JP2995881B2 - リチウムの回収方法 - Google Patents

リチウムの回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海水またはかん水等から
効率的にリチウムを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】資源確保の面から、海水、かん水、地熱
水等のリチウムを含む溶液からリチウムを採取する技術
の確立が要望されているが、いまだ実用に供するような
技術は確立されるに到っていない。その中でも種々の採
取法のうち、比較的効率的な方法として、雑誌「日本海
水学会誌、第42巻、第3号、114〜118頁(19
88年)」等に報告されているスピネル型マンガン酸化
物、例えばマグネシウム酸化物(Mg2 MnO4 )から
導かれるリチウム吸着剤[HMnO(2Mg)]を用い
る方法が知られている。
【0003】また、その他のリチウム吸着剤としては、
無定形含水酸化アルミニウム、2.5MgO・Al2
3 ・nH2 O、アルミナ−マグネシア、Al23 ・F
23 ・nH2 O、ドーソナイト、スメクタイト、ア
ンチモン酸スズ、アンチモン酸チタン、層状チタン酸、
ビルネサイト、単斜晶系アンチモン酸化物、γ型二酸化
マンガン、活性炭担持SnO2 、含水酸化スズ等も知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
リチウム吸着剤を用いたリチウム採取法では、吸着剤自
身の吸着能が不十分であり、吸着剤の製造コストも高
く、また吸着システムや回収システムのコストも高い等
の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたものであって、意外にもリチウム
吸着剤として硫酸黒鉛を用いたところ、海水やかん水か
らのリチウム吸着能が良く、しかも吸着したリチウムを
吸着剤から脱離回収するのも簡単で、さらに硫酸黒鉛は
吸着剤として何回も繰返し使用することができ、効率的
で低コストの回収方法を見い出し本発明を完成するに到
った。
【0006】本発明の要旨は、黒鉛に硫酸もしくは硫酸
水素イオンをドーピングした硫酸黒鉛をリチウムを含有
する溶液に接触させて硫酸黒鉛にリチウムを吸着させ、
次にリチウムを吸着した硫酸黒鉛からリチウムを脱離し
てリチウムを回収する方法にある。
【0007】本発明で使用する硫酸黒鉛はHSO4 -等の
アニオンを黒鉛の層間に酸化ドーピングする化学的方
法、硫酸水溶液中で電気化学的に黒鉛を酸化して硫酸を
ドーピングする電気化学的方法、または黒鉛を酸化性雰
囲気に置いて、気相中の硫酸イオン等をドーピングして
製造したものである。
【0008】硫酸黒鉛を製造する方法を詳細に述べると
次のようになるが、必ずしもこれらの方法に限定される
ものではない。化学的に製造する方法は適量の黒鉛を濃
硫酸に浸漬し、酸化剤として例えば硝酸を添加すると、
黒鉛が酸化され硫酸が黒鉛の層間にドーピングされる。
この過程を式に示せば次式(I)のようになる。
【0009】
【化1】 ここで用いる酸化剤としては、硝酸、過酸化水素、過硫
酸アンモニウム等をあげることができる。
【0010】また電気化学的に酸化する場合は、白金等
の集電体に黒鉛を接触させ、対極に白金を用い、濃硫酸
中で数Vの電圧をかけると黒鉛が酸化されHSO4 -がド
ーピングされる。しかしコスト的に考慮するならば化学
的方法が好ましい。
【0011】上記のようにして製造した硫酸黒鉛を海水
やかん水等のリチウムを含む溶液中に入れ撹拌すること
により、溶液中に存在するリチウムが他のカチオンより
も選択的に黒鉛中に吸蔵される。海水やかん水中に投入
する硫酸黒鉛の量は溶液1lに対して、0.5〜5.0
gが適当であるが、溶液を循環させる方法や、流動させ
る方法も可能である。また硫酸黒鉛を海水やかん水中で
撹拌する場合は、その撹拌時間は5時間以上200時間
以下であり、24〜80時間が好ましい。
【0012】次に硫酸黒鉛中に吸蔵したリチウムを硫酸
黒鉛より脱離するには、リチウムを吸蔵した硫酸黒鉛を
プロトン酸や酸化剤、例えば硝酸等で酸化することで行
う。プロトン酸や酸化剤としては硝酸の他、クロム酸、
過塩素酸、過酸化水素、過硫酸アンモニウム等があげら
れる。
【0013】また酸化された硫酸黒鉛は再びリチウム回
収の媒体として繰返し使用できる。即ち、硫酸黒鉛にL
+ が吸蔵される過程は次式(II)または(II' )のよ
うに示される。
【化2】
【化3】 硫酸黒鉛に吸蔵されたリチウムを硫酸黒鉛から脱離する
には、酸化処理すれば
【外1】 になり、実際に繰返し硫酸黒鉛をリチウム回収に使用す
ることができる。
【0014】本発明で使用できる黒鉛の種類は特に制限
はない。しかし硫酸黒鉛になりやすくしかもLiイオン
を挿入しやすくするためには黒鉛化度が高いほうが良
い。その黒鉛化度をX線指数、即ちCo/2で示した場
合、その値が3.4以下であることが望ましい。次に実
施例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
【0015】X線指数が3.37の人工黒鉛電極(昭和
電工(株)製)の微粉砕品を2.0g秤量し、18N−
2 SO4 水溶液(1000ml)に浸した。次いで1
0N−HNO3 を徐々に滴下し、全部で100ml混入
した。この溶液には、上記黒鉛微粉を押し固め、白金電
極に押し付けテフロン容器で固定して溶液が自由に黒鉛
微粉に接触できるようにした。モニター電極とその対極
として白金板を、また参照極として飽和カロメル電極も
同時に挿入しておき電極電位の変化を調べた。
【0016】その結果を図1に示した。図1は黒鉛の硝
酸による酸化時の電位変化を示したもので、横軸が時
間、縦軸が飽和カロメル電極に対する黒鉛電極の電位を
示している。
【0017】図1において、硫酸に浸した時点から電位
が上昇し、さらに硝酸を滴下することで0.6Vまで電
位上昇が見られ安定した。さらに再び電位上昇が見られ
0.9Vで長期的に安定した。この電位上昇は硫酸に浸
すことで黒鉛の仕事関数によって安定電位に移行し、硝
酸滴下によって黒鉛が酸化され同時に硫酸が黒鉛の層間
に挿入されたためと推定できる。硝酸酸化で2段になっ
た理由は、初期の酸化では硫酸が入る層間同士の幅が大
きく、そのため第1ステージができ、次いで酸化が進行
するに従って初期酸化の層間同士のさらに内部の層間ま
で硫酸が挿入され、第2ステージができたためと推定さ
れる。
【0018】このようにして得た硫酸黒鉛粉を実験用に
調製した疑似海水(LiClが20ppm 、NaClが5
%)10l中に浸し、約4日間よく撹拌した。4日後に
硫酸黒鉛をろ過採取し蒸留水で簡単に洗浄した後、硫酸
黒鉛中に吸蔵されたLiとNaの濃度をICP発光分析
法で調べた。
【0019】その結果、硫酸黒鉛中のLiが4.6mg
/gで、Naが8.0mg/gであった。リチウムは2
700倍に濃縮採取されたことになる。次いでリチウム
を選択的に採取した硫酸黒鉛を10規定硝酸で処理する
ことにより、硫酸黒鉛が酸化されリチウムのみを脱離で
きた。その後再び硫酸黒鉛を海水中に入れLi+ 回収実
験を繰返した。その結果、リチウム回収量は第1回目と
殆ど同じであった。20回以上の繰返し使用でも本実験
で使用した硫酸黒鉛のリチウム回収能は殆ど劣化しなか
った。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、黒鉛に硫酸もし
くは硫酸水素イオンをドーピングした硫酸黒鉛を吸着剤
として用い、この硫酸黒鉛をリチウムを含む溶液に接触
させてリチウムを吸着させた後、硫酸黒鉛からリチウム
を脱離回収しているので、吸着剤の吸着能が大きく、吸
着剤も安価に製造でき、しかも繰返して使用が可能であ
り、回収システムも簡易で、回収効率も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた黒鉛の硝酸による酸化時の電位
変化を示したグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛に硫酸もしくは硫酸水素イオンをド
    ーピングした硫酸黒鉛をリチウムを含有する溶液に接触
    させてリチウムを吸着させ、しかる後、硫酸黒鉛からリ
    チウムを脱離することを特徴とするリチウムの回収方
    法。
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WO2024058764A1 (en) * 2022-09-16 2024-03-21 İzmi̇r Yüksek Teknoloji̇ Ensti̇tüsü Rektörlüğü Nano fibre material and production method to be used as a filter for lithium recovery

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