JP2991133B2 - 機能性膜の製造方法および製造溶液 - Google Patents

機能性膜の製造方法および製造溶液

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JP2991133B2
JP2991133B2 JP8296112A JP29611296A JP2991133B2 JP 2991133 B2 JP2991133 B2 JP 2991133B2 JP 8296112 A JP8296112 A JP 8296112A JP 29611296 A JP29611296 A JP 29611296A JP 2991133 B2 JP2991133 B2 JP 2991133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、シロキサン結合を
介して基材表面と共有結合した機能性膜の製造方法およ
び機能性膜の製造溶液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の方法は、シラン系化合物と溶媒含
む溶液を基材に浸漬し、その基材を溶液から引き上げ、
乾燥することで、シロキサン結合を介して基材表面と共
有結合した膜を製造していた。従って、このようにして
できた膜は基材の表面全体に形成されるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、常温で乾燥した場合、乾燥後に過剰量のシラン
系化合物が残り、外観不良を生じるので、塗布後に加熱
して乾燥する工程あるいは洗浄工程が必要であり、ま
た、品質維持には注意を要するものであった。
【0004】一方、基材の特定部位にのみ膜を形成した
いという要望もあった。しかし、従来の方法では基材の
マスキング等が必要であり、非常に困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題
を解決するものであり、ロールコーターを用いて低湿度
下で、基材表面への塗布厚を制御しながらシラン系化合
物と200℃以下の非水系溶媒を含む溶液を基材表面に
塗布し、常温で乾燥することにより、過剰量のシラン系
化合物による外観不良を防ぐとともに、加熱して乾燥す
る工程あるいは洗浄工程を省いて、シロキサン結合を介
して基材表面と共有結合した機能性膜を形成するもので
ある。また、基材の特定部位にのみ膜を形成することが
できるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、少なくと
もシラン系化合物と沸点が200℃以下の非水系溶媒を
含む製造溶液を少なくともコーティングロールとドクタ
ーロール近傍の湿度を35%以下にしたロールコーター
を用いて基材表面に塗布する塗布工程と、その後基材表
面に塗布した溶液を蒸発除去する乾燥工程とを有する機
能性膜の製造方法とする。
【0007】この方法により、シロキサン結合を介して
基材表面と共有結合した膜を製造することができる。ま
た、基材の特定部位にのみ膜を形成することができるも
のである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の製
造方法に加えて、少なくとも塗布工程をエアカーテンで
仕切ったことを特徴とする機能性膜の製造方法とするも
のである。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の製造方法に加えて、塗布工程におけるロールコー
ターのコーティングロールとドクターロールをカバーで
仕切ったことを特徴とする機能性膜の製造方法とする。
【0010】請求項4記載の発明は、シラン系化合物が
アルキル基を有する機能性膜の製造方法とする。
【0011】請求項5記載の発明は、シラン系化合物が
フルオロアルキル基を有する機能性膜の製造方法とす
る。
【0012】請求項6記載の発明は、シラン系化合物は
クロル基を有する機能性膜の製造方法とする。
【0013】請求項7記載の発明は、非水系溶媒の主成
分はシリコーンである機能性膜の製造方法とする。
【0014】請求項8記載の発明は、シラン系化合物の
濃度が製造溶液の10vol%以下である機能性膜の製
造方法とする。
【0015】請求項9記載の発明は、少なくともシラン
系化合物と、沸点が200℃以下の主成分がシリコーン
である非水系溶媒とを有する機能性膜の製造溶液とす
る。
【0016】請求項10記載の発明は、シラン系化合物
がアルキル基を有する請求項9記載の機能性膜の製造溶
液とする。
【0017】請求項11記載の発明は、シラン系化合物
がフルオロアルキル基を有する請求項9記載の機能性膜
の製造溶液とする。
【0018】請求項12記載の発明は、シラン系化合物
はクロル基を有する請求項9記載の機能性膜の製造溶液
とする。
【0019】
【0020】請求項13記載の発明は、シラン系化合物
の濃度が10vol%以下であることを特徴とするもの
である。
【0021】そして、これらにより、過剰量のシラン系
化合物による外観不良を防ぐとともに、加熱して乾燥す
る工程あるいは洗浄工程を省いて、シロキサン結合を介
して基材表面と共有結合した機能性膜を形成することが
できる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明のシロキサン結合を有する膜
の製造方法およびその製造装置の具体的実施例を図1を
用いて説明する。1は本発明の製造装置の本体であり、
コーティングロール2とドクターロール3を囲むカバー
4を、基材の出入り口にエアカーテン5設け、それらに
低湿度気体6を供給し、コーティングロール2とドクタ
ーロール3、および本発明の製造装置の内部を低湿度雰
囲気(望ましくは35%以下)にすることで、コーティ
ングロール2とドクターロール3の外周円筒面に供給
し、基材7に塗布される少なくともシラン系化合物を含
む溶液8と雰囲気中の水分との反応を防ぐことを特徴と
するロールコーターである。
【0023】コーティングロール2は、ドクターロール
3によって接触または押しつけらており、この接触して
いる部分に少なくともシラン系化合物を含む溶液8を供
給し、コーティングロール2を回転させると、コーティ
ングロール2の外周円筒面にこの溶液8が付着する。さ
らに、このコーティングロール2を基材7表面に接触ま
たは押しつけて回転させることにより、この溶液8を基
材表面に塗布することができる。
【0024】次に、この製造装置1を用いて、具体的に
本発明のシロキサン結合を有する膜の製造を行った。コ
ーティングロール2とドクターロール3の材質として、
ブチルゴムを用いた。シラン系化合物には化学式C8F17C
2H4SiCl3で示されるフルオロアルキルトリクロロシラン
を用い、その沸点が200℃以下の非水系溶媒にはオク
タメチルシクロテトラシロキサン(沸点175℃)を用
いた1vol%溶液8を調製した。コーティングロール2
とドクターロール3、およびロールコーター内部を低湿
度雰囲気にするために湿度35%以下のドライエアーを
供給した。基材7としてフロートガラスをロールコータ
ーに供給し、コーティングロール2のドクターロール3
および基材4への押しつけ量を調整することで、室温で
この溶液を厚さ0.5〜1μmでフロートガラスへ塗布
した。
【0025】なお、ドクターロール3の押しつけ量を調
整することにより、機能性膜の膜厚を調整することが可
能である。
【0026】その後、このフロートガラスをロールコー
ター内部の低湿度雰囲気下で常温で乾燥し、塗布した溶
液を蒸発除去し、さらに、このフロートガラスを水分を
含む雰囲気下に取り出し常温で乾燥すると、シラン系化
合物どうしが縮合反応を起こし、シロキサン結合を介し
て基材表面と共有結合した膜が形成された。
【0027】以上の製造方法における機能性膜の表面状
態の変化を図1を用いて説明する。まず、低湿度雰囲気
下でロールコータのコーティングロールの外周円筒面に
シラン系化合物と沸点が200℃以下の非水系溶媒を含
む溶液を供給しながら、このコーティングロールを基材
表面に接触または押しつけて回転させることにより、こ
の溶液を基材表面に塗布すると、この時、シラン系化合
物と表面水酸基が縮合反応を起こし、シラン系化合物と
基材表面が共有結合を形成して、図1のAの状態とな
る。
【0028】その後、この基材をロールコーター内部の
低湿度雰囲気下で常温で乾燥すると、シラン系化合物と
沸点が200℃以下の非水系溶媒を含む溶液のため、塗
布した溶液中の溶媒は簡単に蒸発除去され、図1のBの
状態となる。
【0029】さらに、この基材をロールコーター外部の
水分を含む雰囲気下に取り出し常温で乾燥すると、シラ
ン系化合物どうしが縮合反応を起こし、シロキサン結合
を介して基材表面と共有結合した膜が、図1のCの状態
で形成される。
【0030】これにより、過剰量のシラン系化合物の残
留を抑制することができる。また、撥水性のシロキサン
結合を介して基材表面と共有結合した膜が形成でき、さ
らに、溶液の主成分をシリコーンにし、ロールコータ内
の低湿度気体の供給により、過剰量のシラン系化合物と
雰囲気中の水分との反応を抑制しながら、シロキサン結
合を介して基材表面と共有結合した膜が形成できる。
【0031】本発明の製造方法の効果を確認するため
に、ロールコーターを用いてシロキサン結合を有する膜
の製造を行った。シラン系化合物には化学式C8F17C2H4S
iCl3で示されるフルオロアルキルトリクロロシランを用
い、その非水系溶媒には、沸点が175℃のオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン(シリコーン)と、沸点が2
10℃のシリコーンを用いた1vol%溶液を用いた。こ
の両者の溶液によるフロートガラス上にシロキサン結合
を有する膜の性能比較を測定した。
【0032】膜の性能評価は次のようにして測定した。
まず、純水5μlをマイクロシリンダーを用いて試料表
面に滴下し、接触角計(協和界面科学社製S−150
型)により、滴下液体と試料表面との間の接触角を測定
した。このようにして得られた結果を(表1)に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(表1)から明らかなように、本発明の機
能性膜の製造方法により得られた機能性膜は、充分な撥
水性を示し、また、耐熱性も有するものである。
【0035】さらに、溶媒としては、オクタメチルシク
ロテトラヘキサンを用いた場合と、デカメチルシクロペ
ンタシロキサンを用いた場合の比較では、初期性能、耐
久性能は変わらないものの、出来上がりの外観という観
点から、オクタメチルシクロテトラヘキサンを用いた場
合の方が優れていることがわかった。
【0036】なお、本発明に供されるコーティングロー
ル2とドクターロール3の材質としてブチルゴム等のゴ
ムの他、スポンジなどが有効であった。
【0037】また、基材としてフロートガラス等のガラ
スの他、金属、プラスチックなどの表面に活性水素を有
するものが有効であり、上記に示した性能が得られた。
【0038】また、溶液7に関して、フロオロアルキル
シラン系化合物としては、ヘプタデカフルオロデキシル
トリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデキシルトリメ
トキシシラン等の一般式(化1)に示したものが利用可
能である。
【0039】
【化1】
【0040】また、沸点が200℃以下の非水系溶媒と
しては、上記フロオロアルキルシラン系化合物と反応す
る活性水素を持たない有機溶媒であればよく、例えば、
上記フロオロアルキルシラン系化合物に対しては、n-デ
カン等(沸点174℃)の炭化水素系溶媒や、オクタデ
カフルオロオクタン(沸点100℃)等のハロゲン化炭
化水素溶媒など、一般式(化2)に示したものや、ヘキ
サメチルジシロキサン(沸点100℃)等の直鎖状アル
キルシロキサン(直鎖状シリコーン)溶媒など、一般式
(化3)に示したもの、オクタメチルシロキサン(沸点
175℃)等の環状アルキルシロキサン(環状シリコー
ン)溶媒など、一般式(化4)に示したもの、あるいは
これらを任意に混合したものが好ましい。
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】これらを溶媒の性能を確認するために、上
記の本発明の製造方法を用いてフロートガラス上にシロ
キサン結合を有する膜の製造を行った。その比較を(表
2)に示す。
【0045】
【表2】
【0046】(表2)から明らかなように、シロキサン
(シリコーン)系溶媒が最も優れていることが解った。
これはシリコーン系溶媒は、シラン系化合物と雰囲気中
の水分との反応を抑制する効果が大きいためであり、実
用性は高い。
【0047】また、シラン系化合物の濃度に及ぼす影響
をしらべた結果、10vol%より高い濃度では、外観
不良が生じ、10vol%以下であることが望ましいこ
とが解った。
【0048】(実施例2)次に、(化1)におけるm=0
に相当する一実施例であるシラン系化合物として、フッ
素を含有しないシラン系化合物である化学式C8H17C2H4S
iCl3で示されるアルキルトリクロロシランを用いた場合
の実施例を示す。
【0049】機能性膜の製造方法およびその製造装置
は、実施例1と同様のものを用い、シラン系化合物を含
む溶液8として、アルキルトリクロロシランを用いたも
のである。
【0050】次に、この試料を用いて、本発明の製造方
法の効果を確認するために、ロールコーターを用いてシ
ロキサン結合を有する膜の製造を行った。シラン系化合
物には化学式C8H17C2H4SiCl3で示されるアルキルトリク
ロロシランを用い、その非水系溶媒には、沸点が175
℃のオクタメチルシクロテトラシロキサン(シリコー
ン)と、沸点が210℃のシリコーンを用いた1vol%
溶液を用いた。そして、室温でこの溶液を厚さ0.5〜
1μmでフロートガラスへ塗布して、試料を得た。この
両者の溶液によるフロートガラス上にシロキサン結合を
有する膜の性能比較を(表3)に示す。なお、膜の性能
評価方法は、実施例1と同様の方法で行った。また、ノ
ルマルヘキサデカン5μlをマイクロシリンダーを用い
て試料表面に滴下し、実施例1と同様の方法で接触角を
測定した。
【0051】
【表3】
【0052】(表3)から明らかなように、本発明の機
能性膜の製造方法により得られた機能性膜は、充分な撥
水性を示し、また、耐熱性も有するものである。
【0053】また、ノルマルヘキサデカンの接触角の値
から明らかなように、実施例2における機能性膜は親油
性も有するものであった。
【0054】さらに、溶媒としては、オクタメチルシク
ロテトラヘキサンを用いた場合と、デカメチルシクロペ
ンタシロキサンを用いた場合の比較では、初期性能、耐
久性能は変わらないものの、出来上がりの外観という観
点から、オクタメチルシクロテトラヘキサンを用いた場
合の方が優れていることがわかる。
【0055】これらから明らかなように、この実施例に
おいても、過剰量のシラン系化合物による外観不良を防
ぎ、加熱して乾燥する工程あるいは洗浄工程を省いて、
シロキサン結合を介して基材表面と共有結合した膜を形
成することができる。
【0056】(実施例3)次に、シラン系化合物として
炭素あるいはフッ素を含まないSiX4で示されるテトラハ
ロゲン化シランを用いた場合の実施例を示す。
【0057】機能性膜の製造方法およびその製造装置
は、実施例1と同様のものを用い、シラン系化合物を含
む溶液8として、テトラクロロシランを用いたものであ
る。
【0058】次に、この試料を用いて、本発明の製造方
法の効果を確認するために、ロールコーターを用いてシ
ロキサン結合を有する膜の製造を行った。シラン系化合
物には化学式SiCl4で示されるテトラクロロシランを用
い、その非水系溶媒には、沸点が175℃のオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン(シリコーン)と、沸点が2
10℃のシリコーンを用いた1vol%溶液を用いた。そ
して、室温でこの溶液を厚さ0.5〜1μmでフロート
ガラスへ塗布して、試料を得た。この両者の溶液による
フロートガラス上にシロキサン結合を有する膜の性能比
較を(表4)に示す。なお、膜の性能評価方法は、実施
例1と同様の方法で行った。
【0059】
【表4】
【0060】(表4)から明らかなように、本発明の機
能性膜の製造方法により得られた機能性膜は、充分な親
水性を示し、また、耐熱性も有するものである。
【0061】さらに、溶媒としては、オクタメチルシク
ロテトラヘキサンを用いた場合と、デカメチルシクロペ
ンタシロキサンを用いた場合の比較では、初期性能、耐
久性能は変わらないものの、出来上がりの外観という観
点から、オクタメチルシクロテトラヘキサンを用いた場
合の方が優れていることがわかる。
【0062】この場合においても、過剰量のシラン系化
合物による外観不良を防ぎ、加熱して乾燥する工程ある
いは洗浄工程を省いて、シロキサン結合を介して基材表
面と共有結合した膜を形成することができる。
【0063】つまり、本発明によって形成されるシロキ
サン結合を有する膜は、シラン系化合物自体の有する固
有の特性を有するすべての膜について、ロールコーター
を用いて膜を形成するものに適用できるものである。
【0064】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、請求
項1記載の発明によれば、過剰量のシラン系化合物によ
る外観不良を防ぎ、加熱して乾燥する工程あるいは洗浄
工程を省いて、シロキサン結合を介して基材表面と共有
結合した膜を形成することができる。また、ロールコー
ターを用いることにより、基材のマスキング等をするこ
となく、基材の特定部位にのみ本発明の機能性膜を形成
することができ、例えば、フロートガラスのトップ面の
みに膜を形成するなど、特に平板形状の基材の片面のみ
に機能性膜を形成することができる。
【0065】請求項2記載の発明によれば、少なくとも
塗布工程をエアカーテンで仕切り、前記各工程に低湿度
気体を供給することにより、少なくともコーティングロ
ールとドクターロール近傍の湿度を35%以下にするこ
とにより、エアカーテンで仕切るという非常に簡単な方
法で本発明の目的を達成できるものである。従って、生
産性を向上させることができる。
【0066】請求項3記載の発明によれば、塗布工程に
おけるロールコーターのコーティングロールとドクター
ロールをカバーで仕切ることにより、低湿度気体を供給
する空間がより少なくて済むので、より生産性を向上す
ることができる。
【0067】請求項4の発明によれば、シラン系化合物
がアルキル基を有するものとすることにより、簡便に撥
水性、および親油性を有する膜を形成できる。
【0068】請求項5の発明によれば、シラン系化合物
がフルオロアルキル基を有するものとすることにより、
簡便に撥水性を有する防汚膜を形成できる。
【0069】請求項6記載の発明によれば、シラン系化
合物はクロル基を有するものとすることにより、基材表
面への製造溶液中のシラン系化合物の化学吸着能が向上
することにより、機能性膜と基材表面との密着性が向上
する。
【0070】請求項7記載の発明によれば、溶液の主成
分がシリコーンであることにより、シラン系化合物と雰
囲気中の水分との反応を抑制することができ、従ってシ
ラン化合物の重合体が生成されることにより発生する外
観不良を防ぎ、加熱して乾燥する工程あるいは洗浄工程
を省いて、シロキサン結合を介して基材表面と共有結合
した膜を形成することができる。
【0071】請求項8記載の発明によれば、シラン系化
合物の濃度を10vol%以下にすることで、過剰のシ
ラン系化合物によるシラン化合物の重合体の生成を防止
し、外観不良を防ぐことができる。また、シラン系化合
物の使用量を抑制することができるので、コストダウン
にもつながるものである。
【0072】請求項9記載の発明によれば、少なくとも
シラン系化合物と、沸点が200℃以下の主成分がシリ
コーンである非水系溶媒とを有する機能性膜の製造溶液
とすることにより、この溶液により請求項1記載の製造
方法を実現できる。
【0073】請求項10記載の発明によれば、シラン系
化合物がアルキル基を有することにより、この溶液によ
り請求項4記載の製造方法を実現できる。
【0074】請求項11記載の発明によれば、シラン系
化合物がフルオロアルキル基を有することにより、この
溶液により請求項5記載の製造方法を実現できる。
【0075】請求項12記載の発明によれば、シラン系
化合物はクロル基を有することにより、この溶液により
請求項6記載の製造方法を実現できる。
【0076】
【0077】請求項13記載の発明によれば、シラン系
化合物の濃度が10vol%以下としているので、この
溶液により請求項8記載の製造方法を実現できる。
【0078】従って、本発明はシロキサン結合を介して
基材表面と共有結合した膜を極めて簡便に形成できる効
果があり、工業的価値大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性膜の製造方法を用いた製造装置
を示す概略図
【符号の説明】
1 本体 2 コーティングロール 3 ドクターロール 4 カバー 5 エアーカーテン 6 低湿度気体 7 基材(フロートガラス) 8 製造溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大竹 忠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中川 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−132637(JP,A) 特開 平6−264051(JP,A) 特開 平6−327971(JP,A) 特開 平8−213308(JP,A) 特開 平8−141490(JP,A) 特開 平6−47324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 17/30 B05D 1/28 C09K 3/18 B05C 1/02

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシラン系化合物と沸点が20
    0℃以下の非水系溶媒を含む製造溶液を少なくともコー
    ティングロールとドクターロール近傍の湿度を35%以
    下にしたロールコーターを用いて基材表面に塗布する塗
    布工程と、その後基材表面に塗布した溶液を蒸発除去す
    る乾燥工程とを有する機能性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも塗布工程をエアカーテンで仕
    ったことを特徴とする請求項1記載の機能性膜の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 塗布工程におけるロールコーターのコー
    ティングロールとドクターロールをカバーで仕切ったこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の機能性膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 シラン系化合物がアルキル基を有する請
    求項1〜3いずれか1項に記載の機能性膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 シラン系化合物がフルオロアルキル基を
    有する請求項1〜3いずれか1項に記載の機能性膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 シラン系化合物はクロル基を有する請求
    項1〜5いずれか1項に記載の機能性膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 非水系溶媒の主成分はシリコーンである
    請求項1〜6記載いずれか1項に記載の機能性膜の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 シラン系化合物の濃度が製造溶液の10
    vol%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の機能性膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくともシラン系化合物と、沸点が2
    00℃以下の主成分がシリコーンである非水系溶媒とを
    有する機能性膜の製造溶液。
  10. 【請求項10】 シラン系化合物がアルキル基を有する
    請求項9記載の機能性膜の製造溶液。
  11. 【請求項11】 シラン系化合物がフルオロアルキル基
    を有する請求項9記載の機能性膜の製造溶液。
  12. 【請求項12】 シラン系化合物はクロル基を有する請
    求項9〜11いずれか1項に記載の機能性膜の製造溶
    液。
  13. 【請求項13】 シラン系化合物の濃度が10vol%
    以下であることを特徴とする請求項9〜12いずれか1
    項に記載の機能性膜の製造溶液。
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