JP2990654B2 - 加工用根菜類の首部カット機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、加工用に予定されて
いる根菜類特に人参の首部をカットすることにより、人
参の葉部が残存しないようにするためのカット機に係
る。

【０００２】

【従来の技術】根菜類特に人参は、緑黄野菜の摂取が健
康維持に有効であるとする近年の健康志向に沿ってジュ
ース類等への加工用の需要が急増している。ところで農
家から出荷される人参は、鮮度保持等の観点から、首部
に葉の根元部分が残った状態となっており、一般的な調
理用としては調理作業時にこの葉の根元部分を個々に切
除するので問題はないが、加工用とする場合には、この
葉の部分を個々に切除することは極めて大きな労力負担
となる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここにおいてこの発明
は、このような労力負担をなくし、大量の処理を必要と
する加工作業の能率化を図ることを目的とするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、下
向きに傾斜して配設される根菜類の整列用ブラシコンベ
アと、根菜類の首部を上向きにして挟持する一対のベル
トコンベアからなる第１の移送手段と、この第１の移送
手段に連なりこの第１の移送手段からの移行部に不整列
根菜類の払出手段を配設した第２の移送手段と、この第
２の移送手段の途中に設けられ前記根菜類の首部を一定
の高さに押圧する押え込み手段と、この押え込み手段に
連なり前記根菜類の首部を所定の高さでカットする切断
手段とを備えてなる加工用根菜類の首部カット機を提案
するものである。

【０００５】そして、前記カット機の実施に当って、前
記押え込み手段と切断手段とが配設される範囲におい
て、前記第２の移送手段の下方にこの第２の移送手段に
沿って配設され前記根菜類の下部を弾性的に支持固定す
るコンベア手段を設け、又は前記押え込み手段が配設さ
れる範囲の第２の移送手段を構成する少なくとも片側の
コンベアベルトが弾性的に進退移動可能とするものであ
る。

【０００６】

【発明の実施の態様】次にこの発明を添付図面に示す実
施の態様にしたがって説明する。なおこの発明は加工用
として利用される根菜類全般に適用可能であるが、以下
の説明及び図示に関しては、人参に代表させて説明する
こととする。

【０００７】この発明のカット機は大略次の各構成部分
からなる。すなわち、 （ａ）整列用ブラシコンベア （ｂ）第１のベルトコンベア（第１の移送手段） （ｃ）払出手段 （ｄ）第２のベルトコンベア（第２の移送手段） （ｅ）押え込み手段 （ｆ）切断手段

【０００８】以下の説明では図示の都合上、上記（ａ）
ないし（ｆ）について個々に分けて説明するが、これら
各構成部分は連続して一連の作業を行なうものとして理
解されたい。

【０００９】先ず図１に示す整列用ブラシコンベア１
は、この発明のカット機の前段処理としての形状選別機
内引出コンベア２に連ねて配設されるものであって、ら
せん状の隆起部３，４を有する一対のブラシ体５，６を
下向きに傾斜支持されたものであり、図１には省略され
ているが図２に示すようにブラシ体６の上方にもう一つ
の小径のブラシ体７があり、これらブラシ体５，６，７
はそれぞれ図２に矢印の方向へ回転して、人参８を次の
第１のベルトコンベア９へ向かって供給する。

【００１０】この第１の移送手段としての第１のベルト
コンベア９は図３ないし図５に示すように各一対のプー
リ１０，１１及び１０’，１１’の間にほぼ台形の断面
を有するベルト１２，１２’を掛け廻したものであり、
一対のプーリ１１，１１’はベルト伝動手段１３を介し
てモータ１４により回転駆動される。

【００１１】次に図６及び図７は前記第１の移送手段と
しての第１のベルトコンベア９と、第２の移送手段とし
ての第２のベルトコンベア１５との移行部に設けられる
不整列の人参８’の払出手段１６を示すものであって、
前記プーリ１１，１１’を共有するこの第２のベルトコ
ンベア１５は一段低い位置にベルト１７，１７’が配設
され、前記第１のベルトコンベア９上で整列できなかっ
た人参８’を払出手段としての払出し用ブラシ１８によ
って機外へ払い出すもので、この払出し用ブラシ１８は
ベルト伝動手段１９を介してモータ２０により回転駆動
される。

【００１２】図８ないし図１０は、人参８の首の高さを
揃えるための押え込み手段２１を示すもので、一対のベ
ルトコンベア２２，２３を送り方向において前傾させた
状態に支持し（図８）、これを前方から見ると図９のよ
うになって、人参８の首部２４を一定の高さに押え込む
のである。この際、前記一方のベルトコンベア１５の一
方には押え込み時の逃げのためにスプリング２５によっ
て弾性的に進退可能としてある（図１０）。

【００１３】次に図１１ないし図１３は切断手段２６を
示し、これはモータ２７からベルト伝動手段２８を介し
て高速回転される水平支持のカッタ２９で図１３に示す
ように人参８の葉がついている首部２４をカットするの
である。

【００１４】前記押え込み手段２１と切断手段２６とが
配設されている範囲に亘って、人参８をその垂直位置に
保持するためのコンベア手段３０を配設するものとし、
このコンベア手段３０の表面はスポンジ等の弾性体で構
成してある。

【００１５】

【発明の効果】この発明によれば、人参によって代表さ
れる根菜類を加工用に適するように、その首部をカット
する作業を自動的かつ能率よく実施しうるという効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の整列用ブラシコンベアの斜視図であ
る。

【図２】図１に示すコンベアのブラシ体の配置及び回転
方向を示す図である。

【図３】第１の移送手段の一部省略して示す配置図であ
る。

【図４】図３に示す手段の一部分の側面図である。

【図５】図３に示す手段の他の一部分を示す正面図であ
る。

【図６】不整列の人参の払出手段の側面図である。

【図７】図６に示す手段の正面図である。

【図８】押え込み手段とそれにつづく切断手段の側面図
である。

【図９】押え込み手段の正面図である。

【図１０】押え込み手段の一部の正面図である。

【図１１】切断手段の正面図である。

【図１２】切断手段の側面図である。

【図１３】切断手段の平面図である。

【符号の説明】

１ 整列用ブラシコンベア ９ 第１のベルトコンベア（第１の移送手段） １５ 第２のベルトコンベア（第２の移送手段） １６ 払出手段 ２１ 押え込み手段 ２６ 切断手段 ３０ コンベア手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 らせん状の隆起部（３，４）を有する一
   対のブラシ体（５，６）を下向きに傾斜支持させ、かつ
   前記ブラシ体（６）の上方にもう一つのブラシ体（７）
   を支持させ、これらブラシ体（５，６，７）の回転によ
   り根菜類（８）を次の第１の移送手段（９）へ向かって
   供給する整列用ブラシコンベア（１）と、根菜類（８）
   の首部を上向きにして挟持する一対のベルトコンベアか
   らなる前記第１の移送手段（９）と、この第１の移送手
   段としての第１のベルトコンベア（９）と第２の移送手
   段としての第２のベルトコンベア（１５）との、移行部
   に設けられ、ベルト伝動手段（１９）を介してモータ
   （２０）により回転駆動される払出し用ブラシ（１８）
   を備える不整列の根菜類（８）を機外へ払い出すための
   払い出手段（１６）と、前記第２の移動手段（１５）の
   途中に設けられ前記根菜類（８）の首部を一定の高さに
   押圧する押え込み手段（２１）と、この押え込み手段
   （２１）に連なり前記根菜類（８）の首部を所定の高さ
   にカットする切断手段（２６）とを備えてなる加工用根
   菜類の首部カット機。
2. 【請求項２】 前記押え込み手段（２１）と切断手段
   （２６）とが配設される範囲において、前記第２の移送
   手段（１５）の下方にこの第２の移送手段（１５）に沿
   って配設され前記根菜類（８）の下部を弾性的に支持固
   定するコンベア手段（３０）を設けてなる請求項１記載
   の加工用根菜類の首部カット機。