JP2999141B2 - 遮水シート展張装置とそれを用いた遮水シート展張方法 - Google Patents

遮水シート展張装置とそれを用いた遮水シート展張方法

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JP2999141B2 JP7210764A JP21076495A JP2999141B2 JP 2999141 B2 JP2999141 B2 JP 2999141B2 JP 7210764 A JP7210764 A JP 7210764A JP 21076495 A JP21076495 A JP 21076495A JP 2999141 B2 JP2999141 B2 JP 2999141B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば巨大な
穴を掘って産業廃棄物の最終処分場を造成する際や、あ
るいは河川や池等の護岸工事、崖の補強工事、さらには
住宅地の造成工事等において、急角度の法面に、遮水シ
ートを展張するための、新規な遮水シート展張装置と、
それを用いた遮水シート展張方法とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば巨大な穴を掘って産業廃棄物の
最終処分場を造成する際には、穴中に投棄される産業廃
棄物から有害物質が流出して、それが周囲の土壌や地下
水等を汚染するのを防止すべく、上記穴の全面に、高密
度ポリエチレンシートやゴムシート等の遮水シートを展
張する必要がある。
【0003】また、河川や池等の護岸工事、崖の補強工
事、住宅地の造成工事等においては、コンクリートブロ
ック壁や石垣等の恒久的な被覆処理を施す前の、一時的
な崩落防止等のために、法面に、ビニルシート等の遮水
シートが展張される。従来、上記のような遮水シートの
展張は、手作業で行われていた。すなわち数人の作業員
が、ロール状に巻回された遮水シートを人力によって繰
り出し、所定の長さに切断した後、これを再びロール状
に巻回して、展張場所まで運搬して展張していたのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】たとえば産業廃棄物の
最終処分場においては、穴の底等の平坦な場所であれ
ば、上記のような手作業での遮水シートの展張は比較的
容易であるが、底の周囲の法面は、産業廃棄物の収容量
のこともあって、人が登るのが容易でない程の急角度に
なっており、そこへ、大きく重い遮水シートを手作業で
展張するのは、決して容易ではなく、多くの人数と時間
を要し、効率的でなかった。
【0005】また、池や川の堤防の法面、崖や造成地の
法面等も、人が登るのが容易でない程の急角度になって
いることが多いので、上記と同様に展張作業が容易でな
く、効率的でなかった。この発明の目的は、上記のよう
な急角度の法面等に、遮水シートを展張する作業を機械
化して、作業の効率化をはかることができる、新規な遮
水シート展張装置と、それを用いた効率的な遮水シート
展張方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の遮水シート展張装置は、遮水シートに連
結したシート展張用ロープを巻き上げるための巻上機
と、巻上機によるシート展張用ロープの巻き上げの際
に、当該シート展張用ロープに連結された遮水シート
を、上記法面等に沿わせて引き上げて展張すべく、上記
シート展張用ロープを支持するアームと、ロール状に巻
回された遮水シートを、巻上機によるシート展張用ロー
プの巻き上げに合わせて繰り出す繰り出し機とが、移動
可能な台車上に配設されたことを特徴としている。
た、この発明の遮水シート展張方法は、上記本発明の遮
水シート展張装置を用いて、遮水シートを法面に展張す
る方法であって、上記装置を法面下に配置し、そのアー
ムを、法面と同方向に傾斜させた状態で、繰り出し機上
に載置された遮水シートの繰り出し端に連結したシート
展張用ロープを、上記アームの先端を廻して、巻上機に
よって巻き上げるとともに、遮水シートを、この巻き上
げに合わせて繰り出し機から繰り出すことにより、当該
遮水シートを、法面に沿わせて引き上げて展張すること
を特徴としている。
【0007】上記構成からなる、この発明の遮水シート
展張装置、およびそれを用いたこの発明の遮水シート展
張方法によれば、遮水シートの供給から、急角度の法面
等に遮水シートを展張するまでの作業を機械化でき、そ
の効率化をはかることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、まずこの発明の遮水シー
ト展張装置を、その実施の形態の一例を示す図1、図2
を参照しつつ説明する。図の例の遮水シート展張装置
は、遮水シートSに連結したシート展張用ロープLを巻
き上げるための巻上機1と、この巻上機1によるシート
展張用ロープLの巻き上げの際に、当該シート展張用ロ
ープLに連結された遮水シートSを、法面Bに沿わせて
引き上げて展張すべく、上記シート展張用ロープLを支
持するアーム2と、ロール状に巻回された遮水シートS
を、巻上機1によるシート展張用ロープLの巻き上げに
合わせて繰り出す繰り出し機3とを、自走式の台車4
の、基台42上に搭載したものである。
【0009】上記のうち巻上機1とアーム2は、基台4
2上に設けたやぐら42a上に配置されており、このう
ち巻上機1としては、手動式、電動式、あるいは内燃動
力式の、通常の巻上機が使用される。またアーム2は、
上記やぐら42aに対して、軸21を中心として回動自
在に取り付けられた本体22と、上記軸21、および本
体22の先端の軸23に対して、それぞれ回転自在に配
置されたプーリP1,P2とを備えている。
【0010】そしてアーム2は、図1に示すように、上
記本体22を、軸23を中心として回動させて法面Bと
同方向に傾斜させるとともに、上記傾斜の前方側である
法面B側で遮水シートSに連結したシート展張用ロープ
Lを、プーリP2,P1によって支持しつつ、本体22
の先端を廻して傾斜の後方に配置した巻上機1によって
巻き上げることで、上記遮水シートSを法面Bに沿わせ
て引き上げて展張すように構成されている。
【0011】また上記アーム2の本体22は、その長さ
がおよそ15〜30mに達するので、上記展張作業の際
に、自身やあるいは遮水シートS等の重みによって先端
が下方へ垂れ下がるのを防止すべく、その先端に、上記
軸23を中心として、アーム支持体24が回動自在に取
り付けられており、このアーム支持体24の先端に回転
自在に設けたタイヤTを、たとえば図1に示すように、
遮水シートSを展張する法面Bの上の法面B′等に当接
させることで、本体22の先端が下支えされるようにな
っている。
【0012】なおアーム支持体24の先端に回転自在の
タイヤTを設けたのは、台車4が移動したさいに、アー
ム支持体24による、本体22の下支えを維持するため
である。つまり台車4が移動すれば、アーム支持体24
も、上記タイヤTの回転によて台車4に追従するため、
本体22の下支えが維持される。上記の構成によれば、
アーム2の本体22自体をより頑丈な構造として、先端
の垂れ下がりを防止する場合に比べて、アーム2の全体
を軽量化できるという利点がある。
【0013】繰り出し機3は、上記アーム2の本体22
の、傾斜の前方である基台42上に、それぞれ2本ずつ
を2列、平行に配置した4本のローラ31によって構成
されている。そして上記2列のローラ31上に、遮水シ
ートSのロールS1が載置され、巻上機1によるシート
展張用ロープLの巻き上げに合わせてロールS1が回転
して、遮水シートSが繰り出される。
【0014】巻上機1によるシート展張用ロープLの巻
き上げに合わせてロールS1を回転させるには、上記ロ
ールS1を載置する各ローラ31を、巻上機1の作動に
あわせて、図示しない動力によって自転させてもよい
し、上記シート展張用ロープLの巻き上げによる遮水シ
ートSの引き出しに合わせて、各ローラ31を、無動力
で追従、回転させてもよい。
【0015】なお図2にみるように、ローラ31上に載
置されるロールS1は、2本で1列のローラ31よりも
長いので、はみ出した部分が垂れ下がるのを防止すべ
く、上記ロールS1の中心には、図1に示すように鉄芯
S2を通しておくのがよい。また、台車4の基台42が
十分に長い場合は、その両端部に受けロールを設けて、
ロールS1のはみ出した部分が垂れ下がるのを防止して
もよい。
【0016】台車4は、2条の無限軌道41,41を備
えるとともに、この無限軌道41,41を駆動するため
の動力(図示せず)を有する自走式の台車本体43と、
この台車本体43上に、水平方向に旋回可能に配置され
た、前述したように、巻上機1、アーム2および繰り出
し機3を搭載した基台42とで構成されている。基台4
2を、台車本体43に対して水平方向に旋回可能に配置
したのは、法面B同士の角等の狭い場所でも、スムーズ
に展張作業を行うためである。
【0017】また走行装置として無限軌道41を採用し
たのは、この遮水シート展張装置を使用する場所が、図
のような平坦な面ばかりでなく、凹凸があったりぬかる
んだりしていることの方が多いためである。つぎに、
記各部からなる遮水シート展張装置を用いて、この発明
の遮水シート展張方法によって、法面Bに遮水シートS
を展張するには、まず繰り出し機3のローラ31上に、
遮水シートSのロールS1を載置する。この際、上記ロ
ールS1の中心には、前述したように鉄芯S2を通して
おく。また上記ロールS1は、産業廃棄物の最終処分場
における高密度ポリエチレンシートの場合、たとえば幅
7m、長さ120m、重量1200kg程度の重量物で
あるため、これを繰り出し機3のローラ31上に載置す
るには、チェーンブロック等が必要であり、場合によっ
てはこのチェーンブロックをも、基台42上に搭載して
もよい。
【0018】つぎに、上記ロールS1の、遮水シートS
の繰り出し端に、巻上機1から繰り出し、プーリP1,
P2を介して、アーム2の本体22の先端を廻したシー
ト展張用ロープLを連結する。つぎに、台車4を法面B
の付近まで自走させて、図1に示すように、アーム2の
本体22を、法面Bと同方向に傾斜させるとともに、ア
ーム支持体24の先端のタイヤTを、遮水シートSを展
張する法面Bの上の法面B′に当接させて、本体22を
下支えする。
【0019】つぎに、巻上機1を作動させて、シート展
張用ロープLを巻き上げるとともに、ロールS1から遮
水シートSを繰り出しつつ、当該遮水シートSを、法面
Bに沿わせて引き上げて展張する。そして遮水シートS
が、図1に示すように法面Bの全体に展張された段階
で、当該遮水シートSを繰り出し機3の付近でカットし
て法面Bに固定するとともに、シート展張用ロープLを
外すと、1枚の遮水シートSの展張作業が終了する。
【0020】この後は、残りの遮水シートSの新たな繰
り出し端に、再びシート展張用ロープLを連結し、アー
ム支持体24とタイヤTによる本体22の下支えを維持
しつつ、台車4を法面Bに沿って移動させて、上記と同
じ作業を繰り返せばよい。以上で説明した遮水シート展
張装置によれば、たとえば従来は、4人の作業員が、遮
水シート1枚あたり約30分程度の時間をかけて手作業
で行っていた展張作業を、2人の作業員で、遮水シート
1枚あたりおよそ5分程度で完了できるため、作業の効
率化をはかることが可能となる。
【0021】なお、この発明の構成は、上記図の例には
限定されない。たとえば図の例では、前述したように台
車4を無限軌道式としていたが、多数のゴムタイヤを備
えたものとしてもよい。また上記台車4は自走式であっ
たが、それ自体は動力を有さず、牽引車両によって牽引
されるものとしてもよい。
【0022】その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【0023】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の遮水シ
ート展張装置、およびそれを用いたこの発明の遮水シー
ト展張方法によれば、従来は手作業で行っていた、遮水
シートの供給から、急角度の法面等に遮水シートを展張
するまでの作業を機械化できるため、作業の効率化をは
かることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の遮水シート展張装置の、実施の形態
の一例を示す正面図である。
【図2】図1の遮水シート展張装置の、側面図である。
【符号の説明】
1 巻上機 2 アーム 3 繰り出し機 4 台車 B 法面 L シート展張用ロープ S 遮水シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 103 B09B 1/00 E02B 3/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】法面等に遮水シートを展張するための遮水
    シート展張装置であって、遮水シートに連結したシート
    展張用ロープを巻き上げるための巻上機と、巻上機によ
    るシート展張用ロープの巻き上げの際に、当該シート展
    張用ロープに連結された遮水シートを、上記法面等に沿
    わせて引き上げて展張すべく、上記シート展張用ロープ
    を支持するアームと、ロール状に巻回された遮水シート
    を、巻上機によるシート展張用ロープの巻き上げに合わ
    せて繰り出す繰り出し機とが、移動可能な台車上に配設
    されたことを特徴とする遮水シート展張装置。
  2. 【請求項2】 回転自在に取り付けたタイヤを法面等に当
    接させることで、アームの先端を下支えするアーム支持
    体が、上記アームの先端にとりつけられている請求項1
    記載の遮水シート展張装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遮水シート展張装置を用い
    て、遮水シートを法面に展張する方法であって、上記装
    置を法面下に配置し、そのアームを、法面と同方向に傾
    斜させた状態で、繰り出し機上に載置された遮水シート
    の繰り出し端に連結したシート展張用ロープを、上記ア
    ームの先端を廻して、巻上機によって巻き上げるととも
    に、遮水シートを、この巻き上げに合わせて繰り出し機
    から繰り出すことにより、当該遮水シートを、法面に沿
    わせて引き上げて展張することを特徴とする遮水シート
    展張方法。
  4. 【請求項4】 巨大な穴を掘って産業廃棄物の最終処分場
    を造成すべく、当該穴の法面にシートを展張する方法で
    ある請求項3記載の遮水シート展張方法。
JP7210764A 1995-08-18 1995-08-18 遮水シート展張装置とそれを用いた遮水シート展張方法 Expired - Fee Related JP2999141B2 (ja)

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