JP2989673B2 - 放射能含有公害物の処理再生方法 - Google Patents
放射能含有公害物の処理再生方法Info
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- JP2989673B2 JP2989673B2 JP2417089A JP41708990A JP2989673B2 JP 2989673 B2 JP2989673 B2 JP 2989673B2 JP 2417089 A JP2417089 A JP 2417089A JP 41708990 A JP41708990 A JP 41708990A JP 2989673 B2 JP2989673 B2 JP 2989673B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放射能含有公害物の
処理再生方法に関し、特に原子力発電所等から出る放射
性廃棄物や放射能汚染砂等を含む一切の放射能含有公害
物を処理再生する方法に関するものである。
処理再生方法に関し、特に原子力発電所等から出る放射
性廃棄物や放射能汚染砂等を含む一切の放射能含有公害
物を処理再生する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所に関連する廃棄物,例えば
該発電所などで使用される作業員の衣服や発生するヘド
ロなどには放射能を有する粒子が付着している。このた
めこれらを完全に処理しなければならず、従来は容器内
に収納し放射能洩れを防ぐために外周をコンクリートで
固めて海中に投棄する方法が考えられていた。
該発電所などで使用される作業員の衣服や発生するヘド
ロなどには放射能を有する粒子が付着している。このた
めこれらを完全に処理しなければならず、従来は容器内
に収納し放射能洩れを防ぐために外周をコンクリートで
固めて海中に投棄する方法が考えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によると投棄作業に手間がかかり、しかも投棄物の
容積が大きくなるという問題があった。また放射能含有
物を大気中で焼却すると大気を汚染するおそれがあり、
通常の焼却温度では焼却後の残渣の容積も大きく、廃棄
場所を選定することが困難であった。
方法によると投棄作業に手間がかかり、しかも投棄物の
容積が大きくなるという問題があった。また放射能含有
物を大気中で焼却すると大気を汚染するおそれがあり、
通常の焼却温度では焼却後の残渣の容積も大きく、廃棄
場所を選定することが困難であった。
【0004】またこのような放射性産業廃棄物に加え
て、人形峠等ウラン鉱脈等が存在する地域での放射能汚
染砂等の問題もあり、つまりこれを除去してその放射能
危険の恐れをなくすにはその処理量が多量であるうえに
放棄場所の選定が困難であるという問題点があった。
て、人形峠等ウラン鉱脈等が存在する地域での放射能汚
染砂等の問題もあり、つまりこれを除去してその放射能
危険の恐れをなくすにはその処理量が多量であるうえに
放棄場所の選定が困難であるという問題点があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、放射能含有公害物の処理後の容
積を小さくできるとともに処理の際散逸する物質の放射
能を低く抑えることができ、また上記放射能含有公害物
を、放射線発生源等として再利用可能な金属またはセラ
ミック等の固形物に変換することができ、さらに大量の
放射能含有公害物を効率よく処理することも可能な放射
能含有公害物の処理再生方法を得ることを目的とする。
ためになされたもので、放射能含有公害物の処理後の容
積を小さくできるとともに処理の際散逸する物質の放射
能を低く抑えることができ、また上記放射能含有公害物
を、放射線発生源等として再利用可能な金属またはセラ
ミック等の固形物に変換することができ、さらに大量の
放射能含有公害物を効率よく処理することも可能な放射
能含有公害物の処理再生方法を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放射能含
有公害物の処理再生方法は、多数の電極の各々に多相交
流電源の各相電圧を印加して各電極間に複数のアーク放
電発生させる多相多電極アーク発生装置を用いて、放射
能含有公害物の処理再生を行う方法であって、放射能含
有公害物を上記多相多電極アーク発生装置の複数のアー
クにより溶融する溶融処理工程と、この溶融状態の公害
物を凝固して所定形状の固形物として取り出す凝固工程
とを含み、上記溶融処理工程では、放射能含有公害物の
供給に筒状またはパイプ状のガイド部材を用いると共
に、上記多数の電極として各電極をガイド部材終端部の
周りに均等な間隔で配置したものを用いることにより、
上記多数の電極近傍のアーク発生領域の中央部分に放射
能含有公害物を直接供給して溶融処理するものである。
有公害物の処理再生方法は、多数の電極の各々に多相交
流電源の各相電圧を印加して各電極間に複数のアーク放
電発生させる多相多電極アーク発生装置を用いて、放射
能含有公害物の処理再生を行う方法であって、放射能含
有公害物を上記多相多電極アーク発生装置の複数のアー
クにより溶融する溶融処理工程と、この溶融状態の公害
物を凝固して所定形状の固形物として取り出す凝固工程
とを含み、上記溶融処理工程では、放射能含有公害物の
供給に筒状またはパイプ状のガイド部材を用いると共
に、上記多数の電極として各電極をガイド部材終端部の
周りに均等な間隔で配置したものを用いることにより、
上記多数の電極近傍のアーク発生領域の中央部分に放射
能含有公害物を直接供給して溶融処理するものである。
【0007】
【0008】
【0009】この発明は、上記放射能含有公害物の処理
再生方法において、上記ガイド部材として筒状体を用
い、上記溶融処理工程では、放射能含有公害物、あるい
はこれを収容した金属性容器を押圧成形して所定形状の
被処理成形体を形成し、該被処理成形体を上記筒状体に
次々挿入して順次アーク発生領域の中央部分に送り出
し、該中央部分にて上記溶融処理を行うものである。
再生方法において、上記ガイド部材として筒状体を用
い、上記溶融処理工程では、放射能含有公害物、あるい
はこれを収容した金属性容器を押圧成形して所定形状の
被処理成形体を形成し、該被処理成形体を上記筒状体に
次々挿入して順次アーク発生領域の中央部分に送り出
し、該中央部分にて上記溶融処理を行うものである。
【0010】この発明は、上記放射能含有公害物の処理
再生方法において、上記ガイド部材としてパイプ状部材
を用い、上記溶融処理工程では、放射性の灰あるいは粒
状の放射性廃棄物を上記パイプ状部材内を通してアーク
発生領域の中央部分に連続的に供給し、該中央部分にて
上記溶融処理を行うものである。
再生方法において、上記ガイド部材としてパイプ状部材
を用い、上記溶融処理工程では、放射性の灰あるいは粒
状の放射性廃棄物を上記パイプ状部材内を通してアーク
発生領域の中央部分に連続的に供給し、該中央部分にて
上記溶融処理を行うものである。
【0011】この発明は、上記放射能含有公害物の処理
再生方法において、多相交流電源として、直流電源の正
及び負電圧に接続された正側及び負側接点を有し、正側
及び負側接点のオン・オフ、あるいは正側,負側接点間
での切換が可能なスイッチ回路と、該スイッチ回路に接
続された誘導回路とからなり、直流を交流に変換する複
数の変換部と、上記各変換部のスイッチ回路を所定の時
間差でもって順次切換制御する制御回路とを備え、多相
交流電圧を出力する電源装置を用いたものである。
再生方法において、多相交流電源として、直流電源の正
及び負電圧に接続された正側及び負側接点を有し、正側
及び負側接点のオン・オフ、あるいは正側,負側接点間
での切換が可能なスイッチ回路と、該スイッチ回路に接
続された誘導回路とからなり、直流を交流に変換する複
数の変換部と、上記各変換部のスイッチ回路を所定の時
間差でもって順次切換制御する制御回路とを備え、多相
交流電圧を出力する電源装置を用いたものである。
【0012】
【作用】この発明においては、放射能含有公害物の溶融
に多相多電極アーク発生装置の複数のアークを用い、且
つ、筒状またはパイプ状のガイド部材を用いてアーク発
生領域の中央部分に放射能含有公害物を直接供給するた
め、放射能含有公害物が極めて高温の溶融状態になり、
またこのような状態の溶融物に複数のアークによる電磁
力や回転磁界が作用して、溶融物に振動が付加される。
このため固有の振動をする金属成分とセラミック成分が
完全に分離することとなる。また上記アークによる高温
領域は局部的であるため、急加熱及び急冷却が可能であ
り、上記金属とセラミックとを分離したまましかもアモ
ルファスの状態で凝固することができる。このため処理
した公害物を体積の小さい金属塊あるいはセラミック塊
として取り出すことができる。また、上記ガイド部材を
ニュートラル電極とすることができ、これによりプラズ
マアークを一層強化できる。
に多相多電極アーク発生装置の複数のアークを用い、且
つ、筒状またはパイプ状のガイド部材を用いてアーク発
生領域の中央部分に放射能含有公害物を直接供給するた
め、放射能含有公害物が極めて高温の溶融状態になり、
またこのような状態の溶融物に複数のアークによる電磁
力や回転磁界が作用して、溶融物に振動が付加される。
このため固有の振動をする金属成分とセラミック成分が
完全に分離することとなる。また上記アークによる高温
領域は局部的であるため、急加熱及び急冷却が可能であ
り、上記金属とセラミックとを分離したまましかもアモ
ルファスの状態で凝固することができる。このため処理
した公害物を体積の小さい金属塊あるいはセラミック塊
として取り出すことができる。また、上記ガイド部材を
ニュートラル電極とすることができ、これによりプラズ
マアークを一層強化できる。
【0013】また上記アークによる高温処理では、結果
的に、散逸する物質の放射能含有率が減少し、凝固した
固形物の放射能含有率が増加することとなる。このため
凝固した固形物を低レベルの放射線発生源等として再利
用することも可能であり、また上記散逸する物質につい
てはこれを集めて上記アークによる処理を繰り返すこと
により放射能の危険性をほとんどなくして自然界に戻す
こともできる。
的に、散逸する物質の放射能含有率が減少し、凝固した
固形物の放射能含有率が増加することとなる。このため
凝固した固形物を低レベルの放射線発生源等として再利
用することも可能であり、また上記散逸する物質につい
てはこれを集めて上記アークによる処理を繰り返すこと
により放射能の危険性をほとんどなくして自然界に戻す
こともできる。
【0014】さらに上記公害物の溶融物質を所望の形状
の固形物,つまり金属塊やセラミック塊として取り出す
ことにより、取扱や運搬等も容易になり、廃棄処分する
にしても、上記溶融処理による公害物の体積の減少と相
まって廃棄作業等も簡単になる。
の固形物,つまり金属塊やセラミック塊として取り出す
ことにより、取扱や運搬等も容易になり、廃棄処分する
にしても、上記溶融処理による公害物の体積の減少と相
まって廃棄作業等も簡単になる。
【0015】また、この発明においては、放射能含有公
害物を金属性容器内に収容し、この金属性容器を押圧成
形した所定形状の被処理成形体を所定のガイド部材に沿
ってアーク発生領域に順次供給するようにしたので、放
射能含有公害物を効率よく大量に溶融処理することがで
きる。
害物を金属性容器内に収容し、この金属性容器を押圧成
形した所定形状の被処理成形体を所定のガイド部材に沿
ってアーク発生領域に順次供給するようにしたので、放
射能含有公害物を効率よく大量に溶融処理することがで
きる。
【0016】また、この発明においては、放射性廃棄物
を例えば送風等によってパイプ状部材内を通してアーク
発生領域に連続的に供給するようにしたので、灰あるい
は粒状の放射性廃棄物の溶融処理を容易に行うことがで
きる。
を例えば送風等によってパイプ状部材内を通してアーク
発生領域に連続的に供給するようにしたので、灰あるい
は粒状の放射性廃棄物の溶融処理を容易に行うことがで
きる。
【0017】またこの発明においては、多相交流電源と
して、直流電源の正側及び負側接点のオン・オフ、ある
いは正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路を
有し、直流を交流に変換する複数の変換部と、上記各変
換部のスイッチ回路を所定の時間差でもって順次切換制
御する制御回路とを備え、多相交流電圧を出力する電源
装置を用いたので、3相電源のない場所であっても、直
流電源があれば、上記のような放射能含有公害物の処理
再生を行うことができる。
して、直流電源の正側及び負側接点のオン・オフ、ある
いは正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路を
有し、直流を交流に変換する複数の変換部と、上記各変
換部のスイッチ回路を所定の時間差でもって順次切換制
御する制御回路とを備え、多相交流電圧を出力する電源
装置を用いたので、3相電源のない場所であっても、直
流電源があれば、上記のような放射能含有公害物の処理
再生を行うことができる。
【0018】
【実施例】図1(a)は本発明の実施例の前提となる放
射能含有公害物の処理再生方法を説明するための図、図
1(b)は上記放射能含有公害物の処理状態を示す図で
ある。図において、100は放射能含有公害物を処理再
生する処理再生装置であり、多相多電極プラズマアーク
発生装置200と、被処理物のアーク処理部300とか
らなる。上記多相多電極プラズマアーク発生装置200
は、6本の黒鉛電極1,2,3,1A,2A,3Aと3
相交流電源7とから構成されており、六本の上記電極は
逆円錐形状を形成するよう、かつ、電極先端部9で収束
するよう、上方から見て等角度(60°間隔)で放射状
に並んでいる。ここで各電極は電極送り機構(図示省
略)によって進退自在となっており、電極の消耗に対し
て調整される。また4,5,6は3相交流出力の電流位
相調整装置でアークの強さを加減するためのもの、10
は6本の黒鉛電極1,2,3,1A,2A,3A間で複
数のアークが得られると同時に、電極先端部9で下方に
向けて噴出するように得られる、非移行性プラズマアー
クである。
射能含有公害物の処理再生方法を説明するための図、図
1(b)は上記放射能含有公害物の処理状態を示す図で
ある。図において、100は放射能含有公害物を処理再
生する処理再生装置であり、多相多電極プラズマアーク
発生装置200と、被処理物のアーク処理部300とか
らなる。上記多相多電極プラズマアーク発生装置200
は、6本の黒鉛電極1,2,3,1A,2A,3Aと3
相交流電源7とから構成されており、六本の上記電極は
逆円錐形状を形成するよう、かつ、電極先端部9で収束
するよう、上方から見て等角度(60°間隔)で放射状
に並んでいる。ここで各電極は電極送り機構(図示省
略)によって進退自在となっており、電極の消耗に対し
て調整される。また4,5,6は3相交流出力の電流位
相調整装置でアークの強さを加減するためのもの、10
は6本の黒鉛電極1,2,3,1A,2A,3A間で複
数のアークが得られると同時に、電極先端部9で下方に
向けて噴出するように得られる、非移行性プラズマアー
クである。
【0019】また、上記アーク処理部300において、
12は被処理成形体で、原子力発電所等から出る放射性
廃棄物を金属性容器に収容し、これを容器ごと直方体形
状に押圧成形したものである。13は上記被処理成形体
12を搬送するためのガイド部材で、その終端部14は
上記電極先端部9の下側に位置しており、これは被処理
成形体の溶融物を受け、これを後段の型枠16に流し出
すための部分となっている。ここで上記型枠16は分割
可能な一対の型枠片16a,16bからなっている。
12は被処理成形体で、原子力発電所等から出る放射性
廃棄物を金属性容器に収容し、これを容器ごと直方体形
状に押圧成形したものである。13は上記被処理成形体
12を搬送するためのガイド部材で、その終端部14は
上記電極先端部9の下側に位置しており、これは被処理
成形体の溶融物を受け、これを後段の型枠16に流し出
すための部分となっている。ここで上記型枠16は分割
可能な一対の型枠片16a,16bからなっている。
【0020】ここで、本多相多電極プラズマアーク発生
装置により発生されるマルチアークは、以下の特色を有
するものである。
装置により発生されるマルチアークは、以下の特色を有
するものである。
【0021】 大気中,液体中,真空中を問わずマイ
ナス電子イオンを帯びた超高温のアークが発生する。
ナス電子イオンを帯びた超高温のアークが発生する。
【0022】 スイッチONと同時に4000℃以上
の熱源を得られるため、高融点物質でも溶融,溶解でき
る。
の熱源を得られるため、高融点物質でも溶融,溶解でき
る。
【0023】 電極の先端に回転磁界が発生するた
め、被処理物に対する電気的撹拌作用が期待できる。
め、被処理物に対する電気的撹拌作用が期待できる。
【0024】 3の倍数で相数,電極数を増やすこと
が可能で電極径を太くするとともに、負荷電流を増大し
て大容量の物質でも短時間で処理できる。
が可能で電極径を太くするとともに、負荷電流を増大し
て大容量の物質でも短時間で処理できる。
【0025】 3相、6相等の多相交流を用いてお
り、各相の合計電流は常に0となり、アース線が不要の
為、アークは相手電極等の対極を必要としない非移行性
のものとなり、従って金属以外の物質でも、これを相手
電極とする必要がないため、電導性を有しない耐火物等
をも直接加熱,焼結,溶融させることができる。
り、各相の合計電流は常に0となり、アース線が不要の
為、アークは相手電極等の対極を必要としない非移行性
のものとなり、従って金属以外の物質でも、これを相手
電極とする必要がないため、電導性を有しない耐火物等
をも直接加熱,焼結,溶融させることができる。
【0026】 複数の電極の中心部にニュートラル電
極を設ければ、さらに強力なプラズマアークが発生す
る。
極を設ければ、さらに強力なプラズマアークが発生す
る。
【0027】次に処理再生方法について説明する。原子
力発電所から出る放射性廃棄物をドラム缶等の金属性容
器に詰め、これを押圧成形して直方体形状の被処理成形
体12に加工する。次にこの被処理成形体12を所定の
ガイド部材13上に順次送り込み、該ガイド部材13終
端のアーク発生領域14に連続的に供給する。そして該
アーク発生領域14にて該被処理成形体12にマルチア
ークを照射して連続的に溶融する。この時その溶融物1
5はガイド部材13終端の受け部14に流れ落ち、さら
に所定形状に成形するための型枠16内に流入し、ここ
で凝固される。凝固後上記一対の型枠片16a,16b
を分割して円柱形状の固形物を取り出す。なお固形物の
形状としては、例えば、輸送等に適した直方体形状や立
方体形状の他、これを利用する用途に応じて所望の形状
とすることができる。
力発電所から出る放射性廃棄物をドラム缶等の金属性容
器に詰め、これを押圧成形して直方体形状の被処理成形
体12に加工する。次にこの被処理成形体12を所定の
ガイド部材13上に順次送り込み、該ガイド部材13終
端のアーク発生領域14に連続的に供給する。そして該
アーク発生領域14にて該被処理成形体12にマルチア
ークを照射して連続的に溶融する。この時その溶融物1
5はガイド部材13終端の受け部14に流れ落ち、さら
に所定形状に成形するための型枠16内に流入し、ここ
で凝固される。凝固後上記一対の型枠片16a,16b
を分割して円柱形状の固形物を取り出す。なお固形物の
形状としては、例えば、輸送等に適した直方体形状や立
方体形状の他、これを利用する用途に応じて所望の形状
とすることができる。
【0028】このように、本発明の実施例の前提となる
放射能含有公害物の処理再生方法では、原子力発電所の
放射性廃棄物を詰め込んだドラム缶を直方体形状に押圧
成形し、被処理成形体12を順次ガイド部材13により
送り込んで該ガイド部材13終端のアーク発生領域に送
り出し、ここで順次溶融するようにしたので、マルチア
ークにより放射性廃棄物を大量にかつ効率良く溶融処理
することができる。
放射能含有公害物の処理再生方法では、原子力発電所の
放射性廃棄物を詰め込んだドラム缶を直方体形状に押圧
成形し、被処理成形体12を順次ガイド部材13により
送り込んで該ガイド部材13終端のアーク発生領域に送
り出し、ここで順次溶融するようにしたので、マルチア
ークにより放射性廃棄物を大量にかつ効率良く溶融処理
することができる。
【0029】また上記マルチアーク炎で原子力関係の廃
棄物または天然の放射性を有する鉱物残物を溶融する
と、金属やセラミック又はこれらと他の物質との合成物
となり、容量が物によっては1/10〜1/20にもな
り、また極めて硬くさびない金属性物質、又は急熱,急
冷にも割れないセラミック性物質となる。このため処理
した廃棄物の取扱やその再利用のための処理を行い易く
できる。また上記金属性物質とセラミック性物質とはそ
の固有の振動数が異なるため、これらの混合溶融物を同
一の型枠内で凝固しても、金属は下側部分、セラミック
は上側部分に完全に分かれて固体化することとなる。こ
のため型枠から固形物を取り出した後これを簡単に金属
性固形物とセラミック性固形物とに分離することができ
る。
棄物または天然の放射性を有する鉱物残物を溶融する
と、金属やセラミック又はこれらと他の物質との合成物
となり、容量が物によっては1/10〜1/20にもな
り、また極めて硬くさびない金属性物質、又は急熱,急
冷にも割れないセラミック性物質となる。このため処理
した廃棄物の取扱やその再利用のための処理を行い易く
できる。また上記金属性物質とセラミック性物質とはそ
の固有の振動数が異なるため、これらの混合溶融物を同
一の型枠内で凝固しても、金属は下側部分、セラミック
は上側部分に完全に分かれて固体化することとなる。こ
のため型枠から固形物を取り出した後これを簡単に金属
性固形物とセラミック性固形物とに分離することができ
る。
【0030】この場合廃棄物は有形の大型のものでも、
破粉した固形物や粉状物でも、金属の削りくず等のよう
なものでもよく、本処理方法ではどんなものでも処理で
きる。また空気中,水中,雰囲気中,真空炉等の何れに
おいても処理できる。もちろん金属廃棄物,セラミック
廃棄物,可燃性廃棄物等を混合して1つのドラム缶に詰
めて処理してもよい。
破粉した固形物や粉状物でも、金属の削りくず等のよう
なものでもよく、本処理方法ではどんなものでも処理で
きる。また空気中,水中,雰囲気中,真空炉等の何れに
おいても処理できる。もちろん金属廃棄物,セラミック
廃棄物,可燃性廃棄物等を混合して1つのドラム缶に詰
めて処理してもよい。
【0031】また廃棄衣服や木材,プラスチック,紙,
油,灰等様々のものを詰めたドラム缶ごと、マルチアー
ク炎で溶融処理することもできる。このとき例えば、衣
類廃棄物を収納した容器ぐるみ押しつぶして適当な形状
としてからマルチアークで溶融処理することもできる。
また上記各種のものを同時に炉内で処理してもよく、こ
の場合も各種の廃棄物のすべてが溶融セラミックと金属
となり、この両者は簡単に分別採取して所定形状の固形
物として取り出すことができ、その後に再利用の用途別
の処理にも便利である。
油,灰等様々のものを詰めたドラム缶ごと、マルチアー
ク炎で溶融処理することもできる。このとき例えば、衣
類廃棄物を収納した容器ぐるみ押しつぶして適当な形状
としてからマルチアークで溶融処理することもできる。
また上記各種のものを同時に炉内で処理してもよく、こ
の場合も各種の廃棄物のすべてが溶融セラミックと金属
となり、この両者は簡単に分別採取して所定形状の固形
物として取り出すことができ、その後に再利用の用途別
の処理にも便利である。
【0032】さらに放射能を有する処理灰を再生利用し
たいときも、該処理灰を詰めたドラム缶を所定の形状に
加工し、マルチアークで容器ごと処理灰を溶融処理でき
る。また溶融物を棒状,パイプ状,板状,ブロック状等
の任意の大きさと形状にでき、さらに他の物質と混合溶
融して、得られた固形物に新しい特性を付与することが
できる。
たいときも、該処理灰を詰めたドラム缶を所定の形状に
加工し、マルチアークで容器ごと処理灰を溶融処理でき
る。また溶融物を棒状,パイプ状,板状,ブロック状等
の任意の大きさと形状にでき、さらに他の物質と混合溶
融して、得られた固形物に新しい特性を付与することが
できる。
【0033】このマルチアークは従来のアークのように
金属でないとアークが出ないとか、アース線を必要とす
るものと異なり、ガスバーナーのようにスイッチを入れ
た瞬間に4000℃以上のアーク炎が、水中,空中,真
空中を問わず発生する。しかも数万度,数十万度という
温度に上げることもでき、アーク炎の方向を電磁場を与
えることにより、いかようにも自動制御ができるので無
人のロボット化による作業が容易にできる。
金属でないとアークが出ないとか、アース線を必要とす
るものと異なり、ガスバーナーのようにスイッチを入れ
た瞬間に4000℃以上のアーク炎が、水中,空中,真
空中を問わず発生する。しかも数万度,数十万度という
温度に上げることもでき、アーク炎の方向を電磁場を与
えることにより、いかようにも自動制御ができるので無
人のロボット化による作業が容易にできる。
【0034】また原子力発電所の排水溝、これは海中に
ある場合でもよい、に付着したカキがら等を水中マルチ
アークトーチを用いてマルチアーク処理すれば、熱変質
により付着力が低下して取れやすくなり、簡単に取り除
くことができる。またこの取り出したカキがら等はこれ
をマルチアークにより溶融し凝固することにより有用な
セラミックとなり再生活用することができる。またマル
チアークによる処理は、空中,水中を問わず構造物の溶
融,切断,解体に対しても有効であり、ロボットを使用
しアーク炎で安全に処理できる。
ある場合でもよい、に付着したカキがら等を水中マルチ
アークトーチを用いてマルチアーク処理すれば、熱変質
により付着力が低下して取れやすくなり、簡単に取り除
くことができる。またこの取り出したカキがら等はこれ
をマルチアークにより溶融し凝固することにより有用な
セラミックとなり再生活用することができる。またマル
チアークによる処理は、空中,水中を問わず構造物の溶
融,切断,解体に対しても有効であり、ロボットを使用
しアーク炎で安全に処理できる。
【0035】さらに、上記原子炉の冷却等に使用された
放射性の強い液体の処理も可能である。すなわちこのよ
うな放射性の強い液体を、その放射能を吸収し易い物質
又は燃焼,焼却し易い物質や原子力発電所からの他の廃
棄物と混合し、これをマルチアークで溶融処理すれば、
処理の際蒸発する水蒸気分の放射能レベルは低下し、一
方凝固した固形物には放射能が凝縮されて残存すること
となる。このためこのような処理を上記水蒸気について
繰り返し行うことにより、放射性の強い液体を放射性の
極めて弱い安全な液体に変えることができる。
放射性の強い液体の処理も可能である。すなわちこのよ
うな放射性の強い液体を、その放射能を吸収し易い物質
又は燃焼,焼却し易い物質や原子力発電所からの他の廃
棄物と混合し、これをマルチアークで溶融処理すれば、
処理の際蒸発する水蒸気分の放射能レベルは低下し、一
方凝固した固形物には放射能が凝縮されて残存すること
となる。このためこのような処理を上記水蒸気について
繰り返し行うことにより、放射性の強い液体を放射性の
極めて弱い安全な液体に変えることができる。
【0036】また放射能を凝縮した固形物は低レベルの
放射能発生源として再利用することができる。例えば、
上記固形物を万年筆等の形状,つまり人が持ち易いよう
な形状に成形し、これにその先端部を除いて放射能遮蔽
作用を有する磁鉄鋼を溶射等の方法でコーティングすれ
ば、安全性が高く、取扱いがきわめて簡単な放射線発生
源を得ることができる。また上記固形物を微小な球体に
成形し、これを上記万年筆形状の保持部材の先端に取り
付けて、これを放射線発生源として利用することもでき
る。このような放射線発生源は現在のところ特に医療技
術関係等では有効利用の可能性があり、また将来その他
の技術分野でも有効利用の途が開けるものと考えられ
る。
放射能発生源として再利用することができる。例えば、
上記固形物を万年筆等の形状,つまり人が持ち易いよう
な形状に成形し、これにその先端部を除いて放射能遮蔽
作用を有する磁鉄鋼を溶射等の方法でコーティングすれ
ば、安全性が高く、取扱いがきわめて簡単な放射線発生
源を得ることができる。また上記固形物を微小な球体に
成形し、これを上記万年筆形状の保持部材の先端に取り
付けて、これを放射線発生源として利用することもでき
る。このような放射線発生源は現在のところ特に医療技
術関係等では有効利用の可能性があり、また将来その他
の技術分野でも有効利用の途が開けるものと考えられ
る。
【0037】なお、上記再生処理方法では、放射能含有
公害物を金属容器に入れ、これを金属容器ごと押圧成形
する場合を示したが、放射能含有公害物は、これがその
素材のまま押圧成形できるものであれば、必ずしも金属
容器に入れる必要はない。
公害物を金属容器に入れ、これを金属容器ごと押圧成形
する場合を示したが、放射能含有公害物は、これがその
素材のまま押圧成形できるものであれば、必ずしも金属
容器に入れる必要はない。
【0038】図2は、本発明の第1の実施例による放射
能含有公害物の処理再生方法を示す図で、図2(a)は
側面図、図2(b)は下面図である。ここではアーク炎
の中心に円筒形処理物を押し下げて溶融する方法を示し
ている。図において、図1と同一符号は同一または相当
部分を示し、22は廃棄物を詰め込んだドラム缶等を押
圧成形して細長い円筒形状にした被処理成形体、23は
該被処理成形体22を多相多電極の中心部に導く筒状ガ
イド部材である。
能含有公害物の処理再生方法を示す図で、図2(a)は
側面図、図2(b)は下面図である。ここではアーク炎
の中心に円筒形処理物を押し下げて溶融する方法を示し
ている。図において、図1と同一符号は同一または相当
部分を示し、22は廃棄物を詰め込んだドラム缶等を押
圧成形して細長い円筒形状にした被処理成形体、23は
該被処理成形体22を多相多電極の中心部に導く筒状ガ
イド部材である。
【0039】この実施例は、本発明の実施例の前提とな
る放射能含有公害物の処理再生方法の場合と同様、廃棄
物をドラム缶に詰め込み、該ドラム缶を押圧成形して上
記被処理成形体22を形成し、これを筒状ガイド部材2
3に順次送り込んで該ガイド部材23終端のアーク発生
領域に供給し、ここでマルチアークにより溶融処理する
が、本発明の実施例の前提となる放射能含有公害物の処
理再生方法と異なり、筒状ガイド部材23の使用により
アーク発生領域の中心部に直接上記被処理成形体22を
供給するため、マルチアークによる特に優れた溶融処理
効果を得ることができ、しかも、筒状ガイド部材23を
ニュートラル電極として使用できる。溶融処理の後は、
本発明の実施例の前提となる放射能含有公害物の処理再
生方法と同様、その溶融物を後処理により凝固して所定
形状の固形物として取り出す。
る放射能含有公害物の処理再生方法の場合と同様、廃棄
物をドラム缶に詰め込み、該ドラム缶を押圧成形して上
記被処理成形体22を形成し、これを筒状ガイド部材2
3に順次送り込んで該ガイド部材23終端のアーク発生
領域に供給し、ここでマルチアークにより溶融処理する
が、本発明の実施例の前提となる放射能含有公害物の処
理再生方法と異なり、筒状ガイド部材23の使用により
アーク発生領域の中心部に直接上記被処理成形体22を
供給するため、マルチアークによる特に優れた溶融処理
効果を得ることができ、しかも、筒状ガイド部材23を
ニュートラル電極として使用できる。溶融処理の後は、
本発明の実施例の前提となる放射能含有公害物の処理再
生方法と同様、その溶融物を後処理により凝固して所定
形状の固形物として取り出す。
【0040】この本実施例では、上記筒状ガイド部材に
金属性のものを用い、これに上記電源のニュートラルを
接続すればこのドラム缶にもアークが発生することとな
り、強力なマルチアークにより溶融処理することができ
る。
金属性のものを用い、これに上記電源のニュートラルを
接続すればこのドラム缶にもアークが発生することとな
り、強力なマルチアークにより溶融処理することができ
る。
【0041】なお、上記実施例では放射性廃棄物を収納
した金属性容器を押圧成形して所定形状の被処理成形体
とし、これを順次アーク処理領域に送り込んで処理する
方法を示したが、廃棄物を直接アーク処理部、つまりア
ーク炎中心部に送り込むようにしてもよい。
した金属性容器を押圧成形して所定形状の被処理成形体
とし、これを順次アーク処理領域に送り込んで処理する
方法を示したが、廃棄物を直接アーク処理部、つまりア
ーク炎中心部に送り込むようにしてもよい。
【0042】図3はこのような方法の一例として、本発
明の第2の実施例による放射能含有公害物の処理再生方
法を示し、図中33は灰又は粒状の放射性廃棄物32を
送風等により帆走するためのパイプで、その先端部はア
ーク発生領域、つまり多相多電極の中央上部に位置して
おり、また該先端部はその内径を他の部分より若干小さ
くしたノズル部33aとなっている。
明の第2の実施例による放射能含有公害物の処理再生方
法を示し、図中33は灰又は粒状の放射性廃棄物32を
送風等により帆走するためのパイプで、その先端部はア
ーク発生領域、つまり多相多電極の中央上部に位置して
おり、また該先端部はその内径を他の部分より若干小さ
くしたノズル部33aとなっている。
【0043】このような構成では、放射性廃棄物32を
上記パイプ33により上記多相多電極上部まで導き、直
接アーク炎中央部に落下させ、溶融処理する。そして溶
融物は上記実施例と同様に凝固して取り出す。
上記パイプ33により上記多相多電極上部まで導き、直
接アーク炎中央部に落下させ、溶融処理する。そして溶
融物は上記実施例と同様に凝固して取り出す。
【0044】この実施例では、人形峠等の放射能汚染し
た砂や灰等を効率よく大量に処理することができる。ま
た上記搬送パイプとしてカーボン丸枠又は耐熱セラミッ
ク、カーボンを用い、これをニュートラルとすればアー
クはこれにも飛び処理能力が上がる。
た砂や灰等を効率よく大量に処理することができる。ま
た上記搬送パイプとしてカーボン丸枠又は耐熱セラミッ
ク、カーボンを用い、これをニュートラルとすればアー
クはこれにも飛び処理能力が上がる。
【0045】なお、上記実施例では、多相交流電源とし
て3相電圧を用いているが、3相の電源のない場所で
は、直流電源や単相電源を用いてもよく、つまりこれら
の電源電圧そのものを2の倍数個ある複数の電極に印加
し、該複数の電極間にアークを発生させてもよい。また
直流または単相電源から3相電圧を発生させて複数電極
間にアークを発生させてもよい。このとき電源の組み合
わせにより多くのアーク波形が生まれるが対象物の処理
に最も効果のあるアーク方式を利用することが望まし
い。
て3相電圧を用いているが、3相の電源のない場所で
は、直流電源や単相電源を用いてもよく、つまりこれら
の電源電圧そのものを2の倍数個ある複数の電極に印加
し、該複数の電極間にアークを発生させてもよい。また
直流または単相電源から3相電圧を発生させて複数電極
間にアークを発生させてもよい。このとき電源の組み合
わせにより多くのアーク波形が生まれるが対象物の処理
に最も効果のあるアーク方式を利用することが望まし
い。
【0046】図4及び図5はこの発明の第3の実施例に
よる放射能含有公害物の処理再生方法を説明するための
図であり、この実施例では、多相交流電源として直流電
源から3相交流を発生する電源装置を用いている。
よる放射能含有公害物の処理再生方法を説明するための
図であり、この実施例では、多相交流電源として直流電
源から3相交流を発生する電源装置を用いている。
【0047】図において、30は直流電源、20a〜2
0cは直流電力を交流電力に変換する複数の変換部で、
直流電源30の正及び負電圧に接続された正側及び負側
の各接点24a〜24c及び25a〜25cを有し、該
正側及び負側の各接点のオン・オフ、あるいは正側,負
側の各接点間での切換が可能な各スイッチ回路21a〜
21cと、該各スイッチ回路21a〜21cに接続され
た各誘導回路22a〜22cとからなる。また26a〜
26cは上記各変換部21a〜21cの各出力端子で、
該各出力端子には各電極1〜3,1A〜3Aが接続され
ている。27は上記直流電源30の中間電位に接続され
たニュートラル電極であるがここでは用いていない。ま
た31はスイッチ回路の1回の切換によって得られる出
力波形の一周期TO の1/3倍の位相差(1/3TO )
でもって各スイッチ回路21a〜21cを切換制御する
制御回路であり、その他の構成は上記第1の実施例と同
一である。
0cは直流電力を交流電力に変換する複数の変換部で、
直流電源30の正及び負電圧に接続された正側及び負側
の各接点24a〜24c及び25a〜25cを有し、該
正側及び負側の各接点のオン・オフ、あるいは正側,負
側の各接点間での切換が可能な各スイッチ回路21a〜
21cと、該各スイッチ回路21a〜21cに接続され
た各誘導回路22a〜22cとからなる。また26a〜
26cは上記各変換部21a〜21cの各出力端子で、
該各出力端子には各電極1〜3,1A〜3Aが接続され
ている。27は上記直流電源30の中間電位に接続され
たニュートラル電極であるがここでは用いていない。ま
た31はスイッチ回路の1回の切換によって得られる出
力波形の一周期TO の1/3倍の位相差(1/3TO )
でもって各スイッチ回路21a〜21cを切換制御する
制御回路であり、その他の構成は上記第1の実施例と同
一である。
【0048】この実施例では、上記制御回路31により
上記各スイッチ回路21a〜21cを切換制御すると、
各変換部の出力端子26a〜26cには図5に示すよう
な3相交流が出力され、上記各電極1〜3,1A〜3A
相互間にマルチアーク10が発生することとなり、これ
によって上記第1の実施例と同様、放射能含有公害物の
処理再生が行われる。
上記各スイッチ回路21a〜21cを切換制御すると、
各変換部の出力端子26a〜26cには図5に示すよう
な3相交流が出力され、上記各電極1〜3,1A〜3A
相互間にマルチアーク10が発生することとなり、これ
によって上記第1の実施例と同様、放射能含有公害物の
処理再生が行われる。
【0049】このような実施例では直流電源から3相交
流を発生できるので、3相電源がない場所でも上記のよ
うな放射能含有公害物の処理再生が可能である。
流を発生できるので、3相電源がない場所でも上記のよ
うな放射能含有公害物の処理再生が可能である。
【0050】なお上記第3の実施例では、直流電源から
3相交流を発生する電源装置を第1実施例の処理再生方
法に用いた場合について示したが、これは第2の実施例
の処理再生方法に用いることもでき、これらの場合ニュ
ートラル電極27を図4に点線で示すようにガイド部材
23や搬送パイプ33に接続すれば、プラズマアークを
強化することができる。
3相交流を発生する電源装置を第1実施例の処理再生方
法に用いた場合について示したが、これは第2の実施例
の処理再生方法に用いることもでき、これらの場合ニュ
ートラル電極27を図4に点線で示すようにガイド部材
23や搬送パイプ33に接続すれば、プラズマアークを
強化することができる。
【0051】
【発明の効果】以上のようにこの発明に係る放射能含有
公害物の処理再生方法によれば、種々の放射能含有公害
物の溶融に上記多相多電極アーク発生装置の複数のアー
クを用い、且つ、筒状またはパイプ状のガイド部材を用
いてアーク発生領域の中央部分に放射能含有公害物を直
接供給するため、放射能含有公害物が極めて高温の溶融
状態になり、またこのような状態の溶融物に複数のアー
クによる電磁力や回転磁界が印加されて、溶融物が電気
的しつ機械的に攪拌されることとなり、金属成分とセラ
ミック成分が完全に分離することとなる。また上記アー
クによる高温領域は局部的であるため、急加熱及び急冷
却が可能であり、上記金属とセラミックとを分離したま
ましかもアモルファスの状態で凝固することができる。
このため処理した公害物を体積の小さい金属塊あるいは
セラミック塊として取り出すことができる効果がある。
更に、上記ガイド部材をニュートラル電極として使用で
き、この使用により強力なプラズマアークを発生させる
ことができる。
公害物の処理再生方法によれば、種々の放射能含有公害
物の溶融に上記多相多電極アーク発生装置の複数のアー
クを用い、且つ、筒状またはパイプ状のガイド部材を用
いてアーク発生領域の中央部分に放射能含有公害物を直
接供給するため、放射能含有公害物が極めて高温の溶融
状態になり、またこのような状態の溶融物に複数のアー
クによる電磁力や回転磁界が印加されて、溶融物が電気
的しつ機械的に攪拌されることとなり、金属成分とセラ
ミック成分が完全に分離することとなる。また上記アー
クによる高温領域は局部的であるため、急加熱及び急冷
却が可能であり、上記金属とセラミックとを分離したま
ましかもアモルファスの状態で凝固することができる。
このため処理した公害物を体積の小さい金属塊あるいは
セラミック塊として取り出すことができる効果がある。
更に、上記ガイド部材をニュートラル電極として使用で
き、この使用により強力なプラズマアークを発生させる
ことができる。
【0052】また上記アークによる高温処理では、結果
的に、散逸する物質は放射能含有率が減少し、凝固した
固形物質は放射能含有率が増加することとなる。このた
め凝固した固形物質を放射線発生源等として再利用する
ことも可能であり、また上記散逸する物質についてはこ
れを集めて上記アークによる処理を繰り返すことにより
放射能の危険性をほとんどなくして自然界に戻すことも
できる。
的に、散逸する物質は放射能含有率が減少し、凝固した
固形物質は放射能含有率が増加することとなる。このた
め凝固した固形物質を放射線発生源等として再利用する
ことも可能であり、また上記散逸する物質についてはこ
れを集めて上記アークによる処理を繰り返すことにより
放射能の危険性をほとんどなくして自然界に戻すことも
できる。
【0053】さらに上記公害物の溶融物質を所望の形状
の固形物質として取り出すことにより、取扱や運搬等も
容易になり、廃棄処分するにしても、上記溶融処理によ
る公害物の体積の減少と相まって廃棄作業等も簡単にな
る。
の固形物質として取り出すことにより、取扱や運搬等も
容易になり、廃棄処分するにしても、上記溶融処理によ
る公害物の体積の減少と相まって廃棄作業等も簡単にな
る。
【0054】また、放射能含有公害物を金属性容器内に
収容し、この金属性容器を押圧成形した所定形状の被処
理成形体を所定のガイド部材に沿ってアーク発生領域に
順次供給するようにしたので、放射能含有公害物を効率
よく大量に処理することができる効果がある。
収容し、この金属性容器を押圧成形した所定形状の被処
理成形体を所定のガイド部材に沿ってアーク発生領域に
順次供給するようにしたので、放射能含有公害物を効率
よく大量に処理することができる効果がある。
【0055】また、放射性廃棄物を上記筒状ガイド部材
内を通してアーク発生領域に連続的に供給するようにし
たので、灰あるいは粒状の放射性廃棄物の溶融処理を容
易に行うことができる効果がある。
内を通してアーク発生領域に連続的に供給するようにし
たので、灰あるいは粒状の放射性廃棄物の溶融処理を容
易に行うことができる効果がある。
【0056】さらにまた、上記多相交流電源として、直
流電源の正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路を有し、
直流を交流に変換する複数の変換部と、上記各変換部の
スイッチ回路を所定の時間差でもって順次切換制御する
制御回路とを備え、多相交流電圧を出力する電源装置を
用いたので、3相電源のない場所であっても、直流電源
があれば、上記のような放射能含有公害物の処理再生を
行うことができる。
流電源の正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路を有し、
直流を交流に変換する複数の変換部と、上記各変換部の
スイッチ回路を所定の時間差でもって順次切換制御する
制御回路とを備え、多相交流電圧を出力する電源装置を
用いたので、3相電源のない場所であっても、直流電源
があれば、上記のような放射能含有公害物の処理再生を
行うことができる。
【図1】本発明の実施例の前提となる放射能含有公害物
の処理再生方法を示す図である。
の処理再生方法を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例による放射能含有公害物
の処理再生方法を示す図である。
の処理再生方法を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例による放射能含有公害物
の処理再生方法を示す図である。
の処理再生方法を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例による放射能含有公害物
の処理再生方法を示す図である。
の処理再生方法を示す図である。
【図5】上記第3実施例に用いる電源装置の出力波形を
示す図である。
示す図である。
1,2,3,1A,2A,3A 電極 4,5,6 位相調整装置 7 3相交流電源 12,22 被処理成形体 13,23 ガイド部材 14 受け部 15 溶融物 20a,20b,20c 変換部 21a,21b,21c スイッチ回路 22a,22b,22c 誘導回路 30 直流電源 31 スイッチ制御回路 32 灰または粒状の放射
性廃棄物 33 搬送パイプ 33a ノズル部 100 処理再生装置 200 多相多電極プラズマ
アーク発生装置 300 搬送処理部
性廃棄物 33 搬送パイプ 33a ノズル部 100 処理再生装置 200 多相多電極プラズマ
アーク発生装置 300 搬送処理部
Claims (4)
- 【請求項1】 多数の電極の各々に多相交流電源の各相
電圧を印加して各電極間に複数のアーク放電発生させる
多相多電極アーク発生装置を用いて、放射能含有公害物
の処理再生を行う方法であって、放射能含有公害物を上
記多相多電極アーク発生装置の複数のアークにより溶融
する溶融処理工程と、この溶融状態の公害物を凝固して
所定形状の固形物として取り出す凝固工程とを含み、上
記溶融処理工程では、放射能含有公害物の供給に筒状ま
たはパイプ状のガイド部材を用いると共に、上記多数の
電極として各電極をガイド部材終端部の周りに均等な間
隔で配置したものを用いることにより、上記多数の電極
近傍のアーク発生領域の中央部分に放射能含有公害物を
直接供給して溶融処理することを特徴とする放射能含有
公害物の処理再生方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の放射能含有公害物の処理
再生方法において、上記ガイド部材として筒状体を用
い、上記溶融処理工程では、放射能含有公害物、あるい
はこれを収容した金属性容器を押圧成形して所定形状の
被処理成形体を形成し、該被処理成形体を上記筒状体に
次々挿入して順次アーク発生領域の中央部分に送り出
し、該中央部分にて上記溶融処理を行うことを特徴とす
る放射能含有公害物の処理再生方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の放射能含有公害物の処理
再生方法において、上記ガイド部材としてパイプ状部材
を用い、上記溶融処理工程では、放射性の灰あるいは粒
状の放射性廃棄物を上記パイプ状部材内を通してアーク
発生領域の中央部分に連続的に供給し、該中央部分にて
上記溶融処理を行うことを特徴とする放射能含有公害物
の処理再生方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の放
射能含有公害物の処理再生方法において、上記多相交流
電源は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び
負側接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、ある
いは正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路
と、該スイッチ回路に接続された誘導回路とからなり、
直流を交流に変換する複数の変換部と、上記各変換部の
スイッチ回路を所定の時間差でもって順次切換制御する
制御回路とを備え、多相交流電圧を出力するものである
ことを特徴とする放射能含有公害物の処理再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2417089A JP2989673B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 放射能含有公害物の処理再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2417089A JP2989673B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 放射能含有公害物の処理再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04249800A JPH04249800A (ja) | 1992-09-04 |
JP2989673B2 true JP2989673B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=18525228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2417089A Expired - Fee Related JP2989673B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 放射能含有公害物の処理再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2989673B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06300233A (ja) * | 1993-04-16 | 1994-10-28 | Hiroshi Tsujino | アーク放電を用いた粉末廃棄物処理装置 |
JPH06260282A (ja) * | 1993-03-03 | 1994-09-16 | Sanyo Electric Co Ltd | 放電装置 |
JP2002333285A (ja) * | 2001-05-10 | 2002-11-22 | Ryoda Sato | プラズマアークを用いた溶融方法およびプラズマアーク溶融炉 |
-
1990
- 1990-12-28 JP JP2417089A patent/JP2989673B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04249800A (ja) | 1992-09-04 |
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