JP2993321B2 - 経口投与用制がん剤組成物 - Google Patents

経口投与用制がん剤組成物

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JP2993321B2
JP2993321B2 JP5151060A JP15106093A JP2993321B2 JP 2993321 B2 JP2993321 B2 JP 2993321B2 JP 5151060 A JP5151060 A JP 5151060A JP 15106093 A JP15106093 A JP 15106093A JP 2993321 B2 JP2993321 B2 JP 2993321B2
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淳 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固型腫瘍に対し、著しい
縮退作用を示すなど制がん剤として有用な2’−デオキ
シ−2’−メチリデンシチジン2水和物を含有する経口
吸収が改善された医薬組成物に関するものであり、医療
分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】2’−デオキシ−2’−メチリデンシチ
ジン(2'-deoxy-2'-methylidenecytidine, 以下DMD
Cと称することもある)、その酸付加塩またはその水和
物が制がん剤として有用であることが知られている(特
開昭63−258818号公報、特開平2−13829
2号公報、特開平3−240794号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2’−デオキシ−2’
−メチリデンシチジン2水和物(以下、DMDC2水和
物と称することもある)は優れた抗腫瘍効果を示すこと
が確認されており、現在、注射剤(特開平3−2407
31号公報)として臨床に供されている。しかしなが
ら、注射による投与は患者に苦痛を強いるだけでなく、
注射部位における局所傷害の問題、また通院治療が必要
であるなど難点が多い。これら問題点を解決すべく、経
口剤の開発が望まれている。本発明者らはDMDC2水
和物の経口剤を開発すべく、基礎実験を重ねたところ、
投与量を多くすると経口吸収率が顕著に低下し、その結
果DMDC2水和物の生体内利用率が低くなることが判
明した。すなわち、DMDC2水和物の経口吸収率を測
定するために、放射能で標識したDMDC2水和物をラ
ットに経口投与し、その24時間以内の尿中排泄率(投
与量に対する%)を調べたところ、3mg/kg投与量
で74.4±1.4%であったのに対し、30mg/k
gの高投与量では47.2±9.6%に低下した。従っ
て、経口投与によって十分なる薬理作用を発揮させるた
めには、適切な製剤処理を施すことよって、DMDC2
水和物の経口吸収性を向上させる方法が望まれる。とこ
ろで、経口吸収性を改善するために用いられる吸収促進
剤としては、炭素数8〜14個の脂肪酸(たとえばカプ
リン酸ナトリウム)などが報告されている。そこで、D
MDC2水和物にカプリン酸ナトリウムを配合させた組
成物を検討したが、経口吸収の改善は認められなかっ
た。また、界面活性剤は薬物の水への濡れを改善する目
的で液剤ないしは半固型剤に用いられている。しかし、
本発明のように固型製剤であって、しかも水に濡れやす
いDMDC2水和物に界面活性剤を配合することは一般
には行われないことである。また、非イオン性界面活性
剤でもポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やポリオキシエ
チレン(20)ソルビタンモノオレートなどを配合して
も経口吸収の改善などの効果は認められなかった。一
方、オレイン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムを
配合した場合、insituにおける吸収率は向上した
が、in vivoでの尿中排泄率の点で劣り問題点が
あった。また、これらを配合した製剤は安定性や粘膜障
害性の面で問題がある。本発明は、DMDC2水和物を
含有する経口吸収が改善された制がん剤組成物を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、ショ糖脂肪酸エス
テル、特にHLB価〔Hydrophilic-lipophilic balanc
e: Journal of the Society of Cosmetic Chemists, 13
11-1326(1949)〕約10〜20のショ糖脂肪酸エステル
が高投与量におけるDMDC2水和物の経口吸収性改善
に著しく優れた効果を発揮することを見出し、本発明を
完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は次の通りである。 (1)2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水
和物とショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とす
る経口投与用制がん剤組成物。 (2)HLB価が10〜20のショ糖脂肪酸エステルを
含有する前記(1)記載の経口投与用制がん剤組成物。
【0006】
【0007】吸収促進剤として用いられるショ糖脂肪酸
エステルは、一般にはシュガーエステルと呼ばれてお
り、食品添加物として汎用されている安全な物質であ
る。本発明において用いられるショ糖脂肪酸エステル
は、脂肪酸の炭素数が8〜25個のものが好ましく用い
られ、天然に得られるもの、合成によって得られるもの
でもよいが、好適には、天然に得られるもが使用され
る。該脂肪酸としては直鎖状・分枝状のものがあるが、
好ましくは直鎖状のものが使用される。好ましく用いら
れる脂肪酸としてはカプロン酸、カプリン酸、ミリスチ
ン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレ
イン酸などである。ショ糖には1級アルコールが3個存
在し、脂肪酸が1個(モノエステル型)、2個(ジエス
テル型)、3個(トリエステル型)結合したものが存在
するが、モノエステル、ジエステル、トリエステルの混
合物であってもよく、また、上記脂肪酸の2〜3種の混
合エステルでもよい。本発明においては、モノエステル
型の比率の高いほど経口吸収性がよい。すなわち、HL
B価の大きいものほど、特にHLB価約10〜20のも
のが経口吸収促進性のよいことが、本発明によって明ら
かにされた。具体的には、たとえば、三菱化成食品
(株)製リョートーシュガーエステルS−1170、同
S−1570、同S−1670、同P−1570、同P
−1670、同OWA−1570、第一工業製薬(株)
製DKエステルF−110、同F−140、同F−16
0、同SSなどが挙げられる。また、上記ショ糖脂肪酸
エステルおよびHLB価が約10〜20以外の、たとえ
ばリョートーシュガーエステルS−970、同LWA−
1570などを2種または2種以上混合して、HLB価
が約10〜20になるように調製して用いることもでき
る。ショ糖脂肪酸エステルは、DMDC2水和物に対し
て重量比0.1〜20倍の範囲で用いることができ、好
ましくは、0.5〜10倍であるが、これに限定される
ものではなく適宜定めることができる。本発明組成物に
おいて、DMDC2水和物は一製剤中に約5〜500m
g含まれる。
【0008】本発明の経口投与用制がん剤組成物は、た
とえばシロップ剤、懸濁液剤などの液剤、および顆粒
剤、細粒剤、カプセル剤、錠剤などの固型製剤に製剤化
して用いられるが、固型製剤がより好ましい。上記製剤
は常法に従って製造することができる。たとえば、シロ
ップ剤、懸濁液剤はDMDC2水和物とショ糖脂肪酸エ
ステルを水または適当な水溶液(ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース溶液、カルボキシメチルセルロース溶液
など)に溶解または懸濁することによって得られる。顆
粒剤、細粒剤はDMDC2水和物とショ糖脂肪酸エステ
ルを粉末状で混合し、必要により白糖、乳糖などの賦形
剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤
を加えて練合後、径0.5〜1mmのスクリーンを取り
付けた押し出し造粒機で造粒し、乾燥後、篩過分級する
ことによって製造される。カプセル剤は上記のようにし
て得られた粉末または顆粒剤、細粒剤をカプセルに充填
することによって得ることができる。錠剤はDMDC2
水和物とショ糖脂肪酸エステルの混合物に通常用いられ
る補助成分、たとえば乳糖、トウモロコシデンプン、微
結晶セルロースなどの賦形剤、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドンなどの結合剤、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ムなどの崩壊剤を添加し、湿式造粒法または乾式造粒法
で練合造粒し、造粒物に軽質無水ケイ酸、ステアリン酸
マグネシウムなどの滑沢剤を添加し、打錠することよっ
て得ることができる。さらに、錠剤は常法に従って、糖
衣錠、フィルムコーティング錠とすることができる。
【0009】
【作用】本発明の組成物は、制がん剤として有用なDM
DC2水和物にショ糖脂肪酸エステルを配合含有させる
ことにより、消化管からの吸収性を顕著に改善するもの
である。特に、DMDC2水和物の高投与量における経
口吸収性が改善された組成物であるため、生体内利用率
が高く、内服用制がん剤としてより優れた特徴が付与さ
れる。しかも、ショ糖脂肪酸エステルは食品添加物とし
て広く用いられている安全な物質であって、実用上望ま
しい。本発明の組成物は、DMDC2水和物の経口投与
を可能にするものであり、固型腫瘍などの治療または予
防、あるいは在宅療法、治療後の維持療法等に簡便に用
いられる。成人1日当り有効成分として約50〜500
mgを投与することができるが、適宜、増量してもよ
い。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。 実施例1 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびHLB価19のショ糖脂肪酸エステル
(結合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約
30%であり、エステル組成比はモノエステル約100
%の組成比を有するもの)4.0mgに、0.5%ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース水溶液0.8mlを加
えて溶解し、水溶液とする。
【0011】実施例2 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価15のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約75%、ジ
トリエステル約25%の組成比を有するもの)90mg
に、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶
液5mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0012】実施例3 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価11のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約50%、ジ
トリエステル約50%の組成比を有するもの)90mg
に、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶
液5mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0013】実施例4 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価16のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約20%、パルミチン酸約80
%であり、エステル組成比はモノエステル約80%、ジ
トリエステル約20%の組成比を有するもの)90mg
に、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶
液5mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0014】実施例5 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価16のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン約70%、パルミチン酸約30%
であり、エステル組成比はモノエステル約75%、ジト
リエステル約25%の組成比を有するもの)90mg
に、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶
液5mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0015】実施例6 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約100%の
組成比を有するもの)30mgに、0.5%ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース水溶液5mlを加えて溶解
し、水溶液とする。
【0016】実施例7 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約100%の
組成比を有するもの)90mgに、0.5%ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース水溶液5mlを加えて溶解
し、水溶液とする。
【0017】実施例8 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約100%の
組成比を有するもの)150mgに、0.5%ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース水溶液5mlを加えて溶解
し、水溶液とする。
【0018】実施例9 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgおよびHLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結
合脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30
%であり、エステル組成比はモノエステル約100%の
組成比を有するもの)300mgに、0.5%ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース水溶液5mlを加えて溶解
し、水溶液とする。
【0019】実施例10 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約100%の組成
比を有するもの)1重量部、さらに白糖2重量部を加え
て、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重量部
を結合剤とし、練合後、径1mmのスクリーンを取り付
けた押し出し造粒機で造粒し、30℃以下の温度で乾燥
し、篩過分級して顆粒剤を得る。
【0020】実施例11 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価16のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約75%、ジトリ
エステル約25%の組成比を有するもの)3重量部、さ
らに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース2重量部を
加えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重
量部を結合剤とし、練合・造粒した後、製した粒をカプ
セルに充填する。
【0021】実施例12 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価11のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約50%、ジトリ
エステル約50%の組成比を有するもの)2重量部、さ
らに乳糖8重量部を加えて、ヒドロキシプロピルセルロ
ース0.2重量部を結合剤とし、練合後、径0.5mm
のスクリーンを取り付けた押し出し造粒機で造粒し、3
0℃以下の温度で乾燥し、篩過分級して細粒剤を得る。
【0022】実施例13 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価値16のショ糖脂肪酸エステル(結合
脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%
であり、エステル組成比はモノエステル約80%、ジト
リエステル約20%の組成比を有するもの)5重量部、
さらに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース2重量部
を加えて、ポリビニルピロリドン0.2重量部を結合剤
とし、練合・造粒した後、製した粒をカプセルに充填す
る。
【0023】実施例14 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約100%の組成
比を有するもの)1重量部、さらに乳糖0.2重量部、
微結晶セルロース0.8重量部を加えて、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース0.2重量部を結合剤とし練合
後、解砕、乾燥、篩過(24メッシュ)して、造粒物を
得る。次いで、ステアリン酸マグネシウムを加えて、混
合後、打錠して、錠剤を得る。
【0024】実施例15 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価16のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約75%、ジトリ
エステル約25%の組成比を有するもの)0.5重量
部、さらに粉糖1重量部を加えて、ヒドロキシプロピル
セルロース0.2重量部を結合剤として練合後、解砕、
乾燥、篩過(24メッシュ)して、造粒物を得る。次い
で、カルボキシメチルセルロースカルシウム1重量部、
ステアリン酸マグネシウムを加えて、混合後、打錠し
て、錠剤を得る。
【0025】実施例16 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価11のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約50%、ジトリ
エステル約50%の組成比を有するもの)2重量部、さ
らに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース2重量部を
加えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.2重
量部を結合剤とし練合後、解砕、乾燥、篩過(24メッ
シュ)して、造粒物を得る。次いで、ステアリン酸マグ
ネシウムを加えて、混合後、打錠して、錠剤を得る。
【0026】実施例17 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物を
1重量部、HLB価16のショ糖脂肪酸エステル(結合
脂肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%
であり、エステル組成比はモノエステル約80%、ジト
リエステル約20%の組成比を有するもの)3重量部、
さらに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース6重量
部、ステアリン酸マグネシウムを混合し、常法により打
錠した後、解砕し、篩過する。このようにして製した粒
をとり、再度打錠して、錠剤を得る。
【0027】実施例18 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物1
重量部、HLB価19のショ糖脂肪酸エステル(結合脂
肪酸はステアリン酸約70%、パルミチン酸約30%で
あり、エステル組成比はモノエステル約100%の組成
比を有するもの)1重量部、さらに乳糖8重量部を入
れ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース0.2重量
部を結合剤として、湿式造粒により顆粒を製造する。得
られた顆粒をコーティングパンに入れ、顆粒の10%重
量増量せしめるようにオイドラギッドLのアルコール溶
液を用いて、常法によりスプレーコーティングを行い、
腸溶製剤を得る。
【0028】
【発明の効果】本発明の作用効果を示すために、上記実
施例(本発明組成物)について、代表的な試験結果を挙
げる。なお、比較用組成物として以下に示す参考例を用
いた。 参考例1 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgに、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース水溶液0.8mlを加えて溶解し、水溶液とす
る。
【0029】参考例2 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびカプリン酸ナトリウム6.9mgに、
0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液
0.8mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0030】参考例3 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ンモノオレート4.0mgに、0.5%ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース水溶液0.8mlを加えて溶解
し、水溶液する。
【0031】参考例4 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油4.
0mgに、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液0.8mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0032】参考例5 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物3
0mgに、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス水溶液5mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0033】参考例6 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびオレイン酸ナトリウム6.9mgに、
0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液
0.8mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0034】参考例7 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン2水和物
6.9mgおよびラウリル硫酸ナトリウム4.0mg
に、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶
液0.8mlを加えて溶解し、水溶液とする。
【0035】試験1:in situ ループ試験 実施例1および比較例1〜4、6、7で得られた水溶液
を検体とした。試験動物として、一夜絶食した7〜8週
齢のスプラグドゥリー系雄性ラット(体重200〜25
0g)を1群4匹で用いた。各ラットを軽いエーテル麻
酔下、十二指腸部に、10cmの長さのループ1と10
cmの長さのループ2を作成した。1群4匹の内の2匹
のループ1にはDMDC2水和物単独(参考例1)、ル
ープ2にはDMDC2水和物+吸収促進剤(実施例1、
参考例2〜4、6、7)を、残りの2匹のループ1には
DMDC2水和物+吸収促進剤(実施例1、参考例2〜
4、6、7)、ループ2にはDMDC2水和物単独(参
考例1)を投与した。投与後2時間に各ループ中残存量
を算出し、ループ内への投与量とループ中残存量との差
から吸収率を求めた。結果を第1表に示す。吸収率は平
均値±標準偏差で示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記の試験結果から、この発明のショ糖脂
肪酸エステルを添加した経口投与用製剤(実施例1)で
は、吸収促進剤を添加しない製剤(参考例1)と比較し
てDMDC2水和物の吸収率が大きく改善されているこ
とがわかる。また、従来の吸収促進剤を添加した製剤
(参考例2〜4)ではDMDC2水和物の吸収改善を認
めなかった。一方、オレイン酸ナトリウムや、特にラウ
リル硫酸ナトリウムには著しい吸収率の向上が観察され
たが、これらを配合した製剤は次の試験例2で示すよう
に尿中排泄率において劣り、問題がある。
【0038】試験2:吸収排泄試験 試験動物として一夜絶食した7〜8週齢のスプラグドゥ
リー系雄性ラット(体重200〜250g)を、1群4
匹で用いた。各ラットに実施例2〜9で得られた本発明
の製剤を試験製剤として、ならびに、参考例5で得られ
た製剤を対照製剤として経口投与した。各ラットは、投
与後24時間までの尿を採取し、尿中のDMDC2水和
物濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
DMDC2水和物の尿中排泄率は次の式により求めた。 結果を第2表に示す。尿中排泄率は平均値±標準偏差で
示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記の試験結果から、本発明の吸収促進剤
(ショ糖脂肪酸エステル)を添加した経口投与用製剤
(実施例2〜9)では、吸収促進剤を添加しない製剤
(参考例5)と比較して、DMDC2水和物の尿中排泄
率が大きく改善されていることがわかる。なお、ショ糖
脂肪酸エステルの代わりにオレイン酸ナトリウム(組成
比×1)およびラウリル硫酸ナトリウム(組成比×0.
2)を用いて同様の吸収排泄試験を行ったところ、いず
れも顕著な効果が認められなかった。 オレイン酸ナトリウム :51.6±6.3(%) ラウリル硫酸ナトリウム:46.4±7.6(%) これら試験例を含む種々の実験結果から、ショ糖脂肪酸
エステルを配合させることにより、DMDC2水和物の
特に高含量製剤において消化管からの吸収率が向上し、
かつ尿中排泄率も大きく改善した。従って、本発明組成
物は経口吸収性の改善されたDMDC2水和物製剤とし
て有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07H 19/06 C07H 19/06 (72)発明者 柴田 祀行 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉富製薬株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−258818(JP,A) 特開 平2−138292(JP,A) 特開 平2−178272(JP,A) 特開 平3−240731(JP,A) 特開 平3−240794(JP,A) 特開 平1−128926(JP,A) 特開 昭62−265226(JP,A) 特開 平3−251527(JP,A) 特開 昭56−65819(JP,A) 第十一改正日本薬局方通則第5頁 フジサワ医薬品便覧1998年(平成10 年)第146〜149頁(3) 三共医療用医薬品添付文書集1998第 358〜360頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/70 A61K 9/08 A61K 9/16 A61K 9/20 C07H 19/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2’−デオキシ−2’−メチリデンシチ
    ジン2水和物とショ糖脂肪酸エステルを含有することを
    特徴とする経口投与用制がん剤組成物。
  2. 【請求項2】 HLB価が10〜20のショ糖脂肪酸エ
    ステルを含有する請求項1記載の経口投与用制がん剤組
    成物。
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