JP3003744U - ベビーホルダー兼用ウエストバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 抱持を抱いたときの荷重を身体各所に分散支
持することができ、従って長時間使用しても疲労が少な
く、かつバッグ本体の開閉口を大きく開放することがで
きて、肩掛けバンド等の出し入れが行い易いベビーホル
ダー兼用ウエストバッグを提供する。 【構成】 バッグ本体１内に、水平な座板部５と垂直な
腰当て部６とを有する支承部材を設けると共に、バッグ
本体の開閉口を、前面中央の上端部から、左右両側面の
後部下端にかけてアーチ状に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、幼児を抱くための補助具すなわちベビーホルダーに兼用可能なウ エストバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のベビーホルダー兼用ウエストバッグとしては、実開平４−６２ １１５号公報（第１公知例）、特公平２−１２４１０７号公報（第２公知例）、 実開平１−１７７９６１号公報（第３公知例）に記載のものなどが公知である。

【０００３】 これらは、いずれもウエストバッグ本体の上面壁下面に幼児を腰掛けさせるた めの硬質の座板を設け、同バッグ本体上に腰掛けた幼児を保持するための肩掛け バンドを上記バッグ本体に連結して設けたものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来既知の上記のようなベビーホルダー兼用ウエストバッグは 、それぞれに固有の次のような問題点があった。

【０００５】 即ち、第１公知例のものにあっては、バッグ本体の上面壁下面に平板状の座板 を設けたものであるため、バッグ本体上に幼児を腰掛けさせた場合、その重量で 座板が親の腰の方に強く喰い込みがちになり、長時間の使用に不適であった。

【０００６】 この欠点は、第２及び第３公知例に見られるように、座板の一端に垂直に下方 にのびた腰当て部を設け、断面倒Ｌ字状の腰掛け部材を用いるものとすることに よって軽減しうる。ところが、この場合、第２公知例のように、バッグ本体の開 閉口を前面上部に横一文字状に設けたものとすると、上記腰掛け部材が障害とな ってバッグ本体を大きく開くことができず、腰掛けバンド等の出し入れが行いに くいものとなる欠点があった。まして第３公知例のように、下面を開閉しうるも のとすると、収納物の出し入れすら行いにくいものとなる欠点があった。

【０００７】 そこで、この考案は、バッグ本体上に幼児を腰掛けさせた場合の荷重の分散性 が良く、長時間使用しても腰部に圧痛を生じることがなく、従って疲れにくいの はもとより、バッグ本体の開閉口を大きく開口させることができ、肩掛けバンド 及びその他の収納物の出し入れが行い易く、しかも外観体裁の良いベビーホルダ ー兼用ウエストバッグを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記の目的において、両端に装着用のウエストベルトを連結した ウエストバッグ本体の内部に、該バッグ本体の上面壁に沿わせて水平状に配置さ れた座板部と、後面壁に沿わせて垂直状に配置された腰当て部とを有する支承部 材がバッグ本体に連結して設けられ、バッグ本体の開閉口が、バッグ本体の前面 の上端中央部から両側面の下部後端にかけてアーチ状に形成され、親が肩に掛け てバッグ本体上に腰掛けた幼児を保持する肩掛けバンドの下部がＹ字状に形成さ れ、その下端がバッグ本体の上面壁の中央部内面に連結固定されて、前記開閉口 の中央部から外部に引出し可能なものとなされていることを特徴とするベビーホ ルダー兼用ウエストバッグを要旨とする。

【０００９】

【作用】

支承部材が座板部と腰当て部とで構成されていることにより、幼児をバッグ本 体上に腰掛けさせた場合、荷重の一部が腰当て部を介して腰面に広く分散して支 承され、肩掛けバンドに荷重が集中するのが軽減される。また、開閉口のファス ナーを開けると、前面壁を下方に転回して該開閉口を大きく開くことが可能とな る。

【００１０】

【実施例】

図１ないし３に示す実施例において、（１）はバッグ本体であり、両端に装着 用のウエストベルト（２）が連結してある。このウエストベルト（２）は長さ調 節自在であり、着脱のための連結具（３）を有する。

【００１１】 バッグ本体（１）は、横長方形の後面壁（１ａ）と、その上下端に連結した上 面壁（１ｂ）及び下面壁（１ｃ）と、前面から側面を構成する１枚の前面壁（１ ｄ）とよりなり、全体として前面が前方に膨出した水平断面略Ｄ字状のものに形 成されている。

【００１２】 バッグ本体（１）の上面壁（１ｂ）の下面には、裏地（４）で仕切られた座板 収納部が形成され、これに平板状の座板部（５）が上面壁（１ｂ）に沿う形に収 納されている。一方、後面壁（１ａ）の前面側には、これに沿う形に垂直にのび た腰当て部（６）が止めバンド（７）で後面壁に止着して設けられており、上記 座板部（５）と腰当て部（６）とで支承部材を構成している。尚、腰当て部（６ ）の上端には、座板部（５）の下面に沿って前方にのびた水平板部（６ａ）が設 けられており、断面倒Ｌ字形に形成されている。

【００１３】 この支承部材を構成している座板部（５）及び腰当て部（６）は、硬質の発泡 ポリスチレン等の合成樹脂製のものである。

【００１４】 バッグ本体（１）には、その前面側にファスナー付きの開閉口（８）が設けら れている。しかもこの開閉口（８）は、バッグ本体（１）の前面の上端中央部か ら両側面の下部後端、即ち前面壁（１ｄ）の中央部上端から、前面壁（１ｄ）と 後面壁（１ａ）の接合部の下部にかけて、アーチ状に形成されたものとなされて いる。このことは重要である。即ち開閉口（８）を上記のような態様で設けるこ とにより、ファスナーを開けると、前面壁（１ｄ）の全体を、図２に鎖線で示す ように下面壁（１ｃ）とともに、該下面壁（１ｃ）の後端を中心に下方に転回し て、上記開閉口（８）を大きく開放することが可能となるものである。

【００１５】 バッグ本体（１）の前面壁（１ｄ）の前面には、小物入れ用のポケット（９） が設けられている。このポケット（９）は、上面にファスナー付きの開閉口（１ ０）を有する。なお、このポケット（９）は、バッグ本体（１）の開閉口（８） より下の領域部分において、前面壁（１ｄ）の略全体を覆うような一層大きいも のに形成しても良い。この場合、ポケット（９）の開閉口（１０）は、バッグ本 体（１）の開閉口（８）と略平行するような形に設けられることになる。

【００１６】 バッグ本体（１）には更に肩掛けバンド（１１）が設けられている。この肩掛 けバンド（１１）は、幼児を抱くさいに、肩や首に掛けて幼児を安全に保持する ものであり、上部がループに形成され、下部がＹ字状に形成されて、その下端が 図２に示すように、開閉口（８）の中央部を通って、バッグ本体（１）内の上面 壁（１ｂ）の下面に連結固定され、更に延長されて裏地（４）と水平板部（６ａ ）との間を通り、尾端が後面壁（１ａ）の内面に縫着固定されている。（１２） は肩当て、（１３）は連結具、（１４）は補助ベルト、（１５）は当て布である 。

【００１７】 尚、肩掛けバンド（１１）は、そのＹ字状の下端部に連結具を設けてバッグ本 体（１）と分離可能に構成しても良い。この場合、肩掛けバンドが不要になった 際には、これをバッグ本体（１）から取外して、ウエストバッグとしての用途の みに使用可能なものとすることができ有利である。

【００１８】 上記実施例のベビーホルダー兼用ウエストバッグは、ウエストベルト（２）に よりバッグ本体（１）を腰部に装着したのち、幼児を抱く際は、バッグ本体（１ ）上に幼児を前向きあるいは後向きに腰掛けさせる。そして、肩掛けバンド（１ １）を肩に掛けることにより、幼児を安全に安定的に保持することができる。

【００１９】 このようにして使用すると、幼児の体重に基づく荷重は、その一部が支承部材 の腰当て部（６）を介して腰の外面及びウエストバンド（２）を介して腰周りの 全体と、肩掛けバンド（１１）を介して肩に負荷され、荷重が広く各所に分散し て支持される。

【００２０】 上記実施例では、バッグ本体（１）内に設ける支承部材の座板部（５）と腰当 て部（６）とを分離状態に形成したものを示したが、図４に示すように上記両部 （１５）（１６）を一体に形成しても良い。ただ、前記のように分離形成する方 が、幼児を腰掛けさせたときの荷重の分散支持性の点では好ましい。即ち、使用 者の腰部の外形に応じて、座板部（５）と腰当て部（６）とが相対移動を起こし て身体にうまく沿うので、支承部材の一部が腰部に強く喰い込み状態になるのを 回避でき、使い心地の良好なものとなしうる点で好ましい。

【００２１】 尚、幼児を抱かないときは、肩掛けバンド（１１）を開閉口（８）からバッグ 本体（１）内に収納して、通常のウエストバッグと同様に使用しうるものである ことはいうまでもない。

【００２２】

【考案の効果】

この考案に係るベビーホルダー兼用ウエストバッグは、バッグ本体内に、座板 部（５）と腰当て部（６）（６）とを有する支承部材を設けたことにより、幼児 をバッグ本体（１）上に腰掛けさせたときに、その体重に基づく荷重の一部を腰 当て部を介して腰部外面にも支持することができ、その分だけウエストベルト（ ２）及び肩掛けバンド（１１）に負荷される荷重が軽減されるので、長時間使用 しても身体疲労が少なく、かつ身体の一部に圧痛を生じることも少なく、使用感 に一段と優れたものとなしうる。

【００２３】 また、バッグ本体（１）の開閉口（８）が、前面中央の上端から、両側面の下 部後端にかけてアーチ状に形成されていることにより、前記のような支承部材を 用いているにもかかわらず、当該開閉口を大きく開くことが可能になり、バッグ 本体（１）への肩掛けバンド（１１）の出し入れ、小物類の出し入れを一層行い 易いものとなしうる。

【００２４】 また、請求項２の構成によるときは、上記の荷重分散支持性の一段と良好なも のとすることができるし、請求項３の構成においては、構造の簡素化をはかり得 る利点がある。請求項４の構成では、軽量化に有利であり、請求項５の構成にお いては、肩掛けバンド（１１）をバッグ本体（１）内に収納した状態時において も、ポケット（９）を利用して小物類を収納でき便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の全体斜視図である。

【図２】図１のII−II線の断面図である。

【図３】支承部材の斜視図である。

【図４】支承部材の変形例を示す断面図である。

【符号の説明】

１…バッグ本体 ２…ウエストベルト ５…座板部 ６…腰当て部 ６ａ…水平板部 ７…止めバンド ８…開閉口 ９…小物入れ用ポケット １０…開閉口 １１…肩掛けバンド

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に装着用のウエストベルトを連結し
   たウエストバッグ本体の内部に、該バッグ本体の上面壁
   に沿わせて水平状に配置された座板部と、後面壁に沿わ
   せて垂直状に配置された腰当て部とを有する支承部材が
   バッグ本体に連結して設けられ、 バッグ本体の開閉口が、バッグ本体の前面の上端中央部
   から両側面の下部後端にかけてアーチ状に形成され、 親が肩に掛けてバッグ本体上に腰掛けた幼児を保持する
   肩掛けバンドの下部がＹ字状に形成され、その下端がバ
   ッグ本体の上面壁の中央部内面に連結固定されて、前記
   開閉口の中央部から外部に引出し可能なものとなされて
   いることを特徴とするベビーホルダー兼用ウエストバッ
   グ。
2. 【請求項２】 支承部材の座板部と腰当て部とが別体に
   形成されており、 座板部は平板状で、バッグ本体の上面壁の下面に裏地で
   仕切られた座板収納部に納められ、 腰当て部は、上端に前記座板部の後部下面に沿う水平板
   部を有する倒Ｌ字状に形成され、バッグ本体の後面壁の
   内面に止めバンドで止着されてなる請求項１記載のベビ
   ーホルダー兼用ウエストバッグ。
3. 【請求項３】 支承部材は、座板部と腰当て部とを一体
   に有する断面倒Ｌ字状の成形体からなる請求項１記載の
   ベビーホルダー兼用ウエストバッグ。
4. 【請求項４】 支承部材は、発泡合成樹脂製である請求
   項１ないし３のいずれか１に記載のベビーホルダー兼用
   ウエストバッグ。
5. 【請求項５】 バッグ本体の前面壁の前面に開閉可能な
   小物入れ用ポケットが設けられている請求項１ないし４
   のいずれか１に記載のベビーホルダー兼用ウエストバッ
   グ。