ェットエンジンは、単位重量当たりの推力をロケットエ
ンジン並みに増加させることができ、小型化できると共
に高推力を得ることができる。従って、本発明のターボ
ジェットエンジン及びそれを採用した複合エンジンは、
大きな重量増加を伴わずに、地上から宇宙空間まで良好
な比推力を発揮することができる。それ故本発明のエン
ジンを、宇宙往還機、高速航空機、及び打ち上げロケッ
ト等に採用することによって、従来より搭載重量を増加
させることができる。
【0028】また、離着陸時の低速動力飛行をする場合
に、高比推力の作動ができるため、宇宙往還機等におい
て安全な有人飛行を実現することができる。
に、高比推力の作動ができるため、宇宙往還機等におい
て安全な有人飛行を実現することができる。
【図1】本発明の実施形態に係るターボジェットエンジ
ンの断面概念図である。
ンの断面概念図である。
【図2】そのエンジン系統図である。
【図3】宇宙往還機用複合エンジンの斜視概念図であ
る。
る。
【図4】ターボジェットエンジン推進時の要部断面概念
図である。
図である。
【図5】ラムジェットエンジン推進時の要部断面概念図
である。
である。
【図6】ロケットエンジン推進時の要部断面概念図であ
る。
る。
1 入口空気冷却器 2 圧縮機 3 燃焼器 4 タービン 5 酸化剤噴射器 6 排気ダクト 7 インテーク切替ドア 8 ラムジェット
用燃料噴射器 9 遮断弁 10 ノズル切替ド
ア 13 宇宙往還機 14 ターボジェ
ットエンジン 15 ラムジェットエンジン 16 空間 20 燃料タンク 21 燃料ポンプ 22〜24,28,33 管路 25〜27,32 弁 30 酸化剤タンク 31 酸化剤ポン
プ
用燃料噴射器 9 遮断弁 10 ノズル切替ド
ア 13 宇宙往還機 14 ターボジェ
ットエンジン 15 ラムジェットエンジン 16 空間 20 燃料タンク 21 燃料ポンプ 22〜24,28,33 管路 25〜27,32 弁 30 酸化剤タンク 31 酸化剤ポン
プ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−108838(JP,A) 特開 昭61−70158(JP,A) 特開 昭60−67753(JP,A) 特開 平8−93505(JP,A) 実開 昭59−114431(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02K 3/06 F02C 9/28 F02K 7/16 - 7/18 F02K 9/74 F02K 9/78 F02C 7/143 F02C 7/224
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも空気取入口を開状態と閉状態
に切換可能及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適と
なる開位置に開くことができるインテーク切替ドア、圧
縮機、該圧縮機に流入する空気を燃料タンクから供給さ
れる極低温燃料の冷熱により冷却する入口空気冷却器、
燃焼器、前記入口空気冷却器に用いた極低温燃料を前記
燃焼器に供給する燃料管路、閉状態で前記燃焼器の入口
に燃焼ガスの逆流を防ぐ遮断弁、タービン、酸化剤噴射
機、排気ダクト、該排気ダクトからの排気ガスのノズル
を開閉切替及び飛行状態に応じてエンジン性能が最適と
なる開位置に開くことができるノズル切替ドアを有し、
前記インテーク切替ドアと前記ノズル切替ドア、前記酸
化剤噴射器、及び前記遮断弁を制御することで、高推力
のターボジェットエンジン又は高圧力のロケットエンジ
ンとして切替作動させることができることを特徴とする
ターボジェットエンジン。 - 【請求項2】 少なくともインテーク切替ドア、入口空
気冷却器、圧縮機、遮断弁、燃焼器、タービン、酸化剤
噴射器、排気ダクト、ノズル切替ドアを備えてなるター
ボジェットエンジンを複数個間隔をおいて配列し、該タ
ーボジェットエンジンの外壁間にラムジェット用燃料噴
射器を設けて前記外壁間空間部にラムジェットエンジン
を形成してなり、前記インテーク切替ドア、前記ノズル
切替ドア及び前記遮断弁を開閉制御し、且つ前記燃焼器
又はラムジエット用燃料噴射器への燃料供給制御及び前
記酸化剤噴射器への酸化剤供給制御することにより、タ
ーボジェット推進、ラムジェット推進又はロケット推進
の何れかの推進機構に切替可能になっていることを特徴
とする複合エンジン。 - 【請求項3】 前記ターボジェット推進機構が、前記燃
焼器に理論混合比以下の燃料を供給して燃焼させて高比
推力を得る機構と、前記排気ダクト部分に高圧力で燃料
が過剰の排気ガスを供給して前記酸化剤噴射器により酸
化剤を供給し、燃焼させることにより高圧力の推進を得
る機構とに切り替え可能となっている請求項2記載の複
合エンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196457A JP3005676B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ターボジェットエンジン及び該ターボジェットエンジンを備えた複合エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10196457A JP3005676B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ターボジェットエンジン及び該ターボジェットエンジンを備えた複合エンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000008955A JP2000008955A (ja) | 2000-01-11 |
JP3005676B2 true JP3005676B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=16358136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10196457A Expired - Lifetime JP3005676B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ターボジェットエンジン及び該ターボジェットエンジンを備えた複合エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3005676B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105221295A (zh) * | 2015-11-06 | 2016-01-06 | 西南科技大学 | 一种冲压—涡轮喷气复合航空发动机 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013188956A1 (en) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | Daniel Pomerleau | Cryogenic fuel combustion engines |
CN106499544B (zh) * | 2016-11-03 | 2018-01-02 | 中国人民解放军国防科学技术大学 | 一种火箭旋翼着陆动力系统 |
CN109441663A (zh) * | 2018-12-12 | 2019-03-08 | 清华大学 | 组合循环发动机 |
-
1998
- 1998-06-29 JP JP10196457A patent/JP3005676B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105221295A (zh) * | 2015-11-06 | 2016-01-06 | 西南科技大学 | 一种冲压—涡轮喷气复合航空发动机 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000008955A (ja) | 2000-01-11 |
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