JP2981974B2 - 里芋の乾腐病の防除方法および装置 - Google Patents

里芋の乾腐病の防除方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、里芋の乾腐病(カ
ビの一種であるフザリウム菌によるもの)を遠赤外線照
射により防除する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】里芋の貯蔵には、従来、土中貯蔵の方法
と一定温度の冷蔵庫に貯蔵する方法がある。土中貯蔵に
ついては詳しく述べることは避けるが、大量貯蔵には向
かないと言われている。
【0003】また、冷蔵庫に貯蔵する場合は、掘り上げ
た里芋の株を1週間程度風乾し、コンテナに入れて、温
度8〜10℃、湿度80〜90%で貯蔵すれば、4ヶ月
程度は貯蔵が可能である。ただ、冷蔵庫に貯蔵する方法
では乾腐病の問題がある。里芋の産地では通常3〜5年
の輪作をしてきているが、乾腐病の発病を完全に抑える
ことができないのが実情である。この病原菌は土壌中の
生存期間が長く、種芋伝染するため完全な防除は困難な
ので、健全な芋で栽培したものを用いることが重要であ
る(社団法人「農山魚村文化協会」発刊、新堀二千男
著、野菜園芸大百科より引用)。
【0004】しかし、最近、里芋のフザリウム菌は熱に
弱いことに着目して、新潟県園芸試験場により、温湯浸
漬(60℃の温湯に5分間浸漬)によって処理する里芋
の乾腐病防除装置が考案されている。(願平5−23
235号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記温湯浸漬処理によ
れば、フザリウム菌の殺菌には効果的であるが、里芋の
生体におよぼすダメージが大きく、種芋として使用した
場合、処理後に生育が悪くなるという生育障害がでる欠
点があり、また温湯浸漬を行う装置を立上げるのに時間
(例えば2時間半)がかかる欠点があった。
【0006】本発明の目的は、里芋の加温に遠赤外線照
射を採用することにより、乾腐病防除生育障害を解
消する里芋の乾腐病の防除方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、遠赤外線照射を採用すること
により、装置立上り時間が短く、簡便に操作できる里芋
の乾腐病の防除装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の乾腐病の防除方法は、里芋を水に所定時間
浸漬して吸水させた後、この里芋を遠赤外線の連続照射
により、里芋の表面温度を60〜70℃として1〜5分
保持する方法である
【0008】また、上記別の目的を達成するために、本
発明の里芋の乾腐病の防除装置は、里芋を載置して搬送
するメッシュベルトを備えたコンベアーと、メッシュベ
ルトの上下両側に設置し里芋に遠赤外線を照射するヒー
ターと、このヒーターの出力およびコンベアーの速度
を、里芋の表面温度60〜70℃で1〜5分保持するよ
うにあらかじめ求めたデータを基に、制御する制御装置
とから構成したことを特徴とする。そして各ヒーターは
コンベアーの移動方向に配列した複数個のヒーター要素
から構成することが好ましい。さらに上側のヒーターを
昇降する昇降手段を設けることが好ましい。また下側の
ヒータを耐熱ガラスでコーティングすることが好まし
い。
【0009】本発明の里芋の乾腐病の防除方法は、次項
の実施例における(1)遠赤外線照射と殺菌効果、
(2)遠赤外線照射と里芋の萌芽生育、(3)畑地での
生育と貯蔵後の乾腐病発生に関する試験から、有効であ
ることが実証された。その結果について、簡単に述べ
る。
【0010】フザリウム菌の殺菌効果については、里芋
が乾燥している状態では遠赤外線照射は殺菌効果はな
く、吸水させることで殺菌できた。また里芋の生育につ
いては、遠赤外線照射により表皮温度を60〜70℃と
して処理した里芋が良好に成育した。また収穫した里芋
の貯蔵後の乾腐病については、遠赤外線照射による表皮
温度70℃として処理した種芋から収穫したものが、低
いり病率となった。
【0011】また本発明の里芋の乾腐病の防除装置にお
いて、コンベアーのメッシュベルトは、下側の遠赤外線
ヒーターがメッシュベルト上の里芋をよく照射できるよ
うにするため用いた。昇降装置は、遠赤外線により処理
する里芋の大きさが種々異なることを考慮して設けた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体例を、実施し
た里芋の乾腐病の防除試験、すなわち(1)遠赤外線照
射と殺菌効果、(2)遠赤外線照射と里芋の萌芽生育、
(3)処理方法と畑地での生育と貯蔵後の乾腐病発生状
況、(4)遠赤外線殺菌装置の開発の4項に関して説明
する。
【0013】(1)遠赤外線照射と殺菌効果 (1)−a.試験1(フザリウム殺菌効果) 供試試料として、里芋の乾腐病り病部を2〜3mm角に
細断した切片(サンプル)を用いた。この複数のサンプ
ルをガーゼに包んで、滅菌水(30ml)中に浸漬して
9cmの滅菌シャーレ(ガラス製の皿)に入れ、このシ
ャーレを遠赤外線照射装置の中に入れて、上下両側から
遠赤外線を照射した。遠赤外線照射によるサンプルの加
熱は、 試験温度(シャレー内温度):55,60,65,7
0,75℃、 試験温度保持時間:1,2,3,4,5分、 で実施した。そして各サンプルは加熱後に常温の滅菌水
にて冷却した。
【0014】殺菌効果の確認方法は、上記温度(5条
件)でそれぞれ上記保持時間(5条件)の25条件で遠
赤外線を照射したサンプルを、1条件当り25片として
駒田の選択培地で24日間培養(25℃,16時間日
長)し、菌糸発育状況で判定した。
【0015】その結果は表1に示すように、温度55
℃、60℃で保持時間5分、および、65℃で3分、7
0℃で2分、75℃で1分以上の遠赤外線照射したもの
では、菌糸の発育は認められなかった。このことからフ
ザリウム菌の殺菌には55℃以上の温度が必要であるこ
とが分かる。
【0016】
【表1】
【0017】(1)−b.試験2(芋の乾燥、吸水の違い
による殺菌効果) 供試試料1として、里芋の孫芋で60〜80g程度のも
のを24時間水に浸漬して吸水させたものを用い、また
供試試料2として、里芋の孫芋で40〜60g程度のも
のを、収穫後親芋より分離し貯蔵して乾燥したものを用
いた。吸水した試料1および乾燥した試料2をそれぞれ
頂芽を上にして遠赤外線照射装置内に置き、試料表面温
度が70℃程度になるようにヒーター温度を設定して上
下から遠赤外線を照射した。
【0018】殺菌効果の確認方法は、遠赤外線の照射後
に、各試料1,2から上下横それぞれの位置の表皮組織
を20サンプルづつランダムに摘出し、それらサンプル
をシャーレに入れて駒田の選択培地で培養し、その培養
による菌糸発育の状況から判定した。
【0019】その結果は、表2に示すようとおりであ
る。吸水させた試料1から採取したサンプルについて
は、下の位置から採ったサンプルで0.8/20、横の
位置から採ったサンプルで3.8/20と、僅かに菌糸
の発育が認められたが、高い殺菌効果があった。一方、
乾燥させた試料2から採取したサンプルについては、下
の位置から採ったサンプルで11.9/20が、横の位
置から採ったサンプルで19.7/20が菌糸の発育あ
りと認められ、多数のサンプルに菌糸の発育がみられ
た。また吸水させた試料1および乾燥させた試料2で遠
赤外線照射を行わない無処理のサンプルについても、上
記同様に培養し、菌糸発育を調べた。この結果、無処理
の試料1,2共に、表2に示すように、大部分に菌糸の
発育がみられた。
【0020】以上の結果から、フザリウム菌の殺菌には
水に浸漬し、充分吸水させることが必要であることが分
かる。
【0021】
【表2】
【0022】(2)遠赤外線照射と里芋の萌芽生育 (2)−a.試験1(遠赤外線照射による里芋の表面温度
と萌芽) 供試試料として里芋の孫芋で40〜60gのほぼ球形の
ものを用い、孫芋に充分に水を吸収させ、遠赤外線照射
により里芋の表面温度を60,70,80℃(3条件)
で3分間維持して、処理温度の異なる3種類のサンプル
を作成した。遠赤外線で処理した各種サンプルを40個
(1処理40個反復なし)づつ、水稲用育苗器に入れ、
28℃に維持して催芽させた。
【0023】萌芽生育状況は、催芽11日および18日
後それぞれの芽伸長、芽の数、発根程度(指数の平均
値)および腐敗程度(指数の平均値)から判断した。そ
の結果、表3に示すように、催芽後の生育は処理温度を
高くするほど遅れる。催芽開始18日後の定植可能率
は、60℃,70℃で処理したサンプルは約90%であ
ったが、80℃では生育が遅れたほか腐敗の発生もみら
れ、催芽開始18日後の定植可能率は25%となった。
なお遠赤外線で処理しない無処理のサンプルは92%が
定植可能であった。以上のように、照射温度は催芽の点
から60〜70℃が適当であることがわかる。
【0024】
【表3】
【0025】(2)−b.試験2(処理方法と里芋の萌芽
生育) 供試試料として親芋を50gに分割し、12時間水に浸
漬して水を吸収させたもの用いた。分割試料の30個
(1処理30個、反復なし)を、遠赤外線照射により試
料表面の最高温度を60℃に3分間維持する処理を行っ
てサンプルを作成し、また別の分割試料の30個を、5
9±0.5℃の温湯中に5分間浸漬してサンプルを作成
した。遠赤外線により処理したサンプルと温湯浸漬によ
り処理したサンプルの2種類をそれぞれ30個づつ、水
稲用育苗器に入れ、28℃に維持して催芽させた。
【0026】萌芽生育状況は、催芽後の芽伸長、発根程
度および腐敗程度から判断した。その結果、表4に示す
ように、ほぼ同じ処理温度であっても、遠赤外線照射に
より処理したサンプルの方が、温湯浸漬によるものより
も、萌芽および生育は良好で、特に発根程度は0.8と
0.2というように大きな差があった。そして遠赤外線
により処理したものは、無処理のものに近い伸長がみら
れた。
【0027】
【表4】
【0028】(3)処理方法と畑地での生育と貯蔵後の
乾腐病発生 (3)−a.試験1(遠赤外線照射と畑地での生育) 供試試料として、品種「大和早生」の孫芋(40〜55
g)を12時間水に浸漬し吸水させたものを用いた。試
料に遠赤外線を照射して、表面温度を60,65,70
℃(3条件)に3分間維持して、処理温度が異なる3種
類のサンプルを作成した。各種サンプルは、遠赤外線照
射後に、サラシ粉300倍液に15分間浸漬し、水洗い
し、ベンレートT(水)20倍液に1分間浸漬して消毒
した。なお70℃で処理したサンプルの一部を無消毒と
した。
【0029】上記のように遠赤外線照射で処理しかつ消
毒したサンプル3種類と、遠赤外線照射で処理し無消毒
のサンプル1種類と、さらに遠赤外線照射による処理の
ない無処理サンプルで消毒したもの、消毒しないものの
計6種類のサンプルを水稲育苗器に入れ、28℃に維持
して催芽させた。
【0030】催芽させた各種のサンプルは、畑地で栽培
した。その栽培条件は次に示すとおりである。 試験区 :遠赤外線照射区「60,65,70℃」、無
処理区 試験規模:1区5株3反復 定植 :定植深さ12cm、透明マルチ(ビニルカバ
ー)、除草剤(ロロックス水溶液)使用 植栽様式:畦幅100cm、株間40cm、栽植密度を
250株/アール、 施肥 :N−P25−K20=2.5−1.8−2.5kg
/アール 土寄せ :なし。
【0031】遠赤外線処理から畑地での生育の日程は、
遠赤外線処理:平成5年4月22日、催芽:平成5年4
月22日、定植:平成5年5月11日、収穫:平成5年
10月27日であった。
【0032】生育状況は、定植後の葉柄長、子頭(派生
する芽の数)の発生数で判断した。その結果は、表5、
6に示す。遠赤外線で処理したサンプルについては催芽
後の生育、発根は前項(2)試験1(遠赤外線照射によ
る里芋の表面温度と萌芽、表3参照)と同様で、処理温
度が高くなるほど生育は遅れた。また、試験畑での生育
は、遠赤外線で処理したサンプルを植えた試験区では、
無処理のサンプルを植えた試験区より旺盛であり、特に
遠赤外線照射区「70℃」での8月上旬の葉柄長は無処
理区より15cm以上長かった。なお、温湯浸漬につい
ては試料が異なるため比較できなかった。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】収量については、表7、8に示すように、
遠赤外線で処理したサンプルを植えた遠赤外線照射区で
は、無処理のサンプルを植えた無処理区でより、生産量
の増加が認められた。一株当たりの総生産量(親芋、子
芋、孫芋およびひ孫芋の総量)は、遠赤外線による処理
温度が高くなるほど顕著で、特に遠赤外線照射区「70
℃」では無処理区対比145%の増収となった。なお増
収効果の確認には追試が必要と思われる。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】(3)−b.試験2(貯蔵後の乾腐病発生状
況) 供試試料は、前項(3)の試験1により収穫した里芋
で、遠赤外線照射区「60,65,70℃」および無処
理区のもの、温湯浸漬区の里芋で、春に温湯処理(5
9℃、5分間処理)した後に試験畑で栽培したもの、
新潟園芸試験場の試験畑で栽培した里芋に慣行防除(サ
ラシ粉300倍液に15分間浸漬後水洗いし、ベンレー
トT(水)20倍液に1分間浸漬)したものを用いた。
【0039】試験区 :遠赤外線照射区「60,65,
70℃」、無処理区、慣行防除区、 温湯
浸漬区 試験規模:1区5株2反復、 試験方法は、各試料を収穫後、株ごと良く乾燥させ、親
芋から子芋、孫芋を分離して球根乾燥コンテナに入れ、
最低温度3℃の貯蔵庫で貯蔵した。実際、最低温度3℃
に保つように加温したが、結果的にそれより10℃高い
温度を記録したことがある。試験期間は平成5年11月
30〜平成6年3月8日である。
【0040】この試験の結果は、表9に示すように、遠
赤外線照射区「70℃」の試料が温湯処理された試料並
のり病率となった。遠赤外線照射区「60,65℃」の
試料は、無処理のものと比べれば、り病率の低下が顕著
であるものの、温湯浸漬のものと比べるとり病率の点で
劣っており、今ひとつ効果が判然としなかった。以上こ
とから乾腐病防除については種芋を吸水させ、表面温度
70℃、3分間遠赤外線を照射する方法が温湯浸漬と同
等の効果がある。
【0041】
【表9】
【0042】(4)遠赤外線殺菌装置の開発 本発明者らは、里芋の乾腐病の病原菌(フザリウム菌)
が60℃以上の温度で死滅すること、食物などの高分子
化合物は遠赤外線に対する吸収波長域が2.5〜25μ
mにあることに着目し、遠赤外線ヒーターにより連続的
に里芋を加温することにより乾腐病を防除できる装置と
して遠赤外線殺菌装置を開発した。
【0043】この遠赤外線殺菌装置は、概して吸水させ
里芋に遠赤外線を照射する遠赤外線加熱部と、照射され
ている里芋を搬送する搬送部、里芋の加温温度を設定す
るための温度制御部と、から構成されている。
【0044】図1を用いてさらに具体的に説明する。搬
送部は里芋1を載置して搬送するメッシュベルト2を備
えたモーター駆動のコンベアーからなり、遠赤外線加熱
部は里芋1を加温するためにメッシュベルト2の上方に
設けた電気の遠赤外線ヒーター3とメッシュベルト2の
下方に設けた遠赤外線ヒーター4とからなる。また各遠
赤外線ヒーター3,4はそれぞれコンベアーの移動方向
に並べられた5個のヒーター要素3a,4aからなる。
下側のヒーター要素4aは、ガラスヒーターを採用し、
里芋から落ちる水滴に対して防水処理が施されている。
上側の遠赤外線ヒーター3は加熱する里芋の大きさにし
たがって上下に移動するように昇降装置5によって支持
されている。昇降装置5はコンベアー上面から遠赤外線
ヒーター3までの距離を50〜150mmに可変とする
ように構成されている。そして上側の遠赤外線ヒーター
3および昇降装置5は上カバー7により、下側の遠赤外
線ヒーター4はカバー8により囲われている。
【0045】温度調節部である制御装置6は、処理時期
の外気温の影響を考慮し、加熱部の入り口、中央および
出口における里芋1の温度を60〜75℃の範囲に保つ
ために、各ヒーター要素3a,4aを独立して調節する
機能を持っている。なお、上記装置の仕様は、必要な条
件を満たす限り、各遠赤外線ヒーター要素3a,4aの
個数、処理量に応じたコンベアスピード、昇降装置5を
調節してメッシュベルト2から上側の遠赤外線ヒーター
までの距離を変えても差し支えない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
里芋の乾腐病の防除方法を、里芋を水に所定時間浸漬し
吸水させた後、遠赤外線照射により里芋の表面温度6
0〜70℃で1〜5分処理するものとしたので、本方法
により処理した種芋の生育が慣行防除(農薬処理)およ
び処理しない種芋のそれと同等またはそれ以上になるこ
とが期待できる。また貯蔵中の乾腐病発生は、高温側処
理で従来の温湯浸漬方法と同等の殺菌効果が期待でき
る。
【0047】また、本発明によれば、本発明の里芋の乾
腐病の防除装置を、里芋を搬送するメッシュベルトを備
えたコンベアーと、メッシュベルトの上下両側に設置し
た遠赤外線照射用ヒーターと、ヒーター出力およびコン
ベアー速度を、里芋の表面温度60〜70℃で1〜5分
保持するように制御する制御装置とから構成したので、
装置の立上りが速く、また処理時には里芋をメッシュベ
ルト上に供給するだけで簡便に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の里芋の乾腐病の防除装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 里芋 2 メッシュベルト 3,4 遠赤外線ヒーター 3a,4a ヒーター要素 5 昇降装置 6 制御装置 8,9 カバー
フロントページの続き (72)発明者 木村 秀皓 山形県寒河江市中央工業団地1番地 テ ーピ工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 金吾 山形県寒河江市中央工業団地1番地 テ ーピ工業株式会社内 (72)発明者 本田 雄三 新潟県五泉市南本町2丁目2番3号 東 北電力株式会社 五泉営業所内 (72)発明者 遠山 八元 新潟県新潟市上大川前通五番町84番地 東北電力株式会社 新潟支店内 (72)発明者 白岩 三男 新潟県新潟市上大川前通五番町84番地 東北電力株式会社 新潟支店内 (56)参考文献 特開 昭64−79579(JP,A) 実開 平6−72307(JP,U) 実開 昭63−55885(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01C 1/00 A23B 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 里芋を水に所定時間浸漬して吸水させた
    後、この里芋を遠赤外線により連続照射して、その表面
    温度60〜70℃で1〜5分保持する里芋の乾腐病の防
    除方法。
  2. 【請求項2】 里芋を載置して搬送するメッシュベルト
    を備えたコンベアーと、メッシュベルトの上下両側に設
    置し里芋に遠赤外線を照射するヒーターと、このヒータ
    ーの出力およびコンベアーの速度を、里芋の表面温度6
    0〜70℃で1〜5分保持するようにあらかじめ求めた
    データを基に、制御する制御装置とから構成した里芋の
    乾腐病の防除装置。
  3. 【請求項3】 前記各ヒーターは前記コンベアーの移動
    方向に配列した複数個のヒーター要素からなることを特
    徴とする請求項記載の里芋の乾腐病の防除装置。
  4. 【請求項4】 前記上側のヒーターを昇降する昇降手段
    を設けたことを特徴とする請求項またはに記載の里
    芋の乾腐病の防除装置。
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