JP2985010B2 - 踏切遮断機の遮断桿動作異常検出装置 - Google Patents

踏切遮断機の遮断桿動作異常検出装置

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JP2985010B2 JP2162857A JP16285790A JP2985010B2 JP 2985010 B2 JP2985010 B2 JP 2985010B2 JP 2162857 A JP2162857 A JP 2162857A JP 16285790 A JP16285790 A JP 16285790A JP 2985010 B2 JP2985010 B2 JP 2985010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は踏切遮断機の遮断桿動作異常検出装置に関す
る。
〈従来の技術〉 一般に踏切遮断機では、遮断桿の回動動作時の負荷を
減らし遮断桿駆動用モータを小型化するために、遮断桿
と反対側に錘を設けるようにしている。ところが、遮断
桿と錘の釣合いが不適切である場合、遮断桿側が重すぎ
ると、遮断桿が開き難く、かつ、遮断桿下降速度が速過
ぎるため、人や車の通行を妨害する虞れが生じる。ま
た、逆に遮断桿側が軽過ぎると、停電時において遮断桿
が閉ぎ難く、また、閉じている遮断桿が開いてしまう虞
れがあり、アラームとしての機能を損なう虞れが生じ
る。従って、遮断桿と錘とのアンバランスに基づく遮断
桿の異常動作を調べることは極めて重要である。
そして、従来の遮断桿の異常動作の検出は、踏切遮断
機の設置現場において、遮断桿の上昇或いは下降動作を
行い、その際の上昇時間や下降時間を計測することによ
り、遮断桿と錘のバランス状態を調べるようにしてい
た。
〈発明が解決しようとする課題〉 ところで、遮断機は、通常第12図に示すように回動軸
1に対して遮断桿2と錘3とが互いにオフセットして取
り付けられているため、遮断桿の水平時における釣合い
は錘のX方向への移動で調整し、垂直時における釣合い
はY方向への移動で調整する。このため、錘をX方向に
移動させて遮断桿水平時のバランスを適正にしても垂直
時にバランスするとは限らず、逆にY方向に移動させて
垂直時のバランスを適正にしても水平時にバランスする
とは限らない。
しかしながら、遮断桿の動作時間の計測値で検出する
従来方向では、前記動作時間は、遮断桿が水平状態と垂
直状態との間で移動に要するトータル時間であるため、
水平側や垂直側でバランスが悪く遮断桿側が重過ぎたり
軽過ぎたりして正常に動作していなくともトータル時間
が正常範囲内にあれば正常であると判断してしまう虞れ
があった。
また、遮断桿の回動動作は、遮断桿の回動動作方向に
対して水平成分の風向きの影響を受けるため、誤判定す
ることがある。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、遮断桿駆
動モータの動作特性を調べることにより、遮断桿と錘の
アンバランス状態に基づく動作異常を正確に検出できる
踏切遮断機の遮断桿異常動作検出装置を提供することを
目的とする。また、出口専用の遮断機において、遮断桿
駆動モータの動作状態から障害物による遮断桿動作異常
の検出を可能とした踏切遮断機の遮断桿異常動作検出装
置を提供することを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このため本発明は、モータにより昇降回動駆動される
遮断桿の回動軸に対して遮断桿先端側と反対側に錘を設
け、該錘の位置を調整して遮断桿の昇降動作特性を適正
に調整する踏切遮断機において、遮断桿の回動角度を検
出する角度検出手段と、遮断桿上昇時のモータ電流を検
出するモータ電流検出手段と、前記両検出手段からの検
出信号に基づいて少なくとも遮断桿の水平位置近傍と垂
直位置近傍の予め定めた2点の所定上昇角度におけるモ
ータ電流値をサンプリングする電流値サンプリング手段
と、前記水平位置近傍と垂直位置近傍の各所定上昇角度
においてサンプリングされた各電流値のレベル判定をそ
れぞれ行い少なくとも一方の電流値が予め設定した所定
レベル範囲にないとき動作異常と判定する判定手段とを
備えて構成した。
また、動作異常判定に、ファジィ推論を用いて行う構
成とした。
また、角度検出手段,モータ電流検出手段及び電流値
サンプリング手段を、軌道を挟んで対向する2つの遮断
桿毎に設け、電流値サンプリング手段でサンプリングさ
れた各所定角度における電流値の平均値を算出する平均
電流値算出手段を設け、算出した所定角度毎の電流平均
値に基づいて動作異常判定を行う構成とした。
また、モータ電流値に代えてモータ回転速度に基づい
て動作異常判定を行う構成とした。
更に、モータにより昇降回動駆動される遮断桿を備え
た踏切遮断機において、遮断桿の回動角度を検出する角
度検出手段と、遮断桿下降時のモータ電流を検出するモ
ータ電流検出手段と、前記両検出手段からの検出信号に
基づいて予め定めた所定下降角度におけるモータ電流の
変化率を算出する電流変化率算出手段と、を軌道を挟ん
で対向する2つの遮断桿毎に設けると共に、前記各電流
変化率算出手段で算出された所定角度における各電流変
化率の平均値を算出する平均電流変化率算出手段と、前
記各電流変化率算出手段で算出された各電流変化率と前
記平均電流変化率算出手段で算出された平均電流変化率
のレベル判定をそれぞれ行い前記平均電流変化率が予め
設定した所定レベル以上で、且つ前記両電流変化率の少
なくとも一方が所定レベル以上のとき動作異常判定出力
を発生する判定手段とを備えて構成し、障害物を検出す
る構成とした。
〈作用〉 かかる構成において、遮断桿の上昇過程において、角
度検出手段が予め定めた遮断桿の水平位置近傍と垂直位
置近傍の各所定角度になったことを検出すると、モータ
電流検出手段或いはモータ回転速度検出手段で検出され
たそのときの電流値或いはモータ回転速度を、サンプリ
ング手段がサンプリングする。そして、このサンプリン
グ値が予め定めた所定レベル範囲にあるか否かを判定手
段が判定し、水平位置近傍と垂直位置近傍の両所定角度
の少なくとも一方の電流値或いはモータ回転速度が所定
レベル範囲にないときには動作異常と判定する。
また、軌道を挟んで対向する2つの遮断桿に対するモ
ータ電流値或いはモータ回転速度の平均値に基づいて動
作異常判定を行えば、遮断桿の回動動作に対して互いに
反対側に作用する遮断桿回動動作水平方向の成分の風の
影響を取り除くことができる。
また、軌道を挟んで対向する遮断桿毎に、遮断桿の下
降時の所定角度における電流値或いはモータ回転速度の
変化状態及び両遮断桿の前記変化状態の平均値を検出
し、これら検出値を用いることにより、風の影響を取り
除いて遮断桿における障害物の有無の検出が可能とな
る。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の第1実施例の概略構成を示す第1図におい
て、軌道11の踏切道12に互いに対向して設けられた遮断
機A,Bは第12図に示す従来のものと同様の構成であり、
モータMA,MBにより遮断桿2A,2Bが昇降回動駆動される。
モータ電流検出手段としての電流トランス13,14は,
対応する遮断桿A,Bのモータ電流を検出し、その検出電
流は、整流回路15,16を介して整流されラッチLA1,LA2及
びラッチLB1,LB2に入力される。
また、角度検出手段としてのエンコーダ17,18は、対
応する遮断機A,Bの遮断桿上昇時の遮断桿回動角度θを
検出し、その出力はそれぞれカウンタCTA1,CTA2及びカ
ウンタCTB1,CTB2に入力される。カウンタCTA1,CTA2及び
カウンタCTB1,CTB2は、それぞれ予め設定した所定角度
θ1(θ<θ)となるとラッチLA1,LA2及びラ
ッチLB1,LB2に信号を出力し、ラッチLA1,LA2及びラッチ
LB1,LB2は、そのとき入力する電流値IA1,IA2及びI1B,I
B2を保持する。従ってカウンタCTA1,CTA2,CTB1,CTB2と
ラッチLA1,LA2,LB1,LB2が電流値サンプリング手段に相
当する。
加算平均回路19は、遮断機A,Bの各ラッチLA1,LB1から
の出力電流値IA1,IB1(所定角度θでの電流値)の加
算平均値I1を算出する。他方の加算平均回路20は、遮断
機A,Bの各ラッチLA2,LB2からの出力電流値IA2,IB2の加
算平均値I2を算出する。ここで、加算平均回路19,20が
平均電流値算出手段に相当する。
レベル検定回路21,22は、それぞれの加算平均回路19,
20からの出力が予め設定した所定レベル範囲にあるか否
かを判定し、所定レベル範囲にあるときに出力を発生す
る。AND回路23は、両レベル検定回路21,22が共に出力し
たときに遮断桿の正常検出出力を発生する。レベル検定
回路21,22及びAND回路23で判定手段が構成される。
次に動作を説明する。
まず、両遮断機A,Bの遮断桿2A,2Bを水平状態(回動角
度θ=0)にし、この状態からモータMA,MBを始動させ
て遮断桿2A,2Bを上昇させる。遮断桿2A,2Bが上昇する
と、電流トランス13,14によりモータ電流が検出され、
整流回路15,16により整流された後、それぞれラッチLA
1,LA2及びLB1,LB2に入力される。また、エンコーダ17,1
8から遮断桿2A,2Bの回動角度θに対応する信号が各カウ
ンタCTA1,CTA2及びCTB1,CTB2に入力される。そして、ま
ず、遮断桿2A,2Bが予め設定した回動角度θ(例えば3
0゜)になるとエンコーダ17,18からの信号に基づいてカ
ウンタCTA1,CTB1から出力が発生しラッチLA1,LB1がその
とき入力したモータ電流値をI1A,IB1として保持する。
その後、遮断桿2A,2Bがもう1つの設定回動角度θ
(例えば80゜)になるとエンコーダ17,18からの信号
に基づいてカウンタCTA2,CTB2から出力が発生しラッチL
A2,LB2がそのとき入力したモータ電流値をIA2,IB2とし
て保持する。
そして、ラッチLA1,LB1に保持されたモータ電流値
IA1,IB1は加算平均回路19に入力され、ラッチLA2,LB2に
保持されたモータ電流値IA2,IB2は加算平均回路20に入
力され、それぞれの所定回動角度θ1におけるモー
タ電流の平均値I1,I2が算出される。このように、互い
に対向する遮断機A,Bのモータ電流の平均値I1,I2を算出
することにより、遮断桿2A,2Bの回動動作方向と平行な
風の成分の影響を取り除くことができる。即ち、風が第
1図中の矢印W方向に吹いているとすると、遮断桿2Aの
上昇動作に対しては順風となって遮断桿2Aが恰も軽くな
るように作用し、遮断桿2Bの上昇動作に対しては逆風と
なって遮断桿2Bが恰も重くなるように作用する。従っ
て、両遮断桿2A,2Bに対する風の影響は互いに相反する
ので、両者の平均値を取れば風の影響を取り除くとがで
きる。
そして、加算平均回路19,20で算出された平均値I1,I2
を対応するレベル検定回路21,22に入力し、それぞれ予
め設定した所定範囲にあるか否かを判定し、両平均値
I1,I2が共に所定範囲にある場合は、レベル判定回路21,
22から出力が発生し、AND回路23の出力により水平方向
のバランス及び垂直方向のバランスが共に良好で遮断桿
動作が正常と判定される。また、レベル検定回路21,22
の少なくとも一方の出力ない場合は、AND回路23の出力
がなく水平方向のバランス又は/及び垂直方向のバラン
スが狂っており、遮断桿動作異常と判定される。
ここで、遮断桿の負荷バランスとモータ電流との関係
について説明すると、遮断桿上昇時にモータにかかる負
荷fは、水平状態の回動角度θを0とすると、 f=a1・cosθ+a2・sinθ で表される。尚、a1は第12図で錘3をX方向に移動させ
た時に変化する水平方向(θ=0の時)の負荷、a2は錘
3をY方向に移動させた時に変化する垂直方向(θ=90
゜の時)の負荷である。そして、下降方向の力を正とす
ると、停電時遮断桿が自重で下降するフェールセーフな
構成とするためには、a1>0,a2>0とする必要がある。
ただし、a1,a2をあまり大きくすると遮断桿の下降速度
が速過ぎてしまう。従って、遮断桿と錘のバランスが良
好で遮断桿が正常動作するa1,a2は、第2図の破線で囲
まれた範囲とすることができる。そして、第3図に示す
遮断桿上昇時のモータ電流特性における適当な2つの上
昇角度θ1に対する電流値I1,I2と前記a1,a1とは第
4図のような関係にあい、従って、上述したように、前
記上昇角度θ1における電流値I1,I2を検出するこ
とにより、遮断桿の負荷バランスの良否を推定でき、遮
断桿の動作異常の検出ができる。
かかる構成によれば、水平側と垂直側のバランス状態
をそれぞれ検出することが可能であり、遮断桿の負荷バ
ランスの調整不良による動作異常を正確に検出できる。
また、互いに対向する遮断機A,Bのモータ電流の平均値
を用いることによって、風の影響を取り除くことができ
るので、風が吹いている場合でも、錘の取付け位置調整
が可能である。更に、遮断桿に竹が使用されている場合
でも、竹の重さの低下に伴うアンバランスを風の影響を
受けずに検出できる。
上記第1実施例では、モータ電流値を用いたが、モー
タ回転速度を用いても同様にして遮断桿の動作異常検出
ができる。この場合の構成を第5図に示し説明する。
第5図において、電流トランスに代わって各遮断機A,
Bの遮断桿上昇時におけるモータ回転速度NA,NBを検出す
る周波数電圧変換回路31,32が設けられている。ここ
で、エンコーダ17,18及び周波数電圧変換回路31,32でモ
ータ回転速度検出手段を構成する。尚、その他の構成は
第1実施例と同様であり、説明を省略する。
かかる構成において、各遮断機A,Bの遮断桿上昇時に
おけるモータ回転速度NA,NBは、エンコーダ17,18からの
信号を周波数電圧変換回路31,32で変換して得られる。
尚、遮断桿上昇時のモータ回転速度Nの特性は第6図の
ようになっている。
そして、予め設定された所定の上昇速度θ1にお
けるモータ回転速度NA1,NA2及びNB1,NB2をラッチLA1,LA
2及びLB1,LB2にカウンタCTA1,CTA2及びCTB1,CTB2からの
信号に基づいてラッチさせる。
その後は、第1実施例と同様にして、所定角度θ
おける平均モータ回転速度N1と所定角度θにおける平
均モータ回転速度N2とを加算平均回路19,20でそれぞれ
算出し、レベル検定回路21,22においてレベル検定され
て所定レベル範囲にないときアンド回路23からの出力に
基づいて遮断桿の動作異常検出が行われ、第1実施例と
同様に遮断桿の負荷バランスの不良に起因する動作異常
を、従来に比べて正確に検出することができ、風の影響
も取り除ける。
次に、第7図に示す第3実施例について説明する。
この実施例は、第1図に示す第1実施例の構成におけ
る加算平均回路19,20で算出された所定上昇角度θ1
における平均電流値I1,I2を入力情報としてファジィ
推論を行って遮断桿A,Bの動作異常を検出するものであ
る。
第1実施例のレベル検定回路21,22の代わりにファジ
ィ推論を実行するマイクロコンピュータを内蔵した判定
手段としてのコントロールユニット40を設けて構成され
る。
次に動作を説明する。尚、モータ電流値の平均値I1,I
2を算出するまでの過程は、第1実施例と同様であるの
で説明を省略し、ファジィ推論による動作異常検出動作
について第8図のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップ1(図中S1とし、以下同様)では、加
算平均回路19,20からのモータ平均電流値I1,I2を読み込
む。
ステップ2では、ステップ1で読み込んだ平均電流値
I1,I2の差ΔI(=I2−I1)を演算する。
ステップ3では、第9図(a)〜(c)に示すように
I1,I2及びΔIに対して予め設定したメンバーシップ関
数を用いて、前記ステップ1,2で得られたI1,I2及びΔI
の値が、以下に示す〜の各ルールにマッチングする
度合いを求める。
ルール もしI1がPSかつI2がPSかつΔIがZならば正常。
もしI1がPSかつI2がZかつΔIがNSならば垂直方向
の錘が重い。
もしI1がZかつI2がPSかつΔIがPSならば水平方向
の錘が重い。
もしI1がPMならば水平方向の錘が軽い。
もしI2がPMかつΔIがPSならば垂直方向の錘が軽
い。
もしI1がNSかつI2がNSかつΔIがZならば垂直方向
と水平方向の錘が重い。
ここで、前記度合いの決定は、各ルールにおいて前件
部の各値I1,I2及びΔIのマッチング度合いの最も小さ
い値をとって、そのルールに対するマッチング度合いと
する。尚、前述のルールは一例を示すものであり、これ
に限定されるものではない。
ステップ4では、ステップ3で得られた各ルール毎の
マッチング度合いから遮断桿と錘のバランス状態の判定
を行う。
このようにして、ファジィ推論を用いて遮断桿と錘の
バランス不良による動作異常を検出することができる。
次に、遮断桿下降時のモータ電流値を用いて車等の障
害物を検出する装置の実施例を第10図に示す。尚、第1
実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
図において、カウンタCTA,CTBは、エンコーダ17,18か
らの角度信号により所定角度間隔でラッチLA,LBに信号
を出力する。ラッチLA,LBは、そのとき入力する電流値I
A,IBを保持する。
加算平均回路51は、ラッチLA,LBに保持された各遮断
機A,Bのモータ電流IA,IBを加算平均して平均電流値Id
算出する。平均電流変化率検出回路52は、加算平均回路
51で算出される平均電流値の変化率(dId/dt)を検出す
る。同様にして、遮断機Aのモータ電流変化率検出回路
53と遮断機Bのモータ電流変化率検出回路54は、IAとIB
の変化率(dIA/dt,dIB/dt)を検出する。AND回路55,56
は、前記各電流変化率検出回路52〜54からの出力値に基
づいて障害物有無の判定信号を出力する。ここで、平均
電流変化率検出回路52が平均電流変化率算出手段に相当
し、モータ電流変化率検出回路53,54が電流変化率算出
手段に相当する。
次に動作を説明する。
所定下降角度θにおけるモータ電流検出動作は、第
1図の遮断桿上昇時のモータ電流検出と同様に行われ、
ラッチLA,LBに保持される。そして、加算平均回路51に
おいて平均電流値Idを算出する。そして、平均電流変化
率検出回路52と各遮断機A,Bのモータ電流変化率を検出
するモータ電流変化率検出回路53,54によってそれぞれ
のモータ電流の変化率を算出する。ここで、遮断桿下降
時のモータ電流特性は、第11図に示すように正常時に
は、遮断桿が下降するに従って減少するが、車等の障害
物が存在して遮断桿の下降が阻害されると、急激に上昇
する。従って、平均電流変化率が所定値以上のときには
障害物有りと判断する。そして、各遮断機のモータ電流
値の変化率を検出することにより、どちらの遮断機に障
害物があるかが判る。例えば、遮断機A側に障害物があ
る場合には、遮断機A側のモータ電流変化率が所定値以
上となるので、電流変化率検出回路53側からの出力によ
りAND回路55から障害物検出信号が出力され、逆に遮断
機B側に障害物がある場合には、遮断機B側のモータ電
流変化率が所定値以上となるので、電流変化率検出回路
54側からの出力によりAND回路56から障害物検出信号が
出力される。
そして、障害物ではなく風の影響により向かい風を受
ける側の遮断機側の電流が急激に上昇して変化率が所定
値以上になっても、この場合には、追い風を受ける他方
の遮断機側のモータ電流値は逆に低下するので、モータ
電流の平均値はほとんど上昇せず、平均電流値の変化率
が所定値以上になることはなく、平均電流変化率検出回
路52の出力が発生せず障害物検出信号は出力されない。
このように、かかる構成によれば、風の影響を取り除
いて正確に障害物の検出が可能となる。また、軌道のそ
れぞれの側に入口と出口の2つの遮断機(合計4台)が
設置されている踏切道において、入口側の遮断機が踏切
通過の許可・禁止の意味を持つのに対し、出口側の遮断
機は車が右側通行し踏切道に進入するのを防止するもの
と考えられる。従って、出口側の遮断機にあっては、踏
切道から出ようとしている車に対しては、遮断桿の下降
が遅れても車を脱出させる方が望ましい。このことか
ら、出口側の遮断機について、このような障害物検出装
置を適用して、障害物検出信号により遮断桿が障害物に
接触したことが検知されたときには、遮断桿を一旦適度
に上昇させて再度下降するように駆動制御すれば、遮断
桿の折損事故を防止するとができると共に、車等に対し
て踏切道12からの脱出を促すことができるようになる。
尚、本実施例では、モータ電流を用いて障害物検出を
行う構成としたが、モータの回転速度を用いても障害物
検出ができることは言うまでもない。
〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によれば、遮断桿の水平側
及び垂直側のバランス状態をそれぞれ検出することがで
きるので、従来に比べて遮断桿の動作異常の検出精度を
向上できる。そして、錘とのバランス調整時間を短縮で
きる。また、風の影響を取り除くことができるので、風
の吹いている時でも、錘の取付け調整作業ができる。
また、遮断桿と車等の障害物との接触を検出できるの
で、障害物検出時に遮断桿を適度に上昇制御するように
すれば、遮断桿の折損事故を防止することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は遮断
桿正常動作時の負荷条件を説明する図、第3図は遮断桿
下降時のモータ電流特性図、第4図は正常時の負荷条件
と所定下降角度におけるモータ電流との関係を示す図、
第5図は本発明の別の実施例を示す構成図、第6図は遮
断桿下降時のモータ回転速度特性図、第7図は本発明の
別の実施例を示す図、第8図は同上実施例の制御フロー
チャート、第9図(a)〜(c)は同上実施例のファジ
ィ制御に用いるメンバーシップ関数を示す図、第10図は
本発明の別の実施例を示す構成図、第11図は同上実施例
の遮断桿下降時の正常時と障害物検出時の電流特性を示
す図、第12図は遮断桿と錘との関係を示す図である。 A,B……遮断機、2A,2B……遮断桿、MA,MB……モータ、1
2……踏切道、13,14……電流トランス、17,18……エン
コーダ、CTA,CTB……カウンタ、LA,LB……ラッチ、19,2
0,51……加算平均回路、21,22……レベル検定回路、23,
55,56……AND回路、31,32……周波数電圧変換回路、40
……コントロールユニット、52……平均電流変化率検出
回路、53,54……電流変化率検出回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61L 29/00 - 29/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータにより昇降回動駆動される遮断桿の
    回動軸に対して遮断桿先端側と反対側に錘を設け、該錘
    の位置を調整して遮断桿の昇降動作特性を適正に調整す
    る踏切遮断機において、遮断桿の回動角度を検出する角
    度検出手段と、遮断桿上昇時のモータ電流を検出するモ
    ータ電流検出手段と、前記両検出手段からの検出信号に
    基づいて少なくとも遮断桿の水平位置近傍と垂直位置近
    傍の予め定めた2点の所定上昇角度におけるモータ電流
    値をサンプリングする電流値サンプリング手段と、前記
    水平位置近傍と垂直位置近傍の各所定上昇角度において
    サンプリングされた各電流値のレベル判定をそれぞれ行
    い少なくとも一方の電流値が予め設定した所定レベル範
    囲にないとき動作異常と判定する判定手段とを備えて構
    成したことを特徴とする踏切遮断機の遮断桿動作異常検
    出装置。
  2. 【請求項2】前記判定手段が、前記電流値サンプリング
    手段で検出された電流値を入力情報とし、前記所定上昇
    角度における電流値に関するメンバーシップ関数を用い
    てファジィ推論を行って動作異常判定する構成であるこ
    とを特徴する請求項1記載の踏切遮断機の遮断桿動作異
    常検出装置。
  3. 【請求項3】前記角度検出手段,モータ電流検出手段及
    び電流値サンプリング手段が、軌道を挟んで対向する2
    つの遮断桿毎に設けられ、電流値サンプリング手段でサ
    ンプリングされた各所定角度における電流値の平均値を
    算出する平均電流値算出手段を有し、該平均電流値算出
    手段で算出された所定角度毎の電流平均値を判定手段に
    入力する構成であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の踏切遮断機の遮断桿動作異常検出装置。
  4. 【請求項4】前記モータ電流検出手段に代えてモータ回
    転速度検出手段を設け、モータ電流値に代えてモータ回
    転速度に基づいて動作異常判定を行う構成としたことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の踏切遮断機
    の遮断桿動作異常検出装置。
  5. 【請求項5】モータにより昇降回動駆動される遮断桿を
    備えた踏切遮断機において、 遮断桿の回動角度を検出する角度検出手段と、遮断桿下
    降時のモータ電流を検出するモータ電流検出手段と、前
    記両検出手段からの検出信号に基づいて予め定めた所定
    下降角度におけるモータ電流の変化率を算出する電流変
    化率算出手段と、を軌道を挟んで対向する2つの遮断桿
    毎に設けると共に、 前記各電流変化率算出手段で算出された所定角度におけ
    る各電流変化率の平均値を算出する平均電流変化率算出
    手段と、前記各電流変化率算出手段で算出された各電流
    変化率と前記平均電流変化率算出手段で算出された平均
    電流変化率のレベル判定をそれぞれ行い前記平均電流変
    化率が予め設定した所定レベル以上で、且つ前記両電流
    変化率の少なくとも一方が所定レベル以上のとき動作異
    常判定出力を発生する判定手段とを備えて構成したこと
    を特徴とする踏切遮断機の遮断桿動作異常検出装置。
  6. 【請求項6】前記モータ電流検出手段に代えてモータ回
    転速度検出手段を設け、モータ電流値に代えてモータ回
    転速度に基づいて動作異常判定を行う構成としたことを
    特徴とする請求項5記載の踏切遮断機の遮断桿動作異常
    検出装置。
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