JP3002606U - 加熱調理食品の温蔵装置 - Google Patents

加熱調理食品の温蔵装置

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JP3002606U JP1994003134U JP313494U JP3002606U JP 3002606 U JP3002606 U JP 3002606U JP 1994003134 U JP1994003134 U JP 1994003134U JP 313494 U JP313494 U JP 313494U JP 3002606 U JP3002606 U JP 3002606U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加熱料理食品の温蔵庫において、コロッケ、テ
ンプラ等の揚物類であっても、食感を損なうことなく、
しかも、微生物の増殖を抑制できるようにする。 【構成】装置本体1の上部に加熱調理食品を収納するシ
ョーケース2が設けられている。装置本体1に、空気を
加熱する空気ヒーター21、温水23を貯留する温水槽22、
温水槽い貯留された温水を加熱する温水ヒーター24、空
気ヒーター21によって加熱した空気に温水槽22から発生
した水蒸気を混合させた調湿調温空気をショーケース2
に循環させるファン19、調湿調温空気がショーケース2
に導入される吹出し口12、温水槽に貯留された温水の温
度を測定する温水温度センサー25、空気の温度を測定す
る温度センサー17及び制御部25が設けられている。ショ
ーケース2には、棚33の端部に調湿調温空気を均一に分
散させるための分散翼34が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、コロッケ、メンチカツ、フライドチキン、ハンバーガー、容器入り 弁当などの加熱調理食品を、品質及び食感を劣化させることなく保存できる温蔵 装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファーストフードストア、コンビニエンスストア、飲食店の厨房又はカウンタ ー等(以下、店舗等と称する)においては、顧客の要望に応じてすみやかに、か つ調理直後の状態の商品を迅速に提供することが必要である。したがって、加熱 調理した食品を保存庫で保存し、出来るだけ品質を劣化させずに調理直後の状態 を維持するようにしている。
【0003】 従来、このような保存庫としては種々の形式のものが使用されており、その加 熱方式には、赤外線ランプを用いた放射式、加熱板による伝熱式、および庫内の 空気を加熱する対流式があった。そして、これらの加熱方式により加熱調理食品 を所定の温度に維持して保存していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の食品保存庫では、食品を長時間にわって保存すると食味 が低下し商品価値が無くなるものであった。すなわち、従来の食品保存庫では、 単に温度のみを維持し湿度に関して何等制御されていなかったので、保存中に乾 燥が進み食感が失われ、特に、揚げ物類では内部の具材の食感が失われてしまい 商品価値を著しく失うものであった。
【0005】 また、蒸し食品の保存庫として、蒸籠形式の蒸し器、饅頭の蒸し器等の水蒸気 を使用する方式のものもあるが、これらの蒸し食品の保存庫は、揚げ物類の保存 には利用出来ないものであった。すなわち、揚げ物類のように具材の外側に衣が ある食品では、水分が多い具材の部分と水分が少ないクリスピーな食感を有する 衣との食感の調和が大切であるが、多量の水蒸気により衣のクリスピーな食感が 失われ、商品価値が著しく低下するものである。
【0006】 また、従来の食品保存庫では、庫内に温度ムラが存在するため微生物が庫内に おいて部分的に増殖する場合があった。すなわち、従来の食品保存庫の多くは赤 外線ランプによる放射加熱方式が採用されているため、裏側や陰になる部分で微 生物の増殖を抑制する温度を保つことができず、部分的に微生物が増殖するもの であった。このことは、伝熱方式の保存庫についても同様であった。
【0007】 本考案は、以上の問題点を解消し、食感を損なわず、かつ微生物の増殖もなく 品質を保持できる加熱調理食品の温蔵装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、上記目的を達成するために、加熱調理食品の食感を維持できる 保存条件及び微生物の増殖を防止できる技術について鋭意研究し、その結果本考 案を完成させた。
【0009】 すなわち、本考案者らは、各種の温度湿度条件中に揚物類、スナック類、米飯 類などを保存し、保存中の食感の変化を調べた結果、適正な湿度条件を維持すれ ば、これらの食品の食感を損なうことなく長時間保存できることを見出した。
【0010】 例えば、衣を有するコロッケ、メンチカツ、テンプラなどの揚物類については 、相対湿度を概ね40%に維持することにより、食感の変化を最も少なくできるこ とを見出した。相対湿度を約40%に維持することにより食感の変化を少なくでき るのは、この湿度条件により衣からの水分の蒸散を有効に防止できるためではな く、この湿度条件により、具材から衣材へ水分が移行する速度と、衣材から水分 が蒸散する速度とが平衡し、その結果として衣材の水分量の変化を極力防止する ことができるためであり、この現象は、本考案者らによって初めて見出されたも のである。
【0011】 また、衣を有しない米飯類又は衣があっても衣のクリスピーな食感が求められ ないスナック類については、約50%ないし60%の相対湿度下に保存することによ り、食感の変化を最も少なくできることを見出した。このことは、上記湿度範囲 が、過度の乾燥を防止でき、かつ発生した水蒸気の凝縮水によって部分的に食感 が軟化することを防止できるからだと考えられる。
【0012】 以上のように、食品によって最適な湿度範囲は多少異なるのであるが、相対湿 度を30%以上60パーセント以下にすると、全ての加熱調理食品において食感を適 性な範囲に維持した状態で保存できることを見出した。
【0013】 また、本考案者は、保存庫内を温度ムラなく均一に加熱できる方法について鋭 意研究し、対流加熱方式が簡単な装置で保存庫内を均一な温度に維持できること を見出した。
【0014】 なお、温度湿度を正確に制御する設備としては、理化学実験用の培養設備や製 菓製パン分野で工業的に使われている発酵設備などがあるが、これらいずれも本 考案の目的とする利用分野の機器に較べて大型設備であり、かつ、極めて高価で ある。また、これらの機器にはおもに培養や発酵などの目的に用いられるため、 利用する温度帯も本考案の目的とする温度と異なる領域である。したがって、こ れらの設備は、加熱調理食品の温蔵装置には全く利用できなかった。
【0015】 本考案者らは、以上の研究に基づき、加熱調理された食品の品質及び食感を維 持しつつ長時間保存することができる加熱調理食品の温蔵装置を完成させた。
【0016】 すなわち、本考案の加熱調理食品の温蔵装置は、調湿調温空気を発生させる装 置本体と、この装置本体の上部に設けられ加熱調理食品を収納するショーケース とを有し、装置本体には、空気を加熱する空気加熱手段と、温水を貯留する温水 槽と、温水槽に貯留された温水を加熱する温水加熱手段と、空気加熱手段によっ て加熱した空気に温水槽から発生した水蒸気を混合させた調湿調温空気をショー ケースに循環させる空気循環手段と、該調湿調温空気がショーケースに導入され る吹出し口と、温水槽に貯留された温水の温度を制御する温水温度制御手段と、 空気加熱手段で加熱する空気の温度を制御する空気温度制御手段とを具備し、前 記ショーケースには、吹出し口の略上方に設けられ吹き出された調湿調温空気を 分散させる分散翼を具備したことを有することを特徴として構成されている。
【0017】 ショーケースは、加熱調理食品を収納でき、調湿、調温された空気が循環でき る構造が必要であり、ガラス、耐熱性のある透明樹脂などの内部が見える材質で 構成されることが必要であり、保温性の高いものが好ましい。ショーケースの形 状としては、特に限定されず、例えば、角形、台形、円筒形にすることができ、 吹出し口から吹き出された調湿調温空気が反対側まで円滑に流れるので、上部を 曲面に形成することが好ましい。また、縦横高さの比率についても内部の空気の 循環を妨げるものでなければよい。
【0018】 ショーケース内部には、食品を並べるための棚、トレー等を設けることができ る。これらの部材は、収納室の空気の循環を妨げない構造であれば、その形状、 取付け方式等は特に限定されず、例えば、固定式、取外し式又は引出し式にする ことできる。また、ショーケースには、食品を出し入れするための扉が必要であ る。この扉の開閉形式は特に限定されず、例えば、横開き、縦開き、又は引き戸 形式にすることができ、好ましくは密封性が高いものである。
【0019】 装置本体は、上部に上記ショーケースが設けられ、調湿調温空気を発生させる もので、内部に調湿調温空気を発生させるための空気加熱手段、温水槽等が設け られ、外部にはスイッチ、湿度及び温度設定つまみ等が設けられている。
【0020】 空気加熱手段は、ショーケースに循環させる空気を加熱するものであり、その 加熱方式は特に限定されない。例えば、電気式のシーズ線ヒーターやセラミック ヒーター、外部に加熱用のボイラを持ったオイル循環式のヒーターを用いること ができる。
【0021】 温水槽は、温水を貯留し水蒸気を発生させるもので、温水加熱手段により、温 水が所定温度になるように加熱されている。この温水加熱手段としては、上記空 気加熱手段に記載したものを用いることができる。
【0022】 空気循環手段は、空気加熱手段で加熱された空気に温水槽から発生した水蒸気 を混合させた調湿調温空気をショーケースい循環させるもので、例えば、プロペ ラファン、クロスフローファン、シロッコファン等のファン類、ブロア等各種形 式のものを用いることができる。
【0023】 吹出し口は、調湿調温空気をショーケースに導入するためのもので、通常、上 方へ調湿調温空気を吹き出すように構成されている。
【0024】 温水温度制御手段は、温水槽に貯留された温水の温度を制御するもので、温水 に浸漬した状態で設けられた温度センサーと、温度センサーの検出温度により温 水加熱手段へ供給する電力を調整する制御部とで構成されている。
【0025】 空気温度制御手段は、空気加熱手段で加熱する空気の温度を制御するもので、 その制御方式は特に限定されない。例えば、バイメタル式、液体膨張式、リレー 式又は電子制御式を利用することができる。また、ショーケースの温度を検知し 、その検知温度により手動で空気加熱手段を調節できるようにしてもよい。
【0026】 分散翼は、吹出し口の略上方に設けられ吹き出された調湿調温空気を分散させ るもので、ショーケース内を均一な温湿度状態にするためのものである。分散翼 は数段に設けることができ、ショーケースの大きさにより適宜設ける段数を変更 する(ショーケースが小さい場合は1段でもよい)。また、分散翼は、1枚の板 状体であっても、複数の板状体を組み合わせて形成したものであってもよい。す なわち、1枚の板状体の場合は、空気の流れの一部を変更するだけであるが、複 数の板状体の場合は、空気の流れを2以上に変更することができる。分散翼の形 状は、平面状であっても、曲面状であっても、折れ曲がった状態であってもよい 。このような、分散翼は、専属の支持体等に設けてもよいが、棚の端部に設ける ことが、スペースの有効利用、外観等の点で好ましい。
【0027】 ショーケースの温度は、上述した空気加熱手段及び温度制御手段で65℃以上90 ℃以下に維持される。温度が65℃未満であると、微生物の増殖を有効に抑制する ことができず、温度が90℃を越えると、食品が乾燥し過ぎ食感が損なわれる。
【0028】 ショーケースの湿度は、相対湿度で30%以上60%以下に維持される。相対湿度 が30%未満であると、ほとんどの食品で乾燥が進みすぎ、目的とする長時間の保 存性を得ることができない。また、相対湿度が60%を越えると、ほとんどの食品 で吸湿性が進み、食感が損なわれる。ショーケースの相対湿度は、収納する食品 によりその最適な範囲が異なり、例えば、コロッケ、メンチカツ、テンプラ等の 揚物類の場合は、40%前後が最適であり、米飯類、スナック類等の場合は、約50 〜約60%の範囲が最適である。
【0029】 ショーケースの相対湿度を、上記所定範囲の値にするには、空気加熱手段で循 環空気を所定温度に加熱するとともに、温水温度制御手段で温水槽の温水を所定 温度にすることにより行なう。例えば、温水の設定温度を53℃にしたとすると、 温水槽の水面上には53℃に平衡する水蒸気、即ち、露点温度が53℃である空気の 状態となっており、乾き空気1kg当たり0.103kgの水蒸気を含んでいる。この水蒸 気が加熱された空気に取り込まれることにより、循環空気が同じ絶対湿度になり 、ショーケース内の温度を72℃とすれば相対湿度が33%、70℃とすれば37%の状 態になる。
【0030】 以上のように、温水温度によってショーケース内の絶対湿度が決まり、この絶 対湿度とショーケース内の温度によって、ショーケース内の相対湿度が決められ る。したがって、ショーケースの相対湿度を決めると、この相対湿度となる温水 の温度及びショーケースの温度を求めるこのができ、その求めた温水温度及びシ ョーケースの温度になるように設定する。そして、ショーケースが設定した温度 になるように、空気加熱手段で加熱する空気の温度(設定したショーケースの温 度より数度高い温度)を設定する。
【0031】 本考案における加熱調理食品は、コロッケ、メンチカツ、トンカツ、テンプラ 、フライドチキン、唐揚、フライドポテト、アメリカンフランク等の揚物惣菜類 、スナック類、各種の弁当、白飯、ピラフ、チャーハン、ドライカレー、カレー ライス、おにぎり等の米飯類、ハンバーガー、ホットドック、ブリトー、ピザパ イ、お好み焼、タコ焼などのスナック食品類等である。
【0032】
【作用】
本考案の加熱調理食品の温蔵装置では、空気加熱手段がショーケースから循環 してきた空気を加熱して所定の温度にし、温水加熱手段が温水槽に貯留されてい る温水を加熱して所定温度にし所定の絶対湿度の水蒸気を発生させる。空気循環 手段は、空気加熱手段によって加熱した空気に温水槽から発生した水蒸気を混合 させた調湿調温空気を吹出し口を介してショーケースに循環させる。温水温度制 御手段は、温水槽に貯留された温水の温度を予め設定した所定温度に維持し、空 気温度制御手段は、加熱手段で加熱する空気の温度を予め設定した所定温度に維 持する。分散翼は、吹出し口から吹き出された調湿調温空気を分断してショーケ ース内に均一に分散させる。
【0033】
【実施例】
本考案の加熱調理食品の温蔵装置の一実施例を図面に基づいて説明する。 図1は加熱調理食品の温蔵装置の正面図、図2は加熱調理食品の温蔵装置の左 側面図、図3は加熱温蔵装置の断面図である。
【0034】 図1及び図2おいて、符号1は所定の水蒸気を含み所定の温度になっている調 湿調温空気を発生させる装置本体で、この装置本体1の上部に加熱調理食品を収 納するショーケース2が設けられ、装置本体1から調湿調温空気をショーケース 2に循環させて65〜90℃で相対湿度30〜60%の雰囲気下で加熱調理食品を温蔵す るようになっている。
【0035】 装置本体1は、金属の箱体11で構成され、この箱体11の裏側(図3中、左側) 近傍の上面にはショーケース2内の空気を取り入れる空気取入れ口12が形成され ているとともに、箱体11の表側(図3中、右側)端部の上面には装置本体2で発 生した調湿調温空気をショーケース2に導入する吹出し口13が形成され、これら 空気取入れ口12と吹出し口13との間は空気が循環できるように連通した空気通路 が形成されており、この空気通路は、空気取入れ口12側から、送風通路14、加熱 通路15及び加湿通路16となっている。
【0036】 送風通路14には空気取入れ口12に隣接して空気温度制御手段の一部を構成する 温度センサー17が設けられ、ショーケース2から循環して来た空気の温度を測定 するようになっている。この温度センサー17の下方には、空気循環手段としての モーター18及びこのモーター18で駆動されるファン19が設けられており、このフ ァン19で空気取入れ口12及び吹出し口13を介してショーケース2に空気を循環さ せるようになっている。ファン19の吹き出し側に加熱通路15があり、この加熱通 路15には、底面が斜めに立ち上がった斜面20が形成されて上部が狭くなって風速 が早くなるように形成されており、また、ファン19の略正面前方には空気加熱手 段としてのヒーター21が設けられており、このヒーター21でファン19から送風さ れて来た空気を温めるようになっている。
【0037】 斜面20に隣接して温水槽22が設けられており、この温水槽22には温水23が満た されている。また、温水槽22の底部近傍には温水加熱手段としての温水ヒーター 24が設けられるとともに、温水温度制御手段の一部を構成する温水温度センサー 25が設けられ、温水ヒーター24で温水23を温めるとともに、温水温度センサー25 で温水23の温度を測定するようになっている。そして、この温水槽22の上方に前 記吹出し口13が形成されている。
【0038】 また、符号26はコンピュータボードからなる空気温度制御手段及び温水温度制 御手段の一部を構成する制御部で、この制御部26には、前記温度センサー17、ヒ ーター21、温水ヒーター24及び温水温度センサー25が接続されており、温度セン サー17からの温度信号によりヒーター21に供給する電力を調整し、また、温水温 度センサー25からの温度信号により温水ヒーター24に供給する電力を調整するよ うに設定されている。
【0039】 前記ショーケース2は、ガラスからなる箱体30で構成され、その裏側には2枚 の引き戸式の扉31、31が設けられ、また、表側の上部は円弧状の曲面部32が形成 され上昇して来た調湿調温空気を円滑に裏側へ送れるようになっている。箱体30 の内部には、加熱調理食品を載置するための棚33が3段に設けられ、これらの棚 33は表側から裏側へ行くに従って徐々に高くなるように若干斜めに配置されてい る。
【0040】 また、棚33の表側方向の端部縁33aは、吹出し口13の裏側方向の端部縁13aの 略上方に位置するように設定されており、かつ、端部縁33aから表側方向下方に 略45度の角度で伸び、先端が端部縁13aから略1/3の部位の上方に位置するよ うに分散翼34が設けられている。この分散翼34は、吹出し口13から噴き出された 空気を分断しショーケース2内に均一に分散させるためのものである。
【0041】 以上のような加熱調理食品の温蔵装置を使用するには、ヒーター21を作動させ て空気を加熱するとともに、温水ヒーター24を作動させて温水層22の温水を加熱 する。この時、温度センサー17が取入れ口12から吸引したショーケース2からの 空気の温度を測定し、その測定温度を制御部25に出力する。そして、制御部25は 温度センサー17から入力した温度を予め設定されている温度と比較し、空気がこ の設定温度となるようにヒーター21への電力の供給を調整する。したがって、ヒ ーター21で加熱された空気は予め設定された所定の温度になっている。また、温 水センサー23が温水23の温度を検出し、その検出結果を制御部25へ出力しており 、制御部25では温水センサー23からの温度と予め設定された温度とを比較し、温 水23がこの設定温度になるように温水ヒーター24に供給する電力を調整する。し たがって、温水23の温度は予め設定された温度になっている。
【0042】 また、モーター18を作動させてファン19を回転させ、ファン19が空気取入れ口 12を介して空気を送り出すので、空気は送風通路14、加熱通路15、加湿通路16及 びショーケース2を循環している。
【0043】 したがって、ファン19で送りだされた空気は、ヒーター21で所定温度に加熱さ れ、この加熱された空気は温水槽22に送られ所定温度に加熱された温水23から蒸 発した水蒸気が混合させられる。そして、この所定量の水蒸気を含む調湿調温空 気は、吹出し口13からショーケース2に噴き出される。この時、水蒸気を含む空 気は、まず最下段の分散翼34に接触して、その略1/4を最下段の棚33の下方を 流れることになる。そして、残りの空気は上昇して中段の分散翼34に接触し、そ の略1/3が中段の棚33の下方を流れる。そして、さらに残りの空気は上昇して 最上段の分散翼34に接触し、その1/2が最上段の棚33の下方をながれ、残りの 1/2が棚33の上方を流れることになる。したがって、ショーケース2の内部は 、所定の調湿調温空気で均一に満たされることになる。 以上のような加熱調理食品の温蔵装置を用いた具体的な例に付いて説明す。
【0044】 実施例1 図1〜3に示す加熱調理食品の温蔵装置を用いた。ショーケースは、横幅600 ミリメートル、奥行350ミリメートル、高さ400ミリメートルの大きさの角型のも のをガラスを組合せて製作した。ショーケースの温度を70℃、ショーケースの相 対湿度を40%とし、空気の加熱温度を72℃、温水の温度を53℃に設定した。
【0045】 そして、ポテトコロッケ、メンチカツ及びフライドチキンを収納し、品質の経 時変化を調べた。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】 以上の結果より、4〜6時間良好に保存できることが確認された。
【0047】 実施例2 実施例1と同様の装置を用い、同様の条件で行なった。
【0048】 比較例1 市販の赤外線ランプ照射式のウォーマーを用いた。温度設定を70℃とした。
【0049】微生物増殖試験 実施例2及び比較例1において、ミートコロッケ及び白身魚のフライを収納し 、一時間ごとに微生物の数を測定した。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】 以上の結果より、実施例2は8時間経過しても微生物の増加は認められず長時 間良好に保存できることが確認された。これに対し、比較例2は微生物が増殖し 保存時間が短時間であった。特に、下段は微生物の増殖が大きかった。これは、 実施例2は、品温が70℃に維持されているが、比較例1は、赤外線ランプに照射 ムラがあるために、微生物が増殖し易い温度範囲の品温になるからだと考えられ る。
【0052】 実施例3 市販の調理冷凍食品のえびピラフを楕円形型の弁当箱サイズの耐熱性プラスチ ックトレイに詰めてトップシールしたサンプルを試作した。同サンプルのトップ シール部分に水蒸気放出用の穴を穿孔してから、電子レンジで中心温度が70℃程 度になるように解凍加熱した。
【0053】 そして、表面に穿孔したトップシールを残したまま解凍品を実施例1と同一の 温蔵装置に保存し、品質の経時変化を調べた。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】 約3時間以上にわたって食感が損なわれないことが確認された。
【0055】 実施例4 図1に示す温蔵装置を用い、湿球温度を59℃に、ショーケースの空気温度を70 ℃に、ショーケースの湿度を約60%に設定した。
【0056】 そして、市販のチルドおにぎり及びアメリカンドッグを収納し、これらの経時 変化を調べた。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】 約6時間以上にわたって食感が損なわれないことが確認された。
【0058】
【考案の効果】
本考案は、加熱調理食品を、微生物の増殖を抑制しつつ食感を損なうことなく 長時間保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の加熱調理食品の温蔵装置の一実施例
の背面図。
【図2】 本考案の加熱料理食品の温蔵装置の一実施例
の側面図。
【図3】 本考案の加熱調理食品の温蔵装置の一実施例
の断面図。
【符号の説明】
1…装置本体 2…ショーケース 12…空気取入れ口 13…吹出し口 17…温度センサー 19…ファン 21…ヒーター 22…温水槽 23…温水 24…ヒータ 25…温水センサー 26…制御部 33…棚 34…分散翼
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調湿調温空気を発生させる装置本体と、
    この装置本体の上部に設けられ加熱調理食品を収納する
    ショーケースとを有し、装置本体には、空気を加熱する
    空気加熱手段と、温水を貯留する温水槽と、温水槽に貯
    留された温水を加熱する温水加熱手段と、空気加熱手段
    によって加熱した空気に温水槽から発生した水蒸気を混
    合させた調湿調温空気をショーケースに循環させる空気
    循環手段と、該調湿調温空気がショーケースに導入され
    る吹出し口と、温水槽に貯留された温水の温度を制御す
    る温水温度制御手段と、空気加熱手段で加熱する空気の
    温度を制御する空気温度制御手段とを具備し、前記ショ
    ーケースには、吹出し口の略上方に設けられ吹き出され
    た調湿調温空気を分散させる分散翼を具備したことを特
    徴とする加熱調理食品の温蔵装置
  2. 【請求項2】 調湿調温空気は、温度が65℃以上90℃以
    下、相対湿度が30%以上60%以下である請求項1に記載
    の加熱調理食品の温蔵装置
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017105076A3 (ko) * 2015-12-17 2018-03-08 주식회사 에스시케이 에어 프라이어

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