JP2981677B2 - ニューラルネットワーク学習方法 - Google Patents

ニューラルネットワーク学習方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ニューラルネットワークの学習方法、すな
わち、所定の目的に利用されるニューラルネットワーク
を作るときにニューラルネットワークに学習させる方法
に関し、特に画像を対象として、この画像に関する所定
の判定をするために使用されるニューラルネットワーク
の学習方法に関するものである。
さらに詳しくは、放射線画像データに基づいて、先読
み画像データに基づく本読みの画像読取条件の決定や画
像処理条件の決定を、ニューラルネットワークを用いて
行なう放射線画像処理装置に利用されるニューラルネッ
トワークの学習方法に関するものである。
(従来の技術) 記録された放射線画像を読み取って画像信号を得、こ
の画像信号に適切な画像処理を施した後、画像を再生記
録することは種々の分野で行なわれている。たとえば、
後の画像処理に適合するように設計されたガンマ値の低
いX線フィルムを用いてX線画像を記録し、このX線画
像が記録されたフィルムからX線画像を読み取って電気
信号に変換し、この電気信号(画像信号)に画像処理を
施したコピー写真等に可視像として再生することによ
り、コントラスト,シャープネス,粒状性等の画質性能
の良好な再生画像を得ることが行なわれている(特公昭
61−5193号公報参照)。
また本願出願人により、放射線(X線,α線,β線,
γ線,電子線,紫外線等)を照射するとこの放射線エネ
ルギーの一部が蓄積され、その後可視等の励起光を照射
すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄
積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写
体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体に記
録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光
で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光
を光電的に読み取って画像信号を得、この画像データに
基づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材
料、CRT等に可視像として出力させる放射線画像記録再
生システムがすでに提案されている(特開昭55−12429
号,同56−11395号,同55−163472号,同56−104645
号,同55−116340号等)。
このシステムは、従来の銀塩写真を用いる放射線写真
システムと比較して極めて広い放射線露出域にわたって
画像を記録しうるという実用的な利点を有している。即
ち、蓄積性蛍光体においては、放射線露光量に対して蓄
積後に励起によって輝尽発光する発光光の光量が極めて
広い範囲にわたって比例することが認められており、従
って種々の撮影条件により放射線露光量がかなり大幅に
変動しても、蓄積性蛍光体シートより放射される輝尽発
光光の光量を読取ゲインを適当な値に設定して光電変換
手段により読み取って電気信号に変換し、この電気信号
を用いて写真感光材料等の記録材料,CRT等の表示装置に
放射線画像を可視像として出力させることによって、放
射線露光量の変動に影響されない放射線画像を得ること
ができる。
上記システムにおいて、蓄積性蛍光体シートに照射さ
れた放射線の線量等に応じて最適な読取条件で読み取っ
て画像信号を得る前に予め低レベルの光ビームにより蓄
積性蛍光体シートを走査してこのシートに記録された放
射線画像の概略を読み取る先読みを行ない、この先読み
により得られ先読画像信号を分析し、その後上記シート
に高レベルの光ビームを照射して走査し、この放射線画
像に最適な読取条件て読み取って画像信号を得る本読み
を行なうように構成されたシステムもある。
ここで読取条件とは、読取りにおける輝尽発光光の光
量と読取装置の出力との関係に影響を与える各種の条件
を総称するものであり、例えば入出力の関係を定める読
取ゲイン,スケールファクタあるいは、読取りにおける
励起光のパワー等を意味するものである。
また光ビームの高レベル/低レベルとは、それぞれ、
上記シートの単位面積当りに照射される光ビームのエネ
ルギーの大/小、もしくは上記シートから発せられる輝
尽発光光のエネルギーが上記光ビームの波長に依存する
(波長感度分布を有する)場合は、上記シートの単位面
積当りに照射される光ビームのエネルギーを上記波長感
度で重みづけした後の重みづけエネルギーの大/小をい
い、光ビームのレベルを変える方法としては、異なる波
長の光ビームを用いる方法、レーザ光源等から発せられ
る光ビームの強度そのものを変える方法、光ビームの光
路上にNDフィルター等を挿入,除去することにより光ビ
ームの強度を変える方法、光ビームのビーム径を変えて
走査密度を変える方法、走査速度を変える方法等、公知
の種々の方法を用いることができる。
また、この先読みを行なうシステムか先読みを行なわ
ないシステムかによらず、得られた画像信号(先読画像
信号を含む)を分析し、画像信号に画像処理を施す際の
最適な画像処理条件を決定するようにしたシステムもあ
る。ここで画像処理条件とは、画像信号に基づく再生画
像の階調や感度等に影響を及ぼす処理を該画像信号に施
す際の各種の条件を総称するものである。この画像信号
に基づいて最適な画像処理条件を決定する方法は、蓄積
性蛍光体シートを用いるシステムに限られず、たとえば
従来のX線フィルム等の記録シートに記録された放射線
画像から画像信号を得るシステムにも適用されている。
上記画像信号(先読画像信号を含む)に基づいて読取
条件及び/又は画像処理条件(以下、読取条件等と呼
ぶ。)を求める演算は、あらかじめ多数の放射線画像を
統計的に処理した結果からそのアルゴリズムが定められ
ている(たとえば、特開昭60−185944号公報,特開昭61
−280163号公報参照)。
この従来採用されているアルゴリズムは、一般的には
画像信号のヒストグラムを求め、ヒストグラム上におけ
る画像信号の最大値、最小値、画像信号の出現頻度が最
大となる点の画像信号の値等の種々の特徴点を求め、こ
の特徴点に基づいては読取条件等を求めるものである。
ところが、近年、上記のようなアルゴリズムとは全く
異なるニューラルネットワークなる考え方が出現し、種
々の分野に適用されつつある。
このニューラルネットワークは、ある入力信号を与え
たときに出力された出力信号が正しい信号であるか誤っ
た信号であるかという情報(教師信号)を入力すること
により、ニューラルネットワーク内部の各ユニット間の
結合の重み(シナプス結合のウェイト)を修正するとい
う誤差逆伝幡学習(バックプロバゲーション)機能を備
えたものであり、繰り返し‘学習’させることにより、
新たな信号が入力されたときに正解を出力する確率を高
めることができるものである。(例えば、「D.E.Rumelh
art,G.E.Hinton and R.J.Williams:Learning represent
ations by back−propagating errors,Nature,323−9,5
33−356,1986a」,「麻生英樹:バックプロバゲーショ
ンComputrol No.24 53−60」,「合原一幸著 ニューラ
ルコンピュータ 東京電機大学出版局」参照)。
このニューラルネットワークを読取条件等の決定にも
適用することが可能であり、画像信号等をニューラルネ
ットワークに入力することにより読取条件等を出力させ
ることができる。
(発明が解決しようとする課題) ニューラルネットワークは、上記のように予め繰返し
‘学習’することにより次第に正しい判定をすることが
できるようになるが、その判定をするに当たっては、対
象とする被写体の画像がいかなる状態で入力されても正
しい判定をすることができるようになっていなければな
らない。
例えば、人体の肩を被写体としたX線画像を取扱うシ
ステムにおいては、撮影時に被写体の位置がずれて撮影
されることはよくあることで、このずれが生じている画
像等があっても正しい読取条件等を求めることができる
ニューラルネットワークが望まれる。
一方、ニューラルネットワークの判定精度は、学習の
回数が多ければ多いほど向上するし、またその学習のた
めのデータ数も多ければ多いほど学習の成果が上るの
で、多数のデータを用意することが望まれる。
しかし、何万個ものデータを揃えることは事実上困難
であるし、また何万個ものデータを用意するには記憶装
置の記憶容量も厖大なものが必要となるという問題があ
る。
そこで本発明は、上記のようなニューラルネットワー
クの学習における問題に鑑み、対象とする画像に位置ず
れが生じても正しい判定をすることができるニューラル
ネットワークを構築する際に、多数の画像データを記憶
しておく必要のないニューラルネットワークの学習方法
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明によるニューラルネットワーク学習方法は、放
射線画像データを入力し、先読み画像データに基づく本
読みの画像読取条件の決定や画像処理条件の決定を行な
うニューラルネットワークを構築するための学習方法に
おいて、学習時に、同一の画像データをその位置をずら
して多数回前記ニューラルネットワークに入力して学習
させることを特徴とするものである。
第1図は本発明の基本的構成を説明するためのブロッ
ク図である。
画像データ入力部からニューラルネットワークに画像
データが入力され、ニューラルネットワークでは入力さ
れた画像データに基づいて、先読み画像データに基づく
本読みの画像読取条件の決定や画像処理条件の決定のデ
ータ処理が行なわれる。ここで演算されて得られた画像
読取条件や画像処理条件の判定結果データが出力部に出
力され、予め従来の方法で得られたこれらの判定結果デ
ータに対応する正しいデータと比較され、両データ間の
誤差が教師信号としてニューラルネットワークに再び入
力され、誤差逆伝幡学習が行なわれる。
このようにして、ニューラルネットワークから出力さ
れた判定結果データが不適切である場合に、これを修正
し再学習させ、これにより判定精度をさらに向上させ
る。
本発明では、画像データとして同一の画像データが少
しづつその画面に対する位置を変えながら何回も用いら
れ、常に同じ判定結果を出力するように学習が繰り返さ
れる。
これにより、画像のずれに強いニューラルネットワー
クを構築することができる。また、同一の画像データを
使いながら、学習パターンを増すことができ、データを
増加したと同等の効果を上げることができる。
(実施例) 以下、図面により、本発明の方法を人体の肩部のX線
画像を取扱うX線撮影装置の一例に適用した実施例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
なお、ここでは、前述した蓄積性蛍光体シートを用い
た放射線画像情報記録読取装置における、本読みの際の
読取条件を求める方法にニューラルネットワークを利用
した実施例について説明する。
第3図は、X線撮影装置の一例の概略図である。
このX線撮影装置1のX線源2からX線3が人体4の
肩部4aに向けて照射され、人体4を透過したX線3aが蓄
積性蛍光体シート11に照射されることにより、人体の肩
部4aの透過X線画像が蓄積性蛍光体シート11に蓄積記録
される。
第2A図,第2B図は、蓄積性蛍光体シート上に蓄積記録
された肩部X線画像の一例を模式的に表わした図であ
る。
第2A図,第2B図はたがいに少しずれた右肩のX線画像
を表わし、それぞれ人体の陰影が記録された被写体部5
のほか、被写体に照射されないX線が直接蓄積性蛍光体
シート11に照射された直接X線部6が形成されている。
第4図は、X線画像読取装置の一例、および本発明の
一例を内包したコンピュータシステムの一例を示した斜
視図である。このシステムは前述した蓄積性蛍光体シー
トを用い、先読みを行なうシステムである。
X線画像が記録された蓄積性蛍光体シート11は、まず
弱い光ビームで走査してこの蓄積性蛍光体シート11に蓄
積された放射線エネルギーの一部のみを放出させて先読
みを行なう先読手段100の所定位置にセットされる。こ
の所定位置にセットされた蓄積性蛍光体シート11は、モ
ータ12により駆動されるエンドレスベルト等のシート搬
送手段13により、矢印Y方向に搬送(副走査)される。
一方、レーザー光源14から発せられた弱い光ビーム15は
モータ23により駆動され矢印方向に高速回転する回転多
面鏡16によって反射偏向され、fθレンズ等の集束レン
ズ17を透過した後、ミラー18により光路を変えて前記蓄
積性蛍光体シート11に入射し副走査の方向(矢印Y方
向)と略垂直な矢印X方向に主走査する。蓄積性蛍光体
シート11の、このビーム15が照射された箇所からは、蓄
積記録されている放射線画像情報に応じた光両の輝尽発
光光19が発散され、この輝尽発光光19は光ガイド20によ
って導かれ、フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)21
によって光電的に検出される。上記光ガイド20はアクリ
ル板等の導光性材料を成形して作られたものであり、直
線状をなす入射端面20aが蓄積性蛍光体シート11上の主
走査線に沿って延びるように配され、円環状に形成され
た射出端面20bに上記フォトマルチプライヤ21の受光面
が結合されている。上記入射端面20aから光ガイド20内
に入射した輝尽発光光19は、該光ガイド20の内部を全反
射を繰り返して進み、射出端面20bから射出してフォト
マルチプライヤ21に受光され、放射線画像を表わす輝尽
発光光19の光量がフォトマルチプライヤ21によって電気
信号に変換される。
フォトマルチフライヤ21から出力されたアナログ出力
信号Sは対数増幅器26で対数的に増幅され、A/D変換器2
7でディジタル化され、先読画像信号Spが得られる。こ
の先読画像信号Spの信号レベルは、シート11の各画素か
ら発せられた輝尽発光光の光量の対数と比例している。
上記先読みにおいては、蓄積性蛍光体シート11に蓄積
された放射線エネルギーの広い領域にわたって読み取る
ことができるように、読取条件即ちフォトマルチプライ
ヤ21に印加する電圧値や対数増幅器26の増幅率等が定め
られている。
得られた先読画像信号Spは、コンピュータシステム40
に入力される。このコンピュータシステム40は、本発明
の一例を内包するものであり、CPUおよび内部メモリが
内蔵された本体部41,補助メモリとしてのフロッピィデ
ィスクが挿入されドライブされるドライブ部42,オペレ
ータがこのコンピュータシステム40に必要な指示等を入
力するためのキーボード43および必要な情報を表示する
ためのCRTディスプレイ44から構成されている。
このコンピュータシステム40内では、本読みの際の読
取条件、即ち感度およびコントラストが求められ、この
感度,ラチュードに従ってたとえばフォトマルチプライ
ヤ21′に印加する電圧値や対数増幅器26′の増幅率等が
制御される。
ここでコントラストとは、本読みの際に画像信号に変
換される最も微弱な輝尽発光光に対する最も強大な輝尽
発光光の光量比に対応するものであり、感度とは所定の
光量の輝尽発光光をどのレベルの画像信号とするかを定
める光電変換率をいう。
先読みの終了した蓄積性蛍光体シート11′は、本読手
段100′の所定位置にセットされ、上記先読みに使用し
た光ビームより強い光ビーム15′によりシート11′が走
査され、先読画像信号Spに基づいて求められた読取条件
により画像信号が得られるが、本読手段100′の構成は
上記先読手段100の構成と略同一であるため、先読手段1
00の各構成要素と対応する構成要素には先読手段100で
用いた番号にダッシュを付して示し、説明は省略する。
A/D変換器27′でディジタル化されることにより得ら
れた画像信号SQは、再度コンピュータシステム40に入力
される。コンピュータシステム40内では画像信号SQに適
切な画像処置が施され、この画像処理の施された画像信
号は図示しない再生装置に送られ、再生装置においてこ
の画像信号に基づくX線画像が再生表示される。
コンピュータシステム40内で先読画像信号Spに基づい
て本読みの際の読取条件を求める際には、コンピュータ
システム40内のニューラルネットワークが、既に位置が
ずれた画像から同じ読取条件を出力するように学習して
いるので、例えば第2A図,第2B図に示すように位置がず
れた肩部のX線画像が与えられても、両画像に対して同
じ読取条件を出力する。
次に、ニューラルネットワークの学習のメカニズムに
ついて詳細に説明する。
第5図は誤差逆伝播学習(バックプロパゲーション)
機能を備えたニューラルネットワークの一例を表わした
図である。誤差逆伝播学習(バックプロパゲーション)
とは、前述したように、ニューラルネットワークの出力
を正解(教師信号)と比べることにより、出力側から入
力側に向かって順次結合の重み(シナプス結合のウェイ
ト)を修正するという“学習”アルゴリズムをいう。
図に示すように、このニューラルネットワークの第1
層(入力層),第2層(中間層),第3層(出力層)は
それぞれn1個,n2個,2個のユニットから構成される。第
1層(入力層)に入力される各信号F1,F2,……,Fn1はX
線画像(右肩の場合は反転された画像をいう)の各画素
に対応する先読画像信号Spであり、第3層(出力値)か
らの2つの出力▲y3 1▼,▲y3 2▼は本読みの際のそれ
ぞれ感度およびコントラストに対応した信号である。第
k層のi番目のユニットを▲uk i▼、該ユニット▲uk i
▼への各入力を▲xk i▼、各出力を▲yk i▼、▲uk i
から▲uk+1 j▼への結合の重みを▲Wk k+1 i j▼と
し、各ユニット▲uk j▼は同一の特性関数 を有するものとする。このとき、各ユニット▲uk j▼の
入力▲xk j▼、出力▲yk j▼は、 となる。ただし入力層を構成する各ユニット▲u1 i
(i=1,2,…,n1)への各入力F1,F2,…,Fn1は重みづけ
されずにそのまま各ユニット▲u1 i▼(i=1,2,…,
n1)に入力される。入力されたn1個の信号F1,F2,…,Fn1
は、各結合の重み▲Wkk+1 ij▼によって重み付けられな
がら最終的な出力▲y3 1▼,▲y3 2▼にまで伝達され、
これにより本読みの際の読取条件(感度とコントラス
ト)が求められる。
ここで、上記各結合の重み▲Wkk+1 ij▼の決定方法に
ついて説明する。先ず乱数により各結合の重み▲Wkk+1
ij▼の初期値が与えられる。このとき、入力F1〜Fn1
最大に変動しても、出力▲y3 1▼,▲y3 2▼が所定範囲
内の値またはこれに近い値となるように、その乱数の範
囲を制限しておくことが好ましい。
最適な読取条件が既知の、多数の位置のずれた肩のX
線画像が記録された蓄積性蛍光体シートを前述したよう
にして読み取って先読画像信号Spを得、さらに左肩のX
線画像の場合は得られた先読画像信号Spが反転され、こ
れにより上記n1個の入力F1,F2,…,Fn1が求められる。こ
のn1個の入力F1,F2,…,Fn1が第3図に示すニューラルネ
ットワークに入力され、各ユニット▲uk i▼の出力▲y
k i▼がモニタされる。
各出力▲yk i▼が求められると、最終的な出力である
▲y3 1▼,▲y3 2▼と、この画像に関し正しい読取条件
としての教師信号(感度 およびコントラスト との二乗誤差 が求められる。これらの二乗誤差E1,E2がそれぞれ最小
となるように、以下のようにして各結合の重み▲Wkk+1
ij▼が修正される。尚、以下▲y3 1▼の出力に関して述
べ、▲y3 2▼については▲y3 1▼と同様であるため、こ
こでは省略する。
二乗誤差E1を最小にするには、このE1は▲Wkk+1 ij
の関数であるから のように各結合の重み▲Wkk+1 ij▼が修正される。ここ
でηは学習係数と呼ばれる係数である。
ここで、 であり、(4)式より であるから、(9)式は、 となる。
ここで、(6)式より、 (5)式を用いてこの(11)式を変形すると、 ここで、(3)式より、 f′(x)=f(x)(1−f(x)) ……(13) であるから、 となる。
(10)式にいてk=2と置き、(12),(14)式を
(10)式に代入すると、 この(15)式を(8)式に代入して、 となる。この(16)式に従って、▲W2 3 i 1▼(i=
1,2,…,n1)の各結合の重みが修正される。
次に、 であるから、この(17)式に(4),(5)式を代入し
て、 ここで(13)式より、 であるから、この(19)式と、(12),(14)式を(1
8)式に代入して、 (10)式においてk=1と置き、(20)式を(10)式に
代入すると、 この(21)式を(8)式に代入すると、k=1と置い
て、 となり、(16)式で修正された▲W2 3 i 1▼(i=1,
2,…,n1)がこの(22)式に代入され、▲W1 2 i j
(i=1,2,…,n1;j=1,2,…,n2)が修正される。
尚、理論的には(16)式,(22)式を用い、学習係数
ηを十分小さくとって学習回数を十分に多くすることに
より、各結合の重み▲Wk k+1 i j▼を所定の値に集束
させ得るが、学習係数ηをあまり小さくすることは学習
の進みを遅くするため現実的ではない。一方学習係数η
を大きくとると学習が振動してしまう(上記結合の重み
が所定の値に収束しない)ことがある。そこで実際に
は、結合の重みの修正量に次式のような慣性項を加えて
振動を抑え、学習係数ηはある程度大きな値に設定され
る。(例えば、D.E.Rumelhart,G.E.Hinton and R.J.Wil
liams:Learning internal representations by error p
ropagation In Parallel Distributed Processing,Volu
me 1,J.L.McClell and,D.E. Rumelhart and The PDP Re
search Group,MIT Press,1986b」参照) ただし▲Wk k+1 i j▼(t)は、t回目の学習にお
ける、修正後の結合重み▲Wk k+1 i j▼から修正前の
該結合の重み▲WK K+1 i j▼を引いた修正量を表わ
す。また、αは、慣性項と呼ばれる係数である。
慣性項α、学習係数ηとしてたとえばα=0.9 η=
0.25を用いて各結合の重み▲Wk k+1 i j▼の修正(学
習)をたとえば20万回行ない、その後は、各結合の重み
▲Wk k+1 i j▼は最終の値に固定される。この学習の
終了時には、2つの出力▲y3 1▼,▲y3 2▼は本読みの
際のそれぞれ感度、コントラストを正しく表わす信号と
なる。
そこで学習が終了した後は、今度は本読みの際の読取
条件がX線画像を表わす先読画像信号Spが求められ、こ
れが第5図に示すニューラルネットワークに入力され、
それにより得られた出力▲y3 1▼,▲y3 2▼がそのX線
画像に対する本読みの読取条件(感度とコントラスト)
を表わす信号となる。この信号は、上記のようにして学
習を行なった後のものであるため、本読みの際の読取条
件を精度良く表わしている。
尚、上記ニューラルネットワークは3層構造のものに
限られるものではなく、さらに多層にしてもよいことは
もちろんである。また各層のユニットの数も、入力され
る先読画像信号Spの画素の数、必要とする読取条件の精
度等に応じた任意の数のユニットで各層を構成し得るこ
とももちろんである。
上記のようにしてニューラルネットワークにより求め
られた読取条件に従って本読手段100′のフォトマルチ
プライヤ21′に印加する電圧や増幅器26′の増幅率等が
制御され、この制御された条件に従って本読みが行なわ
れる。
このようにして読取条件を求めることができるように
なったニューラルネットワークは、前記X線画像読取装
置に実装され、上述のように読取条件を決定する機能を
有する。
また、上記実施例では、先読手段100と本読手段100′
とが別々に構成されているが、前述したように先読手段
100と本読手段100′の構成は略同一であるため、先読手
段100と本読手段100′とを一体にして兼用してもよい。
この場合、先読みを行なった後、蓄積性蛍光体シート11
を一回バックさせ、再度走査して本読みを行なうように
すればよい。
先読手段と本読手段とを兼用した場合、先読みの場合
と本読みの場合とで光ビームの強度を切替える必要があ
るが、この切替えの方法としては、前述したように、レ
ーザー光源からの光強度そのものを切替える方法等、種
々の方法を使用することができる。
また、上記実施例では、コンピュータシステム40で本
読みの際の読取条件を求める装置について説明したが、
本読みの際は、先読画像信号Spにかかわらず所定の読取
条件で読取ることとし、コンピュータシステム40では、
先読画像信号Spに基づいて、画像信号SQに画像処理を施
す際の画像処理条件を求めるようにしてもよく、また、
コンピュータシステム40で上記読取条件と画像処理条件
の双方を求めるようにしてもよい。
さらに、上記実施例は、先読みを行なう放射線画像読
取装置について説明したが、本発明は先読みを行なわ
ず、最初から上記読みに相当する読取りを行なう放射線
画像読取装置にも適用することができる。この場合、読
取りの際は所定の読取条件で読み取られて画像信号が得
られ、この画像信号に基づいて、コンピュータシステム
40内で画像処理条件が求められ、この求められた画像処
理条件に従って画像信号に画像処理が施される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を説明するためのブロック
図、 第2A図,第2B図は、それぞれ位置のずれた肩のX線画像
を表わした図、 第3図は、X線撮影装置の一例の概略図、 第4図は、X線画像読取装置の一例、および本発明の一
例を内包したコンピュータシステムの一例を示した斜視
図、 第5図は、ニューラルネットワークの一例を表わした図
である。 1……X線撮影装置、2……X線源 11,11′……蓄積性蛍光体シート 19,19′……輝尽発光光 21,21′……フォトマルチプライヤ 26,26′対数増幅器 27,27′……A/D変換器 40……コンピュータシステム 100……先読手段、100′……本読手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線画像データを入力し、その画像デー
    タが先読み画像データであるときの本読みの画像読取条
    件を出力するニューラルネットワークの学習方法におい
    て、 学習時に、同一の画像データをその位置をずらせて多数
    回前記ニューラルネットワークに入力して学習させるこ
    とを特徴とするニューラルネットワーク学習方法。
  2. 【請求項2】放射線画像データを入力し、その画像デー
    タに画像処理を施す場合の画像処理条件を出力するニュ
    ーラルネットワークの学習方法において、 学習時に、同一の画像データをその位置をずらせて多数
    回前記ニューラルネットワークに入力して学習させるこ
    とを特徴とするニューラルネットワーク学習方法。
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