JP3002424U - 簡易廃油判定器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンプルを容易に採取でき、かつ色見本との
比較対比が簡単で、臨時作業者等でも容易に判定できる
廃油判定器を提供することを目的とする。 【構成】 廃油を比色、判定するための色見本５を貼着
した透明のシリンダ２と、該シリンダ２の内側にあって
該シリンダ内に摺動可能に装着されたピストンロッド４
を備えたピストン３とからなり、このピストン３によっ
てシリンダ２内に油を吸引採取し、該吸引採取された油
の色と前記色見本５を対比して廃油の可否を判定可能に
した。そして色見本５には酸価１.５以下を淡黄色、酸
価１.５〜２.５を黄褐色、酸価２.５以上を茶色にして
対比し易くした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は使用済みの油を廃油にすべきか否かの判定をする簡易廃油判定器に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

業務用の食用油(惣菜、給食、油揚げ等)の衛生規範は、酸価(Ａ・Ｖ)２.５で新 しい油に取り替えるよう指導されている。ところが、フライヤ−中では、油槽が 深いことや揚げ滓などにより油が汚れているので、作業者の目視による判断では 酸価０.５〜５.０と広く、かなり誤差を生じやすい。このため、通常の現場では 酸価が０.５〜１.０といった比較的新しい油をも廃棄しているのが実情である。 使用済みの油を廃油にすべきか否かの判定に定量性を持たせるため、簡易型酸 価測定法として指示薬を使った測定器や試験紙が従来から市販されている。しか しこの方法では、現場での判定作業が繁雑となり、しかも判定が難しいのであま り使いこなされていない（特公昭５２−４４２３９号公報、特公昭５３−３７７ ５７号公報）。 また、判定法をより簡易化するために色見本を添付した判定装置も考案されて はいるが（実開昭６３−７５８２３号公報）、測定のたびに所定の場所で色見本 と比較せねばならず、臨時雇用の作業者が多い現場等ではこれ又なかなか定着し にくいのが実情である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

サンプルを容易に採取でき、かつ色見本との比較対比が簡単で、臨時作業者等 でも容易に判定できる廃油判定器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

廃油を比色、判定するための色見本５を貼着した透明のシリンダ２と、該シリ ンダ２の内側にあって該シリンダ内に摺動可能に装着されたピストンロッド４を 備えたピストン３とからなり、このピストン３によってシリンダ２内に油を吸引 採取し、該吸引採取された油の色と前記色見本５を対比して廃油の可否を判定可 能にした。 そして色見本５には酸価１.５以下を淡黄色、酸価１.５〜２.５を黄褐色、酸 価２.５以上を茶色にして対比し易くした。

【０００５】

【作用】

フライヤ−等に溜っている油に判定器の先端を挿入し、ピストンロッド４を引 くと、油がシリンダ２内に溜る。そこでシリンダ２の表面に貼付けた色見本と比 色し、判定する。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案に係る廃油判定器１の斜視図である。２はシリンダ、３はピスト ンである。ピストン３はシリンダ２の内面に密接し気密を保持しているので、ピ ストンロッド４を引張ることにより、フライヤ−等にある油をシリンダ２内に吸 引採取することができる。シリンダ２は透明樹脂で成形され、判定しようとする 油をシリンダ２の外から目視できるようになっている。５は色見本で、シリンダ ２の外面で、吸込まれた油を十分に目視できるよう吸引ノズル2aから隔てられた 位置に貼付けられている。

【０００７】 色見本５は例えばガ−ドナ−標準色を用い、図３に拡大して示すごとくたとえ ば色見本５に酸価が１.５より低い部分を淡黄色帯5a、酸価が１.５〜２.５の範 囲を黄褐色帯5b、そして酸価が２.５を超える部分を茶色帯5cとしてある。

【０００８】 図４は変数として横軸に基準油脂分析試験法で測定した酸価を、縦軸に日本電 色工業株式会社測色色差計Ｚ−１００１ＤＰで測定した黄色度をとった回帰分析 結果を示す。酸価と黄色度との相関関係を調べるに当り３５のデ−タについてプ ロットしたものである。そのデ−タの処理結果を下表に示す。

【表１】 Ｙ＝−３.０７７＋１６.７６３＊Ｘ ・・・となり、 この結果からも酸価と色度の一次的相関関係が認められる。

【０００９】 このような構成であるから、厨房で食用油の検査をするときは、廃油判定器１ のピストンロッド４を持ってノズル2aから油をシリンダ２内に吸引採取する。そ して吸引された油の色をシリンダ２に貼付けた色見本５と対比判定する。この判 定において、シリンダ２内の油の色が淡黄色帯5a又は黄褐色帯5bの範囲ならば継 続使用可とし、黄褐色帯5bならば廃油にし、黄褐色帯5bや茶色帯5cと同様の色に なったならば、使用不可とする。なお実施例では公知シリンダ及びピストンを使 用したが、油の採取が容易で、色見本５を貼付できるものであれば、この実施例 に限定するものではない。

【００１０】

【効果】

簡単な構成のピストンとシリンダによって油を吸引し、この油をシリンダに貼 付けた色見本と比較して判定できるようにしたので、臨時作業者等でも手軽に操 作でき、しかも判定精度も正確であるので、油の経済的な使用が可能となった。 器具は極めて簡単であり、安価に提供できるので、業者はもとより、一般家庭 においても簡単に手に入れることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る判定器の斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】色見本の拡大展開図。

【図４】回帰分析結果を示すグラフ。

【符号の説明】

１ 廃油判定器 ２ シリンダ 2a 吸引ノズル ３ ピストン ４ ピストンロッド ５ 色見本 5a 淡黄色帯 5b 黄褐色帯 5c 茶色帯

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃油を比色、判定するための色見本(５)
   を貼着した透明のシリンダ(２)と、該シリンダ(２)の内
   側にあって該シリンダ内に摺動可能に装着されたピスト
   ンロッド(４)を備えたピストン(３)とからなり、該ピス
   トン(３)によってシリンダ(２)内に油を吸引採取し、該
   吸引採取された油の色と前記色見本(５)を対比して廃油
   の可否を判定可能にした簡易廃油判定器。
2. 【請求項２】 色見本(５）には酸価１.５以下を淡黄
   色、酸価１.５〜２.５の範囲を黄褐色、酸価２.５以上
   を茶色とした請求項１の簡易廃油判定器。