JP2987589B1 - 浸漬式凍結方法及び装置 - Google Patents

浸漬式凍結方法及び装置

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JP2987589B1
JP2987589B1 JP10341996A JP34199698A JP2987589B1 JP 2987589 B1 JP2987589 B1 JP 2987589B1 JP 10341996 A JP10341996 A JP 10341996A JP 34199698 A JP34199698 A JP 34199698A JP 2987589 B1 JP2987589 B1 JP 2987589B1
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Abstract

【要約】 【課題】 水分が多く、柔らかい食品でも、食品の形状
を正常に保ちながら、かつ、食品同士が結着することな
く、バラ状に凍結させることができる浸漬式凍結方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 冷媒中を移動するスラットコンベヤによ
り被凍結物を搬送しながら凍結するにあたり、前記スラ
ットコンベヤのスラットを揺動させて被凍結物を揺動さ
せながら凍結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬式凍結方法及
び装置に関し、特に、表面の水分量が多い食品を凍結処
理するのに適した浸漬式凍結方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】食品の
凍結処理を行う一般的な凍結装置では、低温に冷却した
トンネル内あるいは庫内を、コンベヤに載せた食品を通
過させることで、食品の熱を奪い凍結していた。ところ
が、この方法では、表面の水分量が多い食品、例えば、
生牡蠣,ホタテ,白玉等の食品を凍結する場合、コンベ
ヤと食品とが結着し、それを無理に外そうとすると食品
の形状が崩れる不都合があった。これを避けるため、コ
ンベヤ面をフッ素樹脂製のシート等で覆うことも行われ
ている。しかし、この場合にも、食品の部位により凍結
速度に差があるため、冷気が当たり易い上表面は凍結が
完了した状態でも、下表面は凍結していないという別の
不都合が生じる。
【0003】このような問題点を解決するため、食品等
の被凍結物を液化窒素等の冷媒を満たした浸漬槽中に投
入して凍結させる浸漬式凍結装置が考案された。従来の
浸漬凍結装置は、コンベヤが浸漬槽中を通過する仕組み
になっており、この装置を使用して食品をバラ状に凍結
させるためには、食品同士が互いに結着してしまわない
ように、食品を浸漬槽中にバラバラに投入する必要があ
った。また、投入された食品が自重によって変形し、コ
ンベヤ上面の形状に合致したままの状態で凍結してしま
うので、形状を揃えることが困難であった。例えば、コ
ンベヤの板と板との間の溝部に落下した食品には、その
溝の形が付いてしまう。特に、生牡蠣,ホタテ,白玉等
の柔らかい食品では、下部が変形して本来の形状を保つ
ことができなかった。
【0004】そこで本発明は、水分が多く、柔らかい食
品でも、食品の形状を正常に保ちながら、かつ、食品同
士が結着することなく、バラ状に凍結させることができ
る浸漬式凍結方法及び装置を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の浸漬式凍結方法は、冷媒中を移動するスラ
ットコンベヤにより被凍結物を搬送しながら凍結するに
あたり、前記スラットコンベヤのスラットを揺動させて
被凍結物を揺動させながら凍結することを特徴としてい
る。
【0006】また、本発明の浸漬式凍結装置は、被凍結
物を搬送するスラットコンベヤを冷媒中に浸漬して設け
るとともに、前記スラットコンベヤのスラットを揺動さ
せる揺動手段を設けたことを特徴とするものであって、
特に、前記スラットが、上面が凹状で下面が凸状の湾曲
形状に形成され、前記揺動手段は、スラットコンベヤの
進行方向に所定間隔で設けられて前記スラットの下面に
接触することによりスラットを上方に移動させる突起物
であることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は、本発明の浸漬式
凍結装置の一形態例を示すもので、図1は断面正面図、
図2はスラットコンベヤの要部の平面図、図3はスラッ
トの動きを説明するための要部の正面図である。
【0008】この浸漬式凍結装置は、液化窒素等の凍結
用冷媒Cを貯留する浸漬槽1と、該浸漬槽1の底部に設
けられたスラットコンベヤ2と、被凍結物Aを投入する
ための投入用コンベヤ3と、凍結物Bを排出するための
排出用コンベヤ4とにより形成されている。
【0009】スラットコンベヤ2は、一対のコンベヤチ
ェーン21の間にロッド22を掛け渡し、このロッド2
2に、スラット23の進行方向先端側を回動可能に軸着
したものであって、スラットコンベヤ2の内部には、被
凍結物Aを載置して移動するスラット23を揺動させる
ための突起物24が所定間隔で複数個設けられている。
【0010】スラット23は、上面が凹状で下面が凸状
に形成された湾曲板からなるものであり、その前後方向
の寸法や湾曲半径は、被凍結物Aの大きさに対応して設
定されている。一方、前記突起物24は、スラット23
の下面に接触してスラット23を上方に持ち上げるよう
にするものであって、スラット23は、この突起物24
に順次接触することにより、ロッド22を中心として進
行方向後方側が上下に揺動し、スラット23上に載置さ
れた被凍結物Aも、このスラット23の動きによってス
ラット23上で揺動する状態となる。
【0011】被凍結物Aは、投入用コンベヤ3によって
搬送され、その終端から順次浸漬槽1の冷媒C内に投入
される。投入された被凍結物Aは、スラット23に載置
された状態で搬送されるとともに、スラット23の揺動
によって揺り動かされながら冷却されることにより、そ
の表面が凍結する。表面が凍結した凍結物Bは、スラッ
トコンベヤ2の終端から排出用コンベヤ4に移載されて
浸漬槽1から排出される。
【0012】このように、被凍結物Aをスラット23の
上で揺動させながら凍結することにより、前述の生牡蠣
等の食品のように、水分が多く、柔らかい被凍結物を凍
結処理する場合でも、被凍結物同士が結着したり、スラ
ット23に結着したりすることがなく、また、一箇所に
とどまることがないので、自重による潰れもなく、底面
部が不自然な形状で凍結することもない。また、図2に
示すように、被凍結物Aを個々に収納できる大きさの凹
部25を設けておくことにより、被凍結物同士の結着を
より確実に防止できる。
【0013】なお、スラット23を、平板状に形成して
もそれなりの効果が得られる。また、スラット23を、
網やパンチングメタルのように通液性を有するもので形
成してもよく、スラット23を揺動させる部分をスラッ
ト23とは別に設けてもよい。例えば、コンベヤチェー
ン21に対してロッド22を回動可能に取付けるととも
に、ロッド22とスラット23とを固着し、ロッド22
に設けたアーム等を突起物24に接触させ、ロッド22
を介してスラット23を揺動させるように形成すること
もできる。さらに、コンベヤチェーン21の上下に適当
なガイドを設けて波打つように進ませることによっても
スラットを揺動させることが可能である。
【0014】また、被凍結物Aは、浸漬槽1内で内部ま
で完全に凍結させてもよいが、上述のように表面部分を
凍結させることにより、通常の凍結装置に搬入しても被
凍結物同士が結着したり、搬送装置に結着したりするこ
とがなくなるので、表面部分を凍結させた後は、通常の
凍結装置で凍結させた方が経済的である。
【0015】
【実施例】開口部が長さ1.8m,幅1.0m、底板部
が長さ1.5m,幅0.7mで、深さ0.6mの浸漬槽
の底部に、幅600mm,有効長1000mmのスラッ
トコンベヤを設置した。湾曲板からなるスラットは、幅
50mm,半径25mmの断面半円形状に形成した。ま
た、突起物は50mm間隔で設置し、その頂点がスラッ
ト底部位置より10mm上方になるようにした。なお、
材質は全てステンレス鋼とし、浸漬槽内には、液深が1
50mmになるように液化窒素を注入した。
【0016】スラットコンベヤを毎秒50mmの速度で
運転するとともに、生牡蠣を投入用コンベヤから毎分2
50個の割合で投入した。その結果、凍結後に結着して
いた牡蠣は、全体の4%に過ぎず、形状が著しく損なわ
れたものは、全体の2%に過ぎなかった。なお、牡蠣の
表面は、投入してから10秒後には十分な凍結状態とな
っていた。
【0017】揺動無しの通常のスラットコンベヤを使用
した以外は、上記同様の条件で生牡蠣の凍結処理を行っ
たところ、全体の約60%の牡蠣同士が結着してしま
い、また、約80%の牡蠣には不自然な変形が見られ
た。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水分量の多い食品であっても、食品本来の形状を保ち、
食品同士を結着させることなく、効率よくバラ状に凍結
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の浸漬式凍結装置の一形態例を示す断
面正面図である。
【図2】 スラットコンベヤの要部の平面図である。
【図3】 スラットの動きを説明するための要部の正面
図である。
【符号の説明】
1…浸漬槽、2…スラットコンベヤ、3…投入用コンベ
ヤ、4…排出用コンベヤ、21…コンベヤチェーン、2
2…ロッド、23…スラット、24…突起物、25…凹
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25D 3/11 A23L 3/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒中を移動するスラットコンベヤによ
    り被凍結物を搬送しながら凍結するにあたり、前記スラ
    ットコンベヤのスラットを揺動させて被凍結物を揺動さ
    せながら凍結することを特徴とする浸漬式凍結方法。
  2. 【請求項2】 被凍結物を搬送するスラットコンベヤを
    冷媒中に浸漬して設けるとともに、前記スラットコンベ
    ヤのスラットを揺動させる揺動手段を設けたことを特徴
    とする浸漬式凍結装置。
  3. 【請求項3】 前記スラットは、上面が凹状で下面が凸
    状の湾曲形状に形成され、前記揺動手段は、スラットコ
    ンベヤの進行方向に所定間隔で設けられて前記スラット
    の下面に接触することによりスラットを上方に移動させ
    る突起物であることを特徴とする請求項2記載の浸漬式
    凍結装置。
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