JP2991211B2 - 超音波センサ - Google Patents

超音波センサ

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は渦流量計に用いられる超音波センサに係り、
特に広い温度範囲で被測流体が流れる渦流量計に用いて
好適な超音波センサに関する。
従来の技術 一般に超音波センサを用いた渦流量計としては、例え
ば、実公昭57−25141号或いは特公昭58−32333号等に示
されているように、管路中に渦発生体を設け、被測流体
が管路を流れることによりその渦発生体の下流に発生し
たカルマン渦の生成を超音波を利用して検知することに
より、この渦の生成数に基づき流量を測定するものが知
られている。そして、近年、広い温度範囲に使用可能で
無可動、高精度、安価な超音波センサを用いた渦流量計
が要求されている。
従来の超音波センサを用いた渦流量計の一例の構成図
を第4図に示す。第4図において、管路20の渦発生体20
aの下流側の管路壁20bに流路を介して相対向するよう
に、超音波発振子を介在させた電極対からなる、超音波
送信器21及び超音波受信器22が設置されている。超音波
送信器21は固定周波数駆動回路23により駆動され、超音
波受信器22より出力端子24に検出信号が出力される。こ
こで、固定周波数駆動回路23は単一の固定周波数発振器
である。
すなわち、固定周波数駆動回路23により発生され、超
音波送信器21より管路20を流れる流体中に送信される超
音波は、流体の進行方向に垂直、かつ同図の紙面と平行
な経路に沿って伝搬する。そして、超音波受信器22によ
り超音波を検出し、出力端子24より検出信号が出力され
るものである。
ここで、第5図に、超音波送信器21と超音波受信器22
とからなる超音波センサの透過周波数特性を示す。第5
図中、駆動周波数をAに設定した場合、温度20℃では透
過周波数Aの良好な受信電圧が得られるが、温度100℃
では透過周波数がA′となり、駆動周波数がAのままで
は超音波受信器22における受信電圧が著しく低下する。
これは、透過周波数がドリフトするために生ずるもので
ある。
そこで、従来の超音波センサでは、広い温度範囲で使
用する場合に、第6図に示すように、超音波送信センサ
21の尖鋭度Qを低下させ、透過周波数帯域を広げて対応
している。
また、渦流量計に用いられる超音波センサを広い温度
範囲で使用する方法として第7図のような渦流量計が考
えられている。第7図は第4図における管路20の管路壁
20bに流路を臨むように温度センサ25を設けると共に、
固定周波数駆動回路23に代えて可変周波数駆動回路26を
設け、この温度センサ25より可変周波数駆動回路26に信
号を供給する。すなわち、温度センサ25からの信号に応
じて可変周波数駆動回路26の出力周波数を制御して、透
過周波数帯域にドリフトが生じても、常に超音波発振器
22により検出出力される受信電圧を一定に超音波送信器
21から送信される周波数を透過周波数帯域のドリフトに
追従させるものである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、第4図のように広い温度範囲で使用す
る場合、透過周波数帯域を広げるために超音波送信器21
の尖鋭度Qを低下させることは、超音波受信器22による
透過受信電圧も低下することにより、超音波センサとし
ての送受信効率を低下させるという問題がある。さらに
は、被測流体の温度範囲がさらに広範囲になると、温度
変化による透過受信信号の変化が大きくなり、安定した
送受信が得られる温度範囲に限界を有するという問題が
ある。
また、第7図のように、透過周波数帯域のドリフトに
可変周波数駆動回路26の出力信号の周波数を被測流体の
温度に対応させて制御し、超音波送信器21の送信周波数
を追従変化させるものは、別に温度センサ25等を必要と
したり、回路的にも複雑になるという問題がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、超
音波送信器を任意の共振周波数で自励振動させる超音波
センサを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために、渦発生体が配設
された流量計の管路壁に流路を介して対向させて設けら
れた超音波送信器及び超音波受信器により、被測流体が
該管路を流れる際生成される渦を計測する超音波センサ
において、前記超音波送信器を、共通電極と該共通電極
に超音波発振子を介在させて対向させた駆動用電極およ
びフィードバック用電極からなる構成とし、該駆動電極
には駆動アンプの出力を接続し、該フィードバック電極
はフィルタを介して該駆動アンプの増幅入力に接続して
なる構成とした。
作用 本発明における超音波センサを構成する超音波送信器
の駆動回路は、フィードバック用電極の振動に基づく電
気信号がフィルタを介してフィードバックされ、超音波
送信器を駆動する。フィルタは超音波送信器の共振点を
所定の周波数範囲で特定しており、希望する共振点がこ
の所定周波数範囲となるように設定される。そして、超
音波送信器は駆動回路、フィルタにより希望の共振点で
自励振動する。また、超音波送信器の自励振動は、該超
音波送信器の尖鋭度Qが高い場合であっても、温度変化
による透過周波数帯域のドリフトに追従する。
従って、超音波センサは常に送受信効率のよい共振点
で振動するため、超音波送信器の尖鋭度Qを低下させる
必要がなく、従来における温度センサを備えた超音波セ
ンサより簡易にすることが可能となる。また、駆動回路
には超音波送信器の振動が電気信号と変換されてフィー
ドバックされ、これに応じてフィルタにより超音波送信
器を希望の共振点駆動することが可能となる。
実施例 以下、本発明の一実施例を第1図乃至第3図により説
明する。
第1図は本発明の超音波センサを適用した渦流量計の
構成図である。第1図において、渦発生体1aが設けられ
た管路1の下流側の管路壁1bには超音波センサを構成す
る超音波送信器2と超音波受信器3とが流路を介して相
対向して配置されている。超音波送信器2は、後述する
ように、共通電極とこの共通電極に超音波発振子を介在
させて対向させた駆動用電極およびフィードバック用電
極とから構成され、駆動用電極が駆動回路である駆動ア
ンプの出力に接続されて駆動され、その振動はフィード
バック用電極により電気信号として検出され、このフィ
ードバック電極に接続されたフィルタ5を介して駆動ア
ンプ4にフィードバックされる。ここで、駆動アンプ4
は印加電圧のゲインを調節して出力するものであり、ま
た、フィルタ5は、超音波送信器2がその振動モードの
違いによっていくつかの共振周波数をもっているため、
この振動モードの違いによる複数の共振周波数の中から
超音波受信器3に伝搬するに適した振動モードの共振周
波数のみを通過させ取り出すためのものである。
次に、第2図に超音波送信器2の超音波発振子の概略
図を示す。第2図中、超音波発振子7は強誘電体として
の円柱状の圧電セラミクスからなり、この圧電セラミク
スの超音波発振子7を介在させて、駆動用電極8及びこ
の駆動用電極8と電気的に絶縁されたフィードバック用
電極9と、共通電極とを対向配置してなるものである。
次に、第3図に、第2図の超音波送信器2における接
続例を示す。第3図中、駆動用電極8は駆動アンプ4の
出力端に接続され、フィードバック用電極9はフィルタ
5を介して駆動アンプ4の入力端に接続される。そし
て、共通電極10は接地される。
次に第3図の動作について説明する。まず、駆動アン
プ4の電源投入時のリップル電圧などにより超音波発振
子7の駆動用電極8に発振を起こすに足る電圧が加わる
と、超音波送信器2は共振周波数で振動し始める。この
振動は超音波送信器2のフィードバック電極9により取
り出される。ここで、超音波送信器2はその振動モード
による違いによっていくつかの共振周波数をもっている
ため、フィルタ7で振動させたい共振周波数付近の信号
のみを通過させ、駆動アンプ4の入力端にフィードバッ
クする。このフィードバックにより、駆動アンプ4は駆
動用電極8にフィルタ7を通過させることにより得られ
た希望の共振周波数の電圧信号を増幅して駆動電圧とし
て供給する。従って、この閉ループ回路により超音波送
信器2はフィルタ5で特定された希望の共振周波数で自
励振動を始める。
第1図に戻って説明するに、自励振動により超音波送
信器2から、管路1を流れる被測流体中に送信される超
音波は、流体の進行方向に垂直、かつ第1図の紙面と平
行な経路に沿って伝搬する。そして、超音波受信センサ
3により当該超音波を検出し、出力端子6より検出信号
を出力するものである。そして、この検出信号は被測流
体が渦発生体1aが設けられた管路1を流れることにより
生成する渦によって変調されるので、これに基づき後段
の流量演算回路(図示せず)によって積算流量等が演算
される。
一般に、超音波センサの共振周波数での送受信は透過
効率が良好であることから、本発明における自励振動は
常に共振点付近で行われるため(第5図実線部分)、透
過効率の良好な超音波センサの送受信が行われる。ま
た、温度変化により超音波センサを構成する超音波送信
器2の透過周波数帯域(共振点)がドリフトした場合で
も、常に設定された特定の共振点で振動が生じ、当該温
度における最も透過効率の良好な点で超音波センサの送
受信が行われる。
このように、本発明の超音波センサは、流量計におい
て、広い温度範囲で安定して使用可能となることから、
常に効率の良好な送受信することができ、温度変化によ
る透過受信電圧の変動を小さくすることができる。ま
た、超音波センサを構成する超音波送信器2の尖鋭度Q
を低下させる必要がないことから、尖鋭度Qのダンピン
グ技術が不要であり、透過受信電圧特性を低下させるこ
となく連続正弦波駆動をすることができる。さらに、フ
ィードバック経路にフィルタ5を介在させていることか
ら複数個の共振点のうち任意の共振点で自励振動をさせ
ることができる。また、駆動アンプ4により超音波セン
サを構成する超音波送信器2を自励振動させていること
から、ハイパワー駆動を行うことができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、超音波送信器の振動の
電気信号を駆動回路にフィードバックさせることによ
り、該超音波送信器を希望の共振周波数で自励振動させ
ることができ、これにより流量計において、広い温度範
囲で安定して、効率よく超音波センサの送受信を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本発明に
おける超音波送信センサの超音波発振子を示した概略
図、第3図は本発明の超音波センサの接続例を示した構
成図、第4図及び第7図は従来の実施例を示した構成
図、第5図及び第6図は第4図の従来の実施例における
透過周波数特性を示したグラフである。 1,20……管路、1a,20a……渦発生体、1b,20b……管路
壁、2,21……超音波送信器、3,22……超音波受信器、4
……駆動アンプ、5……フィルタ、6,24……出力端子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】渦発生体が配設された流量計の管路壁に流
    路を介して対向させて設けられた超音波送信器及び超音
    波受信器により、被測流体が該管炉を流れる際生成され
    る渦を計測する管音波センサにおいて、 前記超音波送信器を、共通電極と該共通電極に超音波発
    振子を介在させて対向させた駆動用電極およびフィード
    バック用電極からなる構成とし、該駆動電極には駆動ア
    ンプの出力を接続し、該フィードバック電極はフィルタ
    を介して該駆動アンプの増幅入力に接続してなることを
    特徴とする超音波センサ。
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