JP2974859B2 - 石炭急速熱分解反応時間制御方法 - Google Patents

石炭急速熱分解反応時間制御方法

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭を気相中で加熱し
熱分解生成物を得る熱分解反応器の反応時間制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】石炭急速熱分解方法に関して、本発明者
らが先に発明した特願平4−122897号では、石炭
を急速熱分解して得られたチャーの一部を酸素でガス化
し、その高温ガス中に微粉炭を吹き込むことによって石
炭の熱分解を行う方法を提示した。
【0003】しかしながら、吹き上げ式の気流層反応器
におけるチャー(石炭)粒子の滞留時間制御に関して
は、高温のガスと石炭粒子を混合する熱分解反応器に関
する従来技術は存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特願平4−12289
7号の発明では、反応器内部での粒子の滞留時間制御に
関しては触れられていない。粒子滞留時間の制御は、反
応生成物の制御、操業トラブルの回避といった視点から
重要である。
【0005】石炭粒子は反応器内で熱分解反応によりチ
ャー(固体)とガスおよびタール蒸気(気体)になる。
固体のチャー粒子は反応器下部にある程度の時間滞留し
た後に反応器内の気流に乗り反応器外に排出される。石
炭の熱分解に必要な時間は数秒で十分であり、チャー粒
子の長時間の反応器内滞留は反応器内での粒子の付着・
凝集等の操業トラブルの原因となる。しかしながら、従
来の反応器では石炭の反応器内での滞留時間を変化させ
ることができないので、石炭粒子等の凝集、付着という
問題点があった。
【0006】本発明は石炭急速熱分解反応器の操業トラ
ブルの原因となるチャー粒子及び石炭粒子の付着、凝集
等を防止する、熱分解反応器内でのチャー粒子(及び石
炭粒子)の滞留時間を制御する方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決しようとするための手段】本発明はかかる
課題を解決するため、熱分解反応器下部のテーパ角度を
変えることによりテーパ部分に滞留する粒子の量が変化
するという効果を利用し、粒子の滞留時間を制御する
か、あるいは反応器下部のガス入口径を変化させること
により、高温ガスの速度が変化し高温ガス入口回りの粒
子の流れが変わるという効果を利用し、粒子の滞留時間
を制御するものである。
【0008】即ち、本発明の要旨とするところは、
(1) 反応器下部のガス入口から導入される高温ガス
と石炭を気相中で混合して石炭の加熱を行い熱分解生成
物を得る熱分解反応器において、反応器内温度が700
〜1000℃の範囲の時に、該反応器内温度の上昇によ
り、反応器下部のテーパ角度を45〜85度の範囲で増
加させ、及び/又は反応器下部のガス入口径dと反応器
内径Dとの比d/Dを0.05〜0.8の範囲で増加さ
せることを特徴とする石炭急速熱分解反応時間制御方
法、(2) 前記(1)に記載の熱分解反応器におい
て、熱分解の熱源となる高温ガス温度が700〜185
0℃の範囲の時に、該高温ガス温度の上昇により、反応
器下部のテーパ角度を45〜85度の範囲で増加させ、
及び/又は反応器下部のガス入口径dと反応器内径Dと
の比d/Dを0.05〜0.8の範囲で増加させること
を特徴とする石炭急速熱分解反応時間制御方法、および
(3) 前記(1)に記載の熱分解反応器において、該
熱分解反応器に供給される石炭供給量が0.1〜20
[kg/Nm3 −高温ガス]の範囲の時に、該石炭供給
量の減少により、反応器下部のテーパ角度を45〜85
度の範囲で増加させ、及び/又は反応器下部のガス入口
径dと反応器内径Dとの比d/Dを0.05〜0.8の
範囲で増加させることを特徴とする石炭急速熱分解反応
時間制御方法にある。
【0009】ここで熱分解生成物とは、メタン、CO、
水素等の成分を含むガス、炭素、水素を主成分とする液
状のタール、固体残渣であるチャーを指す。また高温ガ
スの入口径とは熱分解反応器下部のテーパ部下のガス入
口径を指す。また、反応器下部のテーパ角度とは、図2
に示す角度と定義する。
【0010】
【作用】本発明者らは反応器内でのチャー粒子および石
炭粒子の滞留量と反応器形状との関係を調べた結果、炉
内での粒子量は反応器下部のテーパ角度および高温ガス
吹き込み口の径に関係しており、反応器内のチャー粒子
及び石炭粒子量を最小にする反応器形状が存在すること
がわかった。熱分解反応器内での粒子の動きは導入され
た粒子がしばらく反応器下部に滞在した後に反応器外へ
出ていく。粒子の滞留時間は粒子の供給量と反応器内滞
在量、石炭の反応率より(粒子滞留時間)=(反応器内
滞在量)/(単位時間当たりの粒子供給量×石炭の反応
率)で求められる。反応器内滞在量は熱分解反応器内の
ガス・粒子を採取するという方法により求める。また、
石炭の反応率は生成されたチャー中の灰分量を調べるこ
とにより求める。
【0011】設備の操業条件(熱分解反応温度、熱分解
の熱源となる高温ガス温度、石炭供給量)を決定した際
にその条件に合った高温ガス入口径に変えるか、又は反
応器下部のテーパ角度と高温ガス入口径の両方を変える
ことによって、粒子滞留時間を最小にすることができ、
反応器内の粒子によるトラブルを最小限にすることが可
能である。
【0012】即ち、図3(a)に示すように、d/D=
一定の時、同一の反応器内温度では粒子滞留時間は、あ
るテーパ角度A1 の時に極小値t1 を持ち、反応器内温
度の上昇により、より大きなテーパ角度A2 の時に極小
値t2 を持つ。また図3(b)に示すように、テーパ角
度一定の時、同一の反応器内温度では粒子滞留時間は、
あるd/D(=B1 )の時に極小値t1 ´を持ち、反応
器内温度の上昇により大きなd/D(=B2 )の時に極
小値t2 ´を持つ。
【0013】図3(a)において、反応温度=一定、d
/D=一定の場合、テーパ角度が大きくなった場合には
テーパ部分と高温ガスの流れの間の乱れが大きくなって
粒子が溜まり、テーパ角度が小さくなった場合には高温
ガス入口部分に落ち込む粒子濃度が増えるために、ある
角度で粒子滞留時間は極小値を持つ。また図3(b)に
おいて、反応時間=一定、テーパ角度=一定の場合、d
/Dが増加した場合には高温ガスの速度が小さくなり粒
子を持ち上げる力が弱まるために粒子の滞留時間は増加
し、d/Dが減少した場合は高温ガス入口での流速が大
きくなるために高温ガスの流れとテーパ部との間の流れ
の乱れが大きくなって粒子がその部分に止まるため粒子
の滞留時間が増加し、結果的にあるd/Dで粒子滞留時
間は極小値をもつ。
【0014】また反応器内温度の上昇により多量の高温
ガスが必要になるため、高温ガス入口での流速が増加す
ることで、高温ガス入口まわりの流れが乱れる。その乱
れを少なくするためにテーパ角度を増加させる、または
d/Dを増加して高温ガス流速を減少させる必要があ
る。
【0015】反応器下部のテーパ角度あるいはd/Dが
熱分解反応温度に従い最適値を満たしさえすればテーパ
角度の調整方法は、テーパ部の交換等の方法があるが、
その方法はどのようなものでも良い。
【0016】図1に本発明方法による石炭急速熱分解反
応器の例を示す。石炭1は微粉砕された後、熱分解反応
器5の直管部の下部から熱分解反応器5内部に熱分解生
成ガス、窒素などの気流搬送で導入される。そして、熱
分解反応器5の下に設けられたチャーのガス化炉6から
のCO、H2 を含む700℃以上1850℃以下の高温
ガスと熱分解反応器5の下部で混合されて700〜10
00℃の温度範囲で熱分解反応を起こす。700℃未満
のガス温度では石炭の急速熱分解反応はあまり進まず反
応率が低下するためこれ以上の温度が必要である。一
方、ガス温度が1850℃を越えると熱分解反応器下部
の壁面の耐火物が損傷するという問題が生じる。反応器
内温度が700℃未満では熱分解反応が十分に進行せ
ず、未反応石炭が増加する。また、1000℃超で熱分
解を行なうと生成したタール蒸気や炭化水素系のガスが
さらに熱分解を起こし、すすになってしまうという問題
を生じる。熱分解生成物3であるチャー(固体)および
ガス・タール蒸気は熱分解反応器5の上部から排出され
る。熱分解反応部5の下部にはテーパ部があり、固体粒
子(チャー)はそのテーパ部で滞留した後、ガスの流れ
に乗って反応器外へ排出される。
【0017】反応器内温度が変わった時、このテーパ部
の角度又はチャーガス化ガス入口径を変えると粒子の滞
留時間は最小値に制御することができる。即ち、反応器
内温度の上昇により、反応器下部のテーパ角度を45〜
85度の範囲で上昇させると高温ガス流れのまわりの流
れの乱れを防ぐという効果により、粒子滞留時間はテー
パ角度変更前に比べ減少する。また、チャーガス化ガス
入口径をd/D=0.05〜0.8の範囲で増加させる
と、高温ガスの流速が減少しテーパ部分での流れの乱れ
が小さくなることから同様に粒子滞留時間はd/D変更
前に比べ減少する。テーパ角度45度未満では反応器の
直管部との間で石炭粒子、チャー粒子が付着し、操業ト
ラブルの原因となり、85度超では高温ガス入口からの
ガス速度が変化しないためガス化炉内にチャー粒子、石
炭粒子が落ち込んでしまう。また、d/Dが0.05未
満では高温ガス入口からのガス流速の変化が大きく、そ
の周りで粒子のよどみができるため粒子の沈着が発生
し、d/Dが0.8より大きな場合には粒子がガス化炉
の方に落ち込んでしまう。
【0018】また、反応器内温度上昇の代わりに、熱分
解の熱源となる高温ガス温度が700〜1850℃の範
囲で上昇した場合、あるいは石炭供給量が熱源となる高
温ガスの体積当り重量で1〜20[kg/Nm3 −高温
ガス]の範囲で減少した場合、同様にテーパ角度を増加
させるか、及び/又はd/Dを増加させることにより、
粒子滞留時間を最小に制御することが可能である。石炭
供給量が0.1[kg/Nm3 −高温ガス]未満では石
炭から発生した熱分解相互の二次反応が進行せず生成物
の成分が変化するという問題が生じ、20[kg/Nm
3 −高温ガス]超では反応器内での粒子濃度が大きくな
り粒子間相互の影響で反応器内での粒子付着量が増加す
るという問題を生じるため、石炭供給量を1〜20[k
g/Nm3 −高温ガス]に限定する。
【0019】熱分解反応器の下部より導入される高温ガ
スについては得られるガスの熱量を落とさないために酸
素の含有量はできるだけ少ない方が好ましく、チャーの
ガス化ガスに限らず、石炭のガス化ガスでも良い。ここ
で使用される石炭は亜瀝青炭のように揮発分を多く含ん
だ石炭が好ましいが、どのような石炭についても使用は
可能である。石炭を気流搬送する際のガスについては、
どのようなものでもよいが酸素の含有がなく、生成ガス
の熱量を落とさないという意味で生成ガスの一部を使っ
た搬送が好ましい。
【0020】
【実施例】石炭処理量1t/dの石炭熱分解装置を用い
た場合の実施例を以下に示す。
【0021】実施例1 熱分解反応器内温度を700℃、900℃とした場合の
等しいd/Dでのテーパ角度と粒子滞留時間の関係を図
4に示す。従来方法では反応器内温度700℃と900
℃で同一のテーパ角度75°で操業を行っており、70
0℃で粒子の滞留時間を最小にするテーパ角度では90
0℃の場合には最適のテーパ角度とはなっていないた
め、900℃では滞留時間が16秒になった。それに対
し、本発明方法では700℃で操業する場合と900℃
で操業する場合とでテーパ角度をそれぞれ75°と79
°に変えることにより、900℃での粒子の滞留時間を
12秒にすることが可能になった。
【0022】実施例2 熱分解反応器内温度を700℃、900℃とした場合の
等しいテーパ角度でのd/Dと粒子滞留時間の関係を図
5に示す。従来方法では反応器内温度700℃と900
℃で同一のd/D(=0.35)で操業を行っており、
700℃で粒子の滞留時間を最小にするd/Dでは90
0℃の場合には最適のd/Dとはなっていないため、9
00℃では滞留時間が14秒になった。それに対し、本
発明方法では700℃で操業する場合と900℃で操業
する場合とでd/Dをそれぞれ0.35と0.45に変
えることにより、粒子の滞留時間を10秒にすることが
可能になった。
【0023】実施例3 熱分解反応器内温度を700℃、900℃とした場合の
d/Dと粒子滞留時間の関係を図6に示す。この場合、
反応温度の上昇によりテーパ角度を75度から77度へ
増加させ、d/Dを0.35から0.4へ増加させたこ
とで900℃で最も短い粒子滞留時間12秒での操業が
可能になった。このようにテーパ角度とd/Dの両方を
同時に変えた場合にも最適な条件での操業が可能となっ
た。
【0024】実施例4 熱分解反応器に導入される高温ガス温度を900℃、1
500℃とした場合の等しいd/Dでのテーパ角度と粒
子滞留時間の関係を図7に示す。従来方法では高温ガス
温度900℃と1500℃で同一のテーパ角度75°で
操業を行っており、高温ガス温度900℃で粒子の滞留
時間を最小にするテーパ角度では高温ガス1500℃の
場合には最適のテーパ角度とはなっていないため、15
00℃のガス温度の場合、滞留時間が16秒になった。
それに対し、本発明方法では高温ガス温度900℃で操
業する場合と高温ガス1500℃で操業する場合とでテ
ーパ角度をそれぞれ75°と79°に変えることによ
り、1500℃での粒子の滞留時間を10秒にすること
が可能になった。
【0025】実施例5 熱分解反応器内温度を高温ガス温度を900℃、150
0℃とした場合の等しいテーパ角度でのd/Dと粒子滞
留時間の関係を図8に示す。従来方法では反応器内温度
900℃と1500℃で同一のd/D(=0.35)で
操業を行っており、高温ガス温度900℃で粒子の滞留
時間を最小にするd/Dでは1500℃の場合には最適
のd/Dとはなっていないため、1500℃のガス温度
の場合、滞留時間が14秒になった。それに対し、本発
明方法では高温ガス温度900℃で操業する場合と15
00℃で操業する場合とでd/Dをそれぞれ0.35と
0.45に変えることにより、1500℃での粒子の滞
留時間を11秒にすることが可能になった。
【0026】実施例6 熱分解反応器に導入される高温ガス温度を900℃、1
500℃とした場合の反応器内径Dとチャーのガス化ガ
ス入口径dの比d/Dと粒子滞留時間の関係を図9に示
す。高温ガス温度の上昇によりテーパ角度を75度から
77度へ増加させ、d/Dを0.35から0.42へ増
加させたことで1500℃で最も短い粒子滞留時間11
秒での操業が可能になった。このようにテーパ角度とd
/Dの両方を同時に変えた場合にも最適な条件での操業
が可能となった。
【0027】実施例7 熱分解反応器に導入される石炭供給量を1.3[kg/
Nm3 −高温ガス]、18[kg/Nm3 −高温ガス]
とした場合の等しいd/Dでのテーパ角度と粒子滞留時
間の関係を図10に示す。従来方法では石炭供給量1.
3[kg/Nm3 −高温ガス]と18[kg/Nm3
高温ガス]で同一のテーパ角度79°で操業を行ってお
り、1.3[kg/Nm3 −高温ガス]で粒子の滞留時
間を最小にするテーパ角度では18[kg/Nm3 −高
温ガス]の場合には最適のテーパ角度とはなっていない
ため、18[kg/Nm3 −高温ガス]の場合、滞留時
間が25秒になった。それに対し、本発明方法では1.
3[kg/Nm3 −高温ガス]で操業する場合と18
[kg/Nm3 −高温ガス]で操業する場合とでテーパ
角度をそれぞれ79°と75°に変えることにより、1
8[kg/Nm3 −高温ガス]の粒子の滞留時間を21
秒にすることが可能になった。
【0028】実施例8 熱分解反応器内温度を石炭供給量を1.3[kg/Nm
3 −高温ガス]、18[kg/Nm3 −高温ガス]とし
た場合の等しいテーパ角度でのd/Dと粒子滞留時間の
関係を図11に示す。従来方法では石炭供給量1.3
[kg/Nm3 −高温ガス]と18[kg/Nm3 −高
温ガス]で同一のd/D(=0.45)で操業を行って
おり、1.3[kg/Nm3 −高温ガス]で粒子の滞留
時間を最小にするd/Dでは18[kg/Nm3 −高温
ガス]の場合には最適のd/Dとはなっていないため、
18[kg/Nm3 −高温ガス]の場合、滞留時間が2
3秒になった。それに対し、本発明方法では1.3[k
g/Nm3 −高温ガス]で操業する場合と18[kg/
Nm3 −高温ガス]で操業する場合とでd/Dをそれぞ
れ0.45と0.35に変えることにより、18[kg
/Nm3 −高温ガス]での粒子の滞留時間を20秒にす
ることが可能になった。
【0029】実施例9 熱分解反応器に導入される石炭供給量を1.3[kg/
Nm3 −高温ガス]、18[kg/Nm3 −高温ガス]
とした場合の反応器内径Dとチャーのガス化ガス入口径
dの比d/Dと粒子滞留時間の関係を図12に示す。石
炭供給量の減少によりテーパ角度を75度から77度へ
増加させ、d/Dを0.35から0.40へ増加させた
ことで1.3[kg/Nm3 −高温ガス]で最も短い粒
子滞留時間12秒での操業が可能になった。このように
テーパ角度とd/Dの両方を同時に変えた場合にも最適
な条件での操業が可能となった。
【0030】
【発明の効果】本発明の反応器内での粒子滞留時間制御
方法によって、粒子の滞留時間を最小とする方法が確立
され、反応器の安定操業が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明での石炭急速熱分解装置を示す。
【図2】は、熱分解反応器下部のテーパ角度を示す。
【図3】(a)、(b)は、熱分解温度と、d/Dおよ
びテーパ角度との関係を示す。
【図4】は、各熱分解温度における熱分解反応器内径D
と高温ガス入口径dの比d/Dを変えない場合のテーパ
角度と熱分解反応器内での粒子の滞留時間との関係を示
す。
【図5】は、各熱分解温度におけるテーパ角度を変えな
い場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比d
/Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図6】は、各熱分解温度におけるテーパ角度を変えた
場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比d/
Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示す。
【図7】は、各高温ガス温度における熱分解反応器内径
Dと高温ガス入口径dの比d/Dを変えない場合のテー
パ角度と熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図8】は、各高温ガス温度におけるテーパ角度を変え
ない場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比
d/Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図9】は、各高温ガス温度におけるテーパ角度を変え
た場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比d
/Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図10】は、各石炭供給量における熱分解反応器内径
Dと高温ガス入口径dの比d/Dを変えない場合のテー
パ角度と熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図11】は、各石炭供給量におけるテーパ角度を変え
ない場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比
d/Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【図12】は、各石炭供給量におけるテーパ角度を変え
た場合の熱分解反応器内径Dと高温ガス入口径dの比d
/Dと熱分解反応器内での粒子滞留時間との関係を示
す。
【符号の説明】
1…石炭、 2…チャー、酸素ガス 3…熱分解生成物、 4…スラグ、5…熱分解反
応器、 6…チャーガス化炉、7…高温ガス、T
1 、T2 …反応器内温度(T1 <T2 )、t1 、t2
粒子滞留時間の極小値、A1 、A2 …テーパ角度、
1 、B2 …d/D。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 1/00 C10G 1/02 C10J 3/46 C10J 3/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器下部のガス入口から導入される高
    温ガスと石炭を気相中で混合して石炭の加熱を行い熱分
    解生成物を得る熱分解反応器において、反応器内温度が
    700〜1000℃の範囲の時に該反応器内温度の上昇
    により、反応器下部のテーパ角度を45〜85度の範囲
    で増加させ、及び/又は反応器下部のガス入口径dと反
    応器内径Dとの比d/Dを0.05〜0.8の範囲で増
    加させることを特徴とする石炭急速熱分解反応時間制御
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱分解反応器におい
    て、熱分解の熱源となる高温ガス温度が700〜185
    0℃の範囲の時に、該高温ガス温度の上昇により、反応
    器下部のテーパ角度を45〜85度の範囲で増加させ、
    及び/又は反応器下部のガス入口径dと反応器内径Dと
    の比d/Dを0.05〜0.8の範囲で増加させること
    を特徴とする石炭急速熱分解反応時間制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の熱分解反応器におい
    て、該熱分解反応器に供給される石炭供給量が0.1〜
    20[kg/Nm3 −高温ガス]の範囲の時に、該石炭
    供給量の減少により、反応器下部のテーパ角度を45〜
    85度の範囲で増加させ、及び/又は反応器下部のガス
    入口径dと反応器内径Dとの比d/Dを0.05〜0.
    8の範囲で増加させることを特徴とする石炭急速熱分解
    反応時間制御方法。
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