JP3001068B2 - 溶接装置,加熱装置及び加振装置 - Google Patents

溶接装置,加熱装置及び加振装置

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JP3001068B2
JP3001068B2 JP3099593A JP9959391A JP3001068B2 JP 3001068 B2 JP3001068 B2 JP 3001068B2 JP 3099593 A JP3099593 A JP 3099593A JP 9959391 A JP9959391 A JP 9959391A JP 3001068 B2 JP3001068 B2 JP 3001068B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はアーク溶接やスポット
溶接等の溶接装置、さらに電気エネルギーから熱エネル
ギーや機械的な振動エネルギーを発生する加熱あるいは
加振装置に関し、特に直流電力を交流電力に変換する電
源装置を備え、バッテリー等の直流電源を電源として利
用できるようにしたものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接装置は、一般に溶接電源の外
部特性,つまり溶接電源の出力端子での電流と電圧との
関係として、出力電流の増加とともに出力電圧が急峻に
立ち下がる垂下特性を必要とするため、磁束漏洩方式及
びリアクトル方式の2種類の電源方式が採用されてい
る。
【0003】前者はトランスとして磁気漏れ変圧器を用
いたもの、また後者はトランスの2次側とアーク電極に
よって構成される通電回路に直列に可飽和リアクトルを
挿入したものであり、各方式はいずれも急峻に高電圧に
立上り、その後電圧が急激に降下する、アーク溶接時に
おける垂下特性に合致した出力特性を得るようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方式においても電源として200V単相の交流電源を
使用しているため、2次側にて交流脈動の影響を受けや
すく、特に交流の正弦波の0点付近で不安定となりやす
く、このためアークを維持するために溶接棒と溶接物と
の間の距離を適度に保持し、かつ溶接棒の運棒調整等、
溶接作業に非常な熟練を要していた。
【0005】また、大型の溶接を行うためには、前記ト
ランス,リアクトルの容量を大としなければならず、こ
のため無効電力も増大し、特にリアクトル方式において
はリアクトルそのものに電圧を取られ、力率が低下し、
電源不平衡を起こすなどの問題が生じていた。
【0006】またこのようなアーク溶接装置の他に、ジ
ュール熱を利用した一種の抵抗溶接装置であるスポット
溶接装置があるが、この場合もその電源としては通常単
相交流が使用される。この単相交流を得るため3相交流
を単相交流に変換する装置としては、スコット配線や3
相低周波方式,インバーター方式等が知られているが、
これらの場合大電流になればなるほど3相不平衡やフリ
ッカが生じる問題、または電力効率が悪いという問題が
あった。
【0007】すなわち、上述のスコット配線等は、回路
構成が複雑で電源装置としては装置全体が大型になり、
また3相の中の1相に2倍の過大電流が流れる等、安定
した電流を取り出し難く、特に電源装置としての信頼性
に問題があった。また、同様にスポット溶接装置の電源
として採用されている上述の3相低周波方式において
も、装置が大型かつ高価で故障が多いという問題があっ
た。
【0008】さらに最近採用されているインバーター方
式は、交流を整流した後、周波数を照明関係では1万以
上、溶接では約数百サイクル〜1200サイクルに上
げ、これをトランスに入れ、その出力を再び整流する方
式であり、これはトランスを小型軽量にできるが、甚だ
高価であり効率も悪くまた故障も多いものであった。そ
こで小型軽量で効率のよい電源装置が要求されていた。
【0009】
【0010】
【0011】また、上述した電源装置はいずれも商用単
相又は3相電源等の交流電源を利用するものであり、車
載のバッテリ等の直流電源を利用することができないと
いう問題もあった。
【0012】この発明はこのような状況に鑑みてなされ
たもので、バッテリー等の直流電源を用いてアーク溶接
やスポット溶接等を行うことができ、しかも溶接電流の
周波数を自由に設定できるとともに、その波形に垂下特
性を持たせることができ、3相不平衡やフリッカ現象の
問題がなく、電力効率よく溶接を行うことができる小型
でかつ軽量な溶接装置を得ることを目的とする。
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る溶接装置
は、溶接電源として、直流電源の正及び負電圧に接続さ
れた正側及び負側接点を有し、正側及び負側接点の開閉
あるいは正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回
路、及びリアクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続
されたリアクタンス回路からなり、直流を交流に変換す
る変換部と、上記変換部の出力端子に接続されたニュー
トラル端子と、上記スイッチ回路の開閉あるいは切換動
作を制御する制御回路とを備えた単相交流溶接電源を用
い、その単相交流出力を溶接電極と被溶接材との間、あ
るいは被溶接材間に印加してアーク溶接を行うようにし
たものである。
【0015】この発明に係る溶接装置は、溶接電源とし
て、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側
接点を有し、正側及び負側接点の開閉あるいは正側,負
側接点間での切換が可能なスイッチ回路、及びリアクタ
ンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアクタン
ス回路からなり、直流を交流に変換する複数の変換部
と、上記スイッチ回路の開閉動作あるいは切換動作を制
御する制御回路とを備えた多相交流溶接電源を用い、複
数の溶接棒のそれぞれに多相交流の各相を印加して、各
溶接棒と被溶接材間及び該溶接棒相互間でアークを発生
させてマルチアーク溶接を行うようにしたものである。
【0016】この発明に係る溶接装置は、スポット溶接
用の電源として、上記単相交流溶接電源と同一構成の溶
接電源を用い、その単相交流出力を一対の溶接電極間に
印加してスポット溶接を行うようにしたものである。
【0017】この発明は、上記各溶接装置において、リ
アクタンス回路を、リアクタンス制御信号に基づいてそ
のリアクタンス成分が変化するよう構成するとともに、
上記制御回路を、タイミング制御信号に基づいて上記ス
イッチ回路での正側及び負側接点の開閉動作、及び両接
点間での切換動作のタイミングを変更するよう構成し、
上記リアクタンス制御信号及びタイミング制御信号の一
方あるいはその両方により、出力波形の形状及び交流出
力の周波数の一方、あるいはこれらの両方を経時的に変
化させるようにしたものである。
【0018】この発明は、上記各溶接装置において、上
記溶接電源に代えて、直流電源に並列に接続された1次
及び2次コイルを有し、1次入力を昇圧して2次側に出
力する変圧部と、該2次コイルに並列接続されたコンデ
ンサと、上記直流電源から変圧部の1次及び2次コイル
への通電をオン・オフ制御する制御回路とを備え、直流
電源の低電圧と、上記変圧部への通電のオン・オフ制御
により発生する瞬間的な高電圧とを重畳して出力する溶
接電源を用いるものである。
【0019】この発明は、上記各溶接装置において、上
記溶接電源に代えて、直流電源に逆方向に並列接続され
た2組の直列接続のダイオードと、各組のダイオードの
接続点間に接続された単相交流電源とからなり、上記直
流電源を充電する充電回路と、上記直流電源と並列接続
された1次及び2次コイルを有し、1次入力を昇圧して
2次側に出力する変圧部と、上記直流電源の2次コイル
への通電をオン・オフ制御する制御回路とを備え、直流
電源の低電圧と、上記変圧部への通電のオン・オフ制御
により発生する瞬間的な高電圧とを重畳して出力する溶
接電源を用いるものである。
【0020】
【0021】
【0022】
【作用】この発明においては、溶接電源として、直流電
源の正又は負電圧を断続的に、あるいは正,負電圧を切
り換えて出力可能なスイッチ回路及び該スイッチ回路に
接続されたリアクタンス回路からなる変換部と、上記ス
イッチ回路の制御回路とを備え、溶接電流として単相交
流を出力する溶接電源を用いたから、溶接電源としてバ
ッテリー等の直流電源を用いることができ、3相不平衡
やフリッカ現象を回避することができる。
【0023】また溶接電流の周波数を自由に設定できる
とともに、その外部特性,つまり溶接電源の出力端子で
の電流,電圧特性として、出力電圧が瞬時にピーク値に
達する立上り特性と、その後出力電流の増加とともに出
力電圧が急峻に立ち下がる垂下特性とを持たせることが
でき、これにより電力効率よくアーク溶接やスポット溶
接等を行うことができる。しかもトランスが不要であ
り、溶接装置の小型,軽量化やコストダウンを図ること
ができる。
【0024】またスイッチ回路でのオン・オフあるいは
切換タイミングの変更,リアクタンス回路のリアクタン
ス成分の変更により、波形や周波数の異なる種々の単相
あるいは多相交流出力を得ることができ、アーク溶接や
スポット溶接等の各溶接方法にさらには溶接対象物に適
した溶接電流を得ることができ、最適な条件での溶接が
可能となる。
【0025】またこの発明においては、マルチアーク溶
接を行うための溶接電源として、上記変換部を複数設
け、上記制御回路を、各変換部のスイッチ回路を所定の
時間差でもって順次切換制御するよう構成した、多相交
流を出力する溶接電源を用いたので、フリッカの問題な
く、3相,6相等所望の相数の多相交流出力を得ること
ができる。またトランスが不要であるため、装置の小
型,軽量化とともに、大幅なコストダウンとなる。
【0026】またこの発明においては、直流電源に並列
に接続された1次及び2次コイルを有する変圧部と、変
圧部への通電をオン・オフ制御する制御回路とを備え、
出力端子に、直流電源の低電圧と、上記変圧部への通電
のオン・オフ制御により2次コイルに自己誘導される瞬
間的な高電圧とを重畳して出力する溶接電源を用いたの
で、アーク発生時に必要な高電圧を変圧部への通電制御
により発生し、その後は低圧の電源電圧によりアークを
維持することができる。これにより通常のアーク発生に
用いられる大きなトランスが不要となり、また電源の直
流電圧によりアークを安定に維持することができる。
【0027】
【0028】
【0029】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1(a) はこの発明の第1の実施例によるアーク溶
接装置を示す。図において、1はバッテリー等の直流電
源、2は直流電力を交流電力に変換する変換部で、直流
電源1の正及び負電圧に接続された正側及び負側接点2
4及び25を有し、該正側及び負側接点の開閉、あるい
は正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路21
と、該スイッチ回路21に接続された飽和リアクトル2
2とからなる。また6は上記変換部2の出力端子、7は
上記直流電源1の正及び負電圧の中間電位に接続された
ニュートラル端子である。また3は上記スイッチ回路2
1を所定のタイミングで切換制御する制御回路、100
は上記変換部2及び制御回路3からなる溶接電源であ
り、その外部特性,つまり上記変換部2の出力端子6で
の電圧,電流の関係として、出力電圧が瞬時にピーク値
に達する立上り特性と、その後出力電流の増加とともに
出力電圧が急峻に立ち下がる垂下特性とを有している。
また300はアーク溶接を行う溶接部であり、これは上
記出力端子6に接続された溶接電極4と、上記ニュート
ラル端子7に接続された被溶接材5とからなり、9はア
ークである。
【0030】次に動作について説明する。上記制御回路
3により上記スイッチ回路21の切換動作を所定のタイ
ミングで行うと、飽和リアクトル22には誘導起電力が
発生し、これによって出力端子6とニュートラル端子7
との間には図1(b) ,(c) に示すように、鋸歯状の電
圧,つまり出力電圧が瞬時にピーク値に達する立上り特
性と、その後出力電流の増加とともに急峻に立ち下がる
垂下特性とを持つ波形の電圧が誘導されることとなる。
【0031】そして、この鋸歯状の電圧が溶接部300
の溶接電極4に印加され、被溶接材5との間でアーク9
を発生し、アーク溶接が行われる。この際、以下に述べ
る効果が得られる。
【0032】 上記のように変換部2の出力端子6と
ニュートラル電極7との間には、上記スイッチの切換速
度に応じた高周波の単相出力が得られるので、溶接速度
が従来の3相/単相変換装置を用いた場合に比べて大き
くなる。同じ速度のときは溶接のビートが、図2(a) に
示す従来のものに比し図2(b) のように細やかになり、
溶接の品質を向上できる。また、制御回路3を調節する
ことにより、溶接の用途に合わせて所定の速度に設定す
ることもできる。
【0033】 従来の3相/単相変換電源装置では、
得られる単相出力は正弦波であるが、本発明による電源
出力値には急峻に高電圧に立上り、これから垂下状に零
となる鋸歯状波が得られるため、アーク溶接時にアーク
が出やすくかつ安定したアークが得られる。つまり本電
源装置は本質的に垂下特性を持った電源となっており、
溶接には極めて好都合である。
【0034】 本発明の溶接装置の電源は上述のよう
に垂下特性を備えたものであるので、この垂下特性を得
るために従来一般に使用されている漏洩磁束型の装置ま
たは、図3に示すような可飽和リアクトルL等を用いる
必要がなく、これに伴う損失や力率の低下を生ずること
がない。
【0035】 また、制御回路を調整することによ
り、出力電流の周波数を、商用周波数(50,60サイ
クル)の規制を受けることなく、例えば300,40
0,600サイクルというように自由に設定でき、最も
効率のよいアークを使用できる。また周波数の設定は、
スイッチ回路の動作タイミングを制御回路のつまみ調整
で連続的に可変できるよう構成すれば、任意の周波数の
出力を得ることができる。またこのようにして周波数を
高くすることができるので、装置の小型,軽量化を大き
く進めることができる。また構造が簡単で小型軽量とな
るので、製造コストも大幅に低減できる。またアークも
高周波の方がアークの効率がよく、溶接装置の小型,軽
量化につながる。
【0036】 また、従来の装置では無負荷電圧が6
0V〜100V必要であったが、本発明では十分低くす
ることができ、安全であるとともに取扱いも簡単で技術
の熟練を必要とせず、かつ自動化も容易である。
【0037】 飽和リアクトルのインダクタンスLの
値を変えることにより、図4に示すように垂下特性の形
を波形X〜Zのように変えることができ、ロボット等,
コンピュータ操作により、アーク対象に応じて最良の溶
接条件を設定できる。
【0038】 また、小型軽量でかつアークが安定し
ているので、これをロボットに搭載することにより大型
厚板のアーク溶接を行うことができる。すなわち、同じ
重量で数倍から数十倍の溶接能力を発揮できる。
【0039】なお、出力波形は上記実施例に示したもの
に限られるものではなく、他の波形のものでもよい。
【0040】図5(a) は上記第1の実施例の変形例を説
明するための図であり、この変形例は、上記第1の実施
例において、上記制御回路3を、スイッチ回路にて、正
側接点の開閉動作3回と、負側接点の開閉動作3回とが
繰り返し行われるよう構成したものである。
【0041】この実施例においては得られる溶接電流は
図5(a) のような波形となり、一周期Tにおいて+側に
3個の鋸歯状波が、−側に3個の鋸歯状波が得られるこ
ととなる。つまりスイッチ切換タイミングを上記実施例
と同一とした場合、周期が3倍となり、上記実施例に比
べてリアクタンス損失が少なく、それだけ加熱エネルギ
ーが増大することとなって有利となる。具体的には、懐
の深い溶接,つまり変圧部からかなり離れた位置での溶
接が可能となる。
【0042】図5(b) は上記第1の実施例の他の変形例
を示し、これは、上記変形例において、上記正側及び負
側接点の3回の開閉動作中、第2回目の開閉動作を行わ
ないようにしたものである。この場合は溶接電流とし
て、図5(b) のように、一周期Tにおいて+側及び−側
にそれぞれ、所定間隔を置いて2個の鋸歯状波が得ら
れ、つまり+側及び−側に中休み期間Rを持つ波形が得
られ、鋳物等、急激に温度上昇を行ってはならないもの
の溶接に便利である。
【0043】なお、上記実施例では、単相交流を溶接電
流とする通常のアーク溶接を示したが、これは、変換部
を複数設け、多相交流を出力するようにし、この多相交
流によりマルチアーク溶接を行うようにしてもよい。
【0044】以下、本発明の第2の実施例について説明
する。この実施例では、マルチアーク溶接装置の溶接電
源として、直流電力を3相交流電力に変換する3相交流
溶接電源を用いており、図6(a) はこのマルチアーク溶
接装置のブロック構成図を示している。
【0045】図において、110は本マルチアーク溶接
装置の溶接電源、2a〜2cはそれぞれ第1〜第3の変
換部で、それぞれスイッチ回路21a〜21cと飽和リ
アクトル22a〜22cとから構成されている。24a
〜24c,及び25a〜25cは上記各スイッチ回路2
1a〜21cの正側及び負側接点で、それぞれ直流電源
の正電圧,負電圧に接続されている。6a〜6cは各変
換部の出力端子で、各出力端子には溶接電極4a〜4c
が接続されている。また31はスイッチ回路の一回の切
換によって得られる出力波形の一周期T0 の1/3倍の
位相差(1/3T0 )でもって各スイッチ回路を切換制
御する制御回路であり、その他の構成は上記第1の実施
例と同一である。
【0046】この装置では、上記制御回路31により上
記各スイッチ回路21a〜21cを切換制御すると、各
変換部の出力端子6a〜6cとニュートラル電極7との
間には、上記実施例と同様図1(b) ,(c) に示すような
鋸歯状の単相交流が出力され、出力端子全体として図6
(e) に示すような多相交流が出力される。これにより上
記ニュートラル電極7に接続された被溶接材5と各溶接
電極4a〜4cとの間、及び該溶接電極相互間に、マル
チアークが発生することとなる。なお、マルチアーク溶
接の場合は、各溶接電極間にマルチアークが発生するの
で、ニュートラル電極7は必ずしも必要ではない。
【0047】このような構成のマルチアーク溶接装置で
は、上述のように飽和リアクトルのインダクタンス値L
の調整により鋸歯状波形を鋭くでき、つまり初期の電圧
が高く、その後急峻に電圧が降下する垂下特性を電源出
力に持たせることができることから、通常の3相交流電
源を用いた3相マルチアークよりアーク特性をよいもの
にできる効果もある。
【0048】また図6(b) ,(c) に示すように、ニュー
トラル端子7に接続した4本目の溶接電極4dを3本の
溶接電極4a〜4cの真中(図6(b) は図示の簡単化の
ため外側に配置している。)に配置することにより、溶
接電極4a〜4cと5間、4a〜4c相互間、4a〜4
cと4dとの間の計9個のアークを発生させて溶接を行
うことができ、非常に強力なマルチアーク溶接を行うこ
とができる。
【0049】図6(d) は上記実施例の溶接部の他の例を
示し、4a〜4c,4a′〜4cは相対向し相互に溶接
されるべき被溶接材、13は対向する被溶接材4a〜4
cと4a′〜4c間のアーク、13′は上側あるいは下
側の各相の被溶接材間のアークである。14はアークの
発生する空間を囲むように設けた非活性ガスまたはフラ
ックスであり、これは酸化しない状態を作るためのもの
である。
【0050】また図7(a) 〜(c) は上記第2の実施例に
おいて、溶接電極の数及び配置を変更し、スイッチ回路
での切換動作を正側あるいは負側接点の開閉動作のみに
変更した変形例を示している。
【0051】図7(a) の変形例では、各変換部の出力端
子6a〜6cのそれぞれに溶接電極4a〜4cを2つづ
つ接続するとともに、ニュートラル端子7にニュートラ
ル溶接電極71を接続し、該ニュートラル溶接電極71
の周りに上記6つの溶接電極を同一出力端子に接続され
たもの同士が隣り合わないよう順次配置し、さらに各ス
イッチ回路21a〜21cの動作を正側接点24a〜2
4cの開閉動作としている。
【0052】この場合図9(a) に示すような波形の多相
出力が得られ、ニュートラル溶接電極71と溶接電極4
a〜4c間,及び隣接する溶接電極間に合計12個のア
ークが発生し、これによってマルチアーク溶接を行うこ
とができる。
【0053】また図7(b) は、図7(a) の変形例におい
て、スイッチ回路21a〜21cの動作を負側接点25
a〜25cの開閉動作としたもので、この場合は、図9
(b)に示す波形の溶接電流によりマルチアーク溶接を行
うことができる。
【0054】さらに図7(c) は上記図7(a) の例におい
て、各変換部の出力端子6a〜6cに接続する溶接電極
を3つとし、これらの溶接電極4a〜4cを、これらが
所定の正9角形の頂点に位置しかつ同一出力端子に接続
されたもの同士が隣り合わないよう順次配置している。
なおここではニュートラル溶接電極を用いない。
【0055】この場合隣接する溶接電極間に合計9個の
アークが発生し、これによりマルチアーク溶接を行うこ
とができる。
【0056】さらに図8は本発明の第3の実施例による
マルチアーク溶接装置を示している。120はこのアー
ク溶接装置の溶接電源で、ここでは、2つの出力、つま
り正電圧出力端子6a〜6c及び負電圧出力端子6a′
〜6c′を有する変換部20a〜20cを設け、各変換
部を、それぞれの出力端子から別々に上記図9(a) に示
す正側の鋸歯状波と図9(b) に示す負側の鋸歯状波とが
得られるよう構成している。
【0057】すなわち、第1の変換部20aについて説
明すると、21aは第1の実施例と同一構成のスイッチ
回路、24a,25aは該スイッチ回路21aの正側及
び負側接点、23a,23a′は互いに逆方向となるよ
う上記スイッチ回路21aに接続されたダイオード、2
2a,22a′は各ダイオードに接続された飽和リアク
トルで、これらが上記変換部20aを構成している。な
お、第2,第3の変換部20b,20cについても同様
で、これらは正側接点24b,24c,及び負側接点2
5b,25cを有するスイッチ22b,22c、ダイオ
ード23b,23b′,23c,23c′及び飽和リア
クトル22b,22b′,22c,22c′から構成さ
れている。また6a〜6c,及び6a′〜6c′はそれ
ぞれ上記各変換部20a〜20cの正側,負側出力端子
である。
【0058】またここでは正側出力端子6a〜6cに溶
接電極4a〜4cを、負側出力端子6a′〜6c′に溶
接電極4a′〜4c′を接続し、各溶接電極を所定の正
6角形の頂点上に配置し、この際正側と負側の溶接電極
が隣合わず、かつ同一の変換部につながる溶接電極同士
が対向するよう配置している(図8(b) 参照)。
【0059】この場合、上記図6の第2の実施例に比
べ、隣接する溶接電極間の最大電圧差が大きくなり、発
生するアークがより強力なものとなる。
【0060】図10は本発明の第4の実施例によるアー
ク溶接装置を示す。この実施例は、第1の実施例のアー
ク溶接装置において、溶接電源として第2実施例の溶接
電源110を用い、その出力端子6a〜6cを共通接続
し、共通接続点60に溶接電極4を接続したもので、そ
の他の構成は第1実施例と同一である。
【0061】この実施例では、上記第1実施例の効果に
加えて、溶接電流の波形を各変換部の出力を組み合わせ
て様々な波形にすることができる効果がある。例えば、
変換部2a,2b及び2cの飽和リアクトルのインダク
タンス値Lを、それぞれの出力波形が図10(b) の波形
1 ,波形A2 ,波形A0 となるよう調整し、かつそれ
らの位相を揃えることにより、溶接電極4には、各変換
部の出力波形A0 〜A2 の合成波形C1 の溶接電圧が印
加されることとなり、大きな波形の鋸歯状波を得ること
ができ、アークの発生が極めて容易となる等の効果があ
る。
【0062】また各変換部の出力の波形及び位相をその
ままにして、変換部2bの出力を停止にすれば、図10
(c) に示すように溶接電極4には、各変換部2a,2c
の出力波形A0 ,A1 の合成波形C2の溶接電圧が印加
されることとなり、波高は上記図10(b) より小さい
が、2段階に立ち下がる波形が得られ、アーク溶接等の
用途によっては有効な場合がある。
【0063】さらに変換部2bの代わりに変換部2aの
出力を停止にすれば、図10(d) のように1段目の立ち
下がりが図10(c) の場合より遅い波形が得られ、これ
をアーク溶接の用途によっては有効である。
【0064】次に本発明の第5の実施例によるスポット
溶接装置について説明する。この実施例では、スポット
溶接装置の溶接電源として、第1実施例の単相交流溶接
電源100を用いており、図11は上記スポット溶接装
置の概略構成を示している。図において、図1と同一符
号は同一または相当部分を示し、305はスポット溶接
を行うスポット溶接部であり、これは変換部2の出力端
子6に接続された溶接電極110aと、ニュートラル端
子7に接続された溶接電極110bと、両溶接電極11
0a,110bに挟まれた溶接材料111からなる。
【0065】次に動作について説明する。上記制御回路
3により上記スイッチ回路21の切換動作を所定のタイ
ミングで行うと、飽和リアクトル22には誘導起電力が
発生し、これによって出力端子6とニュートラル端子7
との間には図1(b) ,(c) に示すように、急峻の立ち上
がり特性及び垂下特性を持った鋸歯状の電圧が誘導され
ることとなる。そしてこの鋸歯状波の電圧が溶接部31
1の上記両溶接電極110a,110bに印加され、該
両溶接電極に挟まれた被溶接材111の該当部分に電流
が流れて該部分が溶融し、スポット溶接が行われる。
【0066】一般にスポット溶接は、大容量の電流が必
要で、従来の単相交流を用いる方法では3相不平衡の問
題が生ずるが、本実施例では直流を単相交流に変換して
いるので、3相不平衡の問題は生じない。また、単相出
力は図1(b)示すように鋸歯状波となっているので、極
めて良質の溶接ができる。特に非鉄金属であるAl,C
u,Bs等の溶接を良好にでき、少々の絶縁皮膜があっ
てもスポット溶接が可能となる。また制御回路を調整す
ることにより周波数を低くすることもでき、スポット溶
接、特に板金のスポット溶接装置では、アーム等の長い
ものに有効である。つまりリアクタンス(インピーダン
ス)を小さくして溶接電流を大きくとれる。
【0067】さらにトランスの構造が不要となり、装置
全体が簡単で小型軽量となるので、製造コストも大幅に
低減できる。
【0068】なおここでは、溶接電源として、第1実施
例と同一構成のものを示したが、これは第4実施例のよ
うに溶接電源110の出力端子6a〜6cを共通接続し
たものを用いてもよく、この場合、各変換部2a〜2c
の飽和リアクトルのインダクタンス値を代え、それぞれ
の出力電圧の位相を調整することにより、種々の波形の
溶接電圧を得ることができる。
【0069】次に本発明の第6の実施例について説明す
る。この実施例は上記第5の実施例において、溶接電極
の加圧方法を改良したものである。図12は該スポット
溶接装置を示し、図において、121はソレノイドコイ
ル121aを有するソレノイド、121bは該ソレノイ
ド121の慴動ロッド、122は該ロッド121bの上
下動によって支点123を中心に下上動せられる可動部
材、122aは該可動部材と溶接電極との間に配設さ
れ、溶接電極に空気あるいは油圧力を加えるシリンダで
あり、ここでは、該シリンダ122aを溶接装置本体と
非固定とし、上記電磁力が作用した際、加圧の速応性が
でるようにしている。さらにこのとき溶接電流と同期
し、かつ速応性を上げるため、電磁石コイルはできるだ
け捲数を少なくコンデンサが効くようにしている。
【0070】次に動作について説明する。従来、スポッ
ト溶接においては、シリンダによる空圧または油圧によ
り溶接電極110の加圧を行って、例えば図13(b) の
ような溶接電流I0 に対し、図13(a) の一点鎖線Pc1
で示すエアー加圧(加圧力P1 )を行うことにより実際
の溶接電流I1 を得ていた。しかるにこれは実際の溶接
電流波形I1 の零点やその近傍の電流小なる領域でも大
なる加圧力P1 がかかり、非常に無駄であった。即ち、
スポット溶接の加圧においては、スポット溶接電流Iが
例えば正弦波形I1 である場合は、これが最大Im とな
るとき(t=tm )に加圧力PがP1 であれば良好な溶
接を行うことができ、スポット溶接電流Iが0のときは
加圧力Pも0でよく、理想的には点線のような加圧波形
Ps が得られればよい。
【0071】このようなことから、本実施例では溶接電
流I1 と同じ波形Ps により加圧するようにしており、
パワーのロスがなく効率的である。また、スポット溶接
においては加圧があると逆に熱が出にくいもので、溶接
熱I2 Rは加圧力が大のところでは小となるが、本実施
例では加圧力は通常(溶接時以外)は小であるので発熱
が増大し、良好なスポット溶接が得られる。そしてこれ
により、従来不可能であったAl,銅,チタン等のスポ
ット溶接も可能となった。例えば従来3mm厚のAlをス
ポット溶接するには100KVAが必要であったが、本
発明では50KVAでこれが可能となった。また棒状体
の付き合わせ溶接では、6倍の溶接効果を得ることがで
きた。
【0072】ところがこの場合、スポット溶接電流I1
と加圧波形Ps とが完全に同期しているときはよいが、
両者の同期がずれたとき、電流が小さくとも加圧力が零
では抵抗が大きくなるので、スパークの発生により被溶
接材や電極に穴があくこともある。このため、本実施例
では、さらに空圧又は油圧による一定加圧Pc0(加圧力
0 ) を与え、この一定加圧Pc に、上記溶接電流I1
と同期した加圧Ps が重畳した振動加圧が得られるよう
にしており、これによって上記被溶接物や電極の破損の
恐れをなくしている。
【0073】なお上記各実施例では、直流を交流に変換
する変換部を有する溶接電源について説明したが、直流
を交流に変換する電源はこれに限るものではない。
【0074】以下他の方式の溶接電源を用いた溶接装置
について説明する。図14及び図15は上述の溶接装置
の溶接電源に代えて他の回路構成の溶接電源を用いた、
本発明の他の実施例を説明するための図である。
【0075】図14は本発明の第7の実施例の溶接電源
を示す図であり、図14(a) において、200はその出
力端子204及び205間に負荷として第1実施例のア
ーク溶接装置の溶接部300が接続された溶接電源であ
り、並列接続の2つのバッテリー201a,201bか
らなる直流電源201と、上記直流電源に並列に接続さ
れた1次及び2次コイル211,212を有し、一次入
力を昇圧して二次側に出力する変圧器210と、上記出
力端子204,205間に接続されたコンデンサ202
と、上記直流電源201から変圧器210の一次及び二
次コイル211,212への通電をオン・オフ制御する
制御回路220とを有している。またここでは上記直流
電源201の正極E1 を起動スイッチ206及び順方向
ダイオード207を介して上記出力端子204に接続
し、負極E2 を上記出力端子205に接続しており、ま
た上記二次コイル212の一端は、高電圧が直流電源2
01へ逆流するのを回避するため、上記ダイオード20
7のアノード側に接続している。
【0076】次に動作について図14(b) を用いて説明
する。起動スイッチ206をオンすると(時刻t0 ) 、
出力端子204,205に接続された溶接部300には
直流電源201の出力電圧がアークの維持電圧として印
加されるが、この程度電圧では空気の絶縁をやぶってア
ーク放電が発生することはない。この状態で、制御回路
220を駆動して変圧器210への直流電圧の通電及び
遮断を行うと(時刻t1 )、変圧部210の2次コイル
212には自己誘導作用により高電圧が印加され、この
電圧により溶接部300ではアークが発生する。その後
は上記アークの維持電圧によりアークが安定に維持さ
れ、溶接作業が行われる。そして作業が終了した時点
(時刻t2 )で、起動スイッチ206をオフして溶接部
300への電源の供給を停止する。
【0077】このように本実施例では、溶接電源として
上記のような回路構成の電源200を用いたので、出力
端子204,205には直流の電源電圧をアーク維持電
圧として、また変圧器210の二次コイル212に自己
誘導作用により発生する高電圧をアーク発生電圧とし
て、重畳出力することができる。このため通常のアーク
溶接に用いられる大きなトランスが不要となり、また直
流電圧によりアークを安定に維持することができる。
【0078】図14(c) は上記第7実施例の変形例を示
し、ここでは上記溶接電源200において直流電源20
1のバッテリーを1つとしたものを2つ組み合わせ、こ
れを溶接電源200′として用いている。すなわち20
0a及び200bは上記溶接電源200′を構成する第
1及び第2の溶接電源ユニットで、210は各ユニット
につき1つづつ設けてあるバッテリーで、これが直流電
源となっている。ここでは第1のユニット200aの直
流電源210の負極Eb1 と第2のユニット200bの
直流電源の正極Ea2 とが接続されており、また出力端
子204及び205をそれぞれのユニット間で共通接続
されている。
【0079】この変形例では、各溶接電源ユニットのコ
ンデンサや変圧器の特性、また制御回路の特性を変える
ことにより、種々の波形の出力電圧を合成することが可
能となる。
【0080】また図15は本発明の第8の実施例による
溶接装置に用いるフローティング方式の溶接電源の回路
構成を示しており、図において、250はその出力端子
254及び255間に負荷として第1実施例のアーク溶
接装置の溶接部300が接続されたフローティング方式
の溶接電源であり、直列接続の2つのバッテリー251
a,251bからなる直流電源251と、該直流電源2
51を充電する充電回路270と、上記直流電源251
と並列接続された1次及び2次コイル261,262を
有し、一次入力を昇圧して2次側に出力する変圧器26
0と、上記出力端子254,255間に接続されたコン
デンサ259と、上記直流電源251の上記2次コイル
262への通電をオン・オフ制御する制御回路280と
を有している。
【0081】ここで上記充電回路270は、該直流電源
251に逆方向に並列接続された2組のダイオード直列
接続体271,272と、各組のダイオードの接続点P
1 ,P2 間に接続された単相交流電源273とから構成
されている。なお上記ダイオード直列接続体271及び
272はそれぞれ2つのダイオード271a,271b
及び272a,272bからなっている。またここでは
上記直流電源251の正極Ep を起動スイッチ256,
順方向ダイオード257及び交流阻止コイル258を介
して上記出力端子254に接続し、負極En を上記出力
端子255に接続している。また上記二次コイル262
の一端と、上記交流阻止コイル258の出力端子側との
間には上記制御回路280が挿入されている。この場合
も二次コイル262の一端側は、上記ダイオード257
のアノード側に接続されており、高電圧が直流電源25
1へ逆流するのを回避できるようになっている。
【0082】この実施例のフローティング方式の溶接電
源では、起動スイッチ256のオンによりアーク維持電
圧を発生し、制御回路280の駆動により高電圧を発生
してアークを発生する点,つまり出力端子に、アーク維
持電圧とアーク発生電圧とを重畳して出力する点は上記
第7の実施例と同一であるが、上記直流電源251を、
充電回路270による充電を行いながら使用する点が上
記第7実施例と異なっており、この場合以下のような効
果がある。
【0083】(1) フローティングの方式では、充電する
ための容量は溶接に必要な電力量の20%〜30%程度
でよく、効率がよい。
【0084】(2) またスポット溶接のときは、使用率5
%以内,つまり直流電源に溶接電力として充電できる全
電流容量の5パーセントしか必要としない場合が大部分
であるので、例えばアルミ箔等の溶接のとき、負荷に並
列接続のコンデンサを使用し、初期の電流値のピークを
補償するようにすれば、充電容量が溶接容量の10%で
もよいことがある。
【0085】(3) また上記図14に示す溶接電源では、
溶接電圧が低く、電流が多い場合に適しているが、図1
5に示す溶接電源では、電圧が高く、電流が少ない場合
に適している。
【0086】(4) また上記第7及び第8実施例の溶接電
源についても、これらを3組組み合わせることにより、
上述の3相電源を構成することもでき、また図6に示す
第2実施例のように組み合わせれば、バッテリーは1つ
で、これにバッテリー以外の回路構成,つまり変圧器や
制御回路等を3組接続して3相電源を構成することもで
きる。
【0087】(5) さらに上記説明した各実施例の溶接電
源は以下のように充分な電力の確保が困難な用途におい
て有効である。例えば、イ)船舶,トラック等の電源が
電池であるところで使用するとき、ロ)太陽電池,風力
と自然エネルギーを利用するとき、ハ)ゴミ焼却等、産
業廃棄処理の廃熱を利用したフロン発電や水蒸気発電電
力を利用するとき、ニ)停電が困るとき、ホ)市場電力
が小さいとき、へ)商用周波数以外の振動エネルギーを
必要とするとき等がある。
【0088】(6) 溶接電源にインバータを用いるのは、
溶接業界ではトランスを小型軽量にしてロボット化す
る,つまり溶接電源を溶接ロボットに搭載することが最
大の目標であった。これによってトランスは小型軽量に
なるが、この場合交流を直流にし、照明界では1万〜以
上、溶接業界では1000〜1200程度の高い周波に
したものを、トランスに入力し、その出力を再び直流に
して使用している。これは複雑な回路や多くの部品を使
用し、高度の技術性とコスト高をもたらし、メンテ作業
や故障発生率も多くなっている。ちなみに高周波のまま
使用する照明器でも、在来の簡単な方式に比べ10倍程
度高価となっている。
【0089】(7) このような技術は、石油エネルギーを
浪費する大量消費型の地球の環境を駄目にする従来の科
学路線上のものであるのに対し、本件の技術はこれと反
対に、石油エネルギー消費を少しでも少なくし、加工部
品の数も少なく、極めてシンプルな構成のもとに、必要
以上の高周波を出さず、効率よく作業目的を果たすのが
ねらいである。
【0090】即ち溶接業界にあっては、充電でき、リサ
イクリング方式を活かせるバッテリーを採用し、そのバ
ッテリー出力により溶接を行い従来必要であった溶接ト
ランスを不要とするものである。従って言うまでもな
く、上記インバータ方式のようにトランスの2次出力を
再び直流にして使用するといったことは行わない。
【0091】(8) また板金用スポット溶接やアークロボ
ットのように溶接装置の2次回路、つまり溶接電圧を出
力する側の電流経路が長いとき、溶接電力のリアクタン
スロスを少なくするために周波数は150〜180位い
を最高としている。但し機械的な共振共鳴や唸り現象に
よるパワーアップはここでは考慮していない。
【0092】(9) 2次出力回路が非常に大きく交流では
溶接電力が出ないとき、通常のインバータ方式により直
流から交流を得るのではなく、本発明の溶接電源を用い
てバッテリーから直接直流電力を取り出せば、効率,安
全,コスト等の面で有利である。また本発明の溶接電源
では、上述のような初期高電圧は、アーク放電の初期に
空気絶縁を破りアークを発生し易いようにするもので、
これによりバッテリーの容量を少なくし安全や故障のな
いようにしている。
【0093】(10)これはスポットの場合も言えること
で、この場合、被溶接物の歪みや加圧不充分や油や埃
等、被溶接物の表面状態については、スポット溶接の通
電初期における電流の阻止を招く要因が多いので、初期
電圧が高い方がよい。さらにスポットの場合、初期電流
が大きくても、時間が5/1000程度の針のようなピ
ーク電流では、発熱が多くてナゲットに巣が入る等の不
良は発生せず、むしろ発熱が早くなり作業効力を上げる
ことになる。
【0094】(11)本件の溶接電源を用いたスポット溶接
では、従来のコンデンサー溶接と、バッテリー溶接の溶
接電圧を重畳して各々の長所を生かした良好なスポット
を得ようとするものと言える。
【0095】(12)またシーム溶接では、その間欠通電に
よるフリッカー現象を、2系統の通電回路により正負の
波形を相補的に時間差通電することによって、連続一次
入力としフリッカー現象をなくしているが、これはシー
ムに限らず他の負荷でもフリッカーがなくなるという効
果があり、本発明の溶接装置に用いる溶接電源では、こ
のようなことも簡単にできる。
【0096】(13)またバッテリーを用いる本溶接電源で
は、バッテリーはトランスよりも直並列接続が安易で場
所や設置状況に応じて溶接部分の近くにてセットできる
ため、バッテリーをロボット基台のできるだけ、負荷作
業に近い所に設定できる。
【0097】(14)上述した直流バッテリーを基本とする
電源は、本件出願人が過去に出願したマルチアーク関係
(特願平1−150589号,特願平2−304701号,特願平3
-29559号等)、スポット関係(特願平2−305553号,特
願平2−206984号等)、モータ(特願平2−154541号,
特願平2−164885号等)、照明(特願平2−182293号,
特願平2−150588号等)、熱関係(特願平2−182392
号,特願平2−184917号等)、振動関係(特願平2−21
1810号等)等すべての作業に使用でき、さらに自動車プ
ラグの点火改善等の内燃機関(特願平2−238118号等)
、溶射関係(特願平2−217779号,特願平2−182394
号)、溶射トーチ(特願平2−417090号等)、バイオマ
スや水質改善関係(特願平2−417090号等)、その他エ
ネルギー振動波形を応用する所に本件電源は使用され
る。
【0098】以下特に、本件出願人がすでに出願した加
熱装置と加振装置に上記溶接電源と同一構成の電源装置
を採用したものを、さらなる実施例として説明する。
【0099】図16(a) はこの発明の第9の実施例によ
る加熱装置を示し、加熱用の電源として図1の溶接電源
と同一構成の電源100を用いており、その出力端子6
及びニュートラル端子7間に抵抗体(被加熱体)10を
接続し加熱部309を構成している点のみ上記第1の実
施例と異なる。
【0100】次に動作について説明する。上記制御回路
3により上記スイッチ回路21の切換動作を所定のタイ
ミングで行うと、飽和リアクトル22には誘導起電力が
発生し、これによって出力端子6とニュートラル端子7
との間には図16(b) に示すように所定周期の垂下特性
を持った鋸歯状の電流が誘導されることとなる。
【0101】そして、この鋸歯状の電流が加熱部309
の抵抗体10に印加され、該加熱体による加熱が行われ
る。この際、上記第1実施例と同様種々の効果が得られ
る。
【0102】簡単に説明すると、加熱電圧は、急峻に高
電圧に立上り、これから垂下状に零となる鋸歯状波が得
られるため、効率のよい加熱,つまり消費される電流が
同じでも温度をより高くすることができ、かつ直流に近
いちらつきのない温熱源が得られる。
【0103】また、制御回路3の調整により図5に示す
ように出力電圧の周波数やタイミングを自由に設定で
き、最も効率のよい加熱電流を使用できる。またこのよ
うな高周波数化により装置の小型,軽量化を大きく進め
ることができ、このため製造コストも大幅に低減でき
る。さらに飽和リアクトルのインダクタンス値Lを変え
ることにより、加熱対象に応じて出力波形の調整も可能
である。
【0104】図17は本発明の第10の実施例による加
熱装置を示すブロック構成図であり、これは上記第2実
施例において、溶接部300を、各変換部2a〜2cの
出力端子6a〜6cとニュートラル端子7間にそれぞれ
接続された抵抗体10a〜10cからなる加熱部310
に置き換えたもので、その他の点は第2実施例と同一で
ある。
【0105】この装置では、上記制御回路31により上
記各スイッチ回路を切換制御すると、各変換部の出力端
子6a〜6cとニュートラル電極7との間には図17
(b) に示すような3相交流が出力され、各相の鋸歯状の
電流が加熱部310の各抵抗体10a〜10cに印加さ
れ、該加熱体による加熱が行われる。
【0106】このような構成の第10の実施例装置で
は、上述のように飽和リアクトルのインダクタンス値L
の調整により鋸歯状波形を鋭くでき、つまり初期の電圧
が高く、その後急峻に電圧が降下する垂下特性を出力電
流に持たせることができることから、通常の3相交流電
源を用いた加熱装置より加熱効率を向上することができ
る。
【0107】次に本発明の第11実施例である加振装置
について説明する。図18は上記加振装置を示す全体構
成図、図19(a) は本実施例装置の振動発生部の構成を
示す図であり、この実施例では電源として第1実施例と
同一の加振用電源100を用いている。図において、図
1と同一符号は同一のものを示し、311は該電源装置
の出力により駆動される振動発生部で、上記変換部2の
出力端子6とニュートラル端子7との間に接続されたソ
レノイドコイル71、及び該ソレノイドコイル71内に
挿入され、該コイル71の電磁力を受けて振動する慴動
ロッド72からなるソレノイド70と、一端が上記慴動
ロッド72の先端に他端が装置基部に接続されたバネ7
3とから構成されている。なお直流電源は図示した2組
のバッテリーからなりニュートラル端子を有するものに
限らず、ニュートラルのないバッテリー1つでもよい。
【0108】次に動作について説明する。上記制御回路
3により上記スイッチ回路21の切換動作を所定のタイ
ミングで行うと、飽和リアクトル22には誘導起電力が
発生し、これによって出力端子6とニュートラル端子7
との間には図1(b) に示すように所定周期の垂下特性を
持った鋸歯状の電流が誘導されることとなる。そして、
この鋸歯状の電流が振動発生部311に印加され、振動
力が発生する。
【0109】このような本実施例の加振装置では、電源
出力値には急峻に高電圧に立上り、これから垂下状に零
となり、零となった後再び瞬間的に高電圧となる鋸歯状
波が得られるため、大きい振動力を発生することができ
る。これにより例えば後述する図20のベルトコンベア
やふるいでは、駆動力を大きくすることができ、破砕機
では破砕効果を増大できる。
【0110】また、用いている電源装置は得られる周波
数を自由に変更することができ、加振対象に応じた最適
を加振を行うことができる。
【0111】なお、上記実施例では、加振装置の振動発
生部としてソレノイドコイル71内に慴動ロッド72を
挿入したものを用いたが、振動発生部の構成はこれに限
るものではない。
【0112】図19(b) は本発明の第11の実施例の変
形例を示し、ここでは、振動発生部311′は、鉄芯7
1aにコイル71を巻回してなる電磁石70′と、該電
磁石の電磁力により振動する振動体72′と、該振動体
72′を前後揺動可能に支持する支持部材74と、一端
を上記振動体72′に他端を装置基部に接続したバネ7
3とから構成されている。なお、ここで出力波形は図1
(b) に示すものに限らず、図5に示す波形でもよく、さ
らに電源として、図10(a) に示すものを用いれば、図
10(b) 〜図10(d) に示す波形の出力を得ることもで
きる。
【0113】以下は、上述した加振装置を用いた機械装
置について説明する。図20(a) は荷物401を搬送す
るベルトコンベア410を示しており、ここでは第11
実施例の加振装置が、ベルト411の駆動源となってお
り、その振動発生部311の振動ロット72がベルト4
11裏面に設けられた突出片412を押圧することによ
り、ベルト411が駆動し、荷物401が搬送されるよ
うになっている。
【0114】図20(b) は、上記第11実施例の加振装
置を駆動源とする粉体や土砂等のふるい420を示して
おり、フレーム部材422にスイング可能にふるい篭4
21を吊り下げ、これを上記加振装置の振動発生部31
1により揺動させ、ふるい篭421下側の容器423に
ふるいにかけた粉体を得るようにしている。
【0115】図20(c) は、上記第11実施例の加振装
置を駆動源とする土石431等の掘削機430を示して
おり、ここでは加振装置は堀削機本体432内に搭載さ
れ、その振動発生部311の振動ロッド先端に掘削具4
33を取り付け、振動発生部で発生した振動により土石
等を掘削するようにしている。
【0116】また、図21(a) は、本発明の加振装置を
利用した空気流発生装置500を示しており、上,下両
端部に開口511,512を有する可撓性の中空体51
0を、加振装置の振動発生部により変形させて空気流を
発生するようにしたものであり、上記振動発生部の電磁
コイルには3倍周波の鋸歯状波が印加されるようになっ
ている。ここで515,516はそれぞれ上記中空体5
10の開口部に接続されたパイプで、該パイプ内にはそ
れぞれ空気流を一定方向に流すための弁体513,51
4が取り付けられている。また521は上記中空体51
0の両側近傍に配置された電磁石、522は上記中空体
510の内壁に接着された永久磁石で、該電磁石521
の電磁力により振動するようになっている。また図21
(b) 及び(c) はそれぞれ空気を中空体510から吐き出
している状態,及び空気を中空体510内に吸い込んで
いる状態を示している。ここで、空気の送出量は電磁力
を制御することにより加減することができる。なお、こ
こでは流体が空気流である場合について説明したが、こ
れは空気流のみならず液体等の流体であればよい。
【0117】また図22(a) は本発明の加振装置を利用
した微粒子混合装置600を示しており、その上,下端
部に開口611,612を有する可撓性の中空体610
を、加振装置の振動発生部により変形させて微粒子を混
合するようにしたものである。ここで615はその両端
が上記中空体610の上下の開口部に接続されたパイプ
で、該パイプ615内の両端部には微粒子を一定方向に
送るための弁体613,614が設けられており、該パ
イプ615の上水平部615aには搬入用のホッパー6
17が、また該パイプ615の下水平部615bには、
シャッター機構(図示せず)を有する搬出用シュータ6
18が取り付けられている。また621は上記中空体6
10の両側近傍に配置された電磁石、622は上記中空
体610の側壁外面に接着された永久磁石で、上記電磁
石621の電磁力により振動するようになっている。こ
の場合も電磁石やパイプは1つに限られるものではな
く、例えば、電磁石を複数設け、その通電の制御によっ
て中空体610内で微粒子の回転流を発生させたり、該
中空体610にランダムな動きをさせたりすることもで
きる。また微粒子の種類は何種類でもよく、混合物は上
記シュータ618から取り出すことができる。
【0118】また図22(b) は上記加振装置を利用した
研磨装置700を示しており、上部に開口711を有す
る可撓性の中空体710内に微粒子(鉄粉)を油等の液
体又は気体とともに充填し、さらに研磨したい物(被加
工物)を入れ、加振装置の振動発生部により上記中空体
710を変形させて被加工物730を研磨するようにし
たものである。ここで712はそれぞれ上記中空体71
0の開口部を開閉する蓋部材、731は上記中空体71
0内に充填された研磨粒子、721は上記中空体710
の両側近傍に配置された電磁石、722は上記中空体7
10の側壁外面に接着された永久磁石で、上記電磁石7
21の電磁力により振動するようになっている。
【0119】なお、ここで上記電磁石や開口は2つに限
られるものではなく、これらはさらに多数設けてもよ
い。さらに上記研磨装置の構成を用いて物品の洗浄や物
品表面への微粒子の付着等を行うこともできる。
【0120】また図22(a) や図22(b) に示す容器や
液体中にイオンや電磁力の影響を受けたり、振動エネル
ギーを受けたりして活性化する物質を混入してもよい。
【0121】図23(a) は本発明の第12の実施例であ
る磁歪共振を利用した加振装置を示し、815は金属棒
811に電磁コイル812を巻回してなり、磁歪共振に
より振動する振動体で、上記電磁コイル812には第1
実施例と同一構成の電源装置(図示せず)の単相出力,
つまり鋸歯状波が供給されるようになっている。また8
13は振動を加振対象814に伝達する金属性部材であ
る。
【0122】この装置では、上記振動は金属体を伝わる
ので、上記第11実施例の効果に加えて、振動を必要な
場所に簡単に伝達することができ、微弱振動を必要とす
る技術や通信技術に利用できるとともに、バイオマス関
係の技術にも適用可能である。
【0123】図23(b) は本発明の第13の実施例を示
し、ここでは、スプリング821に電磁コイル822を
巻回して磁歪共振により振動する振動体820を構成し
ている点が上記第11実施例と異なる。
【0124】この場合、上記電磁コイル822への通電
によりスプリング821は磁歪共振し、スプリング82
1の磁歪現象とスプリング821の振動が共振し合った
合成の振動エネルギーが得られ、この複合共振の振動を
利用することができる。
【0125】なお、上述した磁歪共振により発生する磁
場振動の特別な場は生物成長に何らかの影響を与えるも
のと考えられ、このような場での生物の成長や変化の研
究は有意である。図24(a) は、対向して位置する電磁
石832間に上記磁場振動の特別な場Fを形成する場
合、図24(b) は平面C字型形状の電磁石840のギャ
ップ部841に磁場振動の特別な場Fを形成する場合を
示している。
【0126】また図25は本発明の第14の実施例であ
る、モータ910を利用した加振装置900を示し、上
記モータ910には第10実施例と同一構成の電源装置
(図示せず)の単相出力,つまり鋸歯状波が供給され、
振動的なトルクを発生するようになっている。また92
0は該モータ910から駆動シャフト930を介して振
動力を受ける装置で、筒状体922内に撹拌等のための
羽根体921が回転可能に支持されている。このような
装置は、例えば水洗浄液の中で物品を研磨洗浄する場
合、遠心力を利用して混合成分を分離する場合、あるい
はあめや粘土のような粘性の高いものを撹拌し混合する
場合に便利である。
【0127】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る溶接装置に
よれば、溶接電源として、直流電源の正又は負電圧を断
続的に、あるいは正,負電圧を切り換えて出力可能なス
イッチ回路及び該スイッチ回路に接続されたリアクタン
ス回路からなる変換部と、上記スイッチ回路の制御回路
とを備え、溶接電流として単相交流を出力する溶接電源
を用いたので、溶接電源としてバッテリー等の直流電源
を用いることができ、3相不平衡及びフリッカ現象を回
避することができる効果がある。
【0128】また溶接電流の周波数を自由に設定できる
とともに、その外部特性,つまり溶接電源の出力端子で
の電流,電圧特性として、出力電圧が瞬時にピーク値に
達する立上り特性と、その後出力電流の増加とともに出
力電圧が急峻に立ち下がる垂下特性とを持たせることが
でき、これにより電力効率よくアーク溶接やスポット溶
接等を行うことができる。しかもトランスが不要であ
り、溶接装置の小型,軽量化やコストダウンを図ること
ができる効果もある。
【0129】またスイッチ回路での開閉あるいは切換タ
イミングの変更,リアクタンス回路のリアクタンス成分
の変更により、波形や周波数の異なる種々の単相あるい
は多相交流出力を得ることができ、アーク溶接やスポッ
ト溶接等の各溶接方法にさらには溶接対象物に適した溶
接電流を得ることができ、最適な条件での溶接が可能と
なる。
【0130】またこの発明に係る溶接装置によれば、マ
ルチアーク溶接を行うための溶接電源として、上記変換
部を複数設け、上記制御回路を、各変換部のスイッチ回
路を所定の時間差でもって順次切換制御するよう構成し
た、多相交流を出力する溶接電源を用いたので、フリッ
カの問題なく、3相,6相等の多相交流出力を得ること
ができ、またトランスが不要であるため、装置の小型,
軽量化とともに、大幅なコストダウンとなる効果があ
る。
【0131】またこの発明に係る溶接装置によれば、直
流電源に並列に接続された1次及び2次コイルを有する
変圧部と、変圧部への通電をオン・オフ制御する制御回
路とを備え、出力端子に、直流電源の低電圧と、上記変
圧部への通電のオン・オフ制御により2次コイルに自己
誘導される瞬間的な高電圧とを重畳して出力する溶接電
源を用いたので、アーク発生時に必要な高電圧を変圧部
への通電制御により発生し、その後は低圧の電源電圧に
よりアークを維持することができる。これにより通常の
アークに用いられる大きなトランスが不要となり、また
直流電流によりアークを安定に維持することができる効
果がある。
【0132】
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるアーク溶接装置を
説明するための図である。
【図2】該アーク溶接装置の動作を説明する図である。
【図3】従来の可飽和リアクトルを用いたアーク溶接機
を示す図である。
【図4】上記本発明のアーク溶接装置に搭載した溶接電
源の出力波形の調整例を示す図である。
【図5】上記第1実施例の変形例を説明するための波形
図である。
【図6】この発明の第2の実施例によるマルチアーク溶
接装置を説明するための図である。
【図7】上記第2実施例において溶接電極の数及び配置
等を変更した変形例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例によるマルチアーク溶接
装置を示す図である。
【図9】上記第2実施例の変形例及び第3実施例におけ
る出力波形の説明図である。
【図10】本発明の第4の実施例によるアーク溶接装置
の構成及び動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第5の実施例によるスポット溶接装
置を示す図である。
【図12】本発明の第6の実施例によるスポット溶接装
置を示す図である。
【図13】上記第6実施例によるスポット溶接装置の動
作を説明するための図である。
【図14】本発明の第7の実施例による溶接装置に用い
る溶接電源の回路構成及びその変形例を示す図である。
【図15】本発明の第8の実施例による溶接装置に用い
るフローティング方式の溶接電源の回路構成を示す図で
ある。
【図16】本発明の第9の実施例による加熱装置の構成
及び動作を説明するための図である。
【図17】本発明の第10の実施例による加熱装置の構
成及び動作を説明するための図である。
【図18】本発明の第11の実施例による加振装置の構
成を説明するための図である。
【図19】上記加振装置の振動発生部の構成例を示す図
である。
【図20】上記加振装置を用いた機械装置の例を示す図
である。
【図21】上記加振装置を用いた空気流発生装置を説明
するための図である。
【図22】上記加振装置を用いた粒子混合装置及び研磨
装置を説明するための図である。
【図23】本発明の第12及び第13の実施例による加
振装置を示す図である。
【図24】磁歪共振による磁場振動の特別な場で生物の
成長や変化の研究を行う場合を示す図である。
【図25】本発明の第14の実施例による加振装置を示
す図である。
【符号の説明】
1 直流電源 2,2a〜2c 変換部 3,31 スイッチ制御回
路 4 溶接電極 5 被溶接材 6,6a〜6c 出力端子 7 ニュートラル端
子 9 アーク 10 加熱体(被成形
体) 16,17 保持具 18,19 型部材 21,21a〜21c スイッチ回路 22,22a〜22c 飽和リアクトル 24,24a〜24c 正側接点 25,25a〜25c 負側接点 100,200,250 溶接電源 305 スポット溶接部 309,310 加熱部 311 振動発生部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05B 7/144 H05B 7/144 Z (56)参考文献 特開 昭58−163578(JP,A) 特開 昭58−55174(JP,A) 特開 昭62−214873(JP,A) 特開 昭57−22874(JP,A) 特開 昭58−176072(JP,A) 特開 昭53−141143(JP,A) 特開 昭49−38759(JP,A) 特開 昭62−222916(JP,A) 特開 昭55−117565(JP,A) 実開 昭60−181262(JP,U) 特表 平5−508050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/073 B23K 9/10 B23K 11/11 H02M 7/48 H02M 9/00 H05B 7/144

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相交流を溶接電極と被溶接材との間、
    あるいは被溶接材間に印加してアーク溶接を行う溶接装
    置において、直流電源の正及び負電圧に接続された正側
    及び負側接点を有し、正側及び負側接点の開閉、あるい
    は正側、負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、
    リアクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリ
    アクタンス回路とからなり、直流を交流に変換する変換
    部と、上記スイッチ回路の開閉動作あるいは切換動作を
    制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に上
    記単相交流を出力する溶接電源を備えており、リアクタ
    ンス回路を、リアクタンス制御信号に基づいてそのリア
    クタンス成分が変化するよう構成するとともに、上記制
    御回路を、タイミング制御信号に基づいて上記スイッチ
    回路での正側及び負側接点の開閉動作、及び正側、負側
    接点間での切換動作のタイミングを変更可能に構成し、
    上記リアクタンス制御信号及びタイミング制御信号の一
    方あるいは両方により、出力波形の形状及び交流出力の
    周波数の一方、あるいはこれらの両方を経時的に変化さ
    せるようにしたことを特徴とする溶接装置。
  2. 【請求項2】 複数の溶接棒のそれぞれに多相交流の各
    相を印加して、各溶接棒と被溶接材間及び該溶接棒相互
    間でアークを発生させてマルチアーク溶接を行う溶接装
    置において、直流電電の正及び負電圧に接続された正側
    及び負側接点を有し、正側及び負側接点の開閉、あるい
    は正側、負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、
    リアクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリ
    アクタンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数
    の変換部と、上記スイッチ回路の開閉動作あるいは切換
    動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端
    子に上記多相交流を出力する溶接電源とを備えており、
    リアクタンス回路を、リアクタンス制御信号に基づいて
    そのリアクタンス成分が変化するよう構成するととも
    に、上記制御回路を、タイミング制御信号に基づいて上
    記スイッチ回路での正側及び負側接点の開閉動作、及び
    正側、負側接点間での切換動作のタイミングを変更可能
    に構成し、上記リアクタンス制御信号及びタイミング制
    御信号の一方あるいは両方により、出力波形の形状及び
    交流出力の周波数の一方、あるいはこれらの両方を経時
    的に変化させるようにしたことを特徴とする溶接装置。
  3. 【請求項3】 被溶接材を一対の溶接電極により圧接挟
    持し、単相交流を上記一対の溶接電極間に印加してスポ
    ット溶接を行う溶接装置において、直流電源の正及び負
    電圧に接続された正側及び負側接点を有し、正側及び負
    側接点の開閉、あるいは正側,負側接点間での切換が可
    能なスイッチ回路と、リアクタンスを有し該スイッチ回
    路に接続されたリアクタンス回路とからなり、直流を交
    流に変換する変換部と、上記スイッチ回路の開閉動作あ
    るいは切換動作を制御する制御回路と備え、上記変換部
    の出力端子に上記単相交流を出力する溶接電源とを備え
    ており、リアクタンス回路を、リアクタンス制御信号に
    基づいてそのリアクタンス成分が変化するよう構成する
    とともに、上記制御回路を、タイミング制御信号に基づ
    いて上記スイッチ回路での正側及び負側接点の開閉動
    作、及び正側、負側接点間での切換動作のタイミングを
    変更可能に構成し、上記リアクタンス制御信号及びタイ
    ミング制御信号の一方あるいは両方により、出力波形の
    形状及び交流出力の周波数の一方、あるいはこれらの両
    方を経時的に変化させるようにしたことを特徴とする溶
    接装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のスポット溶接装置におい
    て、上記一対の溶接電極の加圧を、上記単相交流と同期
    して変化する加圧力により、あるいは該加圧力に一定の
    加圧力を重畳した振動加圧力により行うことを特徴とす
    る溶接装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の溶
    接装置において、上記溶接電源は、上記各変換部の出力
    端子での電流、電圧特性として、出力電圧が瞬時にピー
    ク値に達する立ち上り特性と、その後出力電流の増加と
    ともに出力電圧が急峻に立ち下がる垂下特性とを有する
    ことを特徴とする溶接装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の溶接装置において、上記
    溶接電源に代えて、直流電源に並列に接続された1次及
    び2次コイルを有し、1次入力を昇圧して2次側に出す
    る変圧部と、上記該2次コイルに並列接続されたコンデ
    ンサと、上記直流電源から変圧部の1次及び2次コイル
    への通電をオン・オフ制御する制御回路とを備え、直流
    電源の低電圧と、上記変圧部への通電のオン・オフ制御
    により発生する瞬間的な高電圧とを重畳して出力する溶
    接電源を用いることを特徴とする溶接装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の溶接装置において、上記
    溶接電源に代えて、 直流電源に逆方向に並列接続された
    2組の直流接続のダイオードと、各組のダイオードの接
    続点間に接続された単相交流電源とからなり、上記直流
    電源を充電する充電回路と、上記直流電源に並列接続さ
    れた1次及び2次コイルを有し、1次入力を昇圧して2
    次側に出力する変圧部と、上記直流電源の2次コイルへ
    の通電をオン・オフ制御する制御回路とを備え、直流電
    源の低電圧と、上記変圧部への通電のオン・オフ制御よ
    り発生する瞬間的な高電圧とを重畳して出力する溶接電
    源を用いることを特徴とする溶接装置。
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