JP3001736U - プリントラベル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の励起光を有するランプでプリントラベ
ルを照射することにより、小売業者や一般消費者の段階
においても衣料品や身飾品などが真正商品であることを
容易に確認できる。 【構成】 ラベル表面に蛍光顔料を含む有色インクでデ
ザインやネームを印刷して図柄層を形成するか、又はラ
ベル表面に通常の顔料を含むインクでデザインやネーム
を印刷して図柄層を形成するとともに、そのデザインや
ネームよりも上側に蛍光顔料を含むインクを塗布して蛍
光層を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特定の励起光を有するランプで照射することにより、小売業者や一 般消費者の段階においても、ラベルを付した衣料品や身飾品などが真正商品であ ることを容易に確認できるプリントラベルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

衣料品や身飾品などが品質とデザインに関して極度に多様化した現状において 、消費者は商品のブランドネームを購買の指針としている。有名ブランドや人気 キャラクタが、商品の売れ行きに多大の影響を与えることになるとともに、フリ ーライドによって不当な利益を得ようする業者が現われ、ブランドやキャラクタ が偽造や模倣される事件が多発している。

【０００３】 偽造商品は、低開発国の安い労働力を利用したり粗悪な素 材を使用することにより、品質管理が厳しい真正商品よりも遥かに安価で販売さ れ、真正商品の製造者に著しい損害を与えることになる。この種の偽造商品は真 正商品よりも品質や縫製が劣悪であり、真正商品のブランドイメージを損う事態 が発生するため、偽造商品を早期に摘発しなければならない。

【０００４】 繊維製品に関する染色技術及び縫製技術の高度化に伴い、 外観的に偽造商品が真正商品と酷似し、専門業者が偽造商品と真正商品とを簡単 に識別できない場合もある。特に、小売業者や一般消費者は、殆どブランドラベ ルだけによって偽造商品を真正商品と識別しているから、ブランドラベルの真贋 を容易に判別する方法が必要になっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

近年、小売業者や一般消費者の段階においても、不正な偽造商品を摘発できる ように種々の検知方法が提案されている。これらの摘発方法の一つとして、ブラ ンドラベルに特定の着色糸などを織り込む方法がある。このような方法は、摘発 手段の正確な情報を小売業者や一般消費者まで正確に伝達することが困難であり 、これを怠ると摘発方法自体が無意味になってしまううえに、不正防止措置を執 っていることが明白であるから偽造業者に再模倣されやすい。

【０００６】 他の摘発方法としては、紫外線や赤外線だけに発光反応す る染料でラベル生地を染色する方法がある。この方法は、特殊な染料のコストが 非常に高く、しかもラベル生地自体が相当に高価で製造コストが掛かってしまう 。この種のラベルでは、偽造商品の摘発に際して特別の紫外線又は赤外線装置を 必要とし、その装置を全取引業者に配布する費用も嵩みすぎる。

【０００７】 本考案は、ラベルによる偽造商品の摘発に関する前記の問 題点を改善するために提案されたものである。本考案の目的は、ラベル表面のデ ザインやネームを通常と同様に目視できるうえに、それが特定の励起光で発光す るため、小売業者や一般消費者の段階でも真正商品を容易に確認できるプリント ラベルを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係るプリントラベル１は、図１に示すよ うにラベル地２の表面に、蛍光顔料を含む有色インクを用いてデザイン３（図４ ）やネーム４（図４）などを印刷して図柄層５を形成する。この有色インクは、 スクリーン印刷法やグラビア印刷法などで印刷すればよい。この有色インクには 隠蔽力の高い顔料及び展色材を含まず、クリアーな顔料及び展色材を用いること が必要である。

【０００９】 図２又は図３に示すプリントラベルは、ラベル地２の表面 に、通常の顔料を含むインクでデザインやネームを印刷して図柄層７を設け、該 図柄層のインクはカーボンブラックや酸化チタンなどの隠蔽力の高い顔料及び展 色材を含んでいてもよい。図柄層７の上側には、蛍光顔料を含むインクを塗布し て別個の蛍光層８を形成する。この場合、蛍光層８は、図２のようにラベル地２ の表面のごく一部に設けても、ラベル地２のほぼ全表面に形成してもよい。

【００１０】

【作用】

本考案のプリントラベル１には、通常のプリントラベルと同様の図柄層５，７ を形成し、この作製に際して特殊な工程や装置を何ら必要としない。プリントラ ベル１は、通常のプリントラベルと同様にデザイン３やネーム４を表示している だけであり、これによって小売業者や一般消費者はプリントラベル１を付した商 品の内容を容易に確認できる。

【００１１】 プリントラベル１には、模造ラベルを付した偽造商品が流 通することを防止するために、ラベル表面に特殊な蛍光顔料を含む図柄層５や蛍 光層８を形成している。商品検査作業の際に、プリントラベル１を特定の励起光 を発生するランプで照射すると、そのラベルが発光するか否かで模造ラベルを容 易に検知できる。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案を実施例に基づいて説明する。このプリントラベル１の生地２は 、一般に細幅織機によって織成するけれども、広幅織物から帯状に裁断して作製 してもよい。蛍光増白染料又は蛍光増白剤で処理したラベル地は、本考案で用い る蛍光顔料の存在を検知できなくなるので使用できない。

【００１３】 例えばポリエステル繊維のラベル１の表面には、図１に示 すように、蛍光顔料を含む有色インクでデザイン３（図４）やネーム４（図４） をプリント印刷して図柄層５を形成する。この有色インクには、隠蔽力の高い顔 料及び展色材であるカーボンブラックや酸化チタンなどを含まず、スクリーンカ ラー分解用などのクリアーな顔料及び展色材を用いる。したがって、有色インク は、多彩な着色が可能であるけれども一般に明色である。

【００１４】 図柄層５に添加される蛍光顔料は、例えば、硫化物又は酸 化物を主成分とするＮ化学（機密事項のために明示しない）製の蛍燐光体顔料で ある。この蛍光顔料は、特定の励起光（例えば２５４ｎｍ、３６５ｎｍ）を有す るランプの照射でのみ発光し、通常の太陽光や蛍光灯の照射では発光しない性質 を有し、その添加量は一般にインク全量の約１０〜２０重量％であると好ましい 。図柄層５の厚みは３〜５μｍでも発色効果があるけれども、厚みを増すほど発 色度を上げることができる。

【００１５】 図２に示すプリントラベルは、ラベル地２の表面に通常の 顔料を含むインクでデザインやネームを印刷して図柄層７を形成し、図柄層７の 上側に蛍光顔料を含むインクを塗布して別個の蛍光層８を形成する。図柄層７の インクは、カーボンブラックや酸化チタンなどの隠蔽力の高い顔料及び展色材を 含んでいてもよく、黒色の図柄層７であっても蛍光層８には発色作用を維持でき るので使用可能である。

【００１６】 また、図３のように、ラベル地２の表面に通常の顔料を含 むインクで図柄層７を設け、蛍光層１０をラベル地２のほぼ全表面又は縦方向に 沿って形成してもよい。実際には、蛍光顔料を含むインクは高価であるので、図 ５に示すように蛍光層８をラベル地２のごく一部に設けるだけでよい。

【００１７】 プリントラベル１は、細幅織物を連続的にプリント印刷し た後にラベルごとに横方向にヒートカットして作製する。このラベルは、折り曲 げ工程において、プレスによってセンターホールド又はエンドホールドすればよ い。プリントラベル１は、例えば、ブルゾン２３などの衣服（図６）の衿裏側に 縫着し、縫着後には通常の状態では一般のラベルと全く変らず、その表面に表示 したデザイン３やネーム４を判別することが容易である。

【００１８】 プリントラベル１において、図柄層５又は蛍光層８に含ま れる特殊な蛍光顔料は、特定の励起光でのみ発光して通常の太陽光や蛍光灯では 発光しない。この特定の励起光を発生する小型ランプは、十分に手持ちが可能で あり、安価であるので小売業者の段階まで配布しても費用が大して嵩まない。

【００１９】 このランプでプリントラベル１を照射すると、図柄層５又 は蛍光層８が明確に発光するから、プリントラベル１を付した衣料品や身飾品が 真正商品であることが容易に確認できる。プリントラベル１は、目視しただけで は特殊な蛍光顔料が塗布されていることが全く判らないため、偽造者が同一のラ ベルを製造することは殆ど不可能である。

【００２０】

【考案の効果】

本考案に係るプリントラベルには、通常のプリントラベルと同様の図柄層を形 成し、この図柄層に製造者のデザインやネームなどが表示されているから、該ラ ベルによって小売業者や一般消費者は商品の内容を目視できる。また、このプリ ントラベルが模造されても、該ラベルには特殊な蛍光顔料を含む図柄層又は蛍光 層を形成しているので、偽造ラベルを用いた商品を容易に検出できる。

【００２１】 本考案のラベルに形成した図柄層や蛍光層に含まれる特殊 な蛍光顔料は、特定の励起光でのみ発光して通常の太陽光や蛍光灯では発光せず 、商品検査作業の際に特定の励起光を発生する安価なランプでプリントラベルを 照射するだけでよい。しかも、ラベルを目視しただけでは特殊な蛍光顔料が塗布 されていることが判らないため、偽造業者が同一ラベルを製造することは殆ど不 可能である。このプリントラベルは、仮に再模倣された場合でも、図柄層や蛍光 層の表示内容を変更することは容易であるから損害を軽微に押えることができる 。

【００２２】 このプリントラベルを縫着した衣料品や身飾品では、専門 の取引業者でも外観から識別できないほど偽造商品が酷似していても、このラベ ルによってその偽造商品を早期且つ確実に検出できる。この結果、偽造商品が真 正商品と同様の販売ルートで長期間存在することが解消し、真正商品の製造者及 び一般消費者は偽造商品から受ける被害を速やかに免れることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るプリントラベルの一例を示す拡
大断面図である。

【図２】 本考案の変形例を示す拡大断面図である。

【図３】 本考案の別の変形例を示す拡大断面図であ
る。

【図４】 本考案に係るプリントラベルの一例を示す平
面図である。

【図５】 プリントラベルの別の例を示す平面図であ
る。

【図６】 本考案のラベルの使用例を示すブルゾンの正
面図である。

【符号の説明】

１ プリントラベル ２ ラベル地 ３ デザイン ５ 図柄層 ７ 図柄層 ８ 蛍光層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 細幅生地を１枚ごとに横方向に裁断して
   製造するプリントラベルにおいて、ラベル表面に蛍光顔
   料を含む有色インクでデザインやネームを印刷して図柄
   層を形成し、該有色インクには隠蔽力の高い顔料及び展
   色材を含んでいないプリントラベル。
2. 【請求項２】 細幅生地を１枚ごとに横方向に裁断して
   製造するプリントラベルにおいて、ラベル表面に通常の
   顔料を含むインクでデザインやネームを印刷して図柄層
   を形成するとともに、そのデザインやネームよりも上側
   に蛍光顔料を含むインクを塗布して蛍光層を形成するプ
   リントラベル。
3. 【請求項３】 添加する蛍光顔料は、特定の励起光を有
   するランプの照射でのみ発光し、通常の太陽光や蛍光灯
   の照射では発光しない請求項１又は２記載のラベル。