JP2999430B2 - 指紋の自動同定方法及びその装置 - Google Patents

指紋の自動同定方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔産業上の利用分野〕本発明は、指紋のデ
ータベースに記録されている複数のファイル指紋の細部
に関する位置及び角度の座標成分に対し、同定すべき調
査指紋の細部をそれぞれの位置及び角度の座標成分に関
して整合させて、前記調査指紋と1つ以上の前記ファイ
ル指紋との間の整合の度合いを示す整合スコアを得るよ
うにした指紋の自動同定方法及び同方法の実施に直接使
用する装置に関する。
【0002】〔従来の技術〕 B−1.定義 指紋はリッジ部に対応する直線や、指、手のひら及び足
裏に現われるくぼみ部からなる特殊パターンである。今
世紀初頭におけるバーチロン(Bertillon)の
研究によって、指紋は、人によって異なると共に、その
指紋によって対象人物を同定できる細部(minuti
ae)と呼ばれる特殊な特徴を備えていることがよく知
られている。この指紋細部は、(1)所定の直線から2
本の直線が分岐している状態を指す分岐(a bifu
rcation;第4図参照)、又は(2)所定の直線
が終端している状態を指すリッジ状終端(a ridg
eending;第5図参照)、の何れかによって定義
付けされる。また指紋細部は通常3つの座標成分で記録
される。即ち、座標系に関する細部位置を示す「x」座
標成分及び「y」座標成分と、細部位置回りに関する直
線の平均的方向を示す角度である「a」座標成分とによ
って記録される。汎用コンピュータの制御による指紋の
自動「整合(matching)」方式は、2つの異な
る指紋を比較して、これらが同一の指に帰属するか否
か、即ち、同一人物のものであるか否かを確定する処理
方式である。2つの指紋の自動整合では、2つの所定の
指紋が類似する度合いを示す「整合スコア(match
ing score)」として知られている数値が利用
される。即ち、整合スコアが大きければ大きい程、2つ
の指紋が同一人物のものであるという確率が高くなる。
【0003】凡用コンピュータの制御による指紋の自動
「同定(identification)」では、「調
査指紋(searchprint)」と呼ばれる所定の
指紋を、データベースに記録されている「ファイル指紋
(file print)」と呼ばれる指紋の集合と対
照させて、調査指紋と同一の個人に帰属するファイル指
紋がデータベースにあるか否かを確定するようにしてい
る。従って、データベースにN種のファイル指紋が記録
されていれば、同定の際にはN回の整合が行われる。N
種のファイル指紋のおのおのに対して調査指紋を比較す
ることによってN個の整合スコアが得られ、これらのス
コアのうち数値が小さいものは除外される。同定によっ
典型的には、数値の高い整合スコアが得られたファイル
指紋が「候補(candidates)」として載って
いる分類リストが得られる。指紋の整合及び同定を行う
自動化システムの正確さは、有力候補のリストに正当な
指紋が載せられているかということで測られる。
【0004】こういったデータベースの主要な指紋デー
タ源は、(1)典型的には所定の個人に関する全ての1
0種の指紋のインキングを含む「10指紋記録カード
(tenprint cards)」と、(2)例えば
犯罪現場に残された1つ以上の指紋部分からなる潜像指
紋と、(3)手から直接指紋を読み取る光学的装置を使
用することによって、「そのままの形(live)」で
得られる指紋画像とによって構成される。10指紋記録
カードは一般に、氏名や年令のような英数字データと、
10種の印刷された指紋とを備えている。また指紋は片
手ずつに分けられて2つの集合体にグループ分けされて
いる。同一の手から5種の指紋をとるためのカードの基
準線に対して指関節を平行にすることになっているの
で、各カードにおいては指紋のおおよその配置方向がわ
かっている。これとは対照的に、現場指紋は指紋の一部
分しか役立たないので、その配置方向は一般には不明で
ある。更に、現場指紋は画質が極めて悪い場合がよくあ
る。この結果、現場指紋を正確に整合させて同定するこ
とは、これまで長い間、自動指紋同定システムにおける
技術上の主要な課題であった。
【0005】B−2.整合器 自動指紋同定システムの技術分野では、整合操作は指紋
の全体像について行う代わりに、指紋の細部について行
うのが有益であることが周知である。即ち、基本的整合
操作では、2セットの細部、換言すれば、おのおのが3
つの座標成分「x」、「y」及び「a」を有する2セッ
トの場所に関して比較が行われる。また基本整合器は2
セットの場所を重ね合わせて、2つの指紋に共通してい
る細部の数を計数するようになっている。ウェグスタイ
ン(Wegstein)は、1970年に発刊された米
国国立標準局のテクニカル・ノート(Technica
l Note)538において、この種の幾つかの基本
整合器について記述している。M19、M27及びM3
2と名付けられたこれらの整合器は、D−D空間に
おける点のクラスタ密度を算出することによって、2つ
の指紋が同一人物のものであるか否かを確定している。
ここで、D−Dは2つの指紋の細部に関するx及び
y座標成分におけるそれぞれの差分を示している。前記
テクニカル・ノートを参照した実験結果から、D−D
は空間において、異なる指紋の場合には点はランダム
に配置させられる傾向にあり、これに反して指紋の同一
人物のものであるとき、点はクラスタを形成する傾向に
あることが指摘されている。
【0006】整合器M19では、2セットの細部点を重
ね合わせるのに必要な変換操作が移行のみで行われると
いうことが仮定されている。整合器M27はM19に新
たにスコア機能を設けたもので、比較的大規模の移行変
位を考慮するようにしている。また整合器M32では2
つの指紋間における小規模の回転を以下のようにして考
慮している。即ち、先ず、M27が2つの指紋間の比較
を行う。次に、2つの指紋の一方に対し最初の位置から
「V」度だけ回転を与え、次いでM27が新たに比較を
行う。要するに、整合器M32の整合動作は、角度Vに
対する以下の数値、即ち、V=−15、−10、−5、
0、+5、+10、+15度に対応するM27の7回の
比較処理から成り立っている。
【0007】C.発明が解決しようとする課題 自動指紋同定システムでは、指紋データのデータベー
ス、整合器、及び適切に構成された汎用コンピュータが
利用されている。一般に、10指紋記録カードから得ら
れる指紋は自動的に符号化されてデータベースに記録さ
れる。このことは、指紋細部点が自動式デバイスによっ
て検出されることを意味している。それにもかかわら
ず、10指数記録カードの指紋データを操作員が手動で
符号化することがしばしば要求されている。即ち、指紋
が良品質のとき、現場指紋のデータを自動的に符号化で
きることは時としてあるが、現場指紋は一般に指紋画像
の品質が悪いために、その指紋データは通常、手動で符
号化されてデータベースに記録される。異なる操作員に
よって符号化された指紋細部間、又は操作員によって符
号化された指紋細部と自動的に符号化された指紋細部と
の間において符号化の正確さに差異がみられることか
ら、同定システムに組み込まれる整合器では、細部点を
表わす3つの符号化座標成分のうちの1つ以上に関して
或る程度不正確さのあることが考慮されていなければな
らない。しかしながら、従来の自動指紋同定システムに
は、指紋細部を符号化するときの不正確さの度合いを考
慮するための補償手段が設けられていない。
【0008】整合器は一方のセットを他方のセットに重
ね合わせることにより2セットの指紋細部を適合、即ち
重畳するようになっている。ファイル指紋の配置方向及
び位置に関係する現場指紋の配置方向及び位置が一般に
不明であるので、前述した従来の整合器で現場指紋を整
合して同定しようとすることに関しては、同定の正確さ
という点で更なる問題がある。その上、距離及び角度に
関して、現場指紋とファイル指紋との間にみられる差異
は、特に、現場指紋が未知の指紋のうちの極くわずかな
部分であるとき、即ち現場指紋が対象に対してさかさま
のパターンで符号化されてデータベースに記録され得る
場合、同定が成功するためには決定的に重要である。ま
た10指紋記録カードからの指紋を整合させるとき、同
じような重大性は伴なわないにしろ、2つのカードから
得られる指紋間における角度上の相違は、ファイル指紋
に関して180度になり得る現場指紋の配置方向に比し
てわずかであるとされ得ることが唯一の有益な情報であ
ることから、配置方向及び位置に関し前述したと同じ類
の問題が生じる。
【0009】従来のシステムによってアドレスされない
自動指紋同定における更なる問題は、指紋の品質を評価
する上で、調査指紋細部をファイル指紋細部に正確に整
合するときの依存関係である。即ち、従来技術によるシ
ステムでは整合スコアの調整又はその他の手法の何れに
よっても補正が行われないので、高品質の指紋同士が比
較されるとき整合確度が増大すること若しくは双方とも
低品質であるとき整合確度が減少することの何れかを示
す品質因子が考慮されていない。同様にして、従来のシ
ステムでは、整合処理を行うとき比較されるべき指紋細
部の型式が考慮されていない。実際、リッジ状終端型が
分岐型と比較されるときとは反対に、リッジ状終端型が
同じくリッジ状終端型と比較されるとき、又は分岐型同
士が比較されるときには真の整合の角度がより高くな
る。しかしながら、従来のシステムではこの型式因子に
考慮が払われていないので、自動同定システムの信頼度
が十分ではない。従って、本発明の目的は、現場指紋の
配置方向が不明であるか否かに依存しない現場指紋に関
する自動同定方法及びその装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、現場指紋に関する全ての有効角
度情報を使用すると同時に、データベースに記録されて
いるファイル指紋に対して現場指紋の整合を行うときに
要求される計算回数に制限を与えることにある。
【0010】本発明の目的はまた、その3つの座標成分
が手動操作で正確に確定されているか否かに拘わらず、
手動式に確定された細部を有する指紋に対してコンピュ
ータ装置によって確定された細部を有する指紋を整合さ
せる方法及びその装置を提供することにある。本発明の
目的はまた、整合処理の際に使用される変量の数値化に
起因して生じるエラーを最小化することにある。本発明
の目的はまた、比較されるべき指紋の品質が考慮されて
いる指紋の整合方法を提供することにある。本発明の目
的はまた、比較されるべき指紋細部の型式が考慮されて
いる指紋の整合方法を提供することにある。本発明の目
的はまた、調査指紋の細部と位置決めされているファイ
ル指紋の細部のみを、それらの細部の整合に関連した全
ての座標成分に関して比較する指紋整合の改良方法を提
供することにある。本発明の目的はまた、現存システム
を上回る高信頼性を有する指紋の自動整合方法を提供す
ることにある。
【0011】〔課題を解決するための手段〕本発明は、
指紋のデータベースに記録されている複数のファイル指
紋の細部に関する位置及び座標成分に対し、同定すべき
調査指紋の細部をそれぞれの位置及び角度の座標成分に
関して整合させて、前記調査指紋と1つ以上の前記ファ
イル指紋との間で整合がとれるか否かを確定するように
した指紋の自動同定方法において、少なくとも1つの調
査指紋細部を、対応する少なくとも1つの位置及び角度
の座標成分を変えることによって実質的に複製し、これ
により少なくとも1つの前記座標成分において前記調査
指紋細部とは異なる少なくとも1つの擬似細部を得る段
階と、前記複製細部を、 前記ファイル
指紋の細部に対して比較される調査指紋細部の集合に含
める段階と、を具備することを特徴とする。
【0012】本発明はまた、指紋のデータベースに記録
されている複数のファイル指紋の細部に関する位置及び
角度の座標成分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそ
れぞれの位置及び角度の座標成分に関して整合させて、
前記調査指紋と1つ以上の前記ファイル指紋との間の整
合の度合いを示す整合スコアを得るようにした指紋の自
動同定方法において、前記調査指紋の複数の細部に対
し、予備回転角度の全範囲に亘ってそれぞれの位置及び
角度の座標成分を別々に算出することにより、前記調査
指紋細部のおのおのに関する複数のベクトル像を得る段
階と、前記複数のベクトル像のうち、予備回転後に、比
較されるべき前記ファイル指紋細部の角度と等しくなる
角度を有するベクトル像に対してのみ、前記複数のファ
イル指紋において予め選定された数を有するファイル指
紋の複数の細部を別々に比較する段階と、を具備するこ
とを特徴とする。
【0013】本発明は更に、指紋のデータベースに記録
されている複数のファイル指紋の細部に関する位置及び
角度の座標成分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそ
れぞれの位置及び角度の座標成分に関して整合させて、
前記調査指紋と1つ以上の前記ファイル指紋との間の整
合の度合いを示す整合スコアを得るようにした指紋の自
動同定方法において、前記ファイル指紋の細部の少なく
とも1つ又はこれと比較されるべき前記調査指紋の細部
に、その細部の品質を示す数値を割り合てる段階と、前
記調査指紋細部と前記ファイル指紋細部との少なくとも
1回の比較に対して、双方の細部が予め選定された数値
の品質因子を有するとき、所定量だけ前記スコアを増分
する段階と、を具備することを特徴とする。
【0014】〔実施例〕 E.実施例 E−1.整合器及びその環境の説明 第1図を参照すると、本発明によって構成された自動指
紋同定システムでは、高速ネットワークを通して通信を
行う複数の異なるサブシステムを備えている。このネッ
トワークはどのネットワーク・ノードも他の任意のネッ
トワーク・ノードと通信できるように構成されている。
即ち、各サブシステムがネットワーク・ノードとなって
いる。第1図の同定システムは、各カードから10個の
指紋の画像を得る10指紋カード入力サブシステムを含
んでいる。即ち、汎用コンピュータが合成データを処理
できるようにするために、これらの画像は適切な凹路手
段によって電子的にアナログ表示からデジタル表示に変
換される。また第1図の同定システムは符号化ザブシス
テムを備えている。この符号化サブシステムは前記10
指紋カード入力サブシステムによって出力された各指紋
のデジタル画像を適切な回路手段を通して電子的に利用
し、この結果、各指紋の細部を検出してそれらの
「x」、「y」、「a」座標値を算出する。
【0015】また第1図の同定システムは、適切な回路
手段によって所定の現場指紋用の画像と細部データの双
方を得るために使用される現場指紋入力サブシステムを
備えている。現場指紋は典型的に品質が悪いことから、
現場指紋は通常手動操作で処理される。即ち、操作員が
マウス機構又はトラック・ボール、キーボード及び高精
細度ビデオ・モニターのような対話型デバイスを使用す
ることによって、指紋の細部が符号化される。また第1
図の同定システムは、データベースに入っている全指紋
の画像を記憶するために使用される画像記憶サブシステ
ムを備えている。即ち、整合器の整合指紋候補リストを
確認するために検定処理を行う際、これらの画像を検索
することができる。
【0016】更に第1図の同定システムは、細部データ
ベースに基づく幾つかの操作、例えば、指紋の挿入、指
紋の削除、及び整合指紋の検索を行う整合サブシステム
を備えている。「検索」の場合、この整合サブシステム
の入力は一般に、検索指紋の細部データと、もしあるな
ら、検索指紋と比較されるファイル指紋の数を減らすた
めに使用に供される或る分類情報とから成っている。こ
の整合サブシステムから出力されるものは整合ファイル
指紋のリスト、即ち、整合範囲アルゴリズムを使用して
ランク付けされた候補リストである。更に第1図の同定
システムは検索サブシステムを備えている。このサブシ
ステムは指紋専門家が高精細度ビデオ・モニターに基づ
いて、検索指紋の画像及びその細部と、整合サブシステ
ムによって候補リストにもたらされるファイル指紋の画
像及びその細部の双方とを比較することができるために
使用される。検索指紋がファイル指紋データベース中に
見い出せない場合には、この整合サブシステムによって
検索指紋をデータベースに入れることができる。更にま
た第1図の同定システムは、以下において更に詳述する
ように、特にキュー即ち一時記憶バッファが処理される
とき、他の全てのサブシステムの動作を調整し、制御す
る中央コンピュータ・サブシステムを備えている。
【0017】ここで第2図を参照すると、本発明によっ
て構成された整合サブシステムは少なくとも1つの整合
器(第3図に詳細に示されている)を備えており、また
この種整合器を複数個備えていることが好ましい。この
複数の整合器はネットワークに結合されている。またこ
のネットワークは第1図で参照されたネットワーク、又
は整合サブシステムに専用のネットワークの何れかで構
成することができる。全ての整合器の動作は整合制御器
によって制御される。この整合制御器は汎用コンピュー
タと記憶デパイスとを備えていることが好ましい。この
整合制御器は各整合器と、第1図の同定システムの他の
全ての構成要素との間に介在している。調査結合が第1
図の同定システムから発せられると、整合制御器は調査
指紋データを関連する全ての整合器に伝達し、次に結果
を中央コンピュータに伝送するために、各関連した整合
器の調査結果を回収する。ここで第3図を参照すると、
この発明によって構成された整合器は、調査を処理する
ために使用されるハードウェア整合器(第18図に詳細
に示されている)を制御する汎用コンピュータと、この
所定の整合器によって統制される細部データベースの部
分を記憶するために使用される大容量記憶デバイスとを
備えている。
【0018】E−2.整合原理の説明 この発明の整合処理は、おのおのをベクトル画像として
視覚認識することができる指紋の細部点と呼ばれるの2
セットの3成分座標点を比較することにある。第4図及
び第5図は、対抗した2型式の細部(それぞれ分岐型及
びリッジ状終端型)に関する3成分座標点を明瞭に示し
ている。文字「x」及び「y」は座標位置即ち直交座標
成分を示し、文字「a」は第3の座標成分、即ち、X軸
と細部点回りの直線方向とのなす角度を表わしている。
第6図は細部を有する調査指紋を示している(説明を明
瞭にするために、1ないし5が付された5つの指紋細部
のみを図示してある。)。各細部はx、y座標位置を示
す円と、角度aを表わす短い線とで表現されている。ま
た基準座標系は(φ、x、y)で表示されてい
る。第7図は第6図に示した調査指紋と整合するファイ
ル指紋を示している。各細部はx、y座標位置を示す交
差記号と、角度aを表わし短線(即ちテール)で表現さ
れている。指紋細部には記号I乃至Vが付されている。
即ち、調査細部1はファイル細部Iに対応し、調査細部
2はファイル細部IIに対応する等である。また基準座
標系は(φ、x、y)で表示されている。
【0019】第8図は第6図の調査指紋について、角度
PI/6だけ座標軸を回転させた状態における細部の様
子を示している。この場合、新座標系は(φ′、
′、y′)で示される。また第9図は第6図の調
査指紋について、角度PI/4だけ座標軸を回転させた
状熊における細部の様子を示している。新座標系は(φ
″、x″、y″)で与えられる。第10図は第7
図のファイル指紋細部と、第8図に示したように角度P
I/6の回転を与えた状態での調査指紋細部とを重ね合
わせた状態を示している。このことは、座標系におい
て、(ψ、x、y)=(φ′、x′、
′)の条件が選択されていることを意味している。
第10図の破線矢印の長さは、位置合わせを行うため
に、5つのファイル指紋細部(IないしV)のおのおの
に調査指紋細部1を重ね合わせるのに必要な移行長を示
している。5つのファイル指紋細部のおのおのに関して
調査指紋細部2、3、4及び5を別々に同じようにして
重ね合わせると、移行長は全て異なり、このため移行の
各計算が一致していないことがわかる。
【0020】第11図は第7図のファイル指紋細部と、
第9図に示したように角度PI/4の回転を与えた調査
指紋細部とを重ね合わせた状態を示している。この場合
は座標系において、(φ、x、y)=(φ″、
″、y″)の条件が選択されていることを意味し
ている。想定し得る25通りの移行を表わす破線のうち
から(ファイル指紋細部と調査指紋細部の各対の何れ
か)、1通りについては5本とも長さ及び方向が同じで
あることがわかる。しかも、この共通の移行から、調査
指紋細部が位置に関してファイル指紋細部と(明瞭に)
一致し、角度に関しても一致していることを検査するこ
とができる。このようにして、第6図の調査指紋紹部と
第7図のファイル指紋との間において5つの整合した指
紋細部があることが確定される。第11図において破線
矢印で表わされたこの共通移行は、「その」回転角PI
/4によって、調査指紋をファイル指紋に一致させ、し
かも5個の調査指紋細部と5個のファイル指紋細部とを
位置及び角度に関して重畳させる「当該」の移行であ
る。
【0021】E−3.調査指紋用データの構成 N個のファイル指紋を含むデータベースに対して調査を
行う際、調査指紋データは不変であるので、整合器によ
って行われる作業を簡単にすること、整合器の動作速度
を向上させることの双方とも又はその何れか一方を図る
ために、調査指紋データから役立つ数値を予め算出する
のは有益であることが見い出されている。例えば、予め
所定の回転を与え、そのおのおのについて調査指紋に関
する新しい座標を予め算出することは有益である。こう
いった予備計算を行うとき、有限集合に属する予備回転
角度「A」に対する計算可能な数値を選択しておくこと
が有益である。この場合、有限集合は基本回転角度(素
量)αに関するn個の数値の集まりから構成されている
ので、第12図を参照すると容易に理解できるように、
n×αは全回転角度360゜に等しい。
【0022】このようにして、角度Aは0、α、2×
α、……、(n−1)×αに対応して、それぞれ0、
1、2、……、(n−1)の値をとることができる。こ
の場合、Aの最大値はA表わされる。即ち、A
(n−1)×α=(n−1)である。13図はi番目及
びj番目の調査細部を表わしているS及びS用の予
備計算されたデータの柱表を示している。Sの柱表
は、行Aにおいて、角度Aだけ基準軸に予備回転を
与えた後の、Sの3つの座標成分(x、y、a)を含
むように構成されている。前の軸系に関するSの座標
が(x、y、a)であり、新しい軸系に関するSの座
標が(x′、y′、a′)であるとすれば、(x、y、
a)と(x′、y′、a′)との間には次の関係式が成
立することが知られている。
【0023】 x′=x cos A+y sin A y′=−x sinA+y cos A a′=a−A
【0024】調査指紋とファイル指紋との間に存在する
とされる角度の相違に限界を設けること、即ち「許容範
囲」を設けることはしばしば有益である。即ち、第12
図を参照するとわかるように、このような処置は、広が
りにおいて、360゜以下で原点回りに対称をなす予備
回転角Aを選定することに行うことができる。即ち、
角度において「+」が許容範囲を表わすとすれば、この
許容範囲はAt≦A≦Atとなる。ここで、At
=t度、At=−t度であり、At以上かつAt
以下の角度に対してAの値は選定されない。第13
図に戻って説明を進めると、この柱表は許容範囲t度に
対する予備計算されたデータを示している。即ち、許容
範囲tに関して限定された角度の範囲外にあり、角度A
の値に応じた計算されない値は、「空白」の記号によ
って柱表に表わされている。また、角度Aだけ基準軸
に回転を与えた場合の指紋細部S、Sに関する3つ
の新しい座標成分はそれぞれRA(S)、RA
(S)で表示されている。
【0025】許容範囲tを角度Aに基づく範囲に適用
することは、この発明の処理方法及び装置において少し
も必要ではないことが強調されるべきである。しかしな
がら、これは整合処理の高速化に容易に供され得ると共
に使用され得る一技術である。許容範囲tが角度A
基づく範囲に適用されないとき、第13図の柱表には
「空白」数値は現われない(例えば、以下の表Aを参
照)。本発明によれば、調査指紋細部をファイル指紋細
部に対応させる移行は、この移行がまた対象とされる2
つの細部の角度に一致をもたらす場合にのみ考慮に入れ
られる。即ち、ファイル指紋細部(x、y、a
が与えられると、考慮に入れられた移行のみが、所定の
予備日数を「与えた後」、その角度が所定のファイル細
部の角度と等しくなる調査細部に関して予備計算された
移行となる。本発明に関するこの様相は、第14図に示
すように、予備計算された調査指紋データの再編制によ
って表わされている。
【0026】第14図を参照すると、細部S及びS
の柱表は、行kが回転後に細部の角度がkと等しくなる
要素を含むように再編成されている。この発明に関する
この重要な熊様は、以下の諸例を参照すると理解でき
る。表Aは以下の座標を有する細部S及びS
柱表を示している。
【0027】S=(x、y、3) S=(x′、y′、5) S=(x″、y″、6)
【0028】n=64を選択することによって(第12
図参照)、64個の予備回転角度が用いられ、柱表の行
数は細部の予備凹転角度に等しくなる。例えば、2行目
では、細部の座標R(S)=(x′、y′、
3)は、n=2によって決められた角度だけ座標軸に回
転を与えることにより、細部Sの3つの座標成分と等
しくなる。表Aのデータを予備計算するとき、許容範囲
tは使用されていない。このため、表Aは、許容範囲が
適用されないためにこの表が「空白」数値は含んでいな
いことを除いて、第13図における予備計算データの表
示と類似している。
【0029】
【0030】表Bは予備回転を行った後に、その行数が
予備回転後の細部角度と等しい同一の行に属するS
、Sの全座標値が、同一の角度、即ち行数によっ
て同定される角度を有するようにして再編制された好ま
しい配置を示している。従って、表Bは第14図及び第
17図における予備計算データの表示と類似している。
【0031】
【0032】表Cは、予備回転角Aの5つの値、即ち
0、1、2、62及び63のみが「有効」であるよう
に、柱表の表Aに対して選定された予備回転角度に許容
量t、例えばt=2が適用されている、細部S、S
及びSの柱表を示している。この際、62及び63は
第12図の(n−2)及び(n−1)にそれぞれ対応し
ており、このため、1及び2における予備回転ベクトル
の鏡像となっている。表Cにおいて「無効」な予備回転
角は破線で表示された「空白」数値を与えている。従っ
て、表Cは第13図及び第14図における予備計算デー
タの表示と類似している。更に、表Cの予備計算データ
は表Bの行方向について再編制されている。
【0033】
【0034】表Cにおける「空白」数値の位置は調査指
紋細部に関する角度の初期値に依存している。即ち、如
何なる行も無効データは勿論、有効データを含むことが
できる。この場合、無効データは全てのものを各ファイ
ル指紋細部の座標データと比較しなければならず、この
ため、如何なる利益をももたらすことなく、整合動作の
処理時間をむやみに引き延ばすものである。操作速度を
飛躍的に改善するために、表Cの予備計算データは表D
に示すように再編制される。
【0035】
【0036】従って、表Dは第14図、第15図及び第
17図における予備計算データの表示を類似している。
特に、表Dに示す予備計算データは、移動可能な各行に
て非「空白」数値が左側に移動させられることによって
再編制されている。この結果、どの行も無効データの後
から(即ちその右側に)生じる有効データを含むことは
ない。このため、如何なる行においても無効データが突
き合わされると直ちに、その行に関する整合処理が終了
する。表B及び表Dに例示したように、データに関して
新たな編制を行うことは整合処理を高速化する上で極め
て有益である。即ち、ファイル指紋細部fが与えられた
場合、処理可能な整合を検査するために、調査指紋細部
Sの柱表に含まれている全ての数値に対して細部を比較
する必要はもはやない。角度番号がファイル細部fの角
度数値と等しい行において調査細部Sの柱表の定数にフ
ァイル細部fを比較するだけで十分である。このセルが
「空白」数値を含み、組み合わせが不可能であるか、又
はこのセルが有効データを含むかの何れかにおいて、移
行を算出しなければならない。更に、この移行によっ
て、ファイル指紋細部fと調査指紋細部Sとを位置及び
角度に関して通合させることができる。
【0037】第15図を参照すると、表Dに関して説明
した改良点が示されている。即ち、調査指紋細部S
びSのデータを含む前の2つの柱表が、次の規則を用
いた単一の表に併合されている。前記規則とは、所定の
行に対して、非「空白」数値を左側に移動させるという
ことである。このことは、右側の項を使用する前に左側
の項を埋めることを意味している。第14図と第15図
とは、行がSの「空白」数値の代わりにSの有効値
を含んでいるか否かという点で異なる。表B、表C及び
表D、並びに第14図及び第15図に関し、全ての調査
指紋細部に対してこの操作を繰り返すことにより、第1
7図に示す調査用バッファ(コラム・テーブル)の構成
が得られる。ここで行Aは、(1)左側には、所定の
予備回転(テーブルに記憶されている)を与えた後、全
ファイル指紋細部をAの角度に整合させるために候補
付けされた調査指紋細部から得られた数値を含み、
(2)右側には、「空白」数値のリストを含んでいる。
ここで、(1)所定のコラムに記憶されている非「空
白」数値は同一の調査指紋細部から得られるものではな
く、(2)「空白」数値の数は異なる行の間で同一では
ない、ことが強調されるべきである。
【0038】第16図は「複製」即ち「複写」と呼ばれ
る、本発明の別の態様を説明するのに便利である。手動
で符号化処理を行うとき、特に現場指紋のような低品質
の指紋を符号化するとき、符号化エラーの確率が高いこ
とから、本発明によるこの態様の主目的は、自動的に符
号化されてテータベースに格納される指紋細部と、手動
で符号化されてデータベースに格納される指紋細部との
間に存在する固有不整合性を処理することにある。
【0039】本発明のこの態様によれば、座標成分
(x,y,a)を有する各調査指紋細部は、「仮想の」
即ち「擬似的な」西部を設けることによって調査指紋の
局部が複製即ち複写される。この疑似細部は調査指紋細
部の座標成分に、符号化処理の際に起こるエラーの度合
いを示す或る増分定数x,y及びaを加えること
によって(又は調査指紋細部の座標成分からこれらの定
数をそれぞれ減ずることによって)形成される。典型的
な指紋において、2つの連続した直線間の距離は0.3
ないし0.5mmの範囲にある。また典型的なエラー、
即ち、符号化されるx及びy座標に対する約0.41m
mのエラーは、細部点が符号化されるとき直線に対して
見落とされる。またα=5.6度、即ち、n=64のと
きの予備回転角度の場合、角度を符号化するときの典型
的エラーはαの大きさの2倍になり得る。従って、これ
らの範囲にある典型的エラーに対しては、マウス又はト
ラック・ボール、キーボード、及び高精細度ビデオ、モ
ニターのような対話型デバイスを使用して、操作員が1
つ以上。「擬似」細部を手動で符号化してデータベース
に記録することにより、これらを複製することができ
る。こういった座標変換を行うことにより、形成される
「擬似」細部が「実際の」即ち「真の」細部、換言すれ
ば、調査指紋細部用に符号化された座標よりもその座標
が「実際の」即ち「真の」細部に近い細部を含む確率が
極めて大きくなる。
【0040】第16図は、「擬似」細部が位置ではなく
角度を変換することによって形成されたものとし(P
点)、角度ではなくx−y座標値を変換することによっ
て形成されたもの(M点)との興味ある2つのケースを
例示している。2つの変換技術を同一の指紋細部に対し
て同時に用いることができるのは明らかである。本発明
による指紋細部の整合処理及びその装置に関して、「真
の」細部、「擬似の」細部、及び「実際の」細部の間で
区別はなされない。以下において、これら全てを「一般
化」調査指紋細部と呼ぶこととする。また第17図に戻
ってこれを参照すると、示された柱表即ち調査バッファ
は「汎用調査バッファ」と呼ばれる。この汎用調査バッ
ファにおいて、各行は、(1)左側に、既知の回転を与
えた後、所定の角度を有するファイル細部と整合するた
めに候補付けされた、一般化調査指紋細部から得られた
数値を含み、(2)右側に、処理されない空白数値のリ
ストを含んで構成されていることが正しく理解される。
【0041】E−4.第18図のハードウェア整合器の
説明 第3図及び第18図を参照すると、汎用コンピュータは
制御線12及び制御手段11を通して、ハードウェア整
合器に指令を与える。また、コンピュータは線路13を
通して制御ユニット手段11からメッセージ(典型的に
は実行指示の終了)を受ける。このハードウェア整合器
はファイル・データ管理ユニット31と、調査データ管
理ユニット41と、移行計算ユニット51と、計数テー
ブル管理ユニット71a及び71bからなる2つのアレ
イとを備えている。またこの整合器の動作は、2つのア
ドレス・貢献度計算ユニット61a及び61bによって
制御される。
【0042】ハードウェア整合器の動作時には、先ず、
線路28が付勢されて全ての計数手段を零値にリセット
する。次に、制御線22及びデータ線42を使用するこ
とによって、ランダム・アクセス・メモリーを備えて調
査データ管理ユニット41に対して一般化調査細部デー
タを負荷する。次いで制御線14及びデータ線32aを
使用して、ファイル・データ管理ユニット31のファイ
ル・バッファ手段83aに対し、幾つかのファイル指紋
に関係するデータを負荷する。最後に、制御線14及び
データ線32bを使用してファイル・バッファ手段83
bを負荷すると共に、ファイル・バッファ手段83aに
現在記憶されているファイル指紋データに対し調査デー
タ管理ユニット41に記憶されている調査指紋データの
整合を開始するのに必要な諸制御線を付勢して、ファイ
ル指紋バッファ手段83aに記憶されている各ファイル
指紋に対して以下の操作を行うようにする。即ち、
【0043】(a) 現在処理されているファイル指紋
に関し、座標(x,y,a)を有する各細部に対
し、かつ、 (b) 調査バッファの行aに位置し、座標(x
)及び予備回転角度Aを有する各一般化調査指紋
細部に対し、 1)(x,y)に(x,y)を適合させるのに
必要な移行(x,y)を算出し、 2)(i)予備回転角度A及び(ii)移行(x,
y)に対応する2つの計数手段(第23図の手段13
1)を増分し、 3)計数手段(131)の2つのアレイのおのおのに対
し、必要があれば、最も速く変換を行うために別の計数
手段(第23図の手段135)における最大値とその対
応する「座標成分」(A,X,Y)とを更新し、 4)「実行終了」信号を付勢する。
【0044】「実行終了」信号は、ファイル指紋が処理
されるごとに付勢される。この「実行終了」信号によっ
て、コンピュータが計算手段テーブルに記憶されている
最大値と、その座標成分(Amax,Xmax,Yma
x)とを読み取ることができ、この結果整合スコアを算
出するようになっている。なお、この整合スコアは類似
変換用、即ちわずかに異なる座標成分(A,X,Y)用
の計数手段に記憶されている数値に依存している。ファ
イル指紋バッファ手段83aの全ファイル指紋が処理さ
れると、ファイル指紋バッファ手段83bのデータに対
する調査指紋バッファのデータの整合処理が開始され、
この結果、ファイル指紋バッファ手段83aに新しいフ
ァイル指紋が負荷される等と共に、前述の動作が開始さ
れ実行される。これらの全動作は、第18図によって整
合器の一般的全体像を心に留めるようにすると共に、第
19図ないし第23図を使用することにより、ハードウ
ェア整合器の構成要素に関する以下の説明から理解され
る。
【0045】E−5.ファイル・データ管理ユニットの
説明 第19図を参照すると、ファイル・データ管理ユニット
31は、ランダム・アクセス・メモリーで構成すること
ができ、異なる2つのモードで作動するファイル指紋バ
ッファ手段83a及び83bを備えている。「負荷」制
御線14で駆動されるファイル指紋バッファ手段83b
はデータ線32bを通して負荷される。同時に、「実
行」制御線16で駆動されるファイル指紋バッファ手段
83aは「整合」モードで作動する。図面を明瞭に理解
するために、全信号線は一組がファイル指紋バッファ手
段83a用で、別の一組がファイル指紋バッファ手段8
3b用であるが、これらの信号線は重複して示されてい
ないことに注意すべきである。データの出力がある場
合、この出力は「実行」モードにあるファイル指紋バッ
ファ手段から線路35ないし39に送出される。
【0046】ファイル・データ管理ユニット31の主目
的は、第18図の移行計算ユニット51にファイル指紋
細部の座標成分を与えることにある。換言すれば、この
ユニット31は、制御線16、17、33及び18に応
答する、ファイル指紋データ用のアドレス発生手段であ
る。典型的には、128種の異なるファイル指紋に関す
る細部データは、大容量記憶デバイスから一般化ファイ
ル指紋バッファ手段83aへと負荷される。また制御線
18は、現時点で調査指紋と整合がとられているファイ
ル指紋に関する最初の細部のアドレスを送給するように
機能する。或るファイル指紋細部から次の指紋細部への
処理は計数手段81を増分することによって行われる。
(線路87を通した)増分及び(線路18を通した)開
始アドレスの結果を表わす制御信号は加算手段82に加
えられる。そして、この加算手段82は、一般化ファイ
ル指紋バッファ手段83aにおける現時点の細部のアド
レスを線路88に送出する。
【0047】「増分」線路86上の制御信号によって、
ファイル指紋細部計数手段81はその数値を変える(計
数した数値に対応する信号は線路87に送出され
る。)。また、3本の制御線16、17及び33によっ
て制御信号が論理回路手段80に送給され、更にこの論
理回路手段80によって制御信号が線路に送出される。
制御線16は「実行」線路である。制御線17はハード
ウェア整合器の異なる構成要素で行われる計算を同期さ
せるために使用されるクロック線路である。また制御線
33は、調査データ管理ユニット41の出力を送給する
線路43(第18図参照)から導かれている。更に、こ
の制御線33は現時点の一般化調査細部テーブルが「空
白」数値を含んでいるか否かを示すために使用される。
テーブルが「空白」数値を含んでいれば、このことは、
調査データ管理ユニット41の現時点の行に基づいて、
現時点のファイル指紋細部が一般化調査細部の全ての非
「空白」数値と対照されてきていることを意味してい
る。従って、ファイル指紋細部計数手段81は、制御線
16、17及び33に載っている制御信号が同時に、実
行モード、クロック・パルス及び調査データ管理ユニッ
ト41の行をそれぞれ示す場合に限って増分される。
【0048】ファイル指紋細部計数手段81(第19図
参照)は制御線15に対しても応答する。即ち、この制
御線15は、計数手段を以前の零値にセットするリセッ
ト信号(第19図参照)を送給している。このリセット
機能は現時点のファイル指紋と現時点の調査指紋との整
合をとる前に一度実行されるので、加算手段82の出力
88は零に開始アドレスを加算した数値と等しい。従っ
て、線路88の初期値は現時点のファイル指紋に関する
最初の細部のアドレスに等しい。
【0049】線路88によって示されたアドレスにおけ
るファイル指紋バッファ手段83aの内容は、現時点の
ファイル指紋細部に有益なデータを伝送する線路35、
36、37、38、39及び90にそれぞれ送出され
る。線路35、36及び37は前述した3つの座標成分
(a,x,y)をそれぞれ伝送し、線路38及び
39は「型式」t及び「品質」qをそれぞれ伝送す
る。前記「型式」は、手元の指紋細部が分岐型又はリッ
ジ状終端型の何れかであることを示す2値化情報信号で
あり、前記「品質」は指紋細部の位置している場所での
指紋の明瞭度を表わす数値である。従って、品質は符号
化された細部が真の細部であるか否かの確率に関係して
いる。また、指紋細部の品質を表わす数値は0からNの
範囲にあり、品質「q」が0に等しければ明瞭度が最
も高いことを示す。即ち、qの数値が大きければ大き
い程、対象とされる細部の場所における指紋の明瞭度が
悪くなり、符号化された細部が真即ち実際の細部である
確率が小さくなる。品質を表わす数稙としてN=63を
選定するのが好ましい。この場合、品質情報qは64
種の異なる予想値を有する。
【0050】再び第19図を参照すると、線路19は、
現時点のファイル指紋細部が最後のものであるか否かを
表わすフラグ・ビットを伝送する。(線路90を通し
て)現時点のファイル指紋細部が示されると同時に、
(線路89を通して)調査指紋データから行末が示され
ると、論理回路手段85は線路34を通して「現在実行
終了」信号を制御手段11(第18図参照)へと出力す
る。「実行終了」信号を載せる線路34は、線路89及
び90の制御信号が同時に、行末及び最終ファイル指紋
細部をそれぞれ示すときに限って付勢される。 E−6.調査指紋データ管理ユニットの説明 ここで第20図を参照すると、調査指紋データ管理ユニ
ット41は、第17図を参照して説明したように、一般
化調査指紋バッファ手段103を備えている。また、こ
の一般化調査指紋バッファ手段103は、ランダム・ア
クセス・メモリー手段と、論理回路手段100、101
及びコラム計数手段102を有するアドレス発生手段と
を備えている。このアドレス発生手段は制御線19、2
0及び21、並びにデータ線35(第18図に示したよ
うに、ファイル・データ管理ユニット31の出力を伝送
する)及び内部制御線109によって制御される。
【0051】アドレス発生手段の主目的は、一般化調査
指紋バッファ手段103の行に位置する、全ての一般化
調査指紋細部のアドレスを発生することにある。この
際、行番号は時時点のファイル指紋細部の角度aと等
しい値を有している。この動作はデータ線35によって
送給される角度の植と、全アドレスに関する信号108
を与えるコラム計数手段102の出力107とを組み合
わせることによって行われる。コラム計数手段102
は、ファイル・データ管理ユニット31に組み込まれた
前述のファイル指紋細部計数手段81(第19図参照)
と構造的に類似しており、2つの制御線105、106
に応答する。線路は計数手段102がその出力107に
1を加算するようになす「増分」制御線であり、線路1
06は出力107を零値にする「リセット」制御線であ
る。
【0052】論理回路手段100が制御線19及び20
の信号に応答することによって「増分」線路105が付
勢される。制御線19はファイル・データ管理ユニット
31用の「実行」制御線16と同一の「実行」制御線で
あり、また制御線20は「クロック」制御線である。
「クロック」制御線20はユニット31に関連して前述
した「クロック」制御線17と同一の周期を有してい
る。しかしながら、信号35はファイル・データ管理ユ
ニット31の出力であり、一方制御線19及び20は制
御手段11(第18図参照)から直接に出力信号を伝送
することを考慮すれば、双方のクロック信号の間には遅
延のあることが必要である。また、線路19及び20を
通した制御信号が同時に、実行モード及びクロック・パ
ルスをそれぞれ示すときに限って、コラム計数手段10
2は増分線路105を通して増分される。
【0053】「リセット」線路106は制御線21及び
109の信号を受けた論理回路手段101によって付勢
される。制御線21はユニット31用の制御線15に類
似した「実行開始」制御線である。またこの線路21
は、調査指紋と任意のファイル指紋との間の各比較が行
われる前に、一旦、制御手段11によって付勢される。
線路109は、以下において詳述する「無効数値」検出
手段104によって調査指紋データ管理ユニット41の
内部に生成される制御信号を伝送する。線路109上に
あるこの制御信号は「行末」表示信号である。線路21
及び109を通した制御信号が実行開始又は行末を示す
ときにのみ、コラム計数手段102がリセットされる。
【0054】ファイル指紋細部計数手段81(ファイル
・データ管理ユニット31に使用されている)及びコラ
ム計数手段102(調査データ管理ユニット41に使用
されている)に関する「行末」表示の効果の相違は以下
の通りである。「行末」表示は現時点のファイル指紋細
部が適用可能な整合用の全ての調査指紋細部と比較され
たことを意味している。このため、行末信号は、次のフ
ァイル指紋細部のデータ(a,x,y,t,q)を出力
するためにファィル指紋細部計数手段81増分されなけ
ればならないことを意味している。また行末信号は、一
般化調査指紋バッファ手段103の最初のコラムに対応
するアドレス108を発生するためにコラム計数手段1
02がリセットされなければならないことをも意味して
いる。このようなファィル指紋細部計数手段81の増分
と、コラム計数手段102のリセットとが適宜に応じて
行われることにより、次のファイル指紋細部と、このフ
ァイル指紋細部の角度aと等しい行番号にてバッファ
手段103に含まれる調査指紋データに関する整合が繰
り返されるようになっている。
【0055】線路108の信号によって示されたアドレ
スにおける、一般化調査指紋バッファ手段103の内容
は、現時点の一般化調査指紋細部に有用なデータを伝送
する線路44、45、46、47及び48に出力され
る。線路45及び46は「型式」t及び「品質」q
をそれぞれ伝送する。また線路44は、現時点の一般化
指紋データの新座標成分(x′,y′)を得るため
に調査指紋の基準軸に回転を与える角度の数値Aを伝送
する。移行計算ユニット51(第18図参照)の「ハー
ドウェア」構成を簡単にするために、座標成分
(x′,y′)の代わりにこれらの負数(−
′,−y′)を一般化調査指紋バッファ手段10
3に記憶することができる。記憶された数値はデータ線
47及び48によって伝送される。第18図に示すよう
に、データ線47及び48のデータ信号は、出力線36
及び37によって伝送されるファイル・データ管理ユニ
ット31からのx及びyのデータと共に、移行計算
ユニット51に入力される。データ線45及び46、並
びにユニット31からのデータ線38及び39は、個々
の調査及びファイル指紋細部に関する「型式」及び「品
質」データをそれぞれ伝送し、これらのデータをアドレ
ス・貢献度計算ユニット61a及び61bに加える。ま
た、これらのアドレス・貢献度計算ユニット61a及び
61bには角度Aのデータを伝送するデータ線路44も
接続されている。
【0056】無効数値手段104に関して説明する前
に、次のことを説明しておく。即ち、ベクトルの座標成
分(x,y)がx及びyの値に関する所定の範囲内で記
憶されると、所定の回転が与えられた後、同一ベクトル
の画像の座標成分(x′,y′)はx及びyの値に関す
るより広い範囲で記憶されなければならない。換言すれ
ば、初期の座標成分(x,y)が〔−100,+10
0〕の範囲にあれば、即ち、−100100,−
100100であれば、予備回転後の座標成分
(x′,y′)は〔−100,+100〕の範囲外にあ
り得る。例えば、x=y=+100を選択すると共に、
ベクトルにPI/4だけ予備回転を与えると、x′=1
41,y′=0が得られる。これは極端なケースである
こと、即ち、x及びyが〔−100,+100〕の範囲
にあるとき、予備回転角度が何であろうと、〔−14
1,+141〕の範囲は全ての適用可能な値(x′,
y′)を表わすのに十分であることが論証され得る。1
例を挙げれば、〔−100,+100〕の範囲にある
x,yに対してx′=y′=200をとることは不可能
である。
【0057】データ線36及び37によって伝送される
ファイル指紋の座標成分(x,y)が記憶される範
囲の少なくとも2倍の範囲で、データ線47及び48に
よって伝送される調査指紋細部の座標成分(−x′,
−y′)を記憶することが好ましい。この発明の一実
施例において、256種の異なる数値がとれるようにす
るために、ファイル指紋バッファ手段83a及び83b
中の座標成分は8ビットで記憶することができる。ま
た、512種の異なる数値がとれるようにするために、
一般化調査指紋バッファ手段103のx−y座標成分は
9ビットで記憶することができる。既述したように、5
12種の数値の内で、「不可能」即ち「無効」数値をと
るものである。この特徴は「空白」数値として前に参照
されたものを表示するのに使用される(例えば、前述の
表C及び表D参照)。
【0058】第20図を参照すると、データ線47及び
48は無効数値検出手段104に接続されている。また
この検出手段104の出力43(「行末」表示)は、
(線路33を通して)ファイル・データ管理ユニット3
1と、(線路63を通して)アドレス・貢献度計算ユニ
ット61a及び61bと、(線路109を通して)調査
指紋データ管理ユニット41の論理回路手段101とに
送給される。第20図は実行機能用モードにおける調査
指紋データ管理ユニット41を示していることに注意す
べきである。実行に先立って、一般化調査指紋バッファ
手段103には、調査が開始される前にコンピュータの
記憶手段から送給された調査指紋データが負荷される。
この動作は「負荷」制御線と呼ばれる制御線22を付勢
することによって完遂される。またデータ線42は、一
般化調査指紋バッファ手段103に負荷されるデータを
伝送するために使用される。
【0059】E−7.移行計算ユニットの説明 第21図は4本のデータ入力線と2本のデータ出力線と
を有する2つの加算回路手段110、111を備えた移
行計算ユニット51を示している。2本の入力線36、
37はデータ管理ユニット31(第19図参照)から送
出されたデータ出力を伝送し、また別の2本の入力線4
7及び48は調査データ管理ユニット41(第20図参
照)から送出されたデータ出力を伝送する。特に、デー
タ線36及び37は現時点のファイル指紋細部の座標成
分(x,y)を伝送し、一方データ線47及び48
は現時点の予備回転が与えられ一般化調査指紋細部の負
数(−x′,−y′)を伝送する。調査細部
(x′,y′)をファイル細部(x,y)に重
ね合わせるのに必要な移行は、4本のデータ線の信号を
2つの加算器、即ち、x成分加算回路手段110及びy
成分加算回路手段111にそれぞれ加えることによって
得られる。線路52はx成分加算回路手段110によっ
て演算された、2本の入力線路47及び36の信号に関
する数値の和分xを伝送する。また線路53はy成分加
算回路手段111の出力、即ち、2本の入力線路48及
び37の信号に関する数値の和分yを伝送する。
【0060】これらの演算の際にオーバーフローを回避
するために、出力データ線52及び53によって伝送さ
れるx及びyの値は4つの入力値を記憶するのに用いら
れる範囲よりも広い範囲にある。移行計算ユニット51
において、線路36及び37の信号は典型的には8ビッ
ト範囲(256種の異なる数値がとれる)であり、一方
線路47及び48の信号は9ビット範囲(512種の異
なる数値がとれる)である。換言すれば、出力データ線
52及び53はその信号が10ビット範囲(1024種
の異なる数値がとれる)であるように構成されている。
【0061】E−8.アドレス・貢献度計算ユニットの
説明 第18図は2つの同一のアドレス・貢献度計算ユニット
61a及び61bを示している。これらのユニット61
a及び61bは同一の制御線23、24、62及び63
の諸信号によって駆動され、同一のデータ入力線44、
45、46、52、53、38及び39の諸信号の送給
を受ける。ユニット61a及び61bは制御線64a及
び64bをそれぞれ付勢すると共に、データ線65aな
いし68a及び65bないし68bをそれぞれ4本ずつ
付勢する。また、これらのデータ線65aないし68a
及び65bないし68bは、以下において詳述する計数
テーブル管理ユニット71a及び71bのそれぞれの入
力線である。これらのアドレス・貢献度計算ユニット6
1a及び61bには、計数テーブル管理ユニット71a
及び71bがそれぞれ割り合てられている。ユニット6
1a及び61bの入力線は同一の入力信号を有している
が、これに反してユニット61a及び61bから導かれ
ている同一の出力線は以下において詳述する理由から異
なる出力信号を有している。
【0062】ここで第22図を参照すると、2つのユニ
ット61a及び61bのうちの一方が示されている。フ
ァイル及び調査指紋細部の座標成分を記憶するために所
定の範囲が用いられることから、移行計算ユニット51
によって出力され得る異なった移行に関する信号は極め
て広いビット範囲にある。ユニット61aの目的の1つ
は、関連する計数テーブル管理ユニット71aにおいて
要求される計数器の数を減らすために、予備回転角度の
数値A及び移行の数値(X,Y)を比較的狭い範囲に投
影してなすことにある。この操作はX成分用の移行テー
ブル手段120及びy成分用の移行テーブル手段121
を使用することによって達成される。また、これらの移
行テーブル手段120、121の内容はPROM(プロ
グラム可能読み出し専用メモリー)に記憶することがで
きる。
【0063】X成分テーブル手段120の入力側には2
本の入力線、即ち、移行計算ユニット51の出力であ
る、現時点のファイル及び調査指紋細部に関する移行の
X成分を伝送するデータ線52と、「xyモード」信号
である、制御手段11によって出力信号を伝送するデー
タ線24とがつながれている。この「xy」モード信号
によって、X成分移行テーブル120に記憶されている
異なった機能が選択される。こういった機能には、デー
タ線65aによって伝送される出力値xを記憶するため
に用いられるビット数(予め定められた数値内にあ
る)。選択が含まれている。ビット数としては典型的に
は16又は32種の異なる数値がとれる4又は5ビット
が選択される。こういった機能には、この外に、入力値
に無効であるものがあるか否か、即ち、移行のx成分の
指紋画像の2分の1サイズよりも大きいか否かを確定す
る機能も含まれている。この「オーバーフロー」を表わ
す信号は「x成分オーバーフロー」信号線125によっ
て伝送される。
【0064】Y成分テーブル手段121はX成分テーブ
ル手段120と同一の構成及び同一の動作方式を有して
いる。このY成分テーブル手段121の入力側には、
「xyモード」信号線24と、移行計算ユニット51か
ら送出されたY成分出力を伝送する線路53とがつなが
れている。これらのxyモード信号及びY成分出力信号
が入力されると、Y成分テーブル手段121は移行用の
2次座標成分yを生成する。この2次座標成分yはデー
タ線66a及び「y成分オーバーフロー」信号線126
によって伝送される。
【0065】「A」成分テーブル手段122はX成分テ
ーブル手段120及びY成分テーブル手段121と極め
て類似している。このA成分テーブル手段122は、テ
ーブル線44によって伝送される数値Aに関する信号
と、制御線23によって伝送される「aモード」に関す
る信号とを受けて、予備回転角度「a」(「a」=
)に関する信号をデータ線67に出力する。この
「aモード」信号線23の信号によって、32又は64
種の異なる数値がとれる5又は6ビットで以って角度が
表わされる。また、無効予備回転角度に対応する一般化
指紋細部は一般化調査指紋バッファ手段103には記憶
されないので、A成分テーブル手段122には「オーバ
ーフロー」信号線が設けられていない。整合器の動作速
度を上げるために、むしろ、前述のような一般化指紋細
部は「空白」数値によって置換されて、無用な比較処理
を回避するようにしている。
【0066】無効な移行を考慮しない目的で、ユニット
61aは、2本の外部制御線62及び63と、2本の内
部制御線125及び126との入力を受けて論理回路手
段124が生成する「無効数値」信号を信号線64aに
出力する。第18図を参照すると、調査指紋データ管理
ユニット41から「行末」信号が線路63に送出され
る。この信号は現時点の一般化調査指紋細部のデータが
「空白」数値、即ち、無効データであることを示してい
る。線路62には、ファイル・データ管理ユニット31
によって生成された「実行終了」信号が送出される。ま
た線路125及び126には、移行テーブル手段120
及び121から「オーバーフロー」信号が送出される。
線路62、63、125、及び126の制41信号が実
行終了、行末、x成分オーバーフロー又はy成分オーバ
ーフローを示す場合にのみ、論理回路手段124は「無
効数値」信号を信号線64aに送出することができる。
【0067】第22図は、現時点の予備回転及び移行に
関する信号を伝送する線路65a、66a及び67aの
外に、別の出力線68aを付勢するユニット61aを示
している。この線路68aは、「C」で表わされ、現時
点の予備回転及び移行に関連した貢献度に関する信号を
伝送する。この貢献度信号は、データ入力線45、4
6、38及び39によって伝送される数値に応じ、
「C」成分テーブル手段123によって出力される。線
路45及び46は調査指紋データ管理ユニット41によ
る出力を受けて、現時点の調査指紋細部の「型式」及び
「品質」に関する情報を伝送する。また線路38及び3
9はファイル・データ管理ユニット31による出力を受
けて、現時点のファイル指紋細部の「型式」及び「品
質」に関する情報を伝送する。
【0068】オーバー・インキング又はアンダー・イン
キングにより同一指紋の細部の型式が刷り相互間で変化
し得ることが指紋技術によって周知である。しかしなが
ら、同一指紋の殆んどの細部は或る刷りから次の刷りの
相互間でそれらの型式を維持する。従って、2つの細部
が位置、角度及び型式に関して整合するとき、それらが
同一であるという確率はそれらが位置及び角度に対して
のみ整合する場合の確率よりも大きいということがいえ
る。このため、「C」成分テーブル手段123は、同一
型式を有する2つの細部の「貢献度」が異なる型式を有
する2つの細部の「貢献度」よりも大きくなるようにデ
ータを記憶している。同様にして、2つの細部の一方が
良い「品質」であるとき、「貢献度」にはボーナス値が
与えられる。双方の細部と、も品質が悪いとき、ボーナ
スはない。
【0069】前に詳細に説明したように、品質は0から
Nの範囲にある数値によって表わされる。好ましい実施
例においては、N=63であり、指紋細部は関連する品
質数値がq7であるとき良品質の細部であると考慮さ
孔る。従って、q及びqが現時点の調査指紋細部及
び現時点のファイル指紋細部のそれぞれの品質の数値を
表わすとすれば、良品質のボーナス値は、良品質に対し
てボーナス値を加算する方式の次の規則に従って算出さ
れる。
【0070】(1)q<8又はq<8のとき、ボー
ナス値は1、(2)q 8又はq 8のとき、ボー
ナス値は0。要約すると、「C」成分テーブル手段12
3は、貢献度「C」が標準値(例えば5)にボーナス値
を加算した数値に等しく、例えあるとしても共通型式値
(例えば1)にボーナス値を加算した数値に、またある
としても良品質値(例えば1)に等しくなるように構成
され、配置されている。 E−9.計数テーブル管理ユニット(第18図のユニッ
ト71a、71b)の説明
【0071】第23図に示す計数テーブル管理ユニット
71の目的は、所定の予備回転に関連して、調査指紋細
部とファイル指紋細部とを最も迅速に整合させるように
移行に迅速なアクセスを与えることにある。従って、ユ
ニット71は一つの調査指紋細部と一つのファイル指紋
細部とからなる各対が処理された後に、2つのテーブル
の内容を更新する。前記2つのテーブルは計数テーブル
手段131と、ランダム・アクセス・メモリーを備えた
「最大」テーブル手段135とを指している。
【0072】計数テーブル管理手段131は、例えば、
予備回転や移行をなすおのおのの異なった変換用の計数
回路手段を備えている。また、予備回転及び移行は、前
述したように3成分(x,y,a)で表わされ、これら
のデータは関連するアドレス・貢献度計数ユニットから
出力されてデータ線65、66及び67を通して送給さ
れてくる。「最大」テーブル手段135は、既に処理さ
れた調査細部とファイル細部の全ての対に関するデータ
を記憶している計数テーブル手段131の現時点の最大
内容に係るデータを含んでいる。従って、「最大」テー
ブル手段135は実行終了時において計数テーブル手段
131の最大内容に関するデータを記憶している。
【0073】計数テーブル手段131は、異なる機能用
モードに応じ、3本の異なる制御線27、28及び13
6によって駆動される。制御線28は全ての異なる計数
回路手段に初期値零を設定させる「リセット」線であ
る。またこの制御線28は実行開始に先立って、一旦付
勢される。制御線27は実行終了後に使用される「読み
出し」線である。この制御線27を使用することによっ
て、整合スコアを算出するために、コンピュータがデー
タ線72を通して計数テーブル手段131の内容を読み
取るようにすることができる。制御線136は制御線2
5、26及び64上の制御信号に応答して論理回路手段
130が機能することによって付勢される「使用可能更
新」線である。線路25及び26は制御手段11(第1
8図参照)によって付勢され、それぞれ「実行」線及び
「クロック」線を構成している。これらの線路25及び
26は、ファイル・データ管理ユニット31(第19図
参照)及び調査指紋データ管理ユニット41(第20図
参照)に関して既に説明した「実行」線及び「クロッ
ク」線とそれぞれ同一である。更に線路64は関連する
アドレス・貢献度計算ユニット61a、61b(第18
図参照)の出力を伝送し、入力線65、66及び67に
よって運ばれたデータが有効であるか否かを示す。更に
また、制御線25、26及び64上の制御信号が同時に
実行モード、クロック・パルス及び有効データを示す場
合にのみ、制御線136は計数テーブル手段131の内
容を更新することができる。
【0074】実行モードにおいて、計数テーブル手段1
31は3成分(x,y,a)に関連したこの計数手段の
現時点の内容を「データ出力」線139に出力する。こ
の動作はこれら3成分の数値を組み合わせると共に、こ
れらの数値を計数テーブル手段131のアドレスとして
みなすことによって行われる。加算回路手段132は、
線路139上の現時点の計数手段出力と、データ線68
によって伝送された現時点の貢献度「C」との和分を算
出してこれを出力線140に出力するために使用され
る。この和分信号出力線140は、計数テーブル手段1
31の「データ入力」線である線路141に分岐され
る。制御線136が付勢されれば、現時点の計数手段の
内容は線路141によって伝送された数植で更新され
る。
【0075】加算器132の出力は線路140を通して
比較回路手段133に加えられる。この比較回路手段1
33はまた、線路146を通して「最大」テーブル手段
136に記憶されている現時点の最大値を受信する。比
較回路手段133の出力信号、及び計数テーブル手段1
31の更新を制御する「使用可能更新」線136の分岐
信号は、それぞれ線路147及び137を通して論理回
路手段134に加えられ、この結果、「最大」テーブル
手段135によってのみ使用される別の「使用可能更
新」信号が生成される。線路137及び147上の制御
信号が同時に、計数テーブル手段131の更新可能、及
び比較器133の入力線140によって伝送された数値
が入力線146によって伝送された数値より大きいこと
を示す場合に限って、「最大」テーブル手段135の更
新が可能となる。「使用可能更新」線148が付勢され
ると、最大テーブル手段135を構成する4つのメモリ
ー・セルは、加算回路手段132の出力線140から分
岐した線路142(計数テーブル手段131の最大内容
に関する新数値を伝送する)、並びに入力データ線6
5、66及び67からそれぞれ分岐した線路143、1
44及び145{現時点の予備回転及び移行を示す3成
分(x,y,a)を伝送する}によってそれぞれ伝送さ
れたデータで以って、同時に更新される。
【0076】「最大」テーブル手段135は制御線13
8及び29にも応答する。制御線138は計数テーブル
手段131用の「リセット」制御線28から分岐した
「リセット」制御線である。即ち、この制御線138は
「最大」テーブル手段135に記憶されている全てのデ
ータを再初期化して零にするために使用される。また制
御線29は4本のデータ線731ないし734を通して
コンピュータ(第3図参照)に「最大」テーブル手段1
35の内容を読み取らせる「読み出し」制御線である。
便宜上、4本のデータ線731、732、733、73
4の一組ずつが組み合わされて、第18図に示した2本
の単一出力データ線73a、73bをそれぞれ構成して
いる。前述したように、第18図に示した整合器には2
つのアドレス・貢献度計算ユニット61a及び61b並
びに2つの計数テーブル管理ユニット71a及び71b
が設けられている。この構成は、計数テーブル管理ユニ
ットで使用するために符号化される予備回転及び移行が
もたらす潜在的に望ましく、ない効果を回避するための
ものである。
【0077】座標成分(A,X,Y)は広いビット範囲
から比較的狭いビット範囲に投影されることを思い起こ
すべきである。連続関数をサンプリングするとき、即ち
関数値を限定された数を有する異なる変数値として利用
するとき、取り出された数値の数が少なければ少ない
程、限定された数を有する数値から演繹し得る情報量が
少なくなることが知られている。更に、第24図はサン
プリングされる関数から取り出された数値の密度に関す
る分析結果を示している。所定の関数から取り出された
数植は小さな縦棒で示されており、これらの縦棒はマー
クとして見放される。これらの数値を10個の等価セル
に投影して、全体的に「映像A」として見放すと、セル
1は1個のマークを含み、セル2は空白で、セル3は3
個のマークを含んでいる等がわかる。マークが多く印さ
れているセルを選択することによって対象とする関数の
密度を評価するとすれば、セル3、4及び6はそれぞれ
3個のマークを含んでおり、最高密度を有するセルの候
補である。しかしながら、セル3及び4に印されたマー
クの密度はセル6に印されたマークの密度よりも高い。
その上、真の累積箇所、即ち最高密度を与える箇所は2
つのセル3及び4の間の境界部に片寄っている。
【0078】この密度評価方式は以下に示すわずかに異
なる規則を使用することによって修正することができ
る。即ち、「映像B」として示すように真の数値を比較
的狭い範囲に投影し、「映像A」と「映像B」とを比較
してみると、後者のセルは1個のセルの2分の1幅に等
しい量だけ右側に移行されていることがわかる。この結
果、10個のセルの中味は完全に変換されており、特
に、セル3は6個のマークを含んでいる。このことはマ
ーク密度に関しより優れた表示を与えている。映像A及
びBにおいてマークを多く含むセルの中味を簡単に比較
してみると、後者が最良の密度表示を与えることがわか
る。
【0079】3つの独立した座標成分(A,X,Y)は
この発明の整合技術で投影されるので、前述した効果を
そのまま考慮しようとすると、2×2×2(=2)即
ち8つの異なる計数テーブル手段131を設けなければ
ならない。しかしながら、この改良から得られる利益
と、実用に倍するのに要されるハードウェアのコストと
の間に妥協のあることを見い出した。そして実験から、
2つの異なる計数テーブル手段131だけを使用するこ
とによって妥協点が満たされることがわかった。更に、
3つの全座標成分をその座標成分に関するセマの2分の
1サイズに等しい量だけ同時に移行させることによっ
て、2番目の計数テーブル手段を最初の計数テーブル手
段から導くことができる。従って、アドレス・貢献度計
算ユニット61a及び61bから引かれている諸出力線
(制御線64及びデータ線65ないし68)は必ずしも
同一の情報を伝送するものではない。実際、これらの出
力線は同一情報を伝送しないことが有利であることを見
い出した。例えば、一方のユニットでオーバーフローが
生じることがあっても他方のユニットでは生じ得ない、
このことは第24図からわかるように、映像Aのセル1
に印されているマークは映像Bにおいてオーバーフロー
する。また前述したように、ユニット61a及び61b
のこの外の全制御線(線路23、24、62及び63)
はこれらの2つのユニットに共通である。
【0080】前述したように、第2図の整合器は整合ス
コアを算出することがその一機能である汎用コンピュー
タ(第3図参照)を組み込んでいる。一般に、好ましい
整合スコアには、比較される2つの指紋細部(一方は調
査指紋細部で、他方はファイル指紋細部)の貢献度、即
ち、計数手段131を増分させる品質と、スコア機能自
身、即ち、所定の少なくとも1つのまた好ましくは複数
の計数テーブル手段131の特性とが考慮されている。
特殊整合スコア機能は、調査指紋とファイル指紋とが同
一人物の指紋であるとき、できる限り大きな数値を算出
しなければならない。
【0081】ここで、関数f(n)を使用することとす
る。「n」は、第25図は表示するように、ファイル指
紋細部の数である。第25図に示すように、1
0の範囲ではf(n)=1.3で、50110の
範囲ではf(n)=1+(80−n)/100で、また
110112ではf(n)=0.7である。ファ
イル指紋に対して調査指紋をそれぞれ比較する場合、最
良の最大値を与える計数テーブル手段131a、131
bのどちらでも選択して、その選択した計数テーブル手
段131a:131bの最大内容の26個のセルから整
合スコアを算出すればよい。「b」が26個の補助セル
における最大値を表わし、「d」が2番目に大きい数値
を表わすとすれば、整合スコア「M」は次式から算出さ
れる。 M=(b+d)×(W)×(f(n)) 式中、Wは26個の補助セルの値に関する2乗和を表わ
している。
【0082】E−10.結論 この発明に従って構成された自動指紋同定システムに係
る特別な実施例に組み込まれ、第18図ないし第23図
を参照して説明した特殊回路構成は、個別構成要素、即
ち集積回路を使用して有益に構成することができる。次
の表はこういった構成部品を載せたものである。
【0083】
【0084】図面を参照して説明した論理ユニットは全
て、標準TTL又はPAL構成部品を備えている。以
上、この発明による新規な自動指紋同定方法と、指紋の
自動的同定に要求される諸機能を備えた新規な装置とを
詳細に説明した。この発明の特別な実施例について説明
したが、添付した特許請求の範囲の諸項の範囲内におい
て、処理上及び構成上の細部の変更、例えば、「正」論
理回路の代わりに「負」論理回路を使用する等を行うこ
とができ、またこういった変更が予測される。従って、
この発明はここに紹介した概要、即ち厳密な開示の内容
に限定されるものではない。
【0085】〔発明の効果〕以上、説明したように、本
発明によれば、指紋細部に関して品質因子及び型式因子
等を考慮するようにしているので、例えば、10指紋記
録カード等の比較的品質が良い指紋は勿論、現場指紋の
ように品質が悪い指紋に対しても得られた整合スコアに
基づいて自動的同定を有効に行うことができる。また、
指紋細部に関して擬似細部を形成して実質的に複製を行
い、これらを指紋細部の集合に組み込むようにしている
ので、符号化の際のエラーを最小化することができる。
更に調査指紋の細部を位置決めされているファイル指紋
の細部のみを、それらの整合に関連した全ての座標成分
に関して比較を行うようにしているので、整合処理時の
計算日数を大幅に低減することができ、このため同定の
効率化を図ることができる。更にまた、装置の観点から
すれば、高信頼性を有する自動同定装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって構成された自動指紋同定システ
ムの一般的態様を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムに組み込まれている整合サブシ
ステムの一般的態様を示すブロック図である。
【図3】図2のサブシステムに組み込まれている整合器
の一般的態様を示すブロック図である。
【図4】分岐型指紋細部の3座標成分を説明するグラフ
図である。
【図5】リッジ状終端型指紋細部の3座標成分を説明す
るグラフ図である。
【図6】任意座標系に関して、5つの調査指紋細部を示
すグラフ図である。
【図7】別の任意の座標系に関して、図6に示した5つ
の調査指紋細部にそれぞれ対応する5つのファイル指紋
細部を示すグラフ図である。
【図8】図6に示した調査指紋細部に関して基準軸を角
度PI/6だけ回転させた状態を示すグラフ図である。
【図9】図6に示した調査指紋細部に関して基準軸を角
度PI/4だけ回転させた状態を示すグラフ図である。
【図10】図8に示したようにPI/6回転を与えた調
査指紋細部にファイル指紋細部を重ね合わせた状態を示
すグラフ図である。
【図11】図9に示したようにPI/4回転を与えた調
査指紋細部にファイル指紋細部を重ね合わせた状態を示
すグラフ図である。
【図12】本発明による予備回転角度の符号化方法を示
すグラフ図である。
【図13】符号化された調査指紋細部に適用された予備
回転角度に関して許容範囲「t」を取り入れた場合、本
発明によって調査指紋細部S及びSに関しデータを
配置した状態を示す等価的表示線図である。
【図14】符号化された調査指紋細部に適用された予備
回転角度に関して許容範囲「t」を取り入れた場合、本
発明によって調査指紋細部S及びSに関しデータを
配置した状態を示す等価的表示線図である。
【図15】許容範囲「t」を取り入れた場合、本発明に
よって2つの異なる調査指紋細部S及びSに関しデ
ータを配置した好ましい状態を示す等価的表示線図であ
る。
【図16】本発明による疑似指紋細部の形成を示すグラ
フ図である。
【図17】図15又は表Aないし表Dに関し、もしある
なら図16による疑似指紋細部の形成後におけるデータ
配置を使用して、本発明によって構成された一般化調査
バッファの態様を示す線図である。
【図18】図3において示し、本発明により構成された
ハードウェア整合器の好ましい実施例を示すブロック図
である。
【図19】図18において示し、本発明によって構成さ
れたファイル・テーブル管理ユニットの好ましい実施例
を示すブロック図である。
【図20】図18において示し、本発明によって構成さ
れた調査データ管理ユニットの好ましい実施例を示すブ
ロック図である。
【図21】図18において示し、本発明によって構成さ
れた移行計算ユニットの好ましい実施例を示すブロック
図である。
【図22】図18において示し、本発明によって構成さ
れたアドレス・貢献度計算ユニットの好ましい実施例を
示すブロック図である。
【図23】図18において示し、本発明によって構成さ
れた計数テーブル管理ユニットの好ましい実施例を示す
ブロック図である。
【図24】本発明による、指紋細部の整合結果に関する
より好ましい投影を示すと共に、連続関数のサンプリン
グの影響を説明するのに役立って、最高の点密度を決定
するようにした線図である。
【図25】整合スコアを算出するために使用される本発
明による関数「f(n)」を示すグラフ図である。
【符号の説明】
11 制御手段 31 ファイル・データ管理ユニット 41 調査データ管理ユニット 51 移行計算ユニット 61a、61b アドレス・貢献度計算ユニット 71a、71b 計数テーブル管理ユニット 80、85、100、101、124、130、134
論理回路手段 81 ファイル指紋細部計数手段 82、132 加算回路手段 83a、83b 一般化ファイル指紋バッファ手段 102 コラム計数手段 103 一般化調査指紋バッファ手段 104 無効数値検出手段 110 X成分加算回路手段 111 Y成分加算回路手段 120 X成分移行テーブル手段 121 Y成分移行テーブル手段 122 A成分移行テーブル手段 123 C成分移行テーブル手段 131 計数テーブル手段 133 比較回路手段 135 最大テーブル手段
フロントページの続き (72)発明者 ダニエル ヴァシー フランス国 77780 ブロン マルロッ ト リュー ミュルジェ 2 (72)発明者 ミッシェル ランシ フランス国 77250 モレ スュール ロワン エキュール リュー ジョルジ ュ ヴィレット 44 (72)発明者 パトリック ロンジェピエール フランス国 77210 アーヴォン レジ ダンス ベルナール ペリシー5 (72)発明者 ベルナール ディディエール フランス国 77850 エリシー リュー ド パトゥイレット 25 (56)参考文献 特表 昭57−501933(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指紋のデータベースに記録されている複
    数のファイル指紋の細部に関する位置及び角度の座標成
    分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそれぞれの位置
    及び角度の座標成分に関して整合させて、前記調査指紋
    と1つ以上の前記ファイル指紋との間で整合がとれるか
    否かを確定するようにする指紋の自動同定方法におい
    て、 (1)前記調査指紋の複数の細部に対し、予備回転角度
    の全範囲に亘ってそれぞれの位置及び角度の座標成分を
    別々に算出することにより、前記調査指紋細部におのお
    のに関する複数のベクトル像を得る段階と、 (2)前記複数のベクトル像のうち、予備回転後に、比
    較されるべき前記ファイル指紋細部の角度と等しくなる
    角度を有するベクトル像に対してのみ、前記複数のファ
    イル指紋において予め選定された数を有するファイル指
    紋の複数の細部を別々に比較する段階と、 (3)少なくとも1つの調査指紋細部を、対応する少な
    くとも1つの位置及び角度の座標成分を変えることによ
    って実質的に複製し、これにより少なくとも1つの前記
    座標成分において前記調査指紋細部とは異なる少なくと
    も1つの疑似細部を得る段階と、 (4)前記疑似細部を、前記ファイル指紋の細部に対し
    て比較される調査指紋細部の集合に含める段階、を具備
    することを特徴とする指紋の自動同定方法。
  2. 【請求項2】 前記調査指紋の細部を複製する段階は、
    2つの位置座標成分を変えることを含んでなる請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記調査指紋の細部を複製する段階は、
    座標の角度成分を変えることを含んでなる請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 前記調査指紋の細部を複製する段階は、
    位置及び角度の座標成分のおのおのを変えることを含ん
    でなる請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記調査指紋の細部を複製する段階は、
    前記調査指紋の少なくとも1つの細部に関して複数回適
    用されて、複数の細部を生成するようにしてなる請求項
    1ないし請求項4の何れか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 指紋のデータベースに記録されている複
    数のファイル指紋の細部に関する位置及び角度の座標成
    分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそれぞれの位置
    及び角度の座標成分に関して整合させて、前記調査指紋
    と1つ以上の前記ファイル指紋との間の整合の度合いを
    示す整合スコアを得るようにした指紋の自動同定方法に
    おいて、 (1)前記調査指紋の複数の細部に対し、予備回転角度
    の全範囲に亘ってそれぞれの位置及び角度の座標成分を
    別々に算出することにより、前記調査指紋細部のおのお
    のに関する複数のベクトル像を得る段階と、 (2)前記調査指紋における少なくとも1つの細部に対
    し、リッジ状終端又は分岐のうちの何れかであることを
    別々に同定する段階と、 (3)各前記ファイル指紋における少なくとも1つの細
    部に対し、リッジ状終端又は分岐のうちの何れかである
    ことを別々に同定する段階と、 (4)前記複数のベクトル像のうち、予備回転後に、比
    較されるべき前記ファイル指紋細部の角度と等しくなる
    角度を有するベクトル像に対してのみ、前記複数のファ
    イル指紋において予め選定された数を有するファイル指
    紋の複数の細部を別々に比較する段階と、 (5)前記調査指紋と比較される各ファイル指紋に対し
    て、ファイル指紋細部及び比較されるべき調査指紋細部
    からなるそれぞれの対がリッジ状終端対か又は分岐対の
    うちの何れかとして同定されるかに関係した所定量だ
    け、前記整合スコアを増分する段階と、を具備すること
    を特徴とする指紋の自動同定方法。
  7. 【請求項7】 (1)ファイル指紋の細部の少なくとも
    1つ又はこれと比較されるべき調査指紋の細部に、その
    細部の品質を示す数値を割り当てる段階と、 (2)調査指紋細部とファイル指紋細部との少なくとも
    1回の比較に対して、双方の細部が予め選定された数個
    の品質因子を有するとき、所定量だけ前記整合スコアを
    増分する段階と、を更に具備している請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 (1)ファイル指紋の細部の少なくとも
    1つ又はこれと比較されるべき調査指紋の細部に、その
    細部の品質を示す数値を割り当てる段階と、 (2)調査指紋細部とファイル指紋細部との少なくとも
    1回の比較に対して、調査指紋細部の品質及びファイル
    指紋細部の品質の双方に応じた量だけ、前記整合スコア
    を増分する段階と、を更に具備している請求項6に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 指紋のデータベースに記録されている複
    数のファイル指紋の細部に関する位置及び角度の座標成
    分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそれぞれの位置
    及び角度の座標成分に関して整合させて、前記調査指紋
    と1つ以上の前記ファイル指紋との間の整合の度合いを
    示す整合スコアを得るようにした指紋の自動同定方法に
    おいて、 (1)前記調査指紋の複数の細部に対し、予備回転角度
    の全範囲に亘ってそれぞれの位置及び角度の座標成分を
    別々に算出することにより、前記調査指紋細部のおのお
    のに関する複数のベクトル像を得る段階と、 (2)ファイル指紋の細部の少なくとも1つ又はこれと
    比較されるべき調査指紋の細部に、その細部の品質を示
    す数値を割り当てる段階と、 (3)前記複数のベクトル像のうち、予備回転後に、比
    較されるべき前記ファイル指紋細部の角度と等しくなる
    角度を有するベクトル像に対してのみ、前記複数のファ
    イル指紋にて予め選定された数を有するファイル指紋の
    複数の細部を別々に比較する段階と、 (4)前記調査指紋と比較される各ファイル指紋に対し
    て、ファイル指紋又は比較されるべき調査指紋のうちの
    何れかが予め選定された数値の品質因子を有するかに関
    係した所定量だけ、前記整合スコアを増分する段階と、
    を具備することを特徴とする指紋の自動同定方法。
  10. 【請求項10】 指紋のデータベースに記録されている
    複数のファイル指紋の細部に関する位置及び角度の座標
    成分に対し、同定すべき調査指紋の細部をそれぞれの位
    置及び角度の座標成分に関して整合させて、前記調査指
    紋と1つ以上の前記ファイル指紋との間の整合の度合い
    を示す整合スコアを得るようにした指紋の自動同定方法
    において、 (1)前記調査指紋の複数の細部に対し、予備回転角度
    の全範囲に亘ってそれぞれの位置及び角度の座標成分を
    別々に算出することにより、前記調査指紋細部のおのお
    のに関する複数のベクトル像を得る段階と、 (2)ファイル指紋の細部の少なくとも1つ又はこれと
    比較されるべき調査指紋の細部に、その細部の品質を示
    す数値を割り当てる段階と、 (3)前記複数のベクトル像のうち、予備回転後に、比
    較されるべき前記ファイル指紋細部の角度と等しくなる
    角度を有するベクトル像に対してのみ、前記複数のファ
    イル指紋にて予め選定された数を有するファイル指紋の
    複数の細部を別々に比較する段階と、 (4)前記調査指紋と比較される各ファイル指紋に対し
    て、調査指紋細部の品質及びファイル指紋細部の品質の
    双方に応じた所定量だけ、前記整合スコアを増分する段
    階と、を具備することを特徴とする指紋の自動同定方
    法。
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