JP3003849B2 - 油移送方法 - Google Patents

油移送方法

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JP3003849B2
JP3003849B2 JP10057116A JP5711698A JP3003849B2 JP 3003849 B2 JP3003849 B2 JP 3003849B2 JP 10057116 A JP10057116 A JP 10057116A JP 5711698 A JP5711698 A JP 5711698A JP 3003849 B2 JP3003849 B2 JP 3003849B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の同油種地下
タンクを有する給油所において、在庫の有効活用を目的
とした在庫量調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】給油所においては従来より、図2に示す
ように、給油管33〜36を介して複数の地下タンク3
1及び32と複数の計量機37〜40をそれぞれ接続
し、車両への給油を行っていたが、計量機の設置場所等
により、車両の入る頻度の高い計量機、頻度の低い計量
機があり、給油量に大きな差が生じている。
【0003】給油量の差は、そのまま地下タンクの在庫
量に関係し、同じ容量のタンクであっても、給油量の多
い計量機に接続されたタンクの在庫量は急速に減少し、
給油量の少ない計量機に接続されたタンクは僅かしか減
少しない。
【0004】そして、最終的には、片方のタンクの在庫
は十分あるにも拘わらず、他方のタンクの在庫が無くな
り、在庫の無いタンクに接続された計量機の使用ができ
ず、使用可能な計量機に車を誘導したり、在庫の無くな
ったタンクのためだけにタンクローリー車の手配をする
必要が生じる等の無駄が生じている。
【0005】このような問題を簡潔な配管システムで行
うために、本出願人は特願平9−296858号におい
て図3に示すような給油システムを用いた在庫量調整方
法を提案している。図3において、A,B及びCはそれ
ぞれ給油所の地下に配設された地下タンクであり、各地
下タンクの貯蔵油量の減少速度はC,B,Aの順で大と
されている。そして各地下タンクA,B,Cは、それぞ
れ吸引管41、43、吐出管42、44により相互に連
結されている。
【0006】前記在庫量調整方法においては、最も貯蔵
油量の減少速度の大きいタンクC内に車両への給油の際
に該地下タンクに接続されている計量機がエアかみ、す
なわちエアを吸引しない程度の在庫量(以下、「最低在
庫量」という)が常に存在するように、地下タンクA又
はBから地下タンクCへ油の移送が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような在庫量調整方法においては、以下の点が問題と
なる。
【0008】すなわち、例えば、接続された計量機の販
売量が少なくタンク内の貯蔵油の減少量が小さいタンク
A、及び、接続された計量機の販売量が多くタンク内の
貯蔵油の減少量がタンクBを備えた給油所において、上
記した最低在庫量維持形式の油移送を行った場合に、大
型の車両への給油が連続して行われてタンクBの貯蔵油
減少速度が突発的に大きくなった場合にタンクBへの油
の供給が追いつかなくなることがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するためのものである。すなわち、本発明は、貯蔵
油の減少速度に差のある2つのタンクA,Bの残量を調
整するための油移送方法であって、貯蔵油の減少速度の
大きいタンクBを満たすように貯蔵油の減少速度の小さ
いタンクAから油を移送する移送工程、貯蔵油の減少速
度の小さい前記タンクAの残油量Laが下記の式で表さ
れる停止値S S=Ib×Va/Vb (但し、IbはタンクBの容積、VaはタンクAの貯蔵
油の減少速度、VbはタンクBの貯蔵油の減少速度)に
到達した場合に前記移送工程を終了する工程からなる。
【0010】ここで、貯蔵油の減少速度は、ある所定時
間内でのタンクからの排出油量を指し、該所定時間は毎
分、毎時等のように適宜設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、タンク残油量の変動傾
向からみて、複数のタンク内の貯蔵油が同時期に同一の
在庫量に到達するように、各タンク間で油の移送を行っ
て各タンクの貯蔵油量を予め調整することにその特徴を
有しており、具体的には、貯蔵油の減少速度の小さい側
のタンクA内の残油量が所定の停止値Sとなるまで、貯
蔵油の減少速度の大きい側のタンクBが常に満たされる
ようにタンクAからタンクBへと油の移送が行われる。
【0012】このように、前記タンクAからの油の販売
に支障を与えない限りにおいてタンクBにタンクAから
貯蔵油が供給されるので、タンクBからの油の販売中に
タンクBへの油の供給が追いつかなくなることがない。
【0013】そして、複数のタンクの貯蔵油量は同時期
に同一の在庫量、例えば最低在庫量に達するので、在庫
の無くなったタンクのためだけにタンクローリー車の手
配をする必要がない。したがって、複数のタンクの全て
の在庫を有効に活用することができる。
【0014】なお、本発明では、常に、タンクの貯蔵油
の減少速度の小さい側のタンクAから減少速度の大きい
タンクBへ油を移送するので、油の流れる方向を一定と
することにより在庫量調整に必要な配管を最小限とする
ことができる。
【0015】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
つつ詳細に説明する。ただし、本発明を図示の例に限定
するものでは決してない。
【0016】図1は本発明の油移送方法の実施の一態様
を示す図であって、2基の地下タンクA及びBを有する
給油システムの概略図が示されている。
【0017】図1において、A及びBは給油所の地下に
埋設されている地下タンクである。地下タンクAは、そ
こに接続された図示しない計量機の販売量が少なく、し
たがって貯蔵油の減少量は小さい。一方、地下タンクB
は、そこに接続された図示しない計量機の販売量が大き
く、したがって貯蔵油の減少量は大きい。なお、図1で
は給油のために計量機に接続される配管の図示を省略し
ている。
【0018】各地下タンクには図示しない油面センサが
配設されており、そこからの検知出力をデジタル指示計
等によって確認することによって各地下タンクの貯蔵油
量を検知することができる。
【0019】地下タンクAには、その先端を地下タンク
Aの底部に位置するまで垂下させた吸引管1が配設され
ている。吸引管1の基端部には吸引制御弁2が設けられ
ており、吸引管1からの油の吸引を制御している。
【0020】一方、地下タンクBには、その先端が該地
下タンクB内に開口する吐出管3が垂下されて配設され
ている。吐出管3はその先端が地下タンクB内に開口し
ていれば足り、該先端が地下タンクBの底部に達する必
要はない。
【0021】吸引管1及び吐出管3は輸送管4によって
連結されている。輸送管4の所定箇所には給油ポンプ5
が配設されており、給油ポンプ5を駆動させることによ
り地下タンクAから地下タンクBへと油の移送を行うこ
とができる。
【0022】吸引制御弁2及び給油ポンプ5は制御装置
6からの信号によりその駆動が制御されている。制御装
置6には記憶装置、演算装置が内蔵されており、油移送
の際に後述する演算が行われる。
【0023】以下、上記システムを使用した油移送操作
について説明する。
【0024】まず、各地下タンクに連結された計量機か
らの油の販売等によりもたらされる地下タンクの貯蔵油
の減少の速度を、地下タンクA及びBについてそれぞれ
演算する。具体的には、各地下タンク内に取り付けられ
た油面センサからの検知出力が制御装置6へ伝達され、
そこにおいて所定時間内の貯蔵油量の変動を検知するこ
とによって行う。
【0025】次に、制御装置6が、そこに予め記憶され
ている地下タンクBの容積Ib、地下タンクAの貯蔵油
の減少速度Va及び地下タンクBの貯蔵油の減少速度V
bのデータから、地下タンクAから地下タンクBへの油
の移送を停止する場合の地下タンクAの残油量である停
止量Sを下記の式に従って演算・記憶する。
【0026】S=Ib×Va/Vb ただし、地下タンクA及び地下タンクBの容積が等しい
場合には、前記式においてIbの代わりに、地下タンク
Aの容積Iaを用いて演算を行ってもよい。
【0027】その後、制御装置6は給油ポンプ5を駆動
させ、制御弁2を開いて図1(b)〜図1(d)に示す
ように地下タンクAから地下タンクBへと油の移送を開
始する。制御装置6は、地下タンクAの残油量が上記停
止量Sに達するまでは、地下タンクBの貯蔵油量が常に
満タンであるように、地下タンクAから地下タンクBへ
と油を逐次移送する。
【0028】地下タンクA内の貯蔵油量が減少して前記
停止値Sに到達すると、制御装置6は給油ポンプ5を停
止すると共に、制御弁2を閉めて地下タンクAから地下
タンクBへの油の移送を終了する。
【0029】このとき、すなわち油移送終了後時には地
下タンクAの在庫量と地下タンクBの在庫量は各地下タ
ンクの貯蔵油の減少速度比に比例した状態となる。した
がって、他の地下タンクから油の供給を受けたり、又
は、他の地下タンクへ油の移送を行わないかぎり、この
ままの減少速度で各地下タンク内の貯蔵油量が推移する
と、両タンクは同時期に地下タンク内の貯蔵油を全て排
出することができる。
【0030】例えば、地下タンクAの貯蔵油の減少速度
Vaが地下タンクBの貯蔵油の減少速度Vbの1/3の
場合には、油移送終了時には地下タンクAの貯蔵油量は
地下タンクBの貯蔵油量の1/3となり、したがって減
少速度Va及びVbが同一の場合には両地下タンクの在
庫量はほぼ同時期に零となる。
【0031】そして、各地下タンク内の残油量が零にな
ることを油面センサにより確認した上で、ローリー車等
の給油手段から各地下タンクへ補給が行われる。
【0032】したがって、理論的には各地下タンク内の
油を同時期に全て使用することができ、各地下タンク内
の貯蔵油を有効に利用することができる。ただし、実際
には地下タンク内の残油量が最低在庫量に達する前に各
地下タンクA及びBはローリー車等の外部からの給油手
段により油の補給を受けることが好ましい。
【0033】なお、図1に示す実施の態様では地下タン
クの数は2とされているが、地下タンクが3基以上であ
っても、これらの実施の態様の場合と同様に本発明を適
用しうることは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵油の減少速度の大
きいタンクからの油の販売中に該地下タンクへの油の供
給が追いつかなくなることがない。
【0035】そして、複数のタンクの貯蔵油量は同時期
に所定の値、例えば最低在庫量に達するので、在庫の無
くなったタンクのためだけにタンクローリー車の手配を
する必要がない。したがって、複数のタンクの全ての在
庫を有効に活用することができる。
【0036】なお、本発明では、常に、タンクの貯蔵油
の減少速度の小さい側のタンクから減少速度の大きいタ
ンクへ油を移送するので、油の流れる方向を一定とする
ことにより在庫量調整に必要な配管を最小限とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図。
【図2】給油所における車両への給油システムを示す概
略図。
【図3】従来の在庫量調整システムの一例を示す構成
図。
【符号の説明】
1 吸引管 2 吸引制御弁 3 吐出管 4 輸送管 5 給油ポンプ 6 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−221499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B67D 5/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯蔵油の減少速度に差のある2つのタン
    クA,Bの残量を調整するための油移送方法であって、 貯蔵油の減少速度の大きいタンクBを満たすように貯蔵
    油の減少速度の小さいタンクAから油を移送する移送工
    程、 貯蔵油の減少速度の小さい前記タンクAの残油量Laが
    下記の式で表される停止値S S=Ib×Va/Vb (但し、IbはタンクBの容積、VaはタンクAの貯蔵
    油の減少速度、VbはタンクBの貯蔵油の減少速度)に
    到達した場合に前記移送工程を終了する工程からなる油
    移送方法。
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