JP2979341B2 - 溝壁の測定方法および計測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は無水掘りで掘削した溝の出来形を測定する溝
壁の測定技術に関する。

＜従来技術の説明＞ 泥水掘削の場合は超音波式の溝壁測定装置を使用して
測定できるが、無水掘りの場合は使用できない。

従来の無水掘りの溝壁測定装置としては、伸縮構造の
スケールを用いて測定する方法が知られている。

＜本発明が解決しようとする問題点＞ 前記した無水掘り用の溝壁測定技術の場合、測定限界
が装置の機構上、設計壁厚の1.2倍から1.4倍である。

そのため、大きな節理を生じ易い無水掘りにあっては
測定不能になる場合が多い。

このような現状から無水掘りに適した溝壁測定技術の
提案が望まれている。

＜本発明の目的＞ 本発明は以上の点に鑑みてなされたものでその目的と
するところは、測定限界値が大きく無水掘りの溝壁の測
定に適した、溝壁の測定技術を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ すなわち本発明は無水掘りにより削孔した溝壁の測定
方法において、可とう性を有する巻取式スケールを使用
し、スケールの先端が孔壁に接触するまで繰り出したと
きのスケールの繰り出し量を読み取り、設計壁厚と前記
スケールの読み取り量から余掘量を算出することを特徴
とする、溝壁の測定方法である。

さらに本発明は無水掘りにより削孔した溝内に昇降自
在に垂下し、溝外から溝幅を読み取る溝壁の計測装置に
おいて、可とう性を有する巻取式のスケールを備え、前
記スケールの先端に、孔壁との接触を感知してスケール
の繰り出しを停止するセンサを取り付け、前記センサが
孔壁に当接するまでスケールを繰り出し可能に構成した
ことを特徴とする、溝壁の計測装置である。

＜本発明の構成＞ 以下図面を参照しながら本発明につて説明する。

＜イ＞測定装置の全体構成 第１図に測定装置の構成概念図を示す。

符号10は無水掘りにより削孔した溝孔である。

符号20は、巻取式スケール22,23を備えた計測装置、
符号30は計測装置20を昇降自在に垂下し、深度測定機能
を有する巻上機、符号40は計測装置20から繰り出したス
ケール22,23の目盛りを読み取る鉛直儀等の読取機であ
る。

＜ロ＞計測装置 第２図に計測装置20の平面図を示す。

計測装置20は本体21と、本体21内に出入り自在に収容
した二組の第１および第２スケール22、23とからなる。

第１および第２スケール22、23は平行な直線に沿って
出入りする方向のみが異なるだけで、基本構成が同じで
あるから第１スケール22の構成について説明し、第２ス
ケール23については同一の符号を付して説明を省略す
る。

本体21には円弧形の巻取ガイド24を有し、巻取ガイド
24の終端部の直線部が本体21の外方へ向け形成されてい
る。

この巻取カイド24の全長により第１スケール22の収容
長が決まるから、長尺の第１スケール22を収容する場合
は巻取カイド24を螺旋形に形成してもよい。

この巻取カイド24には、可とう性部材に連続して読取
尺を表示して構成する第１スケール22が収容されてい
る。

第１スケール22の先端には孔壁の接触を検知するリミ
ットスイッチ25を有し、尾端には巻取カイド24に係合し
て第１スケール22を出入りさせる駆動部26が取り付けて
ある。

駆動部26はリミットスイッチ25と連動しており、孔壁
との接触信号を受けて駆動を停止するように構成してあ
る。

また、本体21の真上には第１図に示すように両スケー
ル22、23の読取尺28、28を照らす照明灯50が取り付けて
ある。

第３図に第１スケール22の一例を示す。

第１スケール22は多数の箱体間にピン27を連結した多
関節構造体からなり、その上面にはリミットスイッチ25
からの距離を示す読取尺28が表示してある。

この第１スケール22は巻取方向のみの回転を許容し、
巻取方向と反対の方向に曲げたとき隣接する箱体の側板
が接触して一直線を示し、また、上下方向の運動はピン
27により拘束されている。

さらに第２図に示すように、本体21から突出したスケ
ール22、23は巻取方向に曲がる心配があるため、各スケ
ール22、23の先端部と本体21との間に緊張索29、29を配
索して直線性を確保する。

＜作用＞ つぎに測定方法について説明する。

＜イ＞測定準備（第１図） 無水掘りした溝孔10の地上側に巻上機30と読取機40を
セツトし、巻上機30からのびるワイヤ31を介して計測装
置20を水平に垂下する。

尚、第１図中Ａは設計溝厚である。

＜ロ＞計測装置の移動 つぎに計測装置20を作動させ、巻上機30のワイヤ31を
繰り出して測定装置20を溝孔10内に吊り降す。

例えば、50センチないし１メートル降下する毎にリミ
ットスイッチ25、25が凹凸のある孔壁に接触するまで第
１および第２スケール22、23を繰り出す。

地上の読取機40が各スケール22、23の繰り出し量を計
測し、つぎの計算式に基ずき相対向する各孔壁の余掘量
を求める。

すなわち、第４図に示すように読取機40からのびる垂
線Ｌから設計壁厚Ａまでの各距離をａ、ｂとし、垂線Ｌ
から孔壁までの各距離をｃ、ｄとした場合、図面右側の
余堀量Ｂと、図面左側の余堀量Ｃは次式により求められ
る。

Ｂ＝ｃ−ａ Ｃ＝ｄ−ｂ 尚、ａ、ｂは読取機40の設置位置により求められる。

上記のようにして溝孔10を一定間隔で計測する。

そして全降下後、詳細な測定を必要とする箇所のみ巻
き上げ時に、再度計測する。

＜その他の実施例＞ 前記実施例はスケールを横向きに収納する場合につい
て説明したが、縦向きに収容してもよい。

＜発明の効果＞ 本発明は以上説明したようになるからつぎの効果を得
ることができる。

＜イ＞ スケールを巻き取って格納しているから、スケ
ールの繰り出し量を大きく確保できる。

そのため、大きな節理が発生し易い無水掘りの測定に
好適である。

＜ロ＞ 溝孔の下部が有水掘りの場合にも、巻上機に取
り付けた計測装置を超音波測定機等に取り替えること
で、無水掘りから有水掘りまで連続した測定が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明の測定原理を示す溝孔の横断面図 第２図：計測装置の平面図 第３図：第１スケールの組立図 第４図：余掘量を算出するための各距離を示す概念図

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−62662（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−180812（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−130656（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−22505（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭40−26064（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01C 7/06,15/00 G01B 5/00 - 5/30 G01B 3/10 E21B 47/08

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無水掘りにより削孔した溝壁の測定方法に
   おいて、 可とう性を有する巻取式スケールを使用し、 スケールの先端が孔壁に接触するまで繰り出したときの
   スケールの繰り出し量を読み取り、 設計壁厚と前記スケールの読み取り量から余掘量を算出
   することを特徴とする、 溝壁の測定方法。
2. 【請求項２】無水掘りにより削孔した溝内に昇降自在に
   垂下し、溝外から溝幅を読み取る溝壁の計測装置におい
   て、 可とう性を有する巻取式のスケールを備え、 前記スケールの先端に、孔壁との接触を感知してスケー
   ルの繰り出しを停止するセンサを取り付け、 前記センサが孔壁に当接するまでスケールを繰り出し可
   能に構成したことを特徴とする、 溝壁の計測装置。