JP3001451B2 - 静電植毛鋼板及びその製造方法 - Google Patents
静電植毛鋼板及びその製造方法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理鋼板等を
基板として使用し、その基板上に防錆顔料を含有する合
成樹脂等から成る予備被覆層（プライマー）を設けるこ
となしに、その基板上に植毛植付層が直接設けられ、そ
の植付層に有機短繊維の静電植毛層が設けられた植毛鋼
板及びそれを製造する方法に関するものである。
基板として使用し、その基板上に防錆顔料を含有する合
成樹脂等から成る予備被覆層（プライマー）を設けるこ
となしに、その基板上に植毛植付層が直接設けられ、そ
の植付層に有機短繊維の静電植毛層が設けられた植毛鋼
板及びそれを製造する方法に関するものである。
【０００２】本発明の植毛植付層は、表面処理鋼板等の
基板との接着強度に優れ、且つその柔軟性も高いので、
植毛された基板を成形加工（プレス、フォーミング等）
する際に、その植付層に破壊、亀裂又は脱離が生じない
ものである。
基板との接着強度に優れ、且つその柔軟性も高いので、
植毛された基板を成形加工（プレス、フォーミング等）
する際に、その植付層に破壊、亀裂又は脱離が生じない
ものである。
【０００３】本発明の静電植毛鋼板は、基板として、市
販されているクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板等の表
面処理鋼板を使用し、それに静電植毛することにより、
結露防止ダクト・結露防止パネル等の建材製品、厨房機
器、電機機器、事務用機器、自動車用部品、玩具、容
器、ケーシング等の素材として使用することができる。
販されているクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板等の表
面処理鋼板を使用し、それに静電植毛することにより、
結露防止ダクト・結露防止パネル等の建材製品、厨房機
器、電機機器、事務用機器、自動車用部品、玩具、容
器、ケーシング等の素材として使用することができる。
【０００４】
【従来の技術】本発明に関する従来技術としては、鋼板
の表面を脱脂処理後、クロム酸系化成処理することによ
り鋼板とポリエステル合成樹脂層との密着性を高めた後
に、この表面処理した鋼板上に防錆顔料を含有するポリ
エステル合成樹脂層を設け、その樹脂層の一部又は全面
に、絞り加工や折り曲げ加工時に破壊、亀裂又は脱離が
生じない柔軟性を有する反応性アクリル系接着剤層を設
け、この接着剤層上に合成樹脂パイルを静電植毛するこ
とよりなる成形加工用植毛鋼板が知られている（例え
ば、特公昭６２−２７８６４号公報）。
の表面を脱脂処理後、クロム酸系化成処理することによ
り鋼板とポリエステル合成樹脂層との密着性を高めた後
に、この表面処理した鋼板上に防錆顔料を含有するポリ
エステル合成樹脂層を設け、その樹脂層の一部又は全面
に、絞り加工や折り曲げ加工時に破壊、亀裂又は脱離が
生じない柔軟性を有する反応性アクリル系接着剤層を設
け、この接着剤層上に合成樹脂パイルを静電植毛するこ
とよりなる成形加工用植毛鋼板が知られている（例え
ば、特公昭６２−２７８６４号公報）。
【０００５】土木、建築用鋼材として使用されるＨ形
鋼、鋼管、矢板又は鋼板の表面をショットブラスト、グ
ラインダー、ベルトサンダー等により除錆処理した後
に、アクリルウレタン系接着剤を塗布し、それが未硬化
状態のうちに非金属繊維を植毛することからなる植毛鋼
材及びその製造方法が知られている（例えば、特開平５
−１３８８１３号公報）。
鋼、鋼管、矢板又は鋼板の表面をショットブラスト、グ
ラインダー、ベルトサンダー等により除錆処理した後
に、アクリルウレタン系接着剤を塗布し、それが未硬化
状態のうちに非金属繊維を植毛することからなる植毛鋼
材及びその製造方法が知られている（例えば、特開平５
−１３８８１３号公報）。
【０００６】アルミニウム又はその合金の表裏面をクロ
ル酸又はリン酸クロムで処理して化成被膜を形成し、こ
の被膜にアクリロニトリルーブタジエン共重合ゴムエマ
ルジョンからなる接着剤を塗布し、これにナイロンパイ
ル等の繊維を植毛することが知られている（特開昭４７
−３４７７８号公報）。
ル酸又はリン酸クロムで処理して化成被膜を形成し、こ
の被膜にアクリロニトリルーブタジエン共重合ゴムエマ
ルジョンからなる接着剤を塗布し、これにナイロンパイ
ル等の繊維を植毛することが知られている（特開昭４７
−３４７７８号公報）。
【０００７】自動車の窓ガラスの上下開閉部に用いられ
るウェザーストリップ部材の静電植毛用接着剤に関する
従来技術としては、その成分組成がエチレンー酢酸ビニ
ル系共重合体１００重量部に対し、無黄変型ウレタンプ
レポリマー（このポリマーは、非黄変性ポリイソシアネ
ート樹脂で、エチレンー酢酸ビニル系共重合体の硬化剤
として使用される）１−３０重量部、グリシジル系シラ
ンカップリング剤０．１−５重量部、濡れ剤０．０１−
５重量部配合したものが知られている（特開平６−１４
５６３５号公報）。
るウェザーストリップ部材の静電植毛用接着剤に関する
従来技術としては、その成分組成がエチレンー酢酸ビニ
ル系共重合体１００重量部に対し、無黄変型ウレタンプ
レポリマー（このポリマーは、非黄変性ポリイソシアネ
ート樹脂で、エチレンー酢酸ビニル系共重合体の硬化剤
として使用される）１−３０重量部、グリシジル系シラ
ンカップリング剤０．１−５重量部、濡れ剤０．０１−
５重量部配合したものが知られている（特開平６−１４
５６３５号公報）。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、通常市販さ
れているクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板等の表面処
理鋼板を基板として使用し、その基板表面に、従来技術
における防錆顔料等を含有するポリエステル合成樹脂層
等の予備的中間層（プライマー）を設けることなしに、
特殊な成分組成の組成物から成る鋼板等の基板との密着
性に優れた植毛植付層のみを設け、その植付層の上に有
機短繊維を植毛静電することにより構成される植毛鋼板
を提供するものである。
れているクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板等の表面処
理鋼板を基板として使用し、その基板表面に、従来技術
における防錆顔料等を含有するポリエステル合成樹脂層
等の予備的中間層（プライマー）を設けることなしに、
特殊な成分組成の組成物から成る鋼板等の基板との密着
性に優れた植毛植付層のみを設け、その植付層の上に有
機短繊維を植毛静電することにより構成される植毛鋼板
を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、特殊な成分組
成の塗料組成物からなる植毛植付層が鋼板等の基板上に
直接設けられ、この植付層に有機短繊維が静電植毛され
た植毛鋼板、及びそれを製造する方法である。
成の塗料組成物からなる植毛植付層が鋼板等の基板上に
直接設けられ、この植付層に有機短繊維が静電植毛され
た植毛鋼板、及びそれを製造する方法である。
【００１０】本発明の植毛植付層を構成する塗料組成物
としては、水性エポキシ変性ポリウレタン樹脂、水性酸
性ブラック染料、消泡剤及びアンモニア等のＰＨ調整剤
からなる一液型のものが使用されるか、又は水性ポリエ
ステルポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡
剤及びジメチルエタノールアミン等のＰＨ調整剤からな
り、使用に際しては硬化剤が添加される二液型のものが
使用される。
としては、水性エポキシ変性ポリウレタン樹脂、水性酸
性ブラック染料、消泡剤及びアンモニア等のＰＨ調整剤
からなる一液型のものが使用されるか、又は水性ポリエ
ステルポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡
剤及びジメチルエタノールアミン等のＰＨ調整剤からな
り、使用に際しては硬化剤が添加される二液型のものが
使用される。
【００１１】本発明の塗料組成物からなる植毛植付層
は、鋼板等の基板との接着強度に優れ、且つその柔軟性
も高いので、植毛された基板を成形加工（プレス、フォ
ーミング等）する際に、その植付層に破壊、亀裂又は脱
離が生じないものである。又植毛された有機短繊維がそ
の加工時に脱落することがないという優れた植毛接着性
をも有する。
は、鋼板等の基板との接着強度に優れ、且つその柔軟性
も高いので、植毛された基板を成形加工（プレス、フォ
ーミング等）する際に、その植付層に破壊、亀裂又は脱
離が生じないものである。又植毛された有機短繊維がそ
の加工時に脱落することがないという優れた植毛接着性
をも有する。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明で使用される表面処理鋼板
としては、溶融亜鉛めっき鋼板、合金系溶融めっき鋼
板、電気亜鉛めっき鋼板、合金電気めっき鋼板、プレコ
ート鋼板等がある。又、植毛植付層に静電植毛される有
機短繊維としては、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等
の化学繊維、又は植物繊維、動物繊維等の天然繊維が使
用される。
としては、溶融亜鉛めっき鋼板、合金系溶融めっき鋼
板、電気亜鉛めっき鋼板、合金電気めっき鋼板、プレコ
ート鋼板等がある。又、植毛植付層に静電植毛される有
機短繊維としては、再生繊維、半合成繊維、合成繊維等
の化学繊維、又は植物繊維、動物繊維等の天然繊維が使
用される。
【００１３】本発明の一液型の塗料組成物は、水性エポ
キシ変性ポリウレタン樹脂〔商品名ダオタン（ＶＩＡＮ
ＯＶＡ社製、ドイツ）〕、水性酸性ブラック染料（オリ
エント化学製）、消泡剤〔商品名アデカネート（旭電化
製）〕及びＰＨ調整剤からなり、これには二重結合を持
つ化合物が含有されているので、その塗層を形成する際
の反応形態は酸化重合型であって、空気中の酸素の作用
を受けることにより、塗層が酸化重合して硬化する。
キシ変性ポリウレタン樹脂〔商品名ダオタン（ＶＩＡＮ
ＯＶＡ社製、ドイツ）〕、水性酸性ブラック染料（オリ
エント化学製）、消泡剤〔商品名アデカネート（旭電化
製）〕及びＰＨ調整剤からなり、これには二重結合を持
つ化合物が含有されているので、その塗層を形成する際
の反応形態は酸化重合型であって、空気中の酸素の作用
を受けることにより、塗層が酸化重合して硬化する。
【００１４】本発明の二液型の塗料組成物は、水性ポリ
エステルポリウレタン樹脂〔商品名ダオタン（ＶＩＡＮ
ＯＶＡ社製、ドイツ）〕、水性酸性ブラック染料（オリ
エント化学製）、消泡剤〔商品名アデカネート（旭電化
製）〕及びＰＨ調整剤からなり、硬化剤として非黄変型
ポリイソシアネート樹脂（商品名デスモジュール、住友
バイエル製）が使用される。これには官能基として水酸
基を持つ化合物が含有されているので、その塗層を形成
する際には、その水酸基が硬化剤の反応性に富むイソシ
アネート基と反応して架橋することにより、塗層が硬化
する。そして、この両塗料組成物のｐＨは７．０−８．
０である。
エステルポリウレタン樹脂〔商品名ダオタン（ＶＩＡＮ
ＯＶＡ社製、ドイツ）〕、水性酸性ブラック染料（オリ
エント化学製）、消泡剤〔商品名アデカネート（旭電化
製）〕及びＰＨ調整剤からなり、硬化剤として非黄変型
ポリイソシアネート樹脂（商品名デスモジュール、住友
バイエル製）が使用される。これには官能基として水酸
基を持つ化合物が含有されているので、その塗層を形成
する際には、その水酸基が硬化剤の反応性に富むイソシ
アネート基と反応して架橋することにより、塗層が硬化
する。そして、この両塗料組成物のｐＨは７．０−８．
０である。
【００１５】具体的には、その一液型の塗料組成物の成
分組成は、水性エポキシ変性ポリウレタン樹脂１００重
量部に対して、水性酸性ブラック染料溶液３．０−５．
０重量部、消泡剤０．５−２．０重量部及びＰＨ調整剤
０．５−１．０重量部からなる。これらを配合する際に
は、ミキサー中で２，０００−３，０００ｒｐｍの回転
速度で５−１０分間撹拌し、最終的にはＰＨ値を７．０
−８．０に調整する。製造直後には泡の発生があるが、
製造後２−３時間経過した後で使用する。
分組成は、水性エポキシ変性ポリウレタン樹脂１００重
量部に対して、水性酸性ブラック染料溶液３．０−５．
０重量部、消泡剤０．５−２．０重量部及びＰＨ調整剤
０．５−１．０重量部からなる。これらを配合する際に
は、ミキサー中で２，０００−３，０００ｒｐｍの回転
速度で５−１０分間撹拌し、最終的にはＰＨ値を７．０
−８．０に調整する。製造直後には泡の発生があるが、
製造後２−３時間経過した後で使用する。
【００１６】又、二液型の塗料組成物の成分組成は、水
性ポリエステルポリウレタン樹脂１００重量部に対し
て、水性酸性ブラック染料溶液３．０−５．０重量部、
消泡剤０．５−２．０重量部及びＰＨ調整剤０．５−
１．０重量部からなる。これらを配合する際には、ミキ
サー中で２，０００−３，０００ｒｐｍの回転速度で５
−１０分間撹拌し、最終的にはＰＨ値を７．０−８．０
に調整する。製造直後には泡の発生があるが、製造後２
−３時間経過した後で使用する。この塗料組成物を実際
に使用する際には、非黄変型ポリイソシアネート樹脂か
らなる硬化剤と混合して使用する。その混合比は、重量
比で二液型塗料組成物５に対して硬化剤１の割合であ
る。
性ポリエステルポリウレタン樹脂１００重量部に対し
て、水性酸性ブラック染料溶液３．０−５．０重量部、
消泡剤０．５−２．０重量部及びＰＨ調整剤０．５−
１．０重量部からなる。これらを配合する際には、ミキ
サー中で２，０００−３，０００ｒｐｍの回転速度で５
−１０分間撹拌し、最終的にはＰＨ値を７．０−８．０
に調整する。製造直後には泡の発生があるが、製造後２
−３時間経過した後で使用する。この塗料組成物を実際
に使用する際には、非黄変型ポリイソシアネート樹脂か
らなる硬化剤と混合して使用する。その混合比は、重量
比で二液型塗料組成物５に対して硬化剤１の割合であ
る。
【００１７】本発明においては、水性エポキシ変性ポリ
ウレタン樹脂又は水性ポリエステルポリウレタン樹脂か
らなる水性樹脂が使用される。この水性樹脂には、
（ａ）親水性の有機樹脂であって水中に溶け込むことが
できる水溶性型のもの、（ｂ）水中に粒子径０．０１−
０．１μの有機樹脂の粒子を浮遊させることができ、粒
子自体をイオン化することによって又は乳化剤を添加す
ることによってその粒子を水中に浮遊安定させることが
できるディスパージョン型のもの、及び（ｃ）ディスパ
ージョン型と同様の形態のものであるが、その有機樹脂
粒子径が０．１μ以上のものであるエマルジョン型のも
のがある。これらの中で、本発明の水性樹脂は、ディス
パージョン型に該当するものであり、その乳化形態はア
ニオン系自己乳化有機樹脂であって、その樹脂粒子の自
己内部にイオン性官能基からなる親水基を有するので、
樹脂自身が水中に浮遊することができるものであり、そ
の塗層膜の物性については、水中に乳化浮遊している樹
脂粒子そのものが硬化乾燥後において塗層膜を形成する
ので、優れた密着性の強い塗層膜を生ずることになる。
ウレタン樹脂又は水性ポリエステルポリウレタン樹脂か
らなる水性樹脂が使用される。この水性樹脂には、
（ａ）親水性の有機樹脂であって水中に溶け込むことが
できる水溶性型のもの、（ｂ）水中に粒子径０．０１−
０．１μの有機樹脂の粒子を浮遊させることができ、粒
子自体をイオン化することによって又は乳化剤を添加す
ることによってその粒子を水中に浮遊安定させることが
できるディスパージョン型のもの、及び（ｃ）ディスパ
ージョン型と同様の形態のものであるが、その有機樹脂
粒子径が０．１μ以上のものであるエマルジョン型のも
のがある。これらの中で、本発明の水性樹脂は、ディス
パージョン型に該当するものであり、その乳化形態はア
ニオン系自己乳化有機樹脂であって、その樹脂粒子の自
己内部にイオン性官能基からなる親水基を有するので、
樹脂自身が水中に浮遊することができるものであり、そ
の塗層膜の物性については、水中に乳化浮遊している樹
脂粒子そのものが硬化乾燥後において塗層膜を形成する
ので、優れた密着性の強い塗層膜を生ずることになる。
【００１８】本発明の塗料組成物の特性としては、水溶
性であるので、使用に際して公害性の高い有機溶剤を使
用する必要がないという利点があり、又この塗料組成物
を水溶液として基板上にロールコーター又はスプレイ塗
装で塗布することにより柔軟性のある塗層を形成するこ
ができ、その塗層の厚さは３０〜４０μ程度で十分であ
る。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
性であるので、使用に際して公害性の高い有機溶剤を使
用する必要がないという利点があり、又この塗料組成物
を水溶液として基板上にロールコーター又はスプレイ塗
装で塗布することにより柔軟性のある塗層を形成するこ
ができ、その塗層の厚さは３０〜４０μ程度で十分であ
る。以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【００１９】
【実施例１】１００重量部の水性エポキシ変性ポリウレ
タン樹脂に、４．０重量部の水性酸性ブラック染料、
１．５重量部の消泡剤、及び０．６重量部のアンモニア
ＰＨ調整剤を配合混和して１液型の植毛接着水性塗料組
成物を得た。得られた塗料組成物の粘度は２５−３０
（秒／ＦＣ♯４）であった。
タン樹脂に、４．０重量部の水性酸性ブラック染料、
１．５重量部の消泡剤、及び０．６重量部のアンモニア
ＰＨ調整剤を配合混和して１液型の植毛接着水性塗料組
成物を得た。得られた塗料組成物の粘度は２５−３０
（秒／ＦＣ♯４）であった。
【００２０】この塗料組成物を、市販のクロム酸処理さ
れた亜鉛めっき鋼板上に、口径１．３−１．５ｍｍのス
プレーガンから吹付圧力３−４Ｋｇ／ｃｍ2で吹き付
け、その表面に３５μの塗層を形成した。その塗層表面
が接着性を保持している間に、静電植毛装置（株式会社
メサック製）を使用して塗層にナイロン６６からなる有
機短繊維を植え付けた。その後、乾燥機中で温度８０−
１２０℃で１０−１５分間強制乾燥して植毛鋼板製品を
得た。
れた亜鉛めっき鋼板上に、口径１．３−１．５ｍｍのス
プレーガンから吹付圧力３−４Ｋｇ／ｃｍ2で吹き付
け、その表面に３５μの塗層を形成した。その塗層表面
が接着性を保持している間に、静電植毛装置（株式会社
メサック製）を使用して塗層にナイロン６６からなる有
機短繊維を植え付けた。その後、乾燥機中で温度８０−
１２０℃で１０−１５分間強制乾燥して植毛鋼板製品を
得た。
【００２１】得られた植毛鋼板製品をＪＩＳ−Ｋ−５４
００（塗料一般試験規格）に基づいて耐久試験をした結
果は、表１に示されるとおりである。
００（塗料一般試験規格）に基づいて耐久試験をした結
果は、表１に示されるとおりである。
【００２２】
【表１】
【００２３】耐屈曲性：直径２ｍｍの鉄棒に静電植毛鋼
板を押し付けて屈曲させて接着植毛層の剥離状態を検査
する試験。
板を押し付けて屈曲させて接着植毛層の剥離状態を検査
する試験。
【００２４】付着性・碁盤目法：静電植毛鋼板の接着植
毛層にゴバン目形状の切れ目を入れ、これに接着テープ
を押し付けてその剥離状態を検査する試験。
毛層にゴバン目形状の切れ目を入れ、これに接着テープ
を押し付けてその剥離状態を検査する試験。
【００２５】耐衝撃性・デッポン式：重さ５００ｇ、半
径１／２インチの鋼球を高さ５０ｃｍから静電植毛鋼板
上に落下させて接着植毛層の剥離状態を検査する試験。
径１／２インチの鋼球を高さ５０ｃｍから静電植毛鋼板
上に落下させて接着植毛層の剥離状態を検査する試験。
【００２６】エクセリン値・破断距離法：直径２０±
０．０５ｍｍの鋼球を静電植毛鋼板の裏面から押し出す
ことにより、接着植毛層の剥離状態を検査する試験。
０．０５ｍｍの鋼球を静電植毛鋼板の裏面から押し出す
ことにより、接着植毛層の剥離状態を検査する試験。
【００２７】耐湿性・固定式：４０℃、９５％の湿度下
で２４０時間放置する試験。
で２４０時間放置する試験。
【００２８】
【実施例２】１００重量部の水性ポリエステルポリウレ
タン樹脂、４．０重量部の水性酸性ブラック染料、１．
５重量部の消泡剤、及び０．６重量部のジメチルエタノ
ールアミンＰＨ調整剤を配合混和して二液型の植毛接着
水性塗料組成物を得た。
タン樹脂、４．０重量部の水性酸性ブラック染料、１．
５重量部の消泡剤、及び０．６重量部のジメチルエタノ
ールアミンＰＨ調整剤を配合混和して二液型の植毛接着
水性塗料組成物を得た。
【００２９】その硬化剤として非黄変型ポリイソシアネ
ート樹脂を使用し、塗料組成物と硬化剤とを重量比で
５：１の割合で混合した。硬化剤を添加した塗料組成物
の粘度は２５−３０（秒／ＦＣ♯４）であった。その塗
料を市販のクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板上に、口
径１．３−１．５ｍｍのスプレーガンから吹付圧力３−
４Ｋｇ／ｃｍ2で吹き付け、その表面に３５μの塗層を
形成した。その塗層表面が接着性を保持している間に、
静電植毛装置（株式会社メサック製）を使用して塗層に
ナイロン６６からなる有機短繊維を植え付けた。その
後、乾燥機中で温度８０−１２０℃で１０−１５分間強
制乾燥して植毛鋼板製品を得た。
ート樹脂を使用し、塗料組成物と硬化剤とを重量比で
５：１の割合で混合した。硬化剤を添加した塗料組成物
の粘度は２５−３０（秒／ＦＣ♯４）であった。その塗
料を市販のクロム酸処理された亜鉛めっき鋼板上に、口
径１．３−１．５ｍｍのスプレーガンから吹付圧力３−
４Ｋｇ／ｃｍ2で吹き付け、その表面に３５μの塗層を
形成した。その塗層表面が接着性を保持している間に、
静電植毛装置（株式会社メサック製）を使用して塗層に
ナイロン６６からなる有機短繊維を植え付けた。その
後、乾燥機中で温度８０−１２０℃で１０−１５分間強
制乾燥して植毛鋼板製品を得た。
【００３０】得られた植毛鋼板製品をＪＩＳ−Ｋ−５４
００（塗料一般試験規格）に基づいて耐久試験をした結
果は、表１に示されるとおりである。
００（塗料一般試験規格）に基づいて耐久試験をした結
果は、表１に示されるとおりである。
【００３１】
【発明の効果】本発明においては、特殊な塗料組成物を
塗布することにより、鋼板等の基板上に、基板との密着
性に優れた、しかも柔軟性の高い植毛植付塗層を形成す
ることができるので、得られた植毛鋼板製品に絞り加
工、折り曲げ加工等の成形加工を施す際に、その塗層に
破壊、亀裂及び剥離等が生じることがなく、且つ植毛さ
れた有機短繊維がその成形加工時に脱落することもない
という効果がある。
塗布することにより、鋼板等の基板上に、基板との密着
性に優れた、しかも柔軟性の高い植毛植付塗層を形成す
ることができるので、得られた植毛鋼板製品に絞り加
工、折り曲げ加工等の成形加工を施す際に、その塗層に
破壊、亀裂及び剥離等が生じることがなく、且つ植毛さ
れた有機短繊維がその成形加工時に脱落することもない
という効果がある。
【００３２】又、本発明の塗料組成物を使用して植毛さ
れた植毛鋼板製品は、その加工性に優れているだけでな
く、結露防止性、不燃性、耐食性にも優れているので、
本発明の植毛鋼板製品は、結露防止ダクト・結露防止パ
ネル等の建材製品、厨房機器、電機機器、事務用機器、
自動車用部品、玩具、容器、ケーシング等の素材として
使用することができる。
れた植毛鋼板製品は、その加工性に優れているだけでな
く、結露防止性、不燃性、耐食性にも優れているので、
本発明の植毛鋼板製品は、結露防止ダクト・結露防止パ
ネル等の建材製品、厨房機器、電機機器、事務用機器、
自動車用部品、玩具、容器、ケーシング等の素材として
使用することができる。
【００３３】更に又、従来の静電植毛鋼板の製造におい
ては、板状鋼板に静電植毛加工処理をすることが行われ
ていたが、本発明の静電植毛鋼板の製造においては、コ
イル状に巻かれた表面処理鋼板をほどき、引き延ばして
連続して静電植毛加工処理をした後に再度巻きも戻すこ
とができるので、それをさらに細帯状にスリット加工し
て、新たにスパイラル管等のロールフォーミング加工製
品の素材として供給することができるという本発明に特
有な顕著な効果を有するものである。
ては、板状鋼板に静電植毛加工処理をすることが行われ
ていたが、本発明の静電植毛鋼板の製造においては、コ
イル状に巻かれた表面処理鋼板をほどき、引き延ばして
連続して静電植毛加工処理をした後に再度巻きも戻すこ
とができるので、それをさらに細帯状にスリット加工し
て、新たにスパイラル管等のロールフォーミング加工製
品の素材として供給することができるという本発明に特
有な顕著な効果を有するものである。
【図１】 本発明の植毛鋼板製品の切断面を示す図であ
る。
る。
【符号の説明】 １：表面処理鋼板、２：静電植毛植付層、３：有機短繊
維
維
Claims (6)
- 【請求項１】 表面処理鋼板の表面に、水性エポキシ変
性ポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡剤及
びＰＨ調整剤からなる植毛接着水性塗料組成物から形成
された植毛植付層が設けられ、その植付層に有機短繊維
からなる静電植毛層が形成された静電植毛鋼板。 - 【請求項２】 表面処理鋼板の表面に、水性エポキシ変
性ポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡剤及
びＰＨ調整剤からなる植毛接着水性塗料組成物をロール
塗装又はスプレイ塗装により塗布し、その鋼板表面に鋼
板との密着性に優れた植毛植付層を形成し、その植付層
の表面が接着性を保持している間に有機短繊維を静電植
毛することにより静電植毛鋼板を製造する方法。 - 【請求項３】 コイル状に巻かれた表面処理鋼板をほど
き、引き延ばして連続植毛植付加工処理した後に再度巻
き戻す請求項２に記載の静電植毛鋼板を製造する方法。 - 【請求項４】 表面処理鋼板の表面に、水性ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡剤及
びＰＨ調整剤からなり、硬化剤として非黄変型ポリイソ
シアネート樹脂を添加した植毛接着水性塗料組成物から
形成された植毛植付層が設けられ、その植付層に有機短
繊維からなる静電植毛層が形成された静電植毛鋼板。 - 【請求項５】 表面処理鋼板の表面に、水性ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、水性酸性ブラック染料、消泡剤及
びＰＨ調整剤からなり、硬化剤として非黄変型ポリイソ
シアネート樹脂を添加した植毛接着水性塗料組成物を、
ロール塗装又はスプレイ塗装により塗布し、その鋼板表
面に鋼板との密着性に優れた植毛植付層を形成し、その
植付層の表面が接着性を保持している間に有機短繊維を
静電植毛することにより静電植毛鋼板を製造する方法。 - 【請求項６】 コイル状に巻かれた表面処理鋼板をほど
き、引き延ばして連続して植毛植付加工処理した後に再
度巻きも戻す請求項５に記載の静電植毛鋼板を製造する
方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP9068330A JP3001451B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 静電植毛鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9068330A JP3001451B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 静電植毛鋼板及びその製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10258472A JPH10258472A (ja) | 1998-09-29 |
| JP3001451B2 true JP3001451B2 (ja) | 2000-01-24 |
Family
ID=13370725
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP9068330A Expired - Lifetime JP3001451B2 (ja) | 1997-03-21 | 1997-03-21 | 静電植毛鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3001451B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2610688A (en) * | 2021-07-16 | 2023-03-15 | Univ Wuchang Technology | Removable and adjustable surveying instrument angle plate |
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-
1997
- 1997-03-21 JP JP9068330A patent/JP3001451B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| GB2610688A (en) * | 2021-07-16 | 2023-03-15 | Univ Wuchang Technology | Removable and adjustable surveying instrument angle plate |
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