JP2983540B1 - 血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス及び非穿刺型ブラッドアクセス接続カニュ―レアセンブリ - Google Patents

血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス及び非穿刺型ブラッドアクセス接続カニュ―レアセンブリ

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Abstract

【要約】 【課題】 穿刺する必要がなく、構造が簡単で比較的廉
価であり、且つ取扱いの容易な血液透析用ブラッドアク
セスを提供することである。 【解決手段】 両端が血管に吻合される人工血管12
と、金属製の本体20とを備え、本体が、人工血管の周
囲全体を被覆する円筒形又は人工血管の周囲の少なくと
も上半部を被覆する弧状横断面形状の水平部分22と、
水平部分の略中央に水平部分と直交するように連結さ
れ、内部にウェル26を構成する筒状の垂直部分24と
を有しており、人工血管および水平部分には、ウェルの
底部に位置する箇所に、ウェルと人工血管とを連通させ
るように、一対の孔30、32が形成されており、水平
部分の上部に設けられた対向したポケット内に摺動可能
にそれぞれ収容され、開閉可能となるように構成された
一対のシャッター34、36を備え、シャッターを開放
すると、孔を介してウェルと人工血管とが連通し、シャ
ッターを閉鎖すると、ウェルと人工血管との連通が遮断
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、血液透析用
ブラッドアクセス及び非穿刺型ブラッドアクセス接続カ
ニューレアセンブリに関する。より詳細には、本発明
は、構造の簡単な血液透析用非穿刺型ブラッドアクセ
ス、並びに、血液透析時にも比較的自由に動き回ること
ができる非穿刺型ブラッドアクセス接続カニューレアセ
ンブリに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】血液透析は、腎不全を
治療する方法として広く使用されている。重度の腎疾患
患者は、長期間にわたって規則的に血液透析を受けなけ
ればならないため、このような患者には、血液透析時に
豊富な血液流が迅速に得られるように、血管に外科的な
短絡回路(通常「シャント」と呼ばれる)が形成されて
いる場合が多い。シャントは、内シャントと外シャント
に大別されるが、内シャントは、血液透析の際に穿刺が
必要であるという欠点を有しており、外シャントは、閉
塞しやすい、感染の頻度が高い、生活に不便である等の
欠点を有している。
【0003】従来のシャントのこのような欠点を解消す
べく、新しい型式の血液透析用ブラッドアクセスが提案
されている。商品名ヘマサイト(Hemasite)と名付けら
れたこのブラッドアクセスは、概念的には外シャントに
属するものであり、血液の逆流を防止する弁を備えた器
具をシャントとして体内に設置し、血液透析時に器具を
回路に接続すれば瞬時に豊富な血液流が得られるように
なっている。ヘマサイトは、穿刺が不要であるという利
点を有しているが、構造が複雑であるため、高価である
とともに取扱いに手間がかかるという欠点を有してい
る。
【0004】一方、血液透析時に体内に設置されたブラ
ッドアクセスと透析器とを連結する連結回路は、従来、
径の比較的大きな管によって形成されており、患者の身
体に負担をかけないように体外循環血液量を少なくする
ため、連結回路を形成する管の長さは、短かった。これ
は、長さの長い大径管を使用すると、患者の体外循環血
液量が多くなるという理由による。したがって、患者
は、血液透析時に自由に動き回ることができず、ベッド
で安静にしていなければならなかった。
【0005】したがって、穿刺する必要がなく、構造が
簡単で比較的廉価であり、且つ取扱いの容易である血液
透析用ブラッドアクセス、並びに、血液透析時にも比較
的自由に動き回ることができる非穿刺型ブラッドアクセ
ス接続カニューレアセンブリに対する強い要請がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の血
液透析用非穿刺型ブラッドアクセスは、両端が血管に吻
合される人工血管と、金属製の本体とを備え、本体が、
人工血管の周囲全体を被覆する円筒形又は人工血管の周
囲の少なくとも上半部を被覆する弧状横断面形状の水平
部分と、水平部分の略中央に水平部分と直交するように
連結され、内部にウェルを構成する筒状の垂直部分とを
有しており、人工血管および水平部分には、ウェルの底
部に位置する箇所に、ウェルと人工血管とを連通させる
ように、一対の孔が形成されており、水平部分の上部に
設けられた対向したポケット内に摺動可能にそれぞれ収
容され、開閉可能となるように構成された一対のシャッ
ターを備え、シャッターを開放すると、前記孔を介して
ウェルと人工血管とが連通し、シャッターを閉鎖する
と、ウェルと人工血管との連通が遮断されるように構成
されていることを特徴とするものである。
【0007】本願請求項2に記載の血液透析用非穿刺型
ブラッドアクセスは、請求項1のブラッドアクセスにお
いて、シャッターの互いに面する端部には、シャッター
を開閉する際の摘まみとなる上方に延びた突出片がそれ
ぞれ取付けられていることを特徴とするものである。
【0008】本願請求項3に記載の血液透析用非穿刺型
ブラッドアクセスは、請求項2のブラッドアクセスにお
いて、前記突出片のうち一方が他方よりも僅かに高くな
るように形成されていることを特徴とするものである。
【0009】本願請求項4に記載の血液透析用非穿刺型
ブラッドアクセスは、請求項2のブラッドアクセスにお
いて、前記突出片が、シャッターの互いに面する端部に
沿って水平方向に僅かにずれた状態でシャッターに取付
けられていることを特徴とするものである。
【0010】本願請求項5に記載の血液透析用非穿刺型
ブラッドアクセスは、請求項1〜4のいずれか1項のブ
ラッドアクセスにおいて、シャッターの互いに面する端
部に、シャッターを閉鎖したとき、互いに合致する凹部
と凸部、又は互いに合致するステップ状部分が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0011】本願請求項6に記載の非穿刺型ブラッドア
クセス接続カニューレアセンブリは、並置された一対の
貫通孔を有するキャップと、貫通孔と連通するように貫
通孔の一端にそれぞれ連結された第1の一対のカニュー
レとを備え、第1の一対のカニューレの先端部の直径
が、接続しようとするブラッドアクセスの孔の直径より
も僅かに小さくなるように選定され、第1の一対のカニ
ューレのキャップ側の端部の直径が、接続しようとする
ブラッドアクセスの孔の直径よりも僅かに大きくなるよ
うに選定されており、貫通孔と連通するように貫通孔の
他端にそれぞれ連結され、透析器への連結回路を構成す
る第2の一対のカニューレを備え、第2の一対のカニュ
ーレが、第1の一対のカニューレの内径と略同等の内径
を有し、第2の一対のカニューレが、第2の一対のカニ
ューレが、少なくとも3mの長さをそれぞれ有し、第2
の一対のカニューレの透析器側の端部には、透析器の端
部に連結するための端子がそれぞれ取付けられているこ
とを特徴とするものである。
【0012】本願請求項7に記載の非穿刺型ブラッドア
クセス接続カニューレアセンブリは、請求項6のカニュ
ーレアセンブリにおいて、第1の一対のカニューレが、
キャップ側の端部から先端部に向かって曲率が徐々に大
きくなるように湾曲していることを特徴とするものであ
る。
【0013】本願請求項8に記載の非穿刺型ブラッドア
クセス接続カニューレアセンブリは、請求項6のカニュ
ーレアセンブリにおいて、第1の一対のカニューレが、
キャップ側の端部から先端部に向かって曲率が徐々に大
きくなるように湾曲し、かつ、キャップ側の端部の付近
で互いに交差していることを特徴とするものである。
【0014】本願請求項9に記載の非穿刺型ブラッドア
クセス接続カニューレアセンブリは、請求項6〜8のい
ずれか1項のカニューレアセンブリにおいて、第1の一
対のカニューレの長さが、これらのカニューレを本体の
孔から人工血管を介して血管内に挿入したとき、カニュ
ーレの先端部と、人工血管と血管との吻合部との距離
が、約3cmとなるように、選定されていることを特徴
とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1にお
いて全体として参照符号10で示される本発明の好まし
い実施の形態に係る血液透析用非穿刺型ブラッドアクセ
スは、金属製の本体20を備えている。本体20は、円
筒形の水平部分22と、水平部分22の上部の略中央に
水平部分22と直交するように連結された円筒形の垂直
部分24とを有しており、垂直部分24は、内部にウェ
ル26を構成している。本体20は、側方から見ると、
図1に示されるように、略逆T字形の形状を有してい
る。
【0016】好ましくは、本体20は、軽量で生体親和
性の高いチタニウムで形成されており、血液が接触する
箇所は、抗凝固性のパイロイトカーボンで被覆されてい
る。また、好ましくは、水平部分22および垂直部分2
4の外面は、生体組織との癒合性を高め且つ外部から侵
入する細菌のバリアとするため、ダクロンベロアーのよ
うな生体親和性を有する繊維28で被覆されている。
【0017】本体20の水平部分22には、人工血管1
2が通されている。水平部分22の内径が人工血管12
の外径と実質的に等しくなるように形成されており、か
つ、水平部分22の内面と人工血管12の外面との間に
接着剤(図示せず)が塗布されているため、人工血管1
2が、水平部分22内で移動することはない。水平部分
22の内面と人工血管12の外面との間に塗布される接
着剤は、生体親和性を有する接着剤が使用される。
【0018】図2に最も良く示されるように、水平部分
22および人工血管12のウェル26の底部に位置する
箇所には、直径D1の一対の孔30、32が形成されて
いる。これにより、ウェル26と人工血管12は、孔3
0、32を介して連通している。
【0019】本体20は、ウェル26と人工血管12と
の連通を遮断するための一対のシャッター34、36を
有している。シャッター34、36は各々、水平部分2
2の上部に形成された対向したポケット38、40内に
収容され、開閉可能となるように構成されている。すな
わち、図2を参照してより詳細に説明すると、水平部分
22の上部には、ウェル26に面した箇所にそれぞれポ
ケット即ち凹部38、40が形成されており、ポケット
38、40に、プレート状のシャッター34、36がそ
れぞれ摺動可能に収容されている。シャッター34、3
6の互いに面する端部には、上方に延びた突出片42、
44がそれぞれ取付けられている。突出片42、44
は、シャッター34、36を開閉する際の摘まみとな
る。突出片42、44の互いに面する側は、図2に示さ
れるように、シャッター34、36を閉鎖したとき、当
接するようになっている。
【0020】好ましくは、図3(a)に示されるよう
に、シャッター34、36の互いに面する端部には、シ
ャッター34、36を閉鎖したとき、互いに合致する凹
部34aと凸部36aが設けられている。或いは、凹部
34aと凸部36aの代わりに、図3(b)に示される
ように、シャッター34、36の互いに面する端部に、
互いに合致するステップ状部分34b、36bを設けて
もよい。以上の構成により、シャッター34、36を閉
鎖したとき、ウェル26と人工血管12との連通が完全
に遮断される。
【0021】図4には、突出片42、44の2つの変形
形態が示されている。図4(a)では、突出片42が、
突出片44よりも僅かに高くなるように形成されてお
り、図4(b)では、突出片42、44がシャッター3
4、36の互いに面する端部に沿って水平方向に僅かに
ずれた状態でシャッター34、36に取付けられてい
る。或いは、図示されていないが、一方の突出片の幅を
他方の突出片の幅よりも小さくなるように形成してもよ
い。以上の構成により、ピンセット等を用いてシャッタ
ー34、36を開閉しようとするとき、突出片42、4
4の把持が容易になる。
【0022】図2に示されるように、シャッター34、
36の閉鎖時にシャッター34、36が開放することの
ないように、突出片42、44は、クリップ46によっ
て固定される。また、血液透析用非穿刺型ブラッドアク
セス10の不使用時にウェル26を被覆するため、垂直
部分24の頂部は、キャップ48によって被覆されてい
る。
【0023】図5は、図2の線5−5に沿った横断面を
示している。図5に示される実施の形態では、水平部分
22が人工血管12の周囲全体を被覆しているが、図6
に示されるように、人工血管12の周囲の一部のみを被
覆するように水平部分を形成してもよい。図6に示され
る水平部分50は、人工血管12の下部12aが露出さ
れるように、下部が切除された弧状横断面形状を有して
いる。人工血管12の露出部12aは、最大で下半部分
である。すなわち、図6におけるαは、0°〜180°
である。後述するように、本体12と人工血管12は、
体内に設置されるが、図6に示される構成では、可撓性
の人工血管12の下部12aが体内組織に接触するた
め、硬い金属製の本体20が体内組織に直接接触する場
合に生じがちな違和感が軽減される。
【0024】次に、血液透析時に血液透析用非穿刺型ブ
ラッドアクセス10と透析器とを連結する非穿刺型ブラ
ッドアクセス接続カニューレアセンブリについて説明す
る。図7(a)において全体として参照符号60で示さ
れる本発明の第1の実施の形態に係る非穿刺型ブラッド
アクセス接続カニューレアセンブリは、図9に最も良く
示されるように、並置された一対の貫通孔64、66を
有するキャップ62と、貫通孔64、66と連通するよ
うに貫通孔の一端にそれぞれ連結された一対のカニュー
レ68、70と、貫通孔64、66と連通するように貫
通孔の他端にそれぞれ連結された一対のカニューレ7
2、74とを有している。カニューレ68、70、7
2、74は、通常の可撓性の材料で形成されており、キ
ャップ62は、通常のプラスチック材料で形成されてい
る。
【0025】キャップ62には、後述するように、血液
透析時に血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス10の本
体20にキャップ62を固定するための袋ナット63が
取付けられている。
【0026】カニューレ68、70は、本体20の孔3
0、32から人工血管12を介して血管内に挿入するた
めの管である。カニューレ68、70の先端部(即ち、
キャップ62に連結されている側と反対側の端部)68
a、70aの直径D2は、本体20の孔30、32への
挿入を容易にするため、孔30、32の直径D1よりも
僅かに小さくなるように選定されている。カニューレ6
8、70のキャップ62側の端部68b、70bの直径
D3は、血液透析の際の漏血を防止するため、本体20
の孔の直径D1よりも僅かに大きくなるように選定され
ている。以上より、本体20の孔30、32の直径D
1、カニューレ68、70の先端部68a、70aの直
径D2、カニューレ68、70のキャップ側の端部68
b、70bの直径D3の間には、D2<D1<D3の関
係が成り立つ。
【0027】カニューレ68、70は、図7(a)に示
されるように、キャップ62側の端部68b、70bか
ら先端部68a、70aに向かって曲率が徐々に大きく
なるように湾曲しており、かつ、端部68b、70b付
近で互いに交差している。カニューレ68、70には、
端部68b、70b付近に、カニューレ68、70間の
間隔を保持するための間隔保持部材76を取付けてもよ
い。以上の構成により、カニューレ68、70の血管へ
の挿入を円滑に行うことができる。
【0028】カニューレ72、74は、透析器への連結
回路を構成する管であり、カニューレ68、70の内径
と略同等の内径を有している。カニューレ72、74に
は、透析器側の端部72a、74aに、透析器の端子8
2、84に連結するための端子78、80が取付けられ
ている。端子78、80は、通常のねじ式端子でよい。
カニューレ72、74は、血液透析時に患者が或る程度
動き回ることができるのに必要な長さ(少なくとも3
m)を有している。上述のように、カニューレ72、7
4の内径をカニューレ68、70の内径と略同等程度に
細くしたので、患者の体外循環血液量を増やすことなし
に、カニューレ72、74の長さを確保することができ
る。
【0029】なお、カニューレ72、74は、図8
(a)に示されるように、別々の2本の管によって形成
してもよく、図8(b)に示されるように、2本の管を
合体させて外見上1本の管のようにしたものでもよい。
【0030】図7(b)において全体として参照符号8
6で示される本発明の第2の実施の形態に係る非穿刺型
ブラッドアクセス接続カニューレアセンブリは、カニュ
ーレ68、70が端部68b、70b付近で互いに交差
していない点を除いて、ブラッドアクセス接続カニュー
レアセンブリ60と実質的に同一である。また、図7
(c)において全体として参照符号88で示される本発
明の第3の実施の形態に係る非穿刺型ブラッドアクセス
接続カニューレアセンブリは、カニューレ68、70が
湾曲していない点を除いて、ブラッドアクセス接続カニ
ューレアセンブリ60と実質的に同一である。
【0031】以上のように構成された本発明の血液透析
用非穿刺型ブラッドアクセス並びに非穿刺型ブラッドア
クセス接続カニューレアセンブリの使用について説明す
る。まず、図1に示されるように、上腕等の所望の部位
に本体20を設置し、人工血管12を動脈又は静脈に吻
合する。透析しようとする場合には、本体20のキャッ
プ48を外し、クリップ46を取り去り、ピンセット等
を使用してシャッター34、36を開放する。次いで、
図9に示されるように、透析器に連結された非穿刺型ブ
ラッドアクセス接続カニューレアセンブリ60のカニュ
ーレ68、70を、本体20の孔30、32から人工血
管12を介して血管内に挿入する。この際、図8に示さ
れるように、人工血管12と血管との吻合部と、カニュ
ーレ68、70の先端部68a、70aとの距離Lが、
3cm程度になるのが望ましい。なお、袋ナット63を
しっかりと締め、血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス
10の本体20と非穿刺型ブラッドアクセス接続カニュ
ーレアセンブリ60のキャップ62が外れないようにす
る。血液透析が終了すると、カニューレ68、70を抜
き、シャッター34、36を閉鎖してクリップ46で固
定し、本体20をキャップで被覆する。使用済みの接続
カニューレアセンブリ60は廃棄される。
【0032】本発明は、以上の発明の実施の形態に限定
されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範
囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範
囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0033】たとえば、前記実施の形態においては、本
体の垂直部分が円筒形の形状を有するものとして示され
ているが、他の形状を有していてもよい。また、前記実
施の形態では、人工血管が同一の血管に吻合されている
が、人工血管の各端を別々の血管に吻合してもよい。
【0034】さらに、前記実施の形態では、非穿刺型ブ
ラッドアクセス接続カニューレアセンブリが、本発明に
係る血液透析用ブラッドアクセスとの使用に関連して説
明されているが、非穿刺型ブラッドアクセス接続カニュ
ーレアセンブリを、他の型式の外シャントに使用しても
よい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、本体の構造が簡単であ
るため、患者に穿刺の苦痛を与えることなしに、比較的
廉価で取扱いの容易な血液透析用非穿刺型ブラッドアク
セスが提供される。非穿刺型ブラッドアクセス接続カニ
ューレアセンブリを使用することにより、患者は、血液
透析時でも比較的自由に動き回ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る血液透析用
非穿刺型ブラッドアクセスの体内への設置状態を模式的
に示した図である。
【図2】図1の本体を示した拡大断面図である。
【図3】シャッターの当接部を示した拡大断面図であ
る。
【図4】シャッターの突出片の変形形態を示した斜視図
である。
【図5】図2の線5−5に沿った横断面図である。
【図6】本体の水平部分の変形形態を示した、図5と同
様な図である。
【図7】本発明の3つの好ましい実施の形態に係る非穿
刺型ブラッドアクセス接続カニューレアセンブリを模式
的に示した図である。
【図8】第2のカニューレの断面を示した図である。
【図9】本発明の血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス
を使用して血液透析している状態を模式的に示した図で
ある。
【図10】図9の状態における血液透析用非穿刺型ブラ
ッドアクセスの本体を示した拡大断面図である。
【符号の説明】
10 血液透析用非穿刺型ブラッドアクセス 12 人工血管 20 本体 22 水平部分 24 垂直部分 26 ウェル 30、32 孔 34、36 シャッター 38、40 ポケット 42、44 突出片 46 クリップ 60 非穿刺型ブラッドアクセス接続カニューレアセン
ブリ 62 キャップ 63 袋ナット 68、70 第1のカニューレ 72、74 第2のカニューレ

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液透析用非穿刺型ブラッドアクセスで
    あって、 両端が血管に吻合される人工血管と、 金属製の本体とを備え、本体が、人工血管の周囲全体を
    被覆する円筒形又は人工血管の周囲の少なくとも上半部
    を被覆する弧状横断面形状の水平部分と、水平部分の略
    中央に水平部分と直交するように連結され、内部にウェ
    ルを構成する筒状の垂直部分とを有しており、人工血管
    および水平部分には、ウェルの底部に位置する箇所に、
    ウェルと人工血管とを連通させるように、一対の孔が形
    成されており、 水平部分の上部に設けられた対向したポケット内に摺動
    可能にそれぞれ収容され、開閉可能となるように構成さ
    れた一対のシャッターを備え、 シャッターを開放すると、前記孔を介してウェルと人工
    血管とが連通し、シャッターを閉鎖すると、ウェルと人
    工血管との連通が遮断されるように構成されていること
    を特徴とするブラッドアクセス。
  2. 【請求項2】 シャッターの互いに面する端部には、シ
    ャッターを開閉する際の摘まみとなる上方に延びた突出
    片がそれぞれ取付けられていることを特徴とする請求項
    1に記載のブラッドアクセス。
  3. 【請求項3】 前記突出片のうち一方が他方よりも僅か
    に高くなるように形成されていることを特徴とする請求
    項2に記載のブラッドアクセス。
  4. 【請求項4】 前記突出片が、シャッターの互いに面す
    る端部に沿って水平方向に僅かにずれた状態でシャッタ
    ーに取付けられていることを特徴とする請求項2に記載
    のブラッドアクセス。
  5. 【請求項5】 シャッターの互いに面する端部には、シ
    ャッターを閉鎖したとき、互いに合致する凹部と凸部、
    又は互いに合致するステップ状部分が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか項に記載のブラ
    ッドアクセス。
  6. 【請求項6】 非穿刺型ブラッドアクセス接続カニュー
    レアセンブリであって、 並置された一対の貫通孔を有するキャップと、 貫通孔と連通するように貫通孔の一端にそれぞれ連結さ
    れた第1の一対のカニューレとを備え、第1の一対のカ
    ニューレの先端部の直径が、接続しようとするブラッド
    アクセスの孔の直径よりも僅かに小さくなるように選定
    され、第1の一対のカニューレのキャップ側の端部の直
    径が、接続しようとするブラッドアクセスの孔の直径よ
    りも僅かに大きくなるように選定されており、 貫通孔と連通するように貫通孔の他端にそれぞれ連結さ
    れ、透析器への連結回路を構成する第2の一対のカニュ
    ーレを備え、第2の一対のカニューレが、第1の一対の
    カニューレの内径と略同等の内径を有し、第2の一対の
    カニューレが、少なくとも3mの長さをそれぞれ有し、
    第2の一対のカニューレの透析器側の端部には、透析器
    の端部に連結するための端子がそれぞれ取付けられてい
    ることを特徴とするカニューレアセンブリ。
  7. 【請求項7】 第1の一対のカニューレが、キャップ側
    の端部から先端部に向かって曲率が徐々に大きくなるよ
    うに湾曲していることを特徴とする請求項6に記載のカ
    ニューレアセンブリ。
  8. 【請求項8】 第1の一対のカニューレが、キャップ側
    の端部から先端部に向かって曲率が徐々に大きくなるよ
    うに湾曲し、かつ、キャップ側の端部の付近で互いに交
    差していることを特徴とする請求項6に記載のカニュー
    レアセンブリ。
  9. 【請求項9】 第1の一対のカニューレの長さが、これ
    らのカニューレを本体の孔から人工血管を介して血管内
    に挿入したとき、カニューレの先端部と、人工血管と血
    管との吻合部との距離が、約3cmとなるように、選定
    されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1
    項に記載のカニューレアセンブリ。
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