JP2998492B2 - 内燃機関のスロットル弁制御装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル弁制御装置

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JP2998492B2
JP2998492B2 JP12027793A JP12027793A JP2998492B2 JP 2998492 B2 JP2998492 B2 JP 2998492B2 JP 12027793 A JP12027793 A JP 12027793A JP 12027793 A JP12027793 A JP 12027793A JP 2998492 B2 JP2998492 B2 JP 2998492B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の吸気系に設
けられてアクセル操作手段と機械的に非連結とされたリ
ンクレスタイプのスロットル弁に係り、詳しくはそのス
ロットル弁をアクセル操作手段の操作に応じて開閉させ
るようにした内燃機関のスロットル弁制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば特開
昭62−35039号公報に開示された「エンジン制御
装置」が知られている。この制御装置では、運転者によ
るアクセルペダルの操作量がアクセルポテンショメータ
により検出され、その検出された操作量に基づきスロッ
トル弁の目標開度が決定される。そして、その目標開度
を指令値としてステップモータが駆動制御されることに
より、ステップモータに連結されたスロットル弁が開閉
制御され、もってエンジンの出力制御が行われる。ここ
で、エンジンの回転数はクランク角センサにより検出さ
れ、その検出されたエンジン回転数に基づきエンジンに
供給すべき燃料噴射量が決定される。そして、その決定
された燃料噴射量を指令値としてインジェクタが駆動制
御されることにより、エンジンに対する燃料供給量が制
御される。
【0003】又、スロットル弁の開度、即ちスロットル
開度がセンサにより検出され、その検出されたスロット
ル開度に基づきスロットル制御系の異常が判断される。
更に、クランク角センサにより検出されるエンジン回転
数に基づきそのセンサ系の異常が判断される。そして、
スロットル弁が開き状態のままとなってスロットル制御
系の異常が判断されたときには、フェイルセーフの処理
として、エンジン回転数がある基準回転数以下となるよ
うにインジェクタにより燃料カットが断続的に行われ、
エンジンに対する燃料供給量が制限される。これによ
り、エンジン回転数の異常な上昇が抑えられる。一方、
スロットル制御系の異常が判断され、かつエンジン回転
数のセンサ系の異常が判断されたときには、同じくフェ
イルセーフの処理として、インジェクタにより燃料カッ
トが連続的に行われて、エンジンに対する燃料の供給が
遮断される。これにより、エンジンのオーバランが防止
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、スロットル弁が開き状態になって、一旦、スロ
ットル制御系が異常であると判断されると、スロットル
弁が閉じ側へ戻らない限り、フェイルセーフの処理とし
ての断続的な燃料カットが一義的に続けられてしまう。
或いは、一旦、スロットル制御系の異常とエンジン回転
数センサ系の異常とが共に判断されると、スロットル弁
が閉じ側へ戻らない限り、フェイルセーフの処理として
の燃料カットが一義的に続けられてしまう。そのため、
各フェイルセーフの処理の途中で、エンジン回転数があ
る安定した状態になっても、燃料カットが必要以上に続
けられてしまうことになった。その結果、車載のエンジ
ンでは、ドライバビリティを悪化させるばかりでなく、
エンジンストールに至って異常発生後の退避走行を不可
能にするという問題があった。
【0005】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、スロットル制御系の異常時
に内燃機関の出力を制御してオーバランを防止する共
に、その出力制御が必要以上に行われてドライバビリテ
ィを悪化させることを防止することの可能な内燃機関の
スロットル弁制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明においては、図1に示すように、内燃
機関M1の吸気系M2に設けられ、内燃機関M1の出力
を制御するために開閉される第1のスロットル弁M3
と、その第1のスロットル弁M3を開閉させるために駆
動制御されるアクチュエータM4と、運転者により操作
されるアクセル操作手段M5の操作量を検出するための
アクセル操作量検出手段M6と、そのアクセル操作量検
出手段M6の検出結果に応じてアクチュエータM4を駆
動制御するための第1の駆動制御手段M7とを備えた内
燃機関のスロットル弁制御装置において、第1のスロッ
トル弁M3、アクチュエータM4、アクセル操作量検出
手段M6及び第1の駆動制御手段M7を含むスロットル
制御系の異常を検出するための異常検出手段M8と、内
燃機関M1の出力に相関する機関回転数を検出するため
の機関回転数検出手段M9と、内燃機関M1の出力を制
御するために使用される第1のスロットル弁以外の出力
変更手段M10と、異常検出手段M8により異常が検出
されたときに、機関回転数検出手段M9により検出され
た異常発生直前の機関回転数に基づき、機関回転数を周
期をもって変動させるように出力変更手段M10を駆動
制御するための第2の駆動制御手段M11と、機関回転
数の変動周期を計測し、その計測結果が所定値を越えた
ときに、第2の駆動制御手段M11による出力変更手段
M10の駆動制御を終了させるための第1の制御終了手
段M12とを備えたことを趣旨としている。
【0007】上記の目的を達成するために、第2の発明
においては、図2に示すように、内燃機関M1の吸気系
M2に設けられ、内燃機関M1の出力を制御するために
開閉される第1のスロットル弁M3と、第1のスロット
ル弁M3を開閉させるために駆動制御されるアクチュエ
ータM4と、運転者により操作されるアクセル操作手段
M5の操作量を検出するためのアクセル操作量検出手段
M6と、そのアクセル操作量検出手段M6の検出結果に
応じてアクチュエータM4を駆動制御するための第1の
駆動制御手段M7と、吸気系M2にて第1のスロットル
弁M3と直列に配設され、内燃機関M1の出力を制御す
るためにアクセル操作手段M5に機械的に連結されて開
閉される第2のスロットル弁M13とを備えた内燃機関
のスロットル弁制御装置において、第1のスロットル弁
M3、アクチュエータM4、アクセル操作量検出手段M
6及び第1の駆動制御手段M7を含むスロットル制御系
の異常を検出するための異常検出手段M8と、第2のス
ロットル弁M13の開度を検出するためのスロットル開
度検出手段M14と、内燃機関M1の出力を制御するた
めに使用される第1及び第2のスロットル弁M3,M1
3以外の出力変更手段M10と、異常検出手段M8によ
り異常が検出されたときに、内燃機関M1の出力を抑制
するために出力変更手段M10を駆動制御するための第
3の駆動制御手段M15と、スロットル開度検出手段M
14により検出される第2のスロットル弁M13の開度
が所定値よりも小さいときに、第3の駆動制御手段M1
5による出力変更手段M10の駆動制御を終了させるた
めの第2の制御終了手段M16とを備えたことを趣旨と
している。
【0008】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、図1に示すよ
うに、内燃機関M1の運転時に、アクセル操作手段M5
が操作されることにより、その操作量がアクセル操作量
検出手段M6により検出される。又、その検出された操
作量に応じて、第1の駆動制御手段M7によりアクチュ
エータM4が駆動制御されることにより、第1のスロッ
トル弁M3が開閉されて内燃機関M1の出力が制御され
る。
【0009】ここで、異常検出手段M8では、第1のス
ロットル弁M3、アクチュエータM4、アクセル操作量
検出手段M6及び第1の駆動制御手段M7を含むスロッ
トル制御系に係る異常の検出が行われる。又、機関回転
数検出手段M9では、内燃機関M1の出力に相関する機
関回転数の検出が行われる。そして、異常検出手段M8
により異常が検出されたときには、第2の駆動制御手段
M11により、異常発生直前に検出された機関回転数に
基づき機関回転数が周期をもって変動するように出力変
更手段M10が駆動制御される。又、そのときの機関回
転数の変動周期の計測結果が所定値を越えたときに、第
2の駆動制御手段M11による出力変更手段M10の駆
動制御が第1の制御終了手段M12によって終了させら
れる。
【0010】従って、スロットル制御系に異常が発生し
たときには、第1のスロットル弁M3に代わって出力変
更手段M10が断続的に駆動制御されて内燃機関M1の
出力が制御される。そして、内燃機関M1の出力と内燃
機関M1に対する負荷とが均衡したところでオーバラン
の可能性がなくなったと判断できることから、内燃機関
M1の出力制御が終了されることにより、内燃機関M1
を安定した運転へ復帰させることが可能となる。
【0011】上記第2の発明の構成によれば、図2に示
すように、内燃機関M1の運転時に、アクセル操作手段
M5が操作されることにより、その操作量がアクセル操
作量検出手段M6により検出される。又、その検出され
た操作量に応じて、第1の駆動制御手段M7によりアク
チュエータM4が駆動制御されることにより、第1のス
ロットル弁M3が開閉される。同時に、アクセル操作手
段M5が操作されることにより、第2のスロットル弁M
13が開閉される。そして、これら第1及び第2のスロ
ットル弁M3,M13の開閉の協働により内燃機関M1
の出力が制御される。
【0012】ここで、異常検出手段M8では、第1のス
ロットル弁M3、アクチュエータM4、アクセル操作量
検出手段M6及び第1の駆動制御手段M7を含むスロッ
トル制御系に係る異常の検出が行われる。又、スロット
ル開度検出手段M14では、第2のスロットル弁M13
の開度の検出が行われる。そして、異常検出手段M8に
より異常が検出されたときに、第3の駆動制御手段M1
5により、内燃機関M1の出力が抑制されるように出力
変更手段M10が駆動制御される。又、第2のスロット
ル弁M13の開度が所定値よりも小さいときには、第3
の駆動制御手段M15による出力変更手段M10の駆動
制御が第2の制御終了手段M16によって終了させられ
る。
【0013】従って、スロットル制御系に異常が発生し
たときには、第1のスロットル弁M3に代わって出力変
更手段M10が駆動制御され、内燃機関M1の出力が制
御される。そして、第2のスロットル弁M13がある程
度閉じられて内燃機関M1の出力が抑えられたところで
内燃機関M1の出力制御が終了されることから、内燃機
関M1に不必要な挙動が発生することはない。
【0014】
【実施例】以下、上記第1及び第2の発明における内燃
機関のスロットル弁制御装置を具体化した一実施例を図
3〜図14に基づいて詳細に説明する。
【0015】図3はこの実施例における内燃機関のスロ
ットル弁制御装置をフロントエンジン・リヤドライブ方
式(FR方式)の自動車に適用してなるガソリンエンジ
ンシステムを示す概略構成図である。車両に搭載された
内燃機関としてのエンジン1は吸気系を構成する吸気通
路2と、排気系を構成する排気通路3とを備えている。
吸気通路2の入口側にはエアクリーナ4が設けられてい
る。吸気通路2の下流側は分岐された吸気マニホルド2
aを通じてエンジン1の各気筒(この実施例では4気筒
となっている。)に連通されている。吸気マニホルド2
aの近傍には、出力変更手段としての燃料噴射用のイン
ジェクタ5A,5B,5C,5Dが各気筒に対応してそ
れぞれ設けられている。周知のように各インジェクタ5
A〜5Dには、図示しない燃料タンクから燃料ポンプの
動作により所定圧力の燃料が供給される。又、エンジン
1の各気筒には、点火プラグ6A,6B,6C,6Dが
それぞれ設けられている。一方、排気通路3は分岐され
た排気マニホルド3aを通じてエンジン1の各気筒に連
通されている。排気通路3の出口側には三元触媒を内蔵
してなる触媒コンバータ7が設けられている。
【0016】上記の構成において、エンジン1にはエア
クリーナ4及び吸気通路2を通じて外気が取り込まれ
る。又、その外気の取り込みと同時に、各インジェクタ
5A〜5Dから吸気マニホルド2aの近傍に燃料が噴射
されることにより、その燃料と外気との混合気が各気筒
の燃焼室へと取り込まれる。そして、その取り込まれた
混合気が、各燃焼室にて点火プラグ6A〜6Dの作動に
より爆発・燃焼することにより、図示しないピストン及
びクランクシャフト等が作動してエンジン1の駆動力、
即ちエンジン出力が得られる。更に、各燃焼室にて燃焼
された後の既燃焼ガスは、排気として排気通路3へ導か
れ、触媒コンバータ7にて浄化された後に外部へと排出
される。
【0017】図3,4に示すように、吸気通路2の途中
には、その上流側から順に第1のスロットル弁としての
リンクレスタイプのサブスロットル弁8と、第2のスロ
ットル弁としてのリンクタイプのメインスロットル弁9
が直列に配設されている。メインスロットル弁9は、運
転席に設けられたアクセル操作手段としてのアクセルペ
ダル10に対してアクセルリンクにより機械的に連結さ
れており、アクセルペダル10の操作に連動して開閉さ
れる。又、メインスロットル弁9は、図示しないリター
ンスプリングにより常に閉じ方向へ付勢されている。図
5に示すように、この実施例において、メインスロット
ル弁9の開度、即ちメインスロットル開度TAMは、ア
クセルペダル10の操作量、即ちアクセル開度ACCP
に対して一義的な線形開度特性を有するように設定され
ている。一方、サブスロットル弁8はその近傍に設けら
れたアクチュエータとしてのステップモータ11の作動
により開閉されるものであり、同弁8の支軸がステップ
モータ11の出力軸に連結されている。又、サブスロッ
トル弁8は、図示しないリターンスプリングにより常に
開き方向へ付勢されている。図5に示すように、この実
施例において、サブスロットル弁8の開度、即ちサブス
ロットル開度TASはアクセル開度ACCPに対して2
種類の非線形開度特性(高μ路用,低μ路用)をもって
設定されている。これら各非線形開度特性は各種運転条
件に応じて選択的に使用されるものである。ここで、高
μ路用の非線形開度特性は、滑りにくい路面において、
車両の通常走行時にアクセルコントロール性を向上させ
るために選択的に使用されるものである。又、低μ路用
の非線形開度特性は、滑りやすい路面でも良好なアクセ
ルコントロール性を実現するために選択的に使用される
ものである。そして、上記のような各開度特性をもって
メインスロットル弁9及びサブスロットル弁8が開閉さ
れることにより、吸気通路2を通じて各気筒へ取り込ま
れる吸気量が調整され、もってエンジン出力が制御され
る。
【0018】この実施例では、車両の操作性の向上を目
的として、各種運転条件において、アクセルペダル10
の操作量に対するエンジン出力が上記のような両スロッ
トル弁8,9の各開度特性の協働により最適に設定され
ている。つまり、エンジン1の運転中にサブスロットル
弁8がステップモータ11により閉じ方向へ制御される
ことにより、アクセルペダル10に連動するメインスロ
ットル弁9により一義的に調整される吸気量が更に低減
させる。これによりエンジン出力が抑制され、各種運転
条件において、アクセルペダル10の操作に対するエン
ジン出力特性が適切に設定され、全運転領域にわたって
良好なアクセルコントロール性が実現される。更に、こ
の実施例では、2弁式のスロットルであることから、万
が一サブスロットル弁8に異常が起きたとしても、運転
者がアクセルペダル10を戻すことにより、メインスロ
ットル弁9が閉じられてエンジン1の減速を遅滞なく行
うことが可能である。又、サブスロットル弁8が全開位
置でフェイルした場合には、運転者がアクセルペダル1
0を任意に操作することにより、メインスロットル弁9
が任意に開かれてエンジン出力を任意に制御することが
可能である。これにより、異常時における車両の退避走
行が可能のである。
【0019】車両及びエンジン1の各種運転状態を検出
するセンサとして、メインスロットル弁9の近傍には、
メインスロットル開度TAMを検出するためのスロット
ル開度検出手段としてのメインスロットルセンサ31が
設けられている。又、サブスロットル弁8の近傍には、
サブスロットル開度TASを検出するためのサブスロッ
トルセンサ32が設けられている。この実施例では、メ
インスロットルセンサ31及びサブスロットルセンサ3
2により、サブスロットル制御系の異常を検出するため
の異常検出手段が構成されている。更に、アクセルペダ
ル10の近傍には、アクセル操作量検出手段としてのア
クセル開度ACCPを検出するためのアクセルセンサ3
3が設けられている。吸気通路2においてメインスロッ
トル弁9の下流側には、吸気量に相関する吸気圧力PM
を検出するための吸気圧センサ34が設けられている。
排気通路3の途中には、排気中の酸素濃度Ox、即ち排
気通路3における排気空燃比を検出するための酸素セン
サ35が設けられている。更に、エンジン1には、その
冷却水の温度、即ち冷却水温THWを検出するための水
温センサ36が設けられている。
【0020】エンジン1の各気筒に設けられた点火プラ
グ6A〜6Dには、ディストリビュータ12にて分配さ
れた点火信号が印加される。ディストリビュータ12は
イグナイタ13から出力される高電圧をエンジン1のク
ランク角に同期して各点火プラグ6A〜6Dに分配する
ためのものである。そして、各点火プラグ6A〜6Dの
点火タイミングは、イグナイタ13からの高電圧出力タ
イミングにより決定される。
【0021】ディストリビュータ12には、その図示し
ないロータの回転からエンジン1の回転数(エンジン回
転数)NEを検出するための機関回転数検出手段として
の回転数センサ37が設けられている。又、ディストリ
ビュータ12には、ロータの回転に応じてエンジン1の
クランク角度の変化を所定の割合で検出するための気筒
判別センサ38が設けられている。この実施例では、エ
ンジン1における一連の行程(吸気行程,圧縮行程,膨
張行程,排気行程)に対してクランクシャフトが2回転
するものとして、気筒判別センサ38は360°CAの
割合でクランク角度が検出される。
【0022】加えて、この実施例において、車両後側に
は左右一対の駆動輪14L,14Rが、車両前側には左
右一対の従動輪15L,15Rがそれぞれ設けられてい
る。両駆動輪14L,14Rはエンジン1からの駆動力
を得て回転駆動される。そのために、エンジン1のクラ
ンクシャフトには変速機16が駆動連結され、その変速
機16がプロペラシャフト17、ディファレンシャルギ
ヤ18及び左右一対のドライブシャフト19L,19R
等を介して左右の各駆動輪14L,14Rに駆動連結さ
れている。一方、両従動輪15L,15Rは、車両の走
行に伴って連れ回りするものであり、車両の操舵を行う
ために、図示しないステアリングホイールの操作によっ
て作動する操舵輪にもなっている。
【0023】この実施例において、左右の各駆動輪14
L,14Rには、それらの回転速度、即ち左駆動輪回転
速度VWNRL、右駆動輪回転速度VWNRRを検出す
るための駆動輪速度センサ39L,39Rがそれぞれ設
けられている。又、左右の各従動輪15L,15Rに
は、それらの回転速度、即ち左従動輪回転速度VWNF
L、右従動輪回転速度VWNFRを検出するための従動
輪速度センサ40L,40Rがそれぞれ設けられてい
る。これら各速度センサ39L,39R,40L,40
Rはそれぞれ歯車20とピックアップコイル21により
構成されている。
【0024】又、この実施例において、変速機16には
車両の速度(車速)SPDを検出するための車速センサ
41が設けられている。この車速センサ41は変速機1
6のギアの回転により回されるマグネットによりリード
スイッチを駆動させる方式のものであり、車速SPDに
相当するパルス信号を出力する。
【0025】上記の回転数センサ37、気筒判別センサ
38、各速度センサ39L,39R,40L,40R及
び車速センサ41も各種運転状態を検出するセンサを構
成している。
【0026】この実施例において、メインスロットルセ
ンサ31、サブスロットルセンサ32、アクセルセンサ
33、吸気圧センサ34、酸素センサ35、水温センサ
35、回転数センサ37、気筒判別センサ38及び車速
センサ41はエンジン電子制御装置(以下「エンジンE
CU」という。)51に接続されている。又、エンジン
ECU51には、各インジェクタ5A〜5D及びイグナ
イタ13がそれぞれ接続されている。そして、エンジン
ECU51は各種センサ31〜38,41から入力され
る各種信号に基づき、エンジン1の燃料噴射量制御及び
点火時期制御等を実行すべく、各インジェクタ5A〜5
D及びイグナイタ13等の動作を好適に制御する。又、
この実施例では、エンジンECU51により、第2の駆
動制御手段、第1の制御終了手段、第3の駆動制御手段
及び第2の制御終了手段が構成されている。そして、エ
ンジンECU51は入力される各種信号に基づき、サブ
スロットル制御系に係る異常時のフェイルセーフ処理を
実行する。ここで、サブスロットル制御系とは、サブス
ロットル弁8、ステップモータ11、サブスロットルセ
ンサ32、アクセルセンサ33及び後述するスロットル
ECU52を含むものである。
【0027】エンジンECU51が燃料噴射量制御及び
点火時期制御と、サブスロットル制御系のフェイルセー
フ処理等とを司る装置であるのに対し、サブスロットル
弁8の開閉制御を司るためのスロットル電子制御装置
(以下「スロットルECU」という。)52が設けられ
ている。即ち、第1の駆動制御手段を構成するスロット
ルECU52はエンジンECU51に接続されており、
両者51,52の間で信号のやりとりが行われる。又、
スロットルECU52には、各駆動輪速度センサ39
L,39R及び各従動輪速度センサ40L,40Rが接
続されている。更に、スロットルECU52には、ステ
ップモータ11が接続されている。そして、エンジンE
CU51に入力される各種信号のうち、サブスロットル
弁8の開閉制御等の処理に必要なメインスロットル開度
TAM、サブスロットル開度TAS、アクセル開度AC
CP、吸気圧PM、エンジン回転数NE及び車速SPD
等の各種信号が、エンジンECU51からスロットルE
CU52に入力される。又、スロットルECU52に
は、各速度センサ39L,39R,40L,40Rから
左駆動輪回転速度VWNRL、右駆動輪回転速度VWN
RR、左従動輪回転速度VWNFL及び右従動輪回転速
度VWNFRの各信号が入力される。そして、スロット
ルECU52は、入力される各種信号に基づき、エンジ
ン1の運転状態に応じてサブスロットル弁8の制御、即
ちサブスロットル制御を行うべくステップモータ11を
好適に制御する。
【0028】図6はエンジンECU51及びスロットル
ECU52の電気的構成を示すブロック図である。エン
ジンECU51は、カウンタの機能を兼ね備えた中央処
理装置(CPU)53、所定の制御プログラム等を予め
記憶した読み出し専用メモリ(ROM)54、CPU5
3の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)55、予め記憶されたデータを保存するバッ
クアップRAM56等を備えている。そして、エンジン
ECU51は、これら各部53〜56と外部入出力回路
57等がバス58によって接続された論理演算回路とし
て構成されている。外部入出力回路57には、メインス
ロットルセンサ31、サブスロットルセンサ32、アク
セルセンサ33、吸気圧センサ34、酸素センサ35、
水温センサ36、回転数センサ37、気筒判別センサ3
8及び車速センサ41がそれぞれ接続されている。又、
外部入出力回路57には、各インジェクタ5A〜5D及
びイグナイタ13が接続されている。併せて、外部入出
力回路57には、前記したスロットルECU52が接続
されている。
【0029】そして、CPU53は外部入出力回路57
を介して各センサ31〜38,41から入力される各種
信号を入力値として読み込む。CPU53はそれら入力
値に基づき、ROM54に記憶されている制御プログラ
ムに基づき燃料噴射量制御及び点火時期制御と、サブス
ロットル制御系の異常に係るフェイルセーフ処理等とを
実行する。又、外部入出力回路57を介して入力される
各種信号のうち、サブスロットル制御に必要な各種信号
はスロットルECU52へ出力される。
【0030】一方、スロットルECU52はエンジンE
CU51と基本的に同じ構成をなしており、CPU6
1、ROM62、RAM63、バックアップRAM6
4、外部入出力回路65及びバス66等により構成され
ている。外部入出力回路66には、各駆動輪速度センサ
39L,39R及び各従動輪速度センサ40L,40R
がそれぞれ接続されている。又、外部入出力回路66に
は、ステップモータ11が接続されている。更に、RO
M62にはサブスロットル制御等のための制御プログラ
ム等が予め記憶されている。
【0031】そして、CPU61はエンジンECU51
及び各速度センサ39L,39R,40L,40Rから
外部入出力回路65を介して入力される各種信号を入力
値として読み込む。又、CPU61はそれら入力値に基
づき、ROM62に記憶されている制御プログラムに基
づきテップモータ11を好適に制御する。
【0032】次に、前述したサブスロットル制御系の異
常に係るフェイルセーフ処理として、エンジンECU5
により実行される処理動作の内容について図7〜図14
に従って説明する。
【0033】図7〜図11はエンジンECU51により
実行される「フェイルセーフ演算ルーチン」を示すフロ
ーチャートである。この実施例において、このルーチン
は「32ms」毎の定時割込みで実行される。
【0034】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ301において、メインスロットルセンサ31、
吸気圧センサ34及び回転数センサ35等からの各種信
号に基づき、メインスロットル開度TAM、吸気圧PM
及びエンジン回転速度NEをそれぞれ読み込む。又、サ
ブスロットル制御異常フラグXTHF、吸気圧上昇遅れ
時間CTFDPを読み込む。
【0035】ここで、サブスロットル制御異常フラグX
THFは別途の処理ルーチン(8msルーチン)におい
て設定されるものである。即ち、同フラグXTHFは、
メインスロットル開度TAMが所定値である「θ1°」
以上で、且つ、サブスロットル開度TASの変化速度
(サブスロットル開度変化速度)DLTASが所定値で
ある「θ2°/ms」以上のときに、サブスロットル制
御系に係る異常が検出されたものとして「1」に設定さ
れる。又、吸気圧上昇遅れ時間CTFDPも同じく別途
の処理ルーチン(8msルーチン)において計時される
ものである。即ち、同時間CTFDPは、サブスロット
ル開度変化速度DLTASの立ち上がりから、後述する
吸気圧変化速度DLPMの立ち上がりまでの遅れ時間を
示すものである。
【0036】続いて、ステップ302において、今回読
み込まれた吸気圧PMと前回読み込まれた吸気圧PMと
の差から吸気圧変化速度DLPMを演算する。そして、
ステップ303においては、今回読み込まれたサブスロ
ットル制御異常フラグXTHFが「0」であるか否かを
判断する。ここで、同フラグXTHFが「0」の場合に
は、サブスロットル制御系に異常が検出されていないも
のとして、ステップ304へ移行する。
【0037】ステップ304においては、燃料カット要
求フラグXFCRQを「0」に設定する。この燃料カッ
ト要求フラグXFCRQは、サブスロットル制御系のフ
ェイルセーフ処理として実行される断続的な燃料カット
の実行のために使用されるものである。又、ステップ3
05において、別途の処理ルーチンにおける吸気圧上昇
遅れ時間CTFDPを「0」にリセットして、ステップ
309へ移行する。
【0038】一方、ステップ303において、サブスロ
ットル制御異常フラグXTHFが「1」の場合には、サ
ブスロットル制御系に異常が検出されたものとして、ス
テップ306へ移行する。ステップ306においては、
吸気圧変化速度DLPMが所定値である「P1mmHg
/ms」未満であるか否かを判断する。ここで、吸気圧
変化速度DLPMが「P1mmHg/ms」未満の場合
には、エンジン出力の変化が小さいものとして、そのま
まステップ309へ移行する。吸気圧変化速度DLPM
が「P1mmHg/ms」以上の場合には、エンジン出
力の変化が大きいものとして、ステップ307へ移行す
る。
【0039】ステップ307においては、吸気圧上昇遅
れ時間CTFDPが所定値である「T1ms」以上であ
るか否かを判断する。ここで、吸気圧上昇遅れ時間CT
FDPが「T1ms」以上である場合には、エンジン出
力の変化が過剰でないものとして、そのままステップ3
09へ移行する。吸気圧上昇遅れ時間CTFDPが「T
1ms」未満である場合には、エンジン出力の変化が過
剰であるものとして、ステップ308へ移行する。
【0040】ステップ308においては、フェイルセー
フ処理である断続的な燃料カットの実行を要求すべく、
燃料カット要求フラグXFCRQを「1」に設定する。
そして、ステップ305〜ステップ308から移行して
ステップ309においては、後述する燃料カット実行フ
ラグXEMFCが「1」であるか否かを判断する。ここ
で、燃料カット実行フラグXEMFCが「0」の場合に
は、燃料カットから通常の燃料噴射へ復帰したものとし
て、ステップ310において、燃料カット終了後時間C
EMINJを所定の単位時間だけインクリメントする。
この燃料カット終了後時間CEMINJは、燃料カット
から通常の燃料噴へ復帰してからの経過時間を示すもの
であり、断続的に行われる燃料カットの1回の断続間隔
時間を意味している。一方、ステップ309において、
燃料カット実行フラグXEMFCが「1」の場合には、
ステップ311において、燃料カット実行時間CEMF
TMを所定の単位時間だけインクリメントする。この燃
料カット実行時間CEMFTMは、燃料カットが開始さ
れてからの経過時間を示すものである。
【0041】そして、ステップ310又はステップ31
1から移行してステップ321においては、今回読み込
まれたメインスロットル開度TAMが「θ1°」未満で
あるか否かを判断する。ここで、メインスロットル開度
TAMが「θ1°」未満の場合には、アクセルペダル1
0が戻されたものとして、そのままステップ327へ移
行する。メインスロットル開度TAMが「θ1°」以上
の場合には、運転者によりアクセルペダル10がある程
度踏み込まれているものとして、ステップ322へ移行
する。
【0042】ステップ322においては、燃料カット終
了後時間CEMINJが所定値である「T2s」以上で
あるか否かを判断する。ここで、燃料カット終了後時間
CEMINJが「T2s」以上の場合には、エンジン1
がオーバランすることはないものとして、そのままステ
ップ327へ移行する。燃料カット終了後時間CEMI
NJが「T2s」未満の場合には、ステップ323へ移
行する。燃料カット終了後時間CEMINJが長いとい
うことは、そのときのエンジン出力とエンジン1に対す
る負荷に相当する車両走行抵抗とが均衡していることを
意味している。そして、この実施例では「T2s」とい
う時間が、エンジン出力と車両走行抵抗とが均衡し得る
適合値となっている。
【0043】ステップ323においては、燃料カット終
了回転数EMFRTが燃料カット開始回転数EMFNE
以上であるか否かを判断する。ここで、燃料カット終了
回転数EMFRTは、燃料カットから通常の燃料噴射へ
復帰する際に基準となるエンジン回転数NEを示すもの
である。又、燃料カット開始回転数EMFNEは、燃料
カットを開始するために基準となるエンジン回転数NE
を示すものである。そして、ステップ323において、
燃料カット終了回転数EMFRTが燃料カット開始回転
数EMFNE以上の場合には、そのままステップ327
へ移行する。燃料カット終了回転数EMFRTが燃料カ
ット開始回転数EMFNE未満の場合には、ステップ3
24へ移行する。
【0044】ステップ324においては、フェイルセー
フ処理継続時間CEMEXが所定値である「T3s(T
3>T2)」以上であるか否かを判断する。ここで、フ
ェイルセーフ処理継続時間CEMEXは別途の処理ルー
チンにおいて計時されるものである。即ち、同時間CE
MEXは、サブスロットル制御系に異常が検出されて断
続的な燃料カットの処理が開始されてからの継続時間を
示すものである。そして、ステップ324において、フ
ェイルセーフ処理継続時間CEMEXが「T3s」以上
の場合には、フェイルセーフ処理として断続的な燃料カ
ットを終了すべく、そのままステップ327へ移行す
る。フェイルセーフ処理継続時間CEMEXが「T3
s」未満の場合には、ステップ325へ移行する。
【0045】ステップ325においては、前述した燃料
カット要求フラグXFCRQが「1」であるか否かを判
断する。そして、燃料カット要求フラグXFCRQが
「1」の場合には、断続的な燃料カットの実行が未だ要
求されているものとして、そのままステップ331へ移
行する。燃料カット要求フラグXFCRQが「0」の場
合には、確認のためにステップ326へ移行する。
【0046】ステップ326においては、前述した吸気
圧上昇遅れ時間CTFDPが「T1ms」未満であるか
否かを判断する。ここで、吸気圧上昇遅れ時間CTFD
Pが「T1ms」以上の場合には、エンジン出力の変化
が過剰であり、断続的な燃料カットの処理が要求されて
いるものとして、そのままステップ331へ移行する。
吸気圧上昇遅れ時間CTFDPが「T1ms」以上の場
合には、ステップ327へ移行する。
【0047】そして、ステップ321〜324又はステ
ップ326から移行してステップ327においては、サ
ブスロットル制御系に係る異常がないものとして、サブ
スロットル制御異常フラグXTHFを「0」に設定す
る。又、ステップ328においては、断続的な燃料カッ
トの実行の必要性がないものとして、燃料カット要求フ
ラグXFCRQを「0」に設定する。
【0048】その後、ステップ325、ステップ326
又はステップ328から移行してステップ331におい
ては、燃料カット要求フラグXFCRQが「1」である
か否かを判断する。ここで、燃料カット要求フラグXF
CRQが「0」の場合には、サブスロットル制御系が正
常で燃料カットが要求されていないものとして、ステッ
プ332へ移行し、ステップ332〜ステップ342の
処理を実行する。
【0049】即ち、ステップ332において、燃料カッ
トを中止すべく燃料カット実行フラグXEMFCを
「0」に設定する。又、ステップ333において、燃料
カット開始回転数更新禁止フラグXEMFNを「1」に
設定する。この燃料カット開始回転数更新禁止フラグX
EMFNは、燃料カット開始回転数EMFNEの更新を
禁止する場合に「1」に、許可する場合に「0」に設定
されるものである。更に、ステップ334において、燃
料カット終了回転数更新禁止フラグXEMFRを「1」
に設定する。この燃料カット終了回転数更新禁止フラグ
XEMFRは、燃料カット終了回転数EMFRTの更新
を禁止する場合に「1」に、許可する場合に「0」に設
定されるものである。そして、ステップ335において
は、今回読み込まれたエンジン回転数NE1とそれに対
する初期設定オフセット値KEMFNBとの加算結果
が、下限回転数NRTと最小回転数幅KEMHYSとの
加算結果よりも大きいか否かを判断する。このステップ
335において、エンジン回転数NE1と初期設定オフ
セット値KEMFNBとの加算結果が、下限回転数NR
Tと最小回転数幅KEMHYSとの加算結果よりも大き
い場合には、ステップ336へ移行する。そして、ステ
ップ336において、エンジン回転数NE1と初期設定
オフセット値KEMFNBとの加算結果を燃料カット開
始回転数EMFNEとして設定する。一方、ステップ3
35において、エンジン回転数NE1と初期設定オフセ
ット値KEMFNBとの加算結果が、下限回転数NRT
と最小回転数幅KEMHYSとの加算結果よりも大きく
ない場合には、ステップ337へ移行する。そして、ス
テップ337において、下限回転数NRTと最小回転数
幅KEMHYSとの加算結果を燃料カット開始回転数E
MFNEとして設定する。
【0050】その後、ステップ336又はステップ33
7から移行してステップ338においては、今回設定さ
れた燃料カット開始回転数EMFNEからそれに対する
初期設定オフセット値KEMFRBを減算し、その減算
結果を燃料カット終了回転数EMFRTとして設定す
る。
【0051】続く、ステップ339においては、燃料カ
ットの制限時間に関する初期設定値KEMFTBを燃料
カット制限時間EMFTMとして設定する。又、ステッ
プ340においては、燃料カット実行時間CEMFTM
を「0」にリセットする。更に、ステップ341におい
ては、燃料カット終了後時間CEMINJを「0」にリ
セットする。そして、ステップ342においては、フェ
イルセーフ処理継続時間CEMEXを「0」にリセット
して、その後の処理を一旦終了する。
【0052】一方、ステップ331において、燃料カッ
ト要求フラグXFCRQが「1」の場合には、サブスロ
ットル制御系に異常があり、断続的な燃料カットの実行
が要求されているものとしてステップ351へ移行す
る。
【0053】ステップ351においては、燃料カット実
行フラグXEMFCが「1」であるか否かを判断する。
ここで、燃料カット実行フラグXEMFCが「0」の場
合には、既に燃料カットから通常の燃料噴射へ復帰して
いるものとして、ステップ352へ移行する。
【0054】ステップ352においては、今回読み込ま
れたエンジン回転数NE1が今回設定された燃料カット
開始回転数EMFNE以上であるか否かを判断する。そ
して、今回のエンジン回転数NE1が燃料カット開始回
転数EMFNE未満の場合には、通常の燃料噴射を実行
しているものとして、そのままその後の処理を一旦終了
する。エンジン回転数NE1が燃料カット開始回転数E
MFNE以上の場合には、ステップ353へ移行する。
【0055】ステップ353においては、フェイルセー
フ処理継続時間CEMEXが「T3s」以上であるか否
かを判断する。ここで、フェイルセーフ処理継続時間C
EMEXが「T3s」以上の場合には、フェイルセーフ
処理としての断続的な燃料カットの実行を終了するもの
として、そのままその後の処理を一旦終了する。フェイ
ルセーフ処理継続時間CEMEXが「T3s」未満の場
合には、ステップ354へ移行する。
【0056】ステップ354においては、燃料カット終
了後時間CEMINJが「T2s」以上であるか否かを
判断する。ここで、燃料カット終了後時間CEMINJ
が「T2s」以上の場合には、エンジン1にオーバラン
の可能性がなくてフェイルセーフ処理としての断続的な
燃料カットの実行を終了すべく、その後の処理を一旦終
了する。燃料カット終了後時間CEMINJが「T2
s」未満の場合には、エンジン1にオーバランの可能性
があり、ステップ352〜ステップ353の判断により
燃料カットの実行条件が成立しているものとしてステッ
プ355へ移行する。
【0057】そして、ステップ355において、燃料カ
ットを実行すべく燃料カット実行フラグXEMFCを
「1」に設定する。又、ステップ356において、燃料
カット終了回転数EMFRTの更新を許可すべく燃料カ
ット終了回転数更新禁止フラグXEMFRを「0」に設
定する。更に、ステップ357において、燃料カット終
了後時間CEMINJを「0」にリセットする。
【0058】そして、ステップ358において、燃料カ
ット開始回転数更新禁止フラグXEMFNが「1」であ
るか否かを判断する。ここで、燃料カット開始回転数更
新禁止フラグXEMFNが「1」の場合には、燃料カッ
ト開始回転数EMFNEの更新が禁止されているものと
して、そのままその後の処理を一旦終了する。燃料カッ
ト開始回転数更新禁止フラグXEMFNが「0」の場合
には、燃料カット開始回転数EMFNEの更新が許可さ
れているものとして、ステップ359へ移行する。
【0059】ステップ359においては、燃料カット開
始回転数EMFNEにその増分値KIEMFNを加算
し、その加算結果を新たな燃料カット開始回転数EMF
NEとして設定する。即ち、燃料カット開始回転数EM
FNEを増加させるのである。又、ステップ360にお
いて、燃料カット開始回転数EMFNEの更新を禁止す
べく、燃料カット開始回転数更新禁止フラグXEMFN
を「1」に設定して、その後の処理を一旦終了する。
【0060】一方、ステップ351において、燃料カッ
ト実行フラグXEMFCが「1」の場合には、既に燃料
カットが実行されているものとして、ステップ361へ
移行する。ステップ361においては、今回までの下限
回転数NRTを下限回転数記憶値REMFCとして設定
する。そして、ステップ362において、下限回転数記
憶値REMFCが今回の燃料カット終了回転数EMFR
Tよりも大きいか否かを判断する。ここで、下限回転数
記憶値REMFCが燃料カット終了回転数EMFRTよ
りも大きい場合には、ステップ363へ移行する。下限
回転数記憶値REMFCが燃料カット終了回転数EMF
RTよりも大きくない場合には、ステップ364へ移行
する。
【0061】ステップ363においては、今回のエンジ
ン回転数NE1が下限回転数記憶値REMFC未満であ
るか否かを判断する。そして、エンジン回転数NE1が
下限回転数記憶値REMFC未満の場合には、断続的な
燃料カットの実行を終了すべくステップ367へ移行す
る。エンジン回転数NE1が下限回転数記憶値REMF
C以上の場合には、ステップ365へ移行する。
【0062】一方、ステップ362から移行してステッ
プ364においては、今回のエンジン回転数NE1が燃
料カット終了回転数EMFRT未満であるか否かを判断
する。ここで、エンジン回転数NE1が燃料カット終了
回転数EMFRT未満の場合には、燃料カットを終了す
べく、そのままステップ367へ移行する。エンジン回
転数NE1が燃料カット終了回転数EMFRT以上の場
合には、ステップ365へ移行する。
【0063】ステップ363又はステップ364から移
行してステップ365においては、フェイルセーフ処理
継続時間CEMEXが「T3s」以上であるか否かを判
断する。ここで、フェイルセーフ処理継続時間CEME
Xが「T3s」以上の場合には、断続的な燃料カットの
実行を終了すべくステップ367へ移行する。フェイル
セーフ処理継続時間CEMEXが「T3s」未満の場合
には、ステップ366へ移行する。
【0064】ステップ366においては、燃料カット実
行時間CEMFTMが燃料カット制限時間EMFTM未
満であるか否かを判断する。そして、燃料カット実行時
間CEMFTMが燃料カット制限時間EMFTM未満の
場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。燃料
カット実行時間CEMFTMが燃料カット制限時間EM
FTM以上の場合には、ステップ367へ移行する。
【0065】ステップ363〜ステップ366から移行
してステップ367においては、燃料カットを終了すべ
く、燃料カット実行フラグXEMFCを「0」に設定す
る。又、ステップ368において、燃料カット開始回転
数EMFNEの更新を許可すべく、燃料カット開始回転
数更新禁止フラグXEMFNを「0」に設定する。更
に、ステップ369において、燃料カット実行時間CE
MFTMを「0」にリセットする。
【0066】その後、ステップ370において、燃料カ
ット開始回転数EMFNEが、下限回転数記憶値REM
FCと最小回転数幅KEMHYSとの加算結果よりも大
きいか否かを判断する。そして、燃料カット開始回転数
EMFNEが、下限回転数記憶値REMFCと最小回転
数幅KEMHYSとの加算結果よりも大きい場合には、
そのままステップ372へ移行する。燃料カット開始回
転数EMFNEが、下限回転数記憶値REMFCと最小
回転数幅KEMHYSとの加算結果よりも大きくない場
合には、ステップ371へ移行する。そして、ステップ
371において、下限回転数記憶値REMFCと最小回
転数幅KEMHYSとの加算結果を新たな燃料カット開
始回転数EMFNEとして設定する。
【0067】そして、ステップ370又はステップ37
1から移行してステップ372においては、燃料カット
終了回転数更新禁止フラグXEMFRが「1」であるか
否かを判断する。ここで、燃料カット終了回転数更新禁
止フラグXEMFRが「1」の場合には、燃料カット終
了回転数EMFRTの更新が禁止されているものとし
て、その後の処理を一旦終了する。燃料カット終了回転
数更新禁止フラグXEMFRが「0」の場合には、燃料
カット終了回転数EMFRTの更新が許可されているも
のとして、ステップ373へ移行する。
【0068】ステップ373においては、今回までの燃
料カット終了回転数EMFRTにその増分値KIEMF
Rを加算し、その加算結果を新たな燃料カット終了回転
数EMFRTとして設定する。即ち、燃料カット終了回
転数EMFRTを増加させる。又、ステップ374にお
いて、今回までの燃料カット制限時間EMFTMにその
増分値KIEMFTを加算し、その加算結果を新たな燃
料カット制限時間EMFTMとして設定する。即ち、燃
料カット制限時間EMFTMを増加させる。そして、ス
テップ375において、燃料カット終了回転数EMFR
Tの更新を禁止すべく、燃料カット終了回転数更新禁止
フラグXEMFRを「1」に設定して、その後の処理を
一旦終了する。
【0069】上記のようにフェイルセーフ処理のための
演算が実行され、サブスロットル制御系の異常時に断続
的な燃料カットを実行すべく、「燃料噴射量制御ルーチ
ン」で使用される燃料カット実行フラグXEMFCが
「0」又は「1」に設定される。同様に、燃料カット開
始回転数更新禁止フラグXEMFN及び燃料カット終了
回転数更新禁止フラグXEMFRがそれぞれ「0」又は
「1」に設定される。更に、断続的な料カットの処理
を、異常発生時点のエンジン回転数NE1の大きさに応
じて行うために、異常時基準回転数としての、燃料カッ
ト開始回転数EMFNE、燃料カット終了回転数EMF
RT及び下限回転数NRT等がそれぞれ設定される。
【0070】図12はエンジンECU51により実行さ
れる「燃料噴射量制御ルーチン」を示すフローチャート
であり、このルーチンは所定時間毎の定時割り込みで実
行される。
【0071】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ410において、アクセルセンサ33、吸気圧セ
ンサ34、酸素センサ35、水温センサ36及び回転数
センサ37等からの各種信号に基づき、アクセル開度A
CCP、吸気圧PM、酸素濃度Ox、冷却水温THW及
びエンジン回転数NEをそれぞれ読み込む。又、前述し
た「フェイルセーフ演算ルーチン」にて設定される燃料
カット実行フラグXEMFCを読み込む。
【0072】続いて、ステップ420において、今回読
み込まれアクセル開度ACCP、吸気圧PM、酸素濃度
Ox、冷却水温THW及びエンジン回転数NE等に基づ
き、今回の運転状態に応じた目標噴射量TAUを算出す
る。
【0073】次に、ステップ430において、今回読み
込まれた燃料カット実行フラグXEMFCが「0」であ
るか否かを判断する。ここで、この燃料カット実行フラ
グXEMFCが「0」の場合には、通常の燃料噴射を実
行すべく、ステップ440へ移行する。そして、ステッ
プ440において、所要のタイミングで、目標噴射量T
AUに基づき各インジェクタ5A〜5Dを開弁させるこ
とにより燃料噴射を実行し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0074】一方、ステップ430において、燃料カッ
ト実行フラグXEMFCが「1」の場合には、燃料カッ
トの実行が要求されているものとして、ステップ450
へ移行する。そして、ステップ450において、各イン
ジェクタ5A〜5Dを強制的に閉弁させることにより燃
料カットを実行し、その後の処理を一旦終了する。
【0075】上記のように燃料噴射量制御の処理が実行
され、「フェイルセーフ演算ルーチン」の処理結果を受
けて、フェイルセーフ処理のための断続的な燃料カット
が実行される。
【0076】次に、上記のようなフェイルセーフ処理に
より得られる結果の一例を図13及び図14に従って説
明する。図13のタイムチャートは、フェイルセーフ処
理におけるエンジン回転数NE(NE1)と、それに対
する燃料カット要求フラグXFCRQ、燃料カット実行
フラグXEMFC、燃料カット開始回転数更新禁止フラ
グXEMFN及び燃料カット終了回転数更新禁止フラグ
XEMFRの挙動を示している。加えて、燃料カット開
始回転数EMFNE、燃料カット終了回転数EMFR
T、燃料カット制限時間EMFTM、燃料カット実行時
間CEMFTM及びフェイルセーフ処理継続時間CEM
EXの挙動を示している。尚、ここでは、サブスロット
ル弁8が全開状態で固着して異常となったときに、運転
者が加速を要求してアクセルペダル10を踏み続けた場
合が想定されている。
【0077】今、時刻t0でサブスロットル制御系が正
常であるとすると、燃料カット要求フラグXFCRQ及
び燃料カット実行フラグXEMFCはそれぞれ「0」と
なり、燃料カット開始回転数変更禁止フラグXEMFN
及び燃料カット終了回転数更新禁止フラグXEMFRは
それぞれ「1」となる。これにより、燃料カット開始回
転数EMFNE及び燃料カット終了回転数EMFRTの
更新がそれぞれ許可される。そして、そのときのエンジ
ン回転数NEを基準に、それよりも初期設定オフセット
値KEMFNBだけ高い回転数が異常時基準回転数とし
ての燃料カット開始回転数EMFNEに設定される。
又、その燃料カット開始回転数EMFNEよりも初期設
定オフセット値KEMFRBだけ低い回転数が異常時基
準回転数としての燃料カット終了回転数EMFRTに設
定される。更に、燃料カット実行時間CEMFTMは
「0」にリセットされ、初期設定値KEMFTBの分の
時間が燃料カット制限時間EMFTMとして設定され
る。加えて、フェイルセーフ処理継続時間CEMEXは
「0」にリセットされる。
【0078】ここで、時刻t1でサブスロットル制御系
に異常が発生すると、エンジン回転数NE1が上昇し始
め、燃料カット要求フラグXFCRQは「1」に変わ
る。又、フェイルセーフ処理継続時間CEMEXのイン
クリメントが開始される。
【0079】その後、時刻t2でエンジン回転数NE1
が燃料カット開始回転数EMFNEに達すると、燃料カ
ット実行フラグXEMFCが「1」に変わり、最初の燃
料カットが開始される。これにより、エンジン回転数N
E1が下がり始める。又、燃料カット終了回転数更新禁
止フラグXEMFRが「0」に変わり、燃料カット実行
時間CEMFTMのインクリメントが開始される。
【0080】そして、時刻t3において、燃料カット実
行時間CEMFTMが燃料カット制限時間EMFTMを
上回ると、燃料カット実行フラグXEMFCが「0」に
変わり、燃料カットが終了されて通常の燃料噴射へ復帰
される。これにより、エンジン回転数NE1が上がり始
める。このとき、燃料カット実行時間CEMFTMは
「0」にリセットされ、燃料カット制限時間EMFTM
はその増分値KIEMFTだけ嵩上げされる。又、燃料
カット終了回転数EMFRTがその増分値KIEMFR
だけ嵩上げされた上で、燃料カット終了回転数更新禁止
フラグXEMFRが「1」に変わる。更に、燃料カット
開始回転数変更禁止フラグXEMFNが「0」に変わ
る。
【0081】続いて、時刻t4において、エンジン回転
数NE1が燃料カット開始回転数EMFNEに達する
と、燃料カット実行フラグXEMFCが「1」に変わ
り、再び燃料カットが開始される。これにより、エンジ
ン回転数NE1が再び下がり始める。又、燃料カット終
了回転数更新禁止フラグXEMFRが「0」に変わり、
燃料カット実行時間CEMFTMのインクリメントが開
始される。更に、燃料カット開始回転数EMFNがその
増分値KIEMFNだけ嵩上げさた上で、燃料カット開
始回転数更新禁止フラグXEMFNが「1」に変わる。
【0082】そして、時刻t5において、燃料カット実
行時間CEMFTMが燃料カット制限時間EMFTMに
達すよりも前に、エンジン回転数NE1が燃料カット終
了開始回転数EMFRTまで下がると、燃料カット実行
フラグXEMFCが「0」に変わる。これにより、燃料
カットが終了されて通常の燃料噴射へと復帰される。こ
のとき、燃料カット実行時間CEMFTMは「0」にリ
セットされ、燃料カット制限時間EMFTMはその増分
値KIEMFTだけ嵩上げされる。又、燃料カット終了
回転数EMFRTがその増分値KIEMFRだけ嵩上げ
された上で、燃料カット終了回転数更新禁止フラグXE
MFRが「1」に変わる。更に、燃料カット開始回転数
変更禁止フラグXEMFNが「0」に変わる。
【0083】その後、運転者によりアクセルペダル10
が踏み続けられてメインスロットル弁9が開かれたまま
であると、時刻t6において、エンジン回転数NE1は
前回よりも高い燃料カット開始回転数EMFNEに達す
る。そして、燃料カット実行フラグXEMFCが「1」
に変わり、再び燃料カットが開始される。これにより、
エンジン回転数NE1が再び下がり始める。又、燃料カ
ット終了回転数更新禁止フラグXEMFRが「0」に変
わり、燃料カット実行時間CEMFTMのインクリメン
トが開始される。更に、燃料カット開始回転数EMFN
がその増分値KIEMFNだけ嵩上げさた上で、燃料カ
ット開始回転数更新禁止フラグXEMFNが「1」に変
わる。
【0084】そして、時刻t7において、フェイルセー
フ処理継続時間CEMEXが「T3s」に達すると、燃
料カット要求フラグXFCRQが「0」に変わり、燃料
カット実行フラグXEMFCが「0」に変わる。そし
て、燃料カットが終了されて通常の燃料噴射へと復帰さ
れ、その後の燃料カットは行われない。このとき、燃料
カット実行時間CEMFTMは「0」にリセットされ、
燃料カット制限時間EMFTMはその増分値KIEMF
Tだけ嵩上げされる。又、燃料カット終了回転数EMF
RTがその増分値KIEMFRだけ嵩上げされた上で、
燃料カット終了回転数更新禁止フラグXEMFRが
「1」に変わる。更に、燃料カット開始回転数変更禁止
フラグXEMFNが「0」に変わる。
【0085】従って、上記のような構成では、サブスロ
ットル制御系の異常発生時に、サブスロットル弁8に代
わり各インジェクタ5A〜5Dが駆動制御されて、エン
ジン1の出力が制御される。しかも、異常時のエンジン
回転数NE1は、それ自体の異常発生後の変化に応じ
て、そのエンジン回転数NE1に近接した燃料カット開
始回転数EMFNEと燃料カット終了回転数EMFRT
等とを基準に、ハンチングを繰り返すように制御され
る。そのため、異常時にエンジン回転数NE1が急激に
変化することはなく、エンジン回転数NE1が下がり過
ぎることもない。又、異常時に運転者がアクセルペダル
10を踏み続けた場合には、エンジン回転数NE1が徐
々に加速されて増大することになり、エンジン1の急激
な減速ショックを防止できることは勿論のこと、エンジ
ンストールを回避することができ、その上でエンジン1
のオーバランを未然に防止することができる。又、異常
時にもエンジン1の加速が可能であることから、異常時
における退避走行をよりスムーズに行うことが可能とな
る。
【0086】一方、図14のタイムチャートは、フェイ
ルセーフ処理におけるエンジン回転数NE(NE1)
と、それに対する燃料カット要求フラグXFCRQ及び
燃料カット実行フラグXEMFCの挙動を示している。
加えて、燃料カット開始回転数EMFNE、燃料カット
終了回転数EMFRT、燃料カット終了後時間CEMI
NJ及びフェイルセーフ処理継続時間CEMEXの挙動
を示している。尚、ここでは、サブスロットル弁8が全
開状態で固着して異常となっており、運転者がアクセル
ペダル10をある程度踏み続けている場合を想定してい
る。又、ここでは、下限回転数NRTが一定で、燃料カ
ット終了回転数EMFRTが下限回転数NRTよりも高
い場合を想定している。更に、ここでは、サブスロット
ル制御系の異常時におけるフェイルセーフ処理の途中が
示されており、燃料カット要求フラグXFCRQは既に
「1」になっている。
【0087】図14では、時刻11〜時刻17におい
て、燃料カット開始回転数EMFNEと燃料カット終了
回転数EMFRTとの間で断続的な燃料カットが実行さ
れる。即ち、時刻t11において、エンジン回転数NE
1が燃料カット開始回転数EMFNEまで上がると、燃
料カット実行フラグXEMFCが「1」に変わり、燃料
カットが開始される。その後、時刻t12において、エ
ンジン回転数NE1が燃料カット終了回転数EMFRT
まで下がると、燃料カット実行フラグXEMFCが
「0」に変わり、燃料カットが終了されて通常の燃料噴
射へと復帰する。更に、時刻t13において、エンジン
回転数NE1が燃料カット開始回転数EMFNEまで上
がると、燃料カット実行フラグXEMFCが「1」に変
わり、再び燃料カットが開始される。そして、時刻t1
3〜t16においても、燃料カットと通常の燃料噴射へ
の復帰とが繰り返され、これにより、エンジン回転数N
E1が燃料カット開始回転数EMFNEと燃料カット終
了回転数EMFRTとの間でハンチングを繰り返すよう
に変動することになる。
【0088】ここで、燃料カット実行フラグXEMFC
が「0」になる時刻t12と時刻t13との間、時刻t
14と時刻t15との間、及び時刻t16と時刻t17
との間では、それぞれ燃料カット終了後時間CEMIN
Jが計時されている。そして、時刻t17でその燃料カ
ット終了後時間CEMINJが初めて「T2s」に達す
ると、燃料カット要求フラグXFCRQが「1」から
「0」に変わり、それ以後の断続的な燃料カットが行わ
れなくなる。このことは、今回のように運転者がアクセ
ルペダル10をある程度踏んでメインスロットル弁9が
ある程度開かれている場合にも行われることである。
【0089】ここで、燃料カット終了後時間CEMIN
Jとして設定された「T2s」という時間は、異常時に
エンジン出力とエンジン1に対する負荷に相当する車両
走行抵抗とが均衡するに充分な時間に適合されている。
従って、サブスロットル制御系の異常時にそのフェイル
セーフ処理としての断続的な燃料カットが実行される際
には、エンジン出力と車両走行抵抗とがほぼ均衡したと
ころで、エンジン1にオーバランの可能性がなくなった
と判断できることから、その断続的な燃料カットが終了
されることにより、エンジン1を安定した運転へ復帰さ
せることが可能となる。又、エンジン1にその回転変動
に起因して不必要な挙動が発生することはない。その結
果、サブスロットル制御系の異常時にエンジン1の出力
制御が必要以上に行われて、車両のドライバビリティを
悪化させるといったことを未然に防止することができ
る。
【0090】又、この実施例では、サブスロットル制御
系の異常時に、そのフェイルセーフ処理としての断続的
な燃料カットが実行されている際に、アクセルペダル1
0が戻されてメインスロットル弁9がある程度閉じられ
ると、断続的な燃料カットが終了される。従って、メイ
ンスロットル弁9がほぼ閉じられてエンジン1の出力が
抑えられたところで、断続的な燃料カットが終了される
ことから、エンジン1に不必要な挙動が発生することは
ない。そのことからも、サブスロットル制御系の異常時
にエンジン1の出力制御が必要以上に行われて、車両の
ドライバビリティを悪化させるといったことを未然に防
止することができる。又、上記のように異常時にアクセ
ルペダル10が一旦戻されてからは、断続的な燃料カッ
トが終了されることから、それ以降は、メインスロット
ル弁9を使用してエンジン1の出力を制御することがで
き、車両の退避走行をスムーズに行わせることが可能と
なる。
【0091】更に、この実施例では、上記のように異常
時における断続的な燃料カットを終了するための条件を
得るために、メインスロットルセンサ31以外にはエン
ジン1の運転状態を検出するための特別なセンサを何ら
使用していない。そのため、フェイルセーフ処理のため
の演算がエンジンECU51の内部で比較的処理し易く
なり、比較的簡単なシステム構成で演算等を達成するこ
とができる。又、断続的な燃料カットを終了させるに際
して、信号入力に係る通信異常に起因した誤作動を防止
することもできる。
【0092】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。
(1)前記実施例では、第1の発明をリンクタイプのメ
インスロットル弁9とリンクレスタイプのサブスロット
ル弁8との2弁式の場合に具体化したが、リンクレスタ
イプのスロットル弁のみを有する1弁式の場合に具体化
することもできる。
【0093】(2)前記実施例では、サブスロットル制
御系の異常時に、燃料カット開始回転数EMFNEと燃
料カット終了回転数EMFRTとを異常時基準回転数と
して、異常時のエンジン回転数NE1が両回転数EMF
NE,EMFRTに繰り返し近づくように、断続的な燃
料カットを行うようにした。これに対し、サブスロット
ル制御系の異常時には、その異常発生時点に決定される
一つの異常時基準回転数にエンジン回転数が収束するよ
うに、燃料噴射量制御を行うようにしてもよい。或い
は、単に一義的な燃料カットを行うようにしてもよい。
【0094】(3)前記実施例では、スロットル開度検
出手段としてメインスロットルセンサ31を使用し、そ
のセンサ31から得られるメインスロットル開度TAM
に基づいてメインスロットル弁9がほぼ閉じられたこと
を判断するようにした。これに対し、スロットル開度検
出手段をアイドルスイッチとして、そのアイドルスイッ
チが「オン」となったときに、メインスロットル弁がほ
ぼ閉じられたことを判断するようにしてもよい。或い
は、アクセルセンサ33より得られるアクセル開度AC
CPがほぼ「0」となったときに、メインスロットル弁
9がほぼ閉じられたことを判断するようにしてもよい。
【0095】(4)前記実施例では、サブスロットル制
御系の異常時に断続的な燃料カットを行うフェイルセー
フ処理を実行するようにしたが、その異常時にエンジン
1の減気筒運転を行うようにしてもよい。
【0096】(5)前記実施例では、運転者により操作
されるアクセル操作手段としてアクセルペダル10を用
いたが、アルセルレバーやそれ以外の操作部材を用いる
こともできる。
【0097】(6)前記実施例では、機関回転数検出手
段とし回転数センサ37の代わりに車速センサを用いる
こともできる。つまり、エンジン回転数NEの代わりに
車速SPDを用いることもできる。
【0098】(7)前記実施例では、4気筒のエンジン
1に具体化したが、4以上の気筒数のエンジンに具体化
することもできる。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように、第1の発明によれ
ば、スロットル制御系に係る異常が検出されたときに、
異常発生直前の機関回転数に基づき機関回転数を周期を
もって変動させるように出力変更手段を駆動制御するよ
うにしている。そして、機関回転数の変動周期の計測結
果が所定値を越えたときに、出力変更手段の駆動制御を
終了させるようにしている。従って、スロットル制御系
に異常が発生したときには、スロットル弁に代わり出力
変更手段によって内燃機関の出力が制御される。そし
て、内燃機関の出力と内燃機関に対する負荷とが均衡し
たところでその出力制御が終了されることにより、内燃
機関を安定した運転へ復帰させることが可能となる。そ
の結果、スロットル制御系の異常時に内燃機関の出力を
制御してオーバランを未然に防止することができる。こ
れと共に、その出力制御が必要以上に行われてドライバ
ビリティを悪化させることを未然に防止することができ
るという優れた効果を発揮する。
【0100】又、第2の発明によれば、第1のスロット
ル弁と第2のスロットル弁を有するシステムにおいて、
第1のスロットル弁に係るスロットル制御系に異常が検
出されたときに、内燃機関の出力を抑制するように出力
変更手段を駆動制御するようにしている。そして、第2
のスロットル弁の開度が所定値よりも小さいときに、出
力変更手段の駆動制御を終了させるようにしている。従
って、スロットル制御系に異常が発生したときには、ス
ロットル弁に代わり出力変更手段によって内燃機関の出
力が制御される。そして、第2のスロットル弁がほぼ閉
じられて内燃機関の出力が抑えられたところで、内燃機
関の出力制御が終了されることから、内燃機関に不必要
な挙動が発生することはない。その結果、スロットル制
御系の異常時に内燃機関の出力を制御してオーバランを
未然に防止することができる。これと共に、その出力制
御が必要以上に行われてドライバビリティを悪化させる
ことを未然に防止することができるという優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図2】第2の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図3】第1の発明及び第2の発明を具体化した一実施
例において、FR方式の自動車に適用してなるガソリン
エンジンシステムを示す概略構成図である。
【図4】一実施例において、サブスロットル弁とメイン
スロットル弁の配置状態等を示す概略構成図である。
【図5】一実施例において、アクセル開度に対するメイ
ンスロットル開度及びサブスロットル開度の関係を示す
マップである。
【図6】一実施例において、エンジンECUとスロット
ルECUの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】一実施例において、エンジンECUにより実行
される「フェイルセーフ演算ルーチン」の処理内容を示
すフローチャートである。
【図8】一実施例において、同じく「フェイルセーフ演
算ルーチン」の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】一実施例において、同じく「フェイルセーフ演
算ルーチン」の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】一実施例において、同じく「フェイルセーフ
演算ルーチン」の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図11】一実施例において、同じく「フェイルセーフ
演算ルーチン」の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図12】一実施例において、エンジンECUにより実
行される「燃料噴射量制御ルーチン」の処理内容を示す
フローチャートである。
【図13】一実施例において、フェイルセーフ処理にお
けるエンジン回転数と、それに対する各種パラメータの
挙動を示すタイムチャートである。
【図14】一実施例において、同じくフェイルセーフ処
理におけるエンジン回転数と、それに対する各種パラメ
ータの挙動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、2…吸気系を構成する
吸気通路、5A〜5Dは出力変更手段を構成するインジ
ェクタ、8…第1のスロットル弁としてのサブスロット
ル弁、9…第2のスロットルべんとしてのメインスロッ
トル弁、10…アクセル操作手段を構成するアクセルぺ
ダル、11…アクチュエータとしてのステップモータ、
31…スロットル開度検出手段を構成するメインスロッ
トルセンサ、32…サブスロットルセンサ、33…アク
セルセンサ、34…吸気圧センサ(31〜34は異常状
態検出手段を構成している。)、37…機関回転数検出
手段としての回転数センサ、51…第2の駆動制御手
段、第3の駆動制御手段、第1の制御終了手段及び第2
の制御終了手段を構成するエンジンECU、52…第1
の駆動制御手段を構成するスロットルECU。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−183249(JP,A) 特開 平4−86349(JP,A) 特開 昭63−159645(JP,A) 特開 昭62−35039(JP,A) 特開 平4−365934(JP,A) 特開 平6−108906(JP,A) 特開 平6−264788(JP,A) 特開 平6−229301(JP,A) 特表 平3−501757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/22 310

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気系に設けられ、前記内燃
    機関の出力を制御するために開閉される第1のスロット
    ル弁と、 前記第1のスロットル弁を開閉させるために駆動制御さ
    れるアクチュエータと、 運転者により操作されるアクセル操作手段の操作量を検
    出するためのアクセル操作量検出手段と、 前記アクセル操作量検出手段の検出結果に応じて前記ア
    クチュエータを駆動制御するための第1の駆動制御手段
    と を備えた内燃機関のスロットル弁制御装置において、 前記第1のスロットル弁、前記アクチュエータ、前記ア
    クセル操作量検出手段及び前記第1の駆動制御手段を含
    むスロットル制御系の異常を検出するための異常検出手
    段と、 前記内燃機関の出力に相関する機関回転数を検出するた
    めの機関回転数検出手段と、 前記内燃機関の出力を制御するために使用される前記第
    1のスロットル弁以外の出力変更手段と、 前記異常検出手段により前記異常が検出されたときに、
    前記機関回転数検出手段により検出された異常発生直前
    の前記機関回転数に基づき、前記機関回転数を周期をも
    って変動させるように前記出力変更手段を駆動制御する
    ための第2の駆動制御手段と、 前記機関回転数の変動周期を計測し、その計測結果が所
    定値を越えたときに、前記第2の駆動制御手段による出
    力変更手段の駆動制御を終了させるための第1の制御終
    了手段とを備えたことを特徴とする内燃機関のスロット
    ル弁制御装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の吸気系に設けられ、前記内燃
    機関の出力を制御するために開閉される第1のスロット
    ル弁と、 前記第1のスロットル弁を開閉させるために駆動制御さ
    れるアクチュエータと、 運転者により操作されるアクセル操作手段の操作量を検
    出するためのアクセル操作量検出手段と、 前記アクセル操作量検出手段の検出結果に応じて前記ア
    クチュエータを駆動制御するための第1の駆動制御手段
    と、 前記吸気系にて前記第1のスロットル弁と直列に配設さ
    れ、前記内燃機関の出力を制御するために前記アクセル
    操作手段に機械的に連結されて開閉される第2のスロッ
    トル弁とを備えた内燃機関のスロットル弁制御装置にお
    いて、 前記第1のスロットル弁、前記アクチュエータ、前記ア
    クセル操作量検出手段及び前記第1の駆動制御手段を含
    むスロットル制御系の異常を検出するための異常検出手
    段と、 前記第2のスロットル弁の開度を検出するためのスロッ
    トル開度検出手段と、 前記内燃機関の出力を制御するために使用される前記第
    1及び第2のスロットル弁以外の出力変更手段と、 前記異常検出手段により前記異常が検出されたときに、
    前記内燃機関の出力を抑制するために前記出力変更手段
    を駆動制御するための第3の駆動制御手段と、 前記スロットル開度検出手段により検出される前記第2
    のスロットル弁の開度が所定値よりも小さいときに、前
    記第3の駆動制御手段による出力変更手段の駆動制御を
    終了させるための第2の制御終了手段とを備えたことを
    特徴とする内燃機関のスロットル弁制御装置。
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