JP2988788B2 - 走査型近接場光学顕微鏡 - Google Patents
走査型近接場光学顕微鏡Info
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- G01Q—SCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
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- G01Q60/18—SNOM [Scanning Near-Field Optical Microscopy] or apparatus therefor, e.g. SNOM probes
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走査型近接場光学顕
微鏡に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、半導体、絶縁体、金属等の表面の微細構造を、光の
回折限界を超えるナノメータオーダの分解能で計測する
ことのできる新しい走査型の近接場光学顕微鏡に関する
ものである。
微鏡に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、半導体、絶縁体、金属等の表面の微細構造を、光の
回折限界を超えるナノメータオーダの分解能で計測する
ことのできる新しい走査型の近接場光学顕微鏡に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、エキシマレーザやシン
クロトロン放射光に代表される高出力、短波長の光源の
出現にともなって、これらに使用される光学素子の加工
表面の超高精度化とともに、これらの機能性材料の開発
において、表面超高精度加工等による表面性状の微細構
造の評価が極めて重要な要件になってきている。
クロトロン放射光に代表される高出力、短波長の光源の
出現にともなって、これらに使用される光学素子の加工
表面の超高精度化とともに、これらの機能性材料の開発
において、表面超高精度加工等による表面性状の微細構
造の評価が極めて重要な要件になってきている。
【0003】しかしながら、たとえば光学的手法による
一般的な表面寸法測定器の分解能は横0.5μm、縦
0.5nm程度でしかないなど、従来の技術によって
は、ナノメータオーダの表面計測は極めて困難であっ
た。ナノメータオーダの表面寸法の測定は走査型トンネ
ル顕微鏡によって可能ではあるが、この場合には、原理
的にその測定対象が導体に限られるため、絶縁体の場合
には測定が困難であるという問題があった。
一般的な表面寸法測定器の分解能は横0.5μm、縦
0.5nm程度でしかないなど、従来の技術によって
は、ナノメータオーダの表面計測は極めて困難であっ
た。ナノメータオーダの表面寸法の測定は走査型トンネ
ル顕微鏡によって可能ではあるが、この場合には、原理
的にその測定対象が導体に限られるため、絶縁体の場合
には測定が困難であるという問題があった。
【0004】また、絶縁体の試料をナノメータオーダで
測定できるものとして原子間力顕微鏡(Atomic Force M
icroscope :AFM)がある。AFMは、原理的には非
接触での測定も可能ではあるが、実際に開発されている
ものは、ほとんどが接触式である。そのため、試料表面
の帯電や水等の吸着分子の影響が大きく、ナノメータオ
ーダの測定を行うには、試料表面の洗浄等に注意を払う
必要がある。
測定できるものとして原子間力顕微鏡(Atomic Force M
icroscope :AFM)がある。AFMは、原理的には非
接触での測定も可能ではあるが、実際に開発されている
ものは、ほとんどが接触式である。そのため、試料表面
の帯電や水等の吸着分子の影響が大きく、ナノメータオ
ーダの測定を行うには、試料表面の洗浄等に注意を払う
必要がある。
【0005】このような観点から、半導体、絶縁体であ
っても超高精度の表面測定が可能となる手段として、走
査型近接場光学顕微鏡(Scanning Near field Optical
Microscope:SNOM)による測定方法が注目されてい
る。このSNOMは、走査型トンネル顕微鏡(STM)
等と同じく、走査型プローブ顕微鏡の一種である。ま
ず、光の波長よりも小さい微小プローブに光を照射し、
その周りに特殊な電磁場である近接場を形成する。それ
で試料を照らし、試料と電磁場(光)の相互作用によっ
てその領域から放出される光を検出する。この光の強度
がプローブ−試料間距離の変化に対し、敏感に反応す
る。SNOMは、このプローブで試料表面上を走査する
ことにより、表面の形状等の情報を得るものである。こ
の方法では、横分解能は光を照射するプローブの径や曲
率によって決まるため、光の回折限界に依存しない。ま
た、縦分解能も近接場という電界強度が急激に変化する
領域を利用するため、高分解能を得ることが可能であ
る。さらに、SNOMの最大の特徴であり利点である点
は、光を用いた測定法であるため、STMのように試料
に導電性を必要とせず、あらゆる物質に適用でき、かつ
非接触・非破壊という従来の光学的手法の長所も合わせ
持つ。
っても超高精度の表面測定が可能となる手段として、走
査型近接場光学顕微鏡(Scanning Near field Optical
Microscope:SNOM)による測定方法が注目されてい
る。このSNOMは、走査型トンネル顕微鏡(STM)
等と同じく、走査型プローブ顕微鏡の一種である。ま
ず、光の波長よりも小さい微小プローブに光を照射し、
その周りに特殊な電磁場である近接場を形成する。それ
で試料を照らし、試料と電磁場(光)の相互作用によっ
てその領域から放出される光を検出する。この光の強度
がプローブ−試料間距離の変化に対し、敏感に反応す
る。SNOMは、このプローブで試料表面上を走査する
ことにより、表面の形状等の情報を得るものである。こ
の方法では、横分解能は光を照射するプローブの径や曲
率によって決まるため、光の回折限界に依存しない。ま
た、縦分解能も近接場という電界強度が急激に変化する
領域を利用するため、高分解能を得ることが可能であ
る。さらに、SNOMの最大の特徴であり利点である点
は、光を用いた測定法であるため、STMのように試料
に導電性を必要とせず、あらゆる物質に適用でき、かつ
非接触・非破壊という従来の光学的手法の長所も合わせ
持つ。
【0006】このSNOMについては、これまでにも各
種の方式のものが知られている。たとえば、試料側全反
射タイプのものがあり、この方式はD.Courjon ら、R.C.
Reddick ら、大津らによって研究されて、提案されてい
る方法(たとえば特開平3−91710)であり、図1
はその模式図を示したものである。まず、試料と空気等
の低屈折率媒質の界面に試料側から光を全反射状態で入
射させる。これにより、空気層側に消滅波が形成され、
界面からの距離に対して強度が指数関数的に減少する電
磁場ができる。消滅波の等強度の線を引くと、ほぼ試料
の表面形状に沿った形となる。横分解能は、プローブの
径によって決まるため、光の回折限界よりも良い。それ
は径が小さいほど良くなるが、径が小さくなると検出さ
れる光の強度も減少するため、SN比が悪くなって測定
が難しい。また、この方法の欠点は透過型となるため、
試料が透明体に限られることである。さらに、消滅波
は、微視的にいえば完全に表面形状に沿っていないた
め、各点の形状によって入射角が異なることの影響が含
まれてしまう。
種の方式のものが知られている。たとえば、試料側全反
射タイプのものがあり、この方式はD.Courjon ら、R.C.
Reddick ら、大津らによって研究されて、提案されてい
る方法(たとえば特開平3−91710)であり、図1
はその模式図を示したものである。まず、試料と空気等
の低屈折率媒質の界面に試料側から光を全反射状態で入
射させる。これにより、空気層側に消滅波が形成され、
界面からの距離に対して強度が指数関数的に減少する電
磁場ができる。消滅波の等強度の線を引くと、ほぼ試料
の表面形状に沿った形となる。横分解能は、プローブの
径によって決まるため、光の回折限界よりも良い。それ
は径が小さいほど良くなるが、径が小さくなると検出さ
れる光の強度も減少するため、SN比が悪くなって測定
が難しい。また、この方法の欠点は透過型となるため、
試料が透明体に限られることである。さらに、消滅波
は、微視的にいえば完全に表面形状に沿っていないた
め、各点の形状によって入射角が異なることの影響が含
まれてしまう。
【0007】図2に示すような、ピンホール方式のもの
も知られている。この方法は、A.Lewis ら、D.W.Pohlら
によって装置化された方法(たとえば特開昭59−12
1310)であり、図2(a)、(b)に示すように、
透過型と反射型の2種類がある。この方法では、ピンホ
ール近傍に形成される消滅波の領域の大きさが空間の分
解能を決める。そのため、分解能がピンホールの径で決
ってしまう。また、図2(a)、(b)のような透過型
と反射型を比べた場合、反射型は反射光が信号成分とと
もに直接検出器へ入るため、SN比では透過型の方が優
れている。しかし、透過型では、全反射タイプと同じく
試料が透明体に限られるという欠点を合わせ持ってい
る。また、U.Ch.Fischerによって、微小突起の表面に金
属を装着し、表面プラズモンを利用し、P偏光を入射す
る方式のものが、考えられているが、近接場形成のため
の詳しい手段等については全く知られていない。
も知られている。この方法は、A.Lewis ら、D.W.Pohlら
によって装置化された方法(たとえば特開昭59−12
1310)であり、図2(a)、(b)に示すように、
透過型と反射型の2種類がある。この方法では、ピンホ
ール近傍に形成される消滅波の領域の大きさが空間の分
解能を決める。そのため、分解能がピンホールの径で決
ってしまう。また、図2(a)、(b)のような透過型
と反射型を比べた場合、反射型は反射光が信号成分とと
もに直接検出器へ入るため、SN比では透過型の方が優
れている。しかし、透過型では、全反射タイプと同じく
試料が透明体に限られるという欠点を合わせ持ってい
る。また、U.Ch.Fischerによって、微小突起の表面に金
属を装着し、表面プラズモンを利用し、P偏光を入射す
る方式のものが、考えられているが、近接場形成のため
の詳しい手段等については全く知られていない。
【0008】そこで、この発明では、これまでの方式と
は全く異なるタイプのSNOMとして、ピンホールの代
わりに微小な突起を有するプローブを用いた新しい方式
によって高分解能な測定を可能とする。すなわち、従来
方法の欠点を解消し、SN比に優れ、試料が透明体でな
くとも、半導体、絶縁体、金属等試料であってもナノメ
ータでの試料表面の観測を可能とする新しい走査型近接
場光学顕微鏡を提供することをこの発明は目的としてい
る。
は全く異なるタイプのSNOMとして、ピンホールの代
わりに微小な突起を有するプローブを用いた新しい方式
によって高分解能な測定を可能とする。すなわち、従来
方法の欠点を解消し、SN比に優れ、試料が透明体でな
くとも、半導体、絶縁体、金属等試料であってもナノメ
ータでの試料表面の観測を可能とする新しい走査型近接
場光学顕微鏡を提供することをこの発明は目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、試料の三次元走査のための送り
機構を有する走査型光学顕微鏡において、プローブ部を
透光性基体とこの基体表面に配設した微小突起とによっ
て構成し、微小突起体を試料に対向させるとともに、そ
の反対側で、基体に全反射状態で光を入射して試料から
の散乱光を基体上方において検知することを特徴とする
走査型近接場光学顕微鏡を提供する。
を解決するものとして、試料の三次元走査のための送り
機構を有する走査型光学顕微鏡において、プローブ部を
透光性基体とこの基体表面に配設した微小突起とによっ
て構成し、微小突起体を試料に対向させるとともに、そ
の反対側で、基体に全反射状態で光を入射して試料から
の散乱光を基体上方において検知することを特徴とする
走査型近接場光学顕微鏡を提供する。
【0010】この発明の顕微鏡においては、形成した消
滅波を直接用いるのではなく、それでプローブを照らす
ことによりその周りに特異な近接場を形成して、それか
ら放射される散乱光を検出して像を得るものである。図
3は、平板の基体に、球状の微小突起を配設した例を示
したものであるが、これを例として説明すると、まず、
透明な基体(1)の表面にプローブとなる微小な突起
(2)を付ける。この基体(1)にS偏光の光を内側か
ら全反射状態で入射させる。これにより、基体(1)表
面に消滅波が形成され、消滅波は界面に平行な進行波で
あるから、これが突起(2)を照らすことになる。そし
て突起(2)によって散乱され、散乱光が放たれるとと
もに、その周りに特異な近接場を形成する。これを試料
(3)に近づけると、近接場における電場と試料(3)
の相互作用によって、散乱光の強度が変化し、それを検
出することで試料(3)表面の形状を得ることが出来
る。
滅波を直接用いるのではなく、それでプローブを照らす
ことによりその周りに特異な近接場を形成して、それか
ら放射される散乱光を検出して像を得るものである。図
3は、平板の基体に、球状の微小突起を配設した例を示
したものであるが、これを例として説明すると、まず、
透明な基体(1)の表面にプローブとなる微小な突起
(2)を付ける。この基体(1)にS偏光の光を内側か
ら全反射状態で入射させる。これにより、基体(1)表
面に消滅波が形成され、消滅波は界面に平行な進行波で
あるから、これが突起(2)を照らすことになる。そし
て突起(2)によって散乱され、散乱光が放たれるとと
もに、その周りに特異な近接場を形成する。これを試料
(3)に近づけると、近接場における電場と試料(3)
の相互作用によって、散乱光の強度が変化し、それを検
出することで試料(3)表面の形状を得ることが出来
る。
【0011】この方法では、突起(2)周りにその形状
を反映した形で局所的な近接場領域が形成されると考え
られ、同じ径のピンホールを用いる方法よりも高分解能
が期待できる。また、基体(1)側から散乱光を検出す
ることによって反射型になるため、試料(3)が制限さ
れない利点を持つ。さらに、入射光や反射光の方向と違
う方向で検出するため、SN比が良いという利点も併せ
て持っている。
を反映した形で局所的な近接場領域が形成されると考え
られ、同じ径のピンホールを用いる方法よりも高分解能
が期待できる。また、基体(1)側から散乱光を検出す
ることによって反射型になるため、試料(3)が制限さ
れない利点を持つ。さらに、入射光や反射光の方向と違
う方向で検出するため、SN比が良いという利点も併せ
て持っている。
【0012】導体、絶縁体を選ばずあらゆる試料のナノ
メータオーダの空間分解能を持つ表面形状計測が可能で
あって、ナノメータオーダの空間分解能を持つ局所的な
光学物性計測、さらには光化学反応を利用した微細加工
も可能となる。また、光学顕微鏡と一体構造であるた
め、広視野からのズーミングが可能で、プローブ形状を
工夫することによって、あらゆる形状の試料の観察が可
能となる。
メータオーダの空間分解能を持つ表面形状計測が可能で
あって、ナノメータオーダの空間分解能を持つ局所的な
光学物性計測、さらには光化学反応を利用した微細加工
も可能となる。また、光学顕微鏡と一体構造であるた
め、広視野からのズーミングが可能で、プローブ形状を
工夫することによって、あらゆる形状の試料の観察が可
能となる。
【0013】
【実施例】プローブ部として図3に例示した球状突起
(2)を有するものを用いることにした。すなわち、透
明な基体(1)としての石英基板にポリスチレンラテッ
クス球(φ500nm)を付け、基板の内側から全反射
状態でS偏光の光を入射させることにより消滅波で球を
照らす形とし、これからの散乱光を真上方向から検出す
ることとした。
(2)を有するものを用いることにした。すなわち、透
明な基体(1)としての石英基板にポリスチレンラテッ
クス球(φ500nm)を付け、基板の内側から全反射
状態でS偏光の光を入射させることにより消滅波で球を
照らす形とし、これからの散乱光を真上方向から検出す
ることとした。
【0014】このプローブを使ったSNOM装置の概略
図を示したものが図4である。光源として5mWのHe
−Neレーザを用い、レンズで集光してプローブ部に入
射する。そこからの微弱な散乱光を光学顕微鏡によって
集光し、光学顕微鏡の撮影用の像面にピンホールを設置
することでプローブからの散乱光のみを抽出し、この光
を光電子増倍管により検出する。このプローブに試料を
近づけたときの散乱光強度によりプローブ−試料間の距
離が得られるため、光の強度そのもの、あるいは強度が
一定となるようなフィードバック制御を行うことによっ
て形状を測定することができる。xy方向の走査にはオ
ングストロームオーダの送り精度が必要であり、さらに
基板が平面であるため走査時に試料がこれに接触しない
ような機構にしなければならない。そこでこの条件を満
たす素子として図5(a)(b)に示す8分割チューブ
スキャナを用いた。これは円筒型ピエゾ素子の電極を8
等分し、対向する電極にたすき状に正と負の電圧を印加
することにより横変位を得るものである。この時上面と
下面の平行は保たれ、送り精度も条件を満たす。z方向
の走査はマイクロメータヘッドで粗動を行い、積層型ピ
エゾ素子を使って微動を行う。また、チューブスキャナ
は、内側電極の電圧を用いて、図4のような構成をとる
ことによりz方向のプローブ−試料間距離一定のフィー
ドバック制御を行うことができる。
図を示したものが図4である。光源として5mWのHe
−Neレーザを用い、レンズで集光してプローブ部に入
射する。そこからの微弱な散乱光を光学顕微鏡によって
集光し、光学顕微鏡の撮影用の像面にピンホールを設置
することでプローブからの散乱光のみを抽出し、この光
を光電子増倍管により検出する。このプローブに試料を
近づけたときの散乱光強度によりプローブ−試料間の距
離が得られるため、光の強度そのもの、あるいは強度が
一定となるようなフィードバック制御を行うことによっ
て形状を測定することができる。xy方向の走査にはオ
ングストロームオーダの送り精度が必要であり、さらに
基板が平面であるため走査時に試料がこれに接触しない
ような機構にしなければならない。そこでこの条件を満
たす素子として図5(a)(b)に示す8分割チューブ
スキャナを用いた。これは円筒型ピエゾ素子の電極を8
等分し、対向する電極にたすき状に正と負の電圧を印加
することにより横変位を得るものである。この時上面と
下面の平行は保たれ、送り精度も条件を満たす。z方向
の走査はマイクロメータヘッドで粗動を行い、積層型ピ
エゾ素子を使って微動を行う。また、チューブスキャナ
は、内側電極の電圧を用いて、図4のような構成をとる
ことによりz方向のプローブ−試料間距離一定のフィー
ドバック制御を行うことができる。
【0015】以上の装置例の分解能を検討するため、K
Cl−KBr固溶体単結晶を塑性変形させたときに生じ
るすべり帯の測定を行った。その際に、この結晶を塑性
変形させると{110}面ですべりが発生するが、純粋
なKCl単結晶とは異なりすべりの起こる部分と全く起
こらない部分がはっきりと現れる。そのため結晶表面に
はすべった部分が盛り上がってステップが形成される。
これを上記の装置により測定するが、平面基板であるた
めプローブより先に基板部分が試料に接触する可能性が
ある。そのため、アセチルセルロース膜でレプリカを作
りそれに曲率をつけて試料とし、これを測定した。その
結果が図6および図7である。図6は、プローブを試料
に近づけたときの散乱光強度の変化を示しており、プロ
ーブと試料との間の距離が数10nm程度で大きな散乱光
の強度変化があることがわかる。この部分を利用して表
面形状の観察を行う。図7の観察像では約150nm間
隔でステップが平行に現れており、さらにこのステップ
がy軸方向に約50nmほどずれている部分も確認でき
る。ステップの方向は結晶のすべり方向と一致してい
る。この測定結果は、図8に示す透過型電子顕微鏡によ
る測定結果と比較すると、図7と同様に約150nm間
隔でステップがみられ、それが途中でずれている部分も
確認できる。このようにこの発明のSNOM装置による
測定結果は透過型電子顕微鏡による結果とよく一致して
おり、試料表面の微細な形状が測定できることがわか
る。ステップのずれた部分の形状からこの発明の実施例
装置の分解能は横方向は20nm以下、縦方向は5nm
以下であると考えられる。
Cl−KBr固溶体単結晶を塑性変形させたときに生じ
るすべり帯の測定を行った。その際に、この結晶を塑性
変形させると{110}面ですべりが発生するが、純粋
なKCl単結晶とは異なりすべりの起こる部分と全く起
こらない部分がはっきりと現れる。そのため結晶表面に
はすべった部分が盛り上がってステップが形成される。
これを上記の装置により測定するが、平面基板であるた
めプローブより先に基板部分が試料に接触する可能性が
ある。そのため、アセチルセルロース膜でレプリカを作
りそれに曲率をつけて試料とし、これを測定した。その
結果が図6および図7である。図6は、プローブを試料
に近づけたときの散乱光強度の変化を示しており、プロ
ーブと試料との間の距離が数10nm程度で大きな散乱光
の強度変化があることがわかる。この部分を利用して表
面形状の観察を行う。図7の観察像では約150nm間
隔でステップが平行に現れており、さらにこのステップ
がy軸方向に約50nmほどずれている部分も確認でき
る。ステップの方向は結晶のすべり方向と一致してい
る。この測定結果は、図8に示す透過型電子顕微鏡によ
る測定結果と比較すると、図7と同様に約150nm間
隔でステップがみられ、それが途中でずれている部分も
確認できる。このようにこの発明のSNOM装置による
測定結果は透過型電子顕微鏡による結果とよく一致して
おり、試料表面の微細な形状が測定できることがわか
る。ステップのずれた部分の形状からこの発明の実施例
装置の分解能は横方向は20nm以下、縦方向は5nm
以下であると考えられる。
【0016】プローブ部から散乱される光は入射光と同
じS偏光であった。そこで、現段階での推定ではある
が、プローブ周りの近接場は入射光の電場によってプロ
ーブ内に誘起された電気双極子によるものであると考え
られる。このようなプローブ周りのモデルとして、図9
に示すような光誘起による電気双極子モデルを考え、こ
のモデルを基に各電気双極子による電場を足し合わせて
近接場の電界強度を計算すると、図10および図11の
結果が示される。ここで、座標系の原点は球の最下端で
あり、真下方向をz軸、光路面内の入射光の進行方向を
x軸、それらに垂直な方向をy軸としている。
じS偏光であった。そこで、現段階での推定ではある
が、プローブ周りの近接場は入射光の電場によってプロ
ーブ内に誘起された電気双極子によるものであると考え
られる。このようなプローブ周りのモデルとして、図9
に示すような光誘起による電気双極子モデルを考え、こ
のモデルを基に各電気双極子による電場を足し合わせて
近接場の電界強度を計算すると、図10および図11の
結果が示される。ここで、座標系の原点は球の最下端で
あり、真下方向をz軸、光路面内の入射光の進行方向を
x軸、それらに垂直な方向をy軸としている。
【0017】この結果から、プローブに近づくほど電界
強度は増加しており、測定結果と傾向が一致しているこ
とが分かる。また、プローブ径をパラメータとして電界
強度分布の数値計算を行った結果が図12である。現在
使用しているφ500nmの球はこの図ではφ=λにほ
ぼ対応し電界強度の変化が小さいようにみえるが、それ
でも図6のような変化になっている。図12から、球径
を小さくするほど電界強度の変化が激しくなることが分
かる。
強度は増加しており、測定結果と傾向が一致しているこ
とが分かる。また、プローブ径をパラメータとして電界
強度分布の数値計算を行った結果が図12である。現在
使用しているφ500nmの球はこの図ではφ=λにほ
ぼ対応し電界強度の変化が小さいようにみえるが、それ
でも図6のような変化になっている。図12から、球径
を小さくするほど電界強度の変化が激しくなることが分
かる。
【0018】次に、形状測定から得られた分解能の値
と、近接場における電界強度分布との関係を考える。形
状測定の際のプローブ−試料間距離は約60nm程度と
考えられるため、本装置の横分解能の値20nmを図1
1に照らし合わせてみると、電界強度分布の変化が小さ
い方のx方向でみて原点とx=20nmとの強度差は
0.0015である。これを図10においてz=λ/1
0=60nm付近でのz方向の距離に換算すると約1n
mとなり、y方向ではさらに小さな値となる。このよう
に横分解能が20nmに達していることからそれをz方
向に換算すれば、本装置は1nmの縦分解能をもってい
ると推論できる。
と、近接場における電界強度分布との関係を考える。形
状測定の際のプローブ−試料間距離は約60nm程度と
考えられるため、本装置の横分解能の値20nmを図1
1に照らし合わせてみると、電界強度分布の変化が小さ
い方のx方向でみて原点とx=20nmとの強度差は
0.0015である。これを図10においてz=λ/1
0=60nm付近でのz方向の距離に換算すると約1n
mとなり、y方向ではさらに小さな値となる。このよう
に横分解能が20nmに達していることからそれをz方
向に換算すれば、本装置は1nmの縦分解能をもってい
ると推論できる。
【0019】もちろん、この発明の装置は試料が電導体
や透明体であるなどの制約なしに形状測定が行えるもの
であるが、異なる物質の試料を近づけたときのプローブ
と試料との間の距離に対する散乱光強度の変化をみる
と、図13(a)(b)(c)(d)のように示すこと
ができる。このように、近接場領域において散乱光強度
が増加するか減少するかは物質により異なっている。そ
れぞれの物質において感度の高い測定を行うためには、
近接場と物質との相互作用を理解し、その物質に適した
プローブを使用する必要があると考えられる。
や透明体であるなどの制約なしに形状測定が行えるもの
であるが、異なる物質の試料を近づけたときのプローブ
と試料との間の距離に対する散乱光強度の変化をみる
と、図13(a)(b)(c)(d)のように示すこと
ができる。このように、近接場領域において散乱光強度
が増加するか減少するかは物質により異なっている。そ
れぞれの物質において感度の高い測定を行うためには、
近接場と物質との相互作用を理解し、その物質に適した
プローブを使用する必要があると考えられる。
【0020】そこで、さらに推論として近接場と物質と
の相互作用について考えてみると、まず、入射光によっ
てプローブ内に電気双極子が誘起されており、この双極
子は入射光の周波数で振動して、近接場を形成するとと
もに遠隔場に散乱光を放射していることが明らかであ
る。試料が誘電体である場合には、試料が近接場の領域
まで近づくと試料側に誘起されている電気双極子の振幅
が大きくなる。光学的に疎から密へ入射した場合には反
射光の位相はπずれ、逆の場合には反射光の位相は変わ
らないことを考えると、試料側に誘起される電気双極子
の位相は、屈折率がプローブよりも大きい場合にはπず
れ、逆に小さい場合にはずれていない。観測される散乱
光はプローブからの光と試料からの光との足し合わせに
なっているので、その強度は二つの光の位相関係に影響
される。試料が近接場領域まで近づくと、両者の間隔は
波長に比べて十分小さくなりプローブの径も波長より小
さいため遠隔場でみた各光の光路長は同じであるとみな
せるようになる。そのため、試料の屈折率がプローブよ
りも小さい場合には互いに強め合って散乱光強度が増加
し、逆に大きい場合は互いに弱め合って散乱光強度が減
少する。後記の表1からもプローブであるラテックス球
よりも屈折率が大きいのはソーダガラスのみであること
が分かるが、測定結果でも(C)ソーダガラスのみが近
接場領域で散乱光強度が減少している。これは以上の解
釈に一致するものである。
の相互作用について考えてみると、まず、入射光によっ
てプローブ内に電気双極子が誘起されており、この双極
子は入射光の周波数で振動して、近接場を形成するとと
もに遠隔場に散乱光を放射していることが明らかであ
る。試料が誘電体である場合には、試料が近接場の領域
まで近づくと試料側に誘起されている電気双極子の振幅
が大きくなる。光学的に疎から密へ入射した場合には反
射光の位相はπずれ、逆の場合には反射光の位相は変わ
らないことを考えると、試料側に誘起される電気双極子
の位相は、屈折率がプローブよりも大きい場合にはπず
れ、逆に小さい場合にはずれていない。観測される散乱
光はプローブからの光と試料からの光との足し合わせに
なっているので、その強度は二つの光の位相関係に影響
される。試料が近接場領域まで近づくと、両者の間隔は
波長に比べて十分小さくなりプローブの径も波長より小
さいため遠隔場でみた各光の光路長は同じであるとみな
せるようになる。そのため、試料の屈折率がプローブよ
りも小さい場合には互いに強め合って散乱光強度が増加
し、逆に大きい場合は互いに弱め合って散乱光強度が減
少する。後記の表1からもプローブであるラテックス球
よりも屈折率が大きいのはソーダガラスのみであること
が分かるが、測定結果でも(C)ソーダガラスのみが近
接場領域で散乱光強度が減少している。これは以上の解
釈に一致するものである。
【0021】次に、試料が金属である場合について考え
ると、金属の表面での光の反射は位相がπずれるため、
試料を近づけると散乱光強度は減少すると考えられる
が、実際には増加している。これは、金属試料の双極子
は自由電子に起因するが、自由電子はほとんど拘束され
ていないため、わずかの電場に対しても大きな電気双極
子モーメントを生じる。従って、入射光の電場によりプ
ローブ内に生じた電気双極子は、金属試料を近接場の領
域まで近づけると、試料内に自由電子による大きな双極
子を誘起してエネルギーを失うため、それ自身の振幅は
あまり大きくならない。そのため、試料側の双極子から
は光が放射されるが、プローブ内の双極子からは光はほ
とんど放射されない。このように、金属試料をプローブ
に近づけた場合、試料から放出される光は位相がπずれ
ているもののプローブからの光より強度が大きくなるた
め、散乱光強度が増加すると考えられる。
ると、金属の表面での光の反射は位相がπずれるため、
試料を近づけると散乱光強度は減少すると考えられる
が、実際には増加している。これは、金属試料の双極子
は自由電子に起因するが、自由電子はほとんど拘束され
ていないため、わずかの電場に対しても大きな電気双極
子モーメントを生じる。従って、入射光の電場によりプ
ローブ内に生じた電気双極子は、金属試料を近接場の領
域まで近づけると、試料内に自由電子による大きな双極
子を誘起してエネルギーを失うため、それ自身の振幅は
あまり大きくならない。そのため、試料側の双極子から
は光が放射されるが、プローブ内の双極子からは光はほ
とんど放射されない。このように、金属試料をプローブ
に近づけた場合、試料から放出される光は位相がπずれ
ているもののプローブからの光より強度が大きくなるた
め、散乱光強度が増加すると考えられる。
【0022】
【表1】
【0023】なお、以上の例においては、平板の基体と
球状体微小突起をプローブ部に用いているが、この発明
においては、これに限定されることはない。たとえば図
14に例示したように、全反射角以上の角度(α)を有
する傾斜面基体(1)に、球状体等の突起(2)を配設
してもよいし、図15のように光ファイバー基体(1)
に配設してもよい。
球状体微小突起をプローブ部に用いているが、この発明
においては、これに限定されることはない。たとえば図
14に例示したように、全反射角以上の角度(α)を有
する傾斜面基体(1)に、球状体等の突起(2)を配設
してもよいし、図15のように光ファイバー基体(1)
に配設してもよい。
【0024】図16、図17のように光導波路基体
(1)に、球、その他形状の突起(2)として配設して
もよい。実施例においては、ラテックス粒子を基板に付
着させているが、この場合の付着方法について補足する
と以下の通りである。すなわち、四角錘基体の先端に1
つだけラテックス球を付け、これをプローブとして用い
るのであるが、付ける球の位置を制御することが必要と
なる。一般にラテックス球は凝集を防ぐため水に混ぜた
状態で保存してある。そのため、その付着方法として
は、最初に水を蒸発させて乾燥ラテックス球を得た後、
それを四角錘基体の先端に接触させることによって付着
する方法と、水に混ざったままで微小な水滴とし、これ
を四角錘基体の先端に付けて水を蒸発させる方法とが挙
げられる。ラテックス球はレーザー光照射時の散乱光に
より顕微鏡で見ることができるため、前者は後者に比べ
て位置の制御という点では行ない易い。しかし、四角錘
基体の先端に接触させる際ラテックス球に力学的な力が
加わるため球の変形などが起こり得るし、また、乾燥し
たラテックス球は基体の材質によっては非常に付きにく
かったりした。さらに、ラテックス球は水を蒸発させた
場所には付きやすく、一度ある場所に付いた球は他の場
所へは移動しにくいといった現象がみられた。そのた
め、後者のように微小な水滴を四角錘基体の先端に付け
る方法を採ることにした。
(1)に、球、その他形状の突起(2)として配設して
もよい。実施例においては、ラテックス粒子を基板に付
着させているが、この場合の付着方法について補足する
と以下の通りである。すなわち、四角錘基体の先端に1
つだけラテックス球を付け、これをプローブとして用い
るのであるが、付ける球の位置を制御することが必要と
なる。一般にラテックス球は凝集を防ぐため水に混ぜた
状態で保存してある。そのため、その付着方法として
は、最初に水を蒸発させて乾燥ラテックス球を得た後、
それを四角錘基体の先端に接触させることによって付着
する方法と、水に混ざったままで微小な水滴とし、これ
を四角錘基体の先端に付けて水を蒸発させる方法とが挙
げられる。ラテックス球はレーザー光照射時の散乱光に
より顕微鏡で見ることができるため、前者は後者に比べ
て位置の制御という点では行ない易い。しかし、四角錘
基体の先端に接触させる際ラテックス球に力学的な力が
加わるため球の変形などが起こり得るし、また、乾燥し
たラテックス球は基体の材質によっては非常に付きにく
かったりした。さらに、ラテックス球は水を蒸発させた
場所には付きやすく、一度ある場所に付いた球は他の場
所へは移動しにくいといった現象がみられた。そのた
め、後者のように微小な水滴を四角錘基体の先端に付け
る方法を採ることにした。
【0025】つまり、ラテックス球を混合してある水を
希釈し、その水滴の一部を細い棒状のもの(Φ10μm
程度、材質:ガラス等)の先端に付着させる。このガラ
ス棒先端の水滴を、XYZステージを用いて透明体基体
の先端に近づけ、そこに水滴を付ける。このとき、ガラ
ス棒先端および基体先端を、基体の上方から顕微鏡で見
ながら行うことにより、水滴の位置を制御する。その
後、水分を蒸発させて基体先端にラテックス球のみを残
し、プローブとして用いる。
希釈し、その水滴の一部を細い棒状のもの(Φ10μm
程度、材質:ガラス等)の先端に付着させる。このガラ
ス棒先端の水滴を、XYZステージを用いて透明体基体
の先端に近づけ、そこに水滴を付ける。このとき、ガラ
ス棒先端および基体先端を、基体の上方から顕微鏡で見
ながら行うことにより、水滴の位置を制御する。その
後、水分を蒸発させて基体先端にラテックス球のみを残
し、プローブとして用いる。
【0026】ここで、はじめに液を希釈するのは、基体
先端にラテックス球を一つだけ付ける必要性のためであ
る。また、ガラス棒先端の水滴は極微に小さいため、通
常の状態では短時間のうちに蒸発して乾燥してしまい、
基体先端に水滴を付着させることができない。このこと
を防ぐため、基体、ガラス棒などを、湿度を100%に
飽和させた容器内に入れることによってガラス棒先端か
らの水の蒸発を防ぎ、一連の操作を行う。
先端にラテックス球を一つだけ付ける必要性のためであ
る。また、ガラス棒先端の水滴は極微に小さいため、通
常の状態では短時間のうちに蒸発して乾燥してしまい、
基体先端に水滴を付着させることができない。このこと
を防ぐため、基体、ガラス棒などを、湿度を100%に
飽和させた容器内に入れることによってガラス棒先端か
らの水の蒸発を防ぎ、一連の操作を行う。
【0027】いずれの場合にも、突起そのものとして
は、ラテックス球の付着、微細加工による作製、電子ビ
ーム誘起CVD、ダイヤモンド微粒子形成等の各種の手
段によって配設することができる。また、実施例では図
4に示した通り試料をチューブスキャナの中に入れ試料
自体を駆動させる構造としているが、この発明において
は、これに限定されることはない。上部基体をピエゾ素
子で駆動させてもよい。この場合には、SNOM装置と
試料台を完全に分離することが出来るので、試料の大き
さや形に制限されなくなる。
は、ラテックス球の付着、微細加工による作製、電子ビ
ーム誘起CVD、ダイヤモンド微粒子形成等の各種の手
段によって配設することができる。また、実施例では図
4に示した通り試料をチューブスキャナの中に入れ試料
自体を駆動させる構造としているが、この発明において
は、これに限定されることはない。上部基体をピエゾ素
子で駆動させてもよい。この場合には、SNOM装置と
試料台を完全に分離することが出来るので、試料の大き
さや形に制限されなくなる。
【0028】
【発明の効果】以上、詳しく説明した通り、この発明に
よって、光の回折限界を越える分解能をもつ顕微鏡とし
て新しい走査型の近接場光学顕微鏡:SNOM装置が提
供される。このSNOM装置はナノメータオーダの空間
分解能を実現する。
よって、光の回折限界を越える分解能をもつ顕微鏡とし
て新しい走査型の近接場光学顕微鏡:SNOM装置が提
供される。このSNOM装置はナノメータオーダの空間
分解能を実現する。
【0029】より具体的には、 1)導体、絶縁体を選ばずあらゆる試料のナノメータオ
ーダの空間分解能を持つ表面形状計測が可能である。 2)ナノメータオーダの空間分解能を持つ局所的な光学
物性計測ならびに光化学反応を利用した微細加工が可能
である。
ーダの空間分解能を持つ表面形状計測が可能である。 2)ナノメータオーダの空間分解能を持つ局所的な光学
物性計測ならびに光化学反応を利用した微細加工が可能
である。
【0030】3)光学顕微鏡と一体構造であるため、広
視野からのズーミングが可能である。 4)プローブ形状を工夫することによって、あらゆる形
状の試料の観察が可能である。
視野からのズーミングが可能である。 4)プローブ形状を工夫することによって、あらゆる形
状の試料の観察が可能である。
【図1】従来の試料側全反射タイプの顕微鏡の原理を示
した構成図である。
した構成図である。
【図2】(a)(b)は、従来のピンホールタイプの顕
微鏡の原理を示した構成図である。
微鏡の原理を示した構成図である。
【図3】この発明の原理を示した構成図である。
【図4】この発明の装置を例示した断面構成図である。
【図5】(a)(b)は、この図4の例のXYスキャナ
構造を示した斜視図および断面図である。
構造を示した斜視図および断面図である。
【図6】実施例としてのプローブと試料間の距離に対す
る散乱光強度変化図である。
る散乱光強度変化図である。
【図7】実施例としてのKCl−KBr固溶体単結晶表
面の観察像図である。
面の観察像図である。
【図8】図7の例の透過型電子顕微鏡像図である。
【図9】プローブ周りのモデル図である。
【図10】近接場の電界強度計算図である。
【図11】図10と同様の計算図である。
【図12】プローブ径をパラメータとした電界強度分布
の計算図である。
の計算図である。
【図13】(a)(b)(c)(d)は、試料別のプロ
ーブと試料間距離に対する散乱光強度の変化図である。
ーブと試料間距離に対する散乱光強度の変化図である。
【図14】プローブ部の他の例を示した平面・側面図で
ある。
ある。
【図15】プローブ部のさらに別の例を示した側面図で
ある。
ある。
【図16】プローブ部の他の例をさらに示した側面図で
ある。
ある。
【図17】プローブ部の他の例を示した側面図である。
1 基体 2 微小突起 3 試料
Claims (3)
- 【請求項1】 試料の三次元走査のための送り機構を有
する走査型光学顕微鏡において、プローブ部を透光性基
体とこの基体表面に配設した微小突起とによって構成
し、微小突起体を試料に対向させるとともに、その反対
側で、基体に全反射状態で光を入射して試料からの散乱
光を基体上方において検知することを特徴とする走査型
近接場光学顕微鏡。 - 【請求項2】 透光性基体の微小突起体配設面が平板、
傾斜面もしくは湾曲面からなる請求項1の光学顕微鏡。 - 【請求項3】 微小突起体が微小球状体である請求項1
または2の光学顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4249977A JP2988788B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 走査型近接場光学顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4249977A JP2988788B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 走査型近接場光学顕微鏡 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102457A JPH06102457A (ja) | 1994-04-15 |
JP2988788B2 true JP2988788B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=17201006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4249977A Expired - Fee Related JP2988788B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 走査型近接場光学顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2988788B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3535356B2 (ja) * | 1997-09-18 | 2004-06-07 | 片岡 俊彦 | 光共振器を利用した走査型近接場光学顕微鏡 |
JP5533038B2 (ja) * | 2010-03-02 | 2014-06-25 | 富士通株式会社 | 観察装置および観察セル |
US11815347B2 (en) * | 2016-09-28 | 2023-11-14 | Kla-Tencor Corporation | Optical near-field metrology |
-
1992
- 1992-09-18 JP JP4249977A patent/JP2988788B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06102457A (ja) | 1994-04-15 |
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