JP2994639B1 - 吸収式ヒ―トポンプの作動媒体、及びこれを用いる吸収式ヒ―トポンプ - Google Patents

吸収式ヒ―トポンプの作動媒体、及びこれを用いる吸収式ヒ―トポンプ

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Abstract

【要約】 【課題】 吸収式ヒートポンプサイクルの成績係数を高
めることができ、また、地球温暖化係数が小さいので地
球環境への負荷の少ない吸収式ヒートポンプの作動媒
体、及びこれを用いる吸収式ヒートポンプを提供する。 【解決手段】 蒸発器4、吸収器5、再生器1及び凝縮
器3を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする
吸収式ヒートポンプの作動媒体において、冷媒として化
学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を使用し、
1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収式ヒートポン
プの作動媒体、及びこれを用いる吸収式ヒートポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンの普及による夏場の電力
使用量の増加に加え、オフィスビルのOA化による冷房
需要が増大し、夏場の電力需給の逼迫は深刻な問題とな
っている。特に夏季の電力使用量のピーク時は、電力使
用量の約40%が冷房によるものであり、この割合は、
今後全電気使用量が増大しても変わらないと予想され
る。これを解決するためには、家庭用エアコンや事務所
用エアコンとして、電力消費量の少ない吸収式ヒートポ
ンプを使用する冷房システムが有効であると考えられて
いる。また、工業廃熱の有効利用、エネルギ機器のハイ
ブリッド化によるコジェネレーション化という点から
も、廃熱で駆動可能な吸収式ヒートポンプが有効であ
る。
【0003】これらの観点から、現在、作動媒体の吸収
溶液として臭化リチウム水溶液、冷媒として水を用いる
吸収式ヒートポンプが開発され、市場に多く投入されて
いる。また、アンモニア−水を作動媒媒とする吸収式ヒ
−トポンプも提唱されている。さらに、特開平9−29
6966号公報に開示されるように、冷媒に炭化水素も
しくはフッ化炭素水素系冷媒(HFC)を用い、吸収剤
にビニルエーテル化合物を使用して吸収式ヒートポンプ
を作動させるもの、また、特開平9−104862号公
報に開示されるように、冷媒にフッ化アルコールのトリ
フロロエタノール(TFE:HFCの水素を水酸基OH
と置換した物質で、現在、圧縮式ヒートポンプの冷媒と
して使用されている)、吸収剤に高沸点の極性溶媒のジ
メチルイミダゾリドン(DMI)を使用して吸収式ヒー
トポンプを作動するものなどが提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吸収剤に臭化リチウム
水溶液、冷媒に水を用いる吸収式ヒートポンプにおいて
は、水は作動温度ではその蒸気圧力が数mmHgと低い
ため不凝縮ガスの排除が困難であること、臭化リチウム
水溶液に腐食性があること、定期的なメンテナンスが必
要であること、小型化が困難であること及び空冷化が困
難であること、などの点で解決すべき課題が多くある。
また、冷媒として純水を使用した場合には純水が凍結す
るため、冬期にはヒートポンプを運転できず、このため
暖房運転効率が悪い。
【0005】また、吸収剤に水、冷媒にアンモニアを用
いる吸収式ヒートポンプも提唱されているが、アンモニ
アの毒性が強いこと、腐食回避のための適切なインヒビ
タがないこと及び作動圧力が高いこと、などの理由から
二重効用化は難しく、効率のよい吸収式ヒートポンプを
得ることが困難である。
【0006】さらにまた、HFC、TFEなどを冷媒に
用いる場合、これら物質の地球温暖化係数が大きいこ
と、ビニルエーテル化合物、DMIなどを吸収剤に用い
る場合、高温部での腐食、毒性の問題が懸念される点で
課題が残っている。
【0007】さらにまた、圧縮式ヒートポンプに関して
も歴史的にはR11、R12、R22(CFC11、C
FC12、HCFC22)等のフロン冷媒が開発され
て、その化学的な安定性、人体に対しての無害性から、
これらの物質が吸収式ヒートポンプ用冷媒の主流となっ
た時代もあるが、近年、特定フロン(CFC11、CF
C12、CFC113)が、オゾン層保護のために規制
され、またその他のフロン冷媒(HCFC22、HCF
C123)なども地球温暖化の観点から規制されること
により、地球環境保護の観点から、環境負荷の少ない作
動媒体を選定、利用していく必要が生じている。
【0008】本発明の目的は、吸収式ヒートポンプサイ
クルの成績係数を高めることができ、また、地球温暖化
係数が小さく地球環境への負荷の少ない吸収式ヒートポ
ンプの作動媒体、及びこれを用いる吸収式ヒートポンプ
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、蒸発器、吸
収器、再生器及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合
物を作動媒体とする吸収式ヒートポンプの作動媒体にお
いて、冷媒として化学式R1−O−R2の分子構造を持つ
物質を使用し、R1、R2は独立に炭素数が1もしくは2
のアルキル基である、ことによって達成される。
【0010】また上記目的は、蒸発器、吸収器、再生器
及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体
とする吸収式ヒートポンプの作動媒体において、冷媒と
してR1、R2が独立に炭素数が1もしくは2のアルキル
基またはアルケン基である化学式R1−O−R2の分子構
造を持つ物質を使用し、吸収剤として酸素の二重結合の
ある物質を使用する、ことによって達成される。
【0011】さらにまた上記目的は、蒸発器、吸収器、
再生器及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作
動媒体とする吸収式ヒートポンプの作動媒体において、
冷媒としてR1、R2が独立に炭素数が1もしくは2のア
ルキル基またはアルケン基である化学式R1−O−R2
分子構造を持つ物質を使用し、吸収剤として化学式R5
−OHの分子構造を持つ物質を使用し、R5は炭素数が
8個以下の芳香族である、ことによって達成される。
【0012】さらにまた上記目的は、蒸発器、吸収器、
再生器及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作
動媒体とする吸収式ヒートポンプの作動媒体において、
冷媒としてメチルエーテル、メチルエチルエーテルもし
くはジエチルエーテルを使用し、吸収剤として化学式R
3−COO−R4の分子構造を持つ物質を使用し、R3
4は独立に炭素数が1から6のアルキル基またはアル
ケン基であるエステル化合物である、ことによって達成
される。
【0013】さらにまた上記目的は、蒸発器、吸収器、
再生器及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作
動媒体とする吸収式ヒートポンプにおいて、冷媒として
化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を使用し、R
1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基であ
る、ことによって達成される。
【0014】さらにまた上記目的は、蒸発器、吸収器、
再生器及び凝縮器を備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作
動媒体とする吸収式ヒートポンプにおいて、冷媒として
化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を使用し、R
1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基であ
る、ことによって達成される。
【0015】さらにまた上記目的は、水素原子の1ない
し3個をフッ素で置換する、ことによって達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、吸収式ヒートポンプの実
施例のフロー図である。吸収式ヒートポンプは、再生器
1、精留器2、凝縮器3、蒸発器4、吸収器5、ボイラ
6、膨張弁7、吸収溶液循環ポンプ8及びそれらをつな
ぐ配管9、10、11、12及び13と、散布装置1
4、15及び16と、伝熱管17、18、19、20、
21及び22とによって構成されている。
【0017】上記構成において、再生器1より発生した
冷媒蒸気は、上方の精留器2で吸収器5より戻ってきた
より温度の低い吸収溶液(吸収剤)と伝熱管19を介し
て熱交換する。熱交換して乾いた冷媒蒸気は、配管12
を経て凝縮器3へ流入し、配管13内を流れる冷却水と
伝熱管22を介して熱交換して凝縮し液冷媒となる。凝
縮して液化した冷媒は膨張弁7により断熱膨張をして温
度を低下し、蒸発器4に流入して散布装置14により伝
熱管17上に散布される。この冷媒の散布によって伝熱
管17内を流れる冷水は熱を奪われてより温度の低い冷
水となり、散布された冷媒は伝熱管17内を流れる冷水
から熱を奪うことによって蒸発し、蒸気の状態で吸収器
5へ流入する。
【0018】他方、再生器1においてボイラ6により加
熱され濃縮されて濃度の濃くなった吸収溶液(濃吸収
液)は、配管9を経て吸収器5に流入する際に、冷媒蒸
気を吸収して濃度のうすくなった吸収器5から戻ってく
る吸収溶液(希吸収液)と伝熱管20を介して熱交換す
る。この熱交換により冷却されて温度の低下した濃度の
濃い吸収溶液は、吸収器5の上部にある散布装置15か
ら伝熱管18上に散布される。この散布された濃度の濃
い吸収溶液は、吸収溶液ポンプ8により配管11内を流
れる濃度がうすい吸収溶液と伝熱管18を介して熱交換
する。この熱交換により、より低温になった濃度の濃い
吸収溶液は、配管10を経て蒸発器4から流入してくる
冷媒蒸気を吸収し、濃度のうすい吸収溶液となる。
【0019】冷媒蒸気を吸収して濃度のうすくなった吸
収溶液は、配管13内を流れる冷却水と伝熱管21を介
して熱交換をすることによって冷却され、さらに冷媒蒸
気を吸収しながら流下して吸収器5の底部に達する。こ
の冷媒蒸気を吸収し濃度のうすくなった吸収溶液は、吸
収溶液循環ポンプ8により伝熱管18及び19において
2段階で加熱され、散布装置16によって再生器1の上
部から伝熱管20上に散布される。散布された吸収溶液
はボイラ6によって加熱され、冷媒蒸気を分離し自らは
濃度の濃い吸収溶液に再生される。
【0020】吸収式ヒートポンプは以上の吸収サイクル
を繰り返す。
【0021】本実施例においては、上記構成の吸収式ヒ
ートポンプを作動させるための冷媒として、メチルエー
テル〔化1〕、メチルエチルエーテル〔化2〕、ジエチ
ルエーテル〔化3〕あるいは〔化4〕に示す比較的沸点
の低いエーテル系の自然冷媒を使用する。
【0022】さらに、吸収剤として、酢酸基(R1−C
OOH)〔化5〕、アルデヒド基(R1−CHO)〔化
6〕、カルボニル基(R1−CO−R2)〔化7〕、エス
テル基(R1−COO−R2)〔化8〕などの酸素(O)
の二重結合のある物質を使用する。あるいは、吸収剤と
して、ベンゼン等の炭素数8個以下の芳香族に水酸基−
OHのついた物質〔化9〕を使用する。また、冷媒とし
て〔化10〕に示すように、〔化1〕ないし〔化3〕に
示す物質において水素原子をフッ素で置換している物質
を使用する。
【0023】化学式中、R1、R2は独立に炭素数1もし
くは2のアルキル基またはアルケン基、R3、R4は独立
に水素原子が1個もしくは炭素数が1ないし6のアルキ
ル基またはアルケン基、R5はベンゼン等の炭素数8個
以下の芳香族を示している。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】吸収式ヒートポンプの作動冷媒として、上
記メチルエーテル〔化1〕、メチルエチルエーテル〔化
2〕、ジエチルエーテル〔化3〕あるいは〔化4〕に示
す比較的沸点の低いエーテル系の自然冷媒を使用する場
合に、吸収剤として、酢酸基(R1−COOH)〔化
5〕、アルデヒド基(R1−CHO)〔化6〕、カルボ
ニル基(R1−CO−R2)〔化7〕、エステル基(R1
−COO−R2)〔化8〕などの酸素(O)の二重結合
のある物質を使用する。あるいは、吸収剤として、ベン
ゼン等の炭素数8個以下の芳香族に水酸基−OHのつい
た物質〔化9〕を使用するが、その効果を、下記にメチ
ルエーテル〔化1〕の場合を例にとって説明する。
【0035】まず、吸収剤の評価方法について説明す
る。通常、吸収サイクルの評価は、成績係数COP(発
生冷房能力/吸収剤の再生に必要な熱量)で比較する必
要があるが、これを求めるためには、再生器1、吸収器
5、蒸発器4、凝縮器3及び伝熱管などの仕様を決定
し、サイクル全体の計算を行わなければならない。ま
た、サイクルの構成によって、各冷媒と吸収剤との組み
合わせのCOPの優劣が変わってくる。
【0036】そこで、吸収式ヒ−トポンプの吸収サイク
ルを図2に示すように、簡易的に考えて評価関数QEの
計算を行う。まず、吸収液を再生器1の温度まで加熱す
るのに必要な熱量Q1と、再生器1をでて吸収器5まで
戻すために冷却するのに必要な熱量Q2を計算する。吸
収液を加熱するのに必要な熱量Q1のうち、通常使用さ
れる単相の伝熱管の温度効率は0.85程度である。し
たがって、吸収液を冷却するための熱量Q2の85%を
単相の熱交換器により回収できるとして、この差を吸収
液側のサイクルを維持するために必要な熱量と考えてこ
れをQEとする。冷媒側の状態は吸収剤が変わっても冷
媒流量DCを一定とすれば、ほぼ同様であると考えられ
るので、DC=1kg/sとして、各々のQEについて
計算する。ここで、吸収液の流量をGC、冷媒の流量を
DCとすると、熱量QEを物性計算によって与えられた
エンタルピーhを使用して、以下の式、〔式1〕ないし
〔式5〕によって求めることができる。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】
【数5】
【0042】ここに、各記号の意味は次のとおりであ
る。
【0043】DC:冷媒質量流量(kg/s) GC:吸収液質量流量(kg/s) h:エンタルピ(kJ/kg) QE:交換熱量(kW) XA:吸収器での吸収液質量濃度(Wt%) XG:再生器での吸収液質量濃度(Wt%) 熱量QEが小さい場合は、再生器1で加熱する熱量がそ
の分小さくなるのでCOPが高くなる。したがって、こ
の熱量QEを評価関数として考えることができる。評価
サイクルは各冷媒の5℃の蒸発圧力を蒸発器の圧力条件
とし、同様に冷媒の40℃の蒸発圧力を再生器の圧力条
件とした。
【0044】冷媒と吸収剤との混合時のすべての組み合
わせについての物性デ−タは、明瞭でないので、その評
価には気液平衡物性推算法を利用した。
【0045】気液平衡物性推算法には大別して2つの方
法があり、1つは、仮定した濃度の混合液の活量係数γ
iから液相側のフガシティーを求め、気相側のフガシテ
ィーψと比較して平衡状態を求めるという方法であり、
もう一つは、状態方程式を利用する方法である。活量係
数γiを用いて気液平衡状態を推測する方法は、通常、
標準沸点が室温以上の物質からなる系に使われ、圧力は
数気圧以下で使われる。その理由は気相のフガシティー
係数を決定するのに理想気体と仮定するか、もしくは第
二ビリアル係数を用いることが多いため、高圧になると
精度が悪くなるからである。
【0046】上記理由により、一般的には高温、高圧で
臨界点に近づくと、適用が難しいといわれている。本評
価では臨界点に近い状態での気液平衡を論ずる必要があ
るため、J. Gmehlingらの提唱する(J. Gmehling, ‘Fr
om UNIFAC to Modified UNIFAC to PSRK with the help
of DDB’, Fluid Phase Equilibria, 107, pp1-29 (19
95))状態方程式を使用するものを利用した。
【0047】図3は、この気液平衡推算法に基づいて計
算した混合物の低沸点成分の質量濃度(wt%)と沸点
温度(℃)との関係を示すグラフである。低沸点成分5
℃の蒸気圧での蒸発器条件(実線)、及び破線低沸点成
分40℃の蒸気圧での凝縮器条件(破線)の場合につい
て示す。
【0048】このグラフから、実線矢印で示すように、
蒸発器条件では、吸収液の温度が冷却可能な40℃の
時、吸収剤質量濃度XA(wt%)まで希釈可能である
ことが分かる。また、同様に破線矢印で示すように、凝
縮条件では、吸収液の温度が再生器で加熱可能な100
℃の時、吸収剤質量濃度XG(wt%)まで濃縮可能で
あることが分かる。
【0049】〔表1〕ないし〔表4〕は、メチルエーテ
ルを冷媒とした場合に吸収剤の候補として挙げた各物質
の各条件での平衡濃度と評価関数熱量QEとを示すもの
である。評価関数熱量QEが小さいほど吸収剤として有
望であることを示している。表中、上位の物質には酢酸
基(−COOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボ
ニルキ基(R−CO−R’)、エステル基(R−COO
−R’)などの酸素の二重結合(=O)のあるものが多
いことが分かる。
【0050】表中の上位の物質の分子は、分子内で酸素
の二重結合側に電子が集まり、またそれと結合した炭素
側がプラスに帯電して分極が起こり、このプラスに帯電
した炭素と分極により若干マイナスに帯電したエーテル
の酸素とが互いにイオン力で引き合っており、冷媒及び
吸収剤の混合物が特に通常の分子以上に引き合っている
ものと考えられる。また、ベンゼン等の炭素数8個以下
の芳香族に水酸基−OHがついた物質(たとえばフェノ
ール)も分子内での分極が大きく、同様な理由で吸収剤
として使用した場合に効果がある。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】吸収式ヒートポンプの作動冷媒として、
メチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエー
テル等の比較的沸点の低いエーテル系の自然冷媒を使用
する場合に、吸収剤として、酢酸基(−COOH)、ア
ルデヒト基(−CHO)、カルボニル基(R−CO−
R’)、エステル基(R−COO−R’)などの酸素の
二重結合(=O)があるもの、あるいはベンゼン等の炭
素数8個以下の芳香族に水酸基−OHがついた物質を使
用することによって、吸収式ヒートポンプサイクルの成
績係数を高めることができる。また、作動冷媒として使
用するメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチ
ルエーテル等はエーテル系の自然冷媒であるので、地球
温暖化係数が小さく、このため地球環境への負荷が少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るの吸収ヒートポンプのフロー図で
ある。
【図2】吸収サイクルと各状態量とを簡易的に示す図で
ある。
【図3】混合液の沸点温度と吸収剤質量濃度との関係を
示す図である。
【符号の説明】
1:再生器、2:精留器、3:凝縮器、4:蒸発器、
5:吸収器、6:ボイラ、7:膨張弁、8:吸収溶液循
環ポンプ、9、10、11、12、13:配管 14、15、16:散布装置、17、18、19、2
0、21、22:伝熱管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−296966(JP,A) 特開 昭60−63269(JP,A) 特開 昭59−115949(JP,A) 特開 昭57−67763(JP,A) 特開 昭56−67536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/00 C09K 5/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を備
    え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式ヒ
    ートポンプの作動媒体において、 冷媒として化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を
    使用し、 R1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基で
    あることを特徴とする吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  2. 【請求項2】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を備
    え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式ヒ
    ートポンプの作動媒体において、 冷媒としてR1、R2が独立に炭素数が1もしくは2のア
    ルキル基またはアルケン基である化学式R1−O−R2
    分子構造を持つ物質を使用し、 吸収剤として酸素の二重結合のある物質を使用すること
    を特徴とする吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  3. 【請求項3】 前記吸収剤として化学式R3−COO−
    4の分子構造を持つ物質を使用し、R3、R4は独立に
    水素原子が1個もしくは炭素数が1ないし6のアルキル
    基またはアルケン基であることを特徴とする請求項2記
    載の吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  4. 【請求項4】 前記吸収剤として化学式R3−CO−R4
    の分子構造を持つ物質を使用し、R3、R4は独立に水素
    原子が1個もしくは炭素数が1ないし6のアルキル基ま
    たはアルケン基であることを特徴とする請求項2記載の
    吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  5. 【請求項5】 水素原子の1ないし3個をフッ素で置換
    することを特徴とする請求項2記載の吸収式ヒートポン
    プの作動媒体。
  6. 【請求項6】 水素原子の1ないし3個をフッ素で置換
    することを特徴とする請求項3記載の吸収式ヒートポン
    プの作動媒体。
  7. 【請求項7】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を備
    え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式ヒ
    ートポンプの作動媒体において、冷媒としてR1、R2
    独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基またはアルケ
    ン基である化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を
    使用し、 吸収剤として化学式R5−OHの分子構造を持つ物質を
    使用し、R5は炭素数が8個以下の芳香族であることを
    特徴とする吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  8. 【請求項8】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を備
    え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式ヒ
    ートポンプの作動媒体において、 冷媒としてメチルエーテル、メチルエチルエーテルもし
    くはジエチルエーテルを使用し、 吸収剤として化学式R3−COO−R4の分子構造を持つ
    物質を使用し、R3、R4は独立に炭素数が1から6のア
    ルキル基またはアルケン基であることを特徴とする吸収
    式ヒートポンプの作動媒体。
  9. 【請求項9】 冷媒としてメチルエーテル、メチルエチ
    ルエーテルもしくはジエチルエーテルを使用し、吸収剤
    としてフェノールを使用することを特徴とする請求項8
    記載の吸収式ヒートポンプの作動媒体。
  10. 【請求項10】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を
    備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式
    ヒートポンプにおいて、 冷媒として化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を
    使用し、 R1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基で
    あること特徴とする吸収式ヒートポンプ。
  11. 【請求項11】 蒸発器、吸収器、再生器及び凝縮器を
    備え、冷媒及び吸収剤の混合物を作動媒体とする吸収式
    ヒートポンプにおいて、 冷媒として化学式R1−O−R2の分子構造を持つ物質を
    使用し、 R1、R2は独立に炭素数が1もしくは2のアルキル基で
    あること特徴とする吸収式ヒートポンプ。
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