JP2974816B2 - 頭髪化粧料 - Google Patents

頭髪化粧料

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JP2974816B2
JP2974816B2 JP3115004A JP11500491A JP2974816B2 JP 2974816 B2 JP2974816 B2 JP 2974816B2 JP 3115004 A JP3115004 A JP 3115004A JP 11500491 A JP11500491 A JP 11500491A JP 2974816 B2 JP2974816 B2 JP 2974816B2
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正紀 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、頭髪化粧料に関し、さ
らに詳しくは頭髪の黄ばみを抑制し、頭髪の自然な色、
艶を維持させることに優れた頭髪化粧料を提供しようと
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、頭髪特に薄い色の頭髪、とりわけ
白髪が光、熱、空気による酸化等により、黄ばみを生じ
ることに対し、頭髪を美しくみせるために、ポマード、
ヘアリキッド等の艶出し機能を持った頭髪化粧料を使用
することによって、自然な頭髪と劣化した頭髪との外観
上の差を少なくすること、あるいはヘアコンディショナ
ー、ヘアスタイリングフォーム等に青色系タール色素を
配合し、黄ばみを目立たなくさせるということが行われ
ている。
【0003】ところで、セレンはかつて生物にとって有
害な作用をもつと考えられていたが、現在では多くの生
物種にとって生命維持に必須な微量元素であることが明
らかにされている。
【0004】セレンが生体内で果たす役割やメカニズム
について解明された部分は多くはないが、セレン化合物
であるセレノシステインが、生体内脂質の過酸化を防止
するある種の酵素例えば、グルタチオンパーオキシダー
ゼ、スーパーオキシドディスムターゼなどの酵素の活性
発現に関与していることなどが知られている(J. W.For
stromら,Biochemistry, 17巻、2639頁、1978年等)。
【0005】このような研究成果をもとに、皮膚の状態
の改善・保護を目的としてグルタチオンパーオキシダー
ゼを皮膚化粧料に配合すること(例えば特開昭64−4
7709号)、皮膚の老化の抑制を目的としてセレン含
有藻類を化粧料に配合すること(特開昭63−3137
08号)が行われている。
【0006】また、有機セレン化合物を配合することに
よりふけ防止効果が付与された頭髪化粧料が知られてい
る(特開昭61−233608)。
【0007】一方、フラボノイドは、高等植物に普遍的
に含まれる一群の化合物の総称であり、これらは一般的
にはベンゾ−γピロン構造をもち、配糖体としても、ま
た糖を結合していないアグリコンとしても存在する(高
濱 有明夫,蛋白質 核酸酵素,33[16],299
4(1988).等参照)。
【0008】このフラボノイドを化粧料に配合し、着臭
防止効果(特開昭54−32638)、毛細血管の抵抗
力向上効果(特開昭60−156618)、皮膚の保
湿、美肌効果(特開昭62−103004)を付与した
化粧料が知られている。
【0009】また、フラボノイドが毛髪の成長を妨げる
過酸化脂質の生成を抑制することが知られている(特開
平3−5423)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】頭髪の黄ばみに対し、
前述したポマードや色素を配合した頭髪化粧料等による
対応策は、一時的に頭髪の黄ばみを目立たなくさせるだ
けで、根本的な解決策ではない。したがって、頭髪の黄
ばみ自体を抑制する頭髪化粧料の開発が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、セレン化合物を
頭髪化粧料に配合することにより、頭髪の黄ばみを抑制
できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、セレン化合物を含有
する頭髪の黄ばみ抑制用頭髪化粧料であり、好ましい態
様としては、セレン化合物の配合量が0.0001〜
1.0重量%であることを特徴とする頭髪の黄ばみ抑制
用頭髪化粧料である。さらにはセレン化合物に加え、フ
ラボノイドを頭髪化粧料の全量に対して0.0001〜
1.0重量%併用することを特徴とする頭髪の黄ばみ抑
制用頭髪化粧料である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。 1.本発明に使用するセレン化合物 本発明に使用するセレン化合物は、有機セレン化合物、
無機セレン化合物のいずれも使用することができる。
【0014】有機セレン化合物としては、セレノメチオ
ニン、セレノシステイン、セレノシスチン等のセレノア
ミノ酸、またはその塩、例えば、塩酸塩あるいはアルカ
リ金属塩を挙げることができる。
【0015】無機セレン化合物としては、亜セレン酸ナ
トリウム、亜セレン酸カリウムなどのアルカリ金属亜セ
レン酸塩、また、セレン酸ナトリウム、セレン酸カリウ
ムなどのセレン酸塩を挙げることができる。
【0016】本発明の頭髪化粧料では、上述したセレン
化合物を、それぞれ単独であるいは2種以上の混合物と
して、頭髪化粧料の基剤全体に対して0.0001〜
1.0重量%の範囲で配合するのが好ましい。より好ま
しくは0.001〜0.5重量%の範囲、更に好ましく
は0.1重量%付近で配合される。
【0017】配合量は、0.0001重量%より少ない
と頭髪の黄ばみを抑制する効果が弱く、また配合量があ
る程度を越えると、それ以上配合しても黄ばみ抑制効果
の向上は望めず、却ってセレン化合物が沈澱し分散性が
悪くなることから、上記範囲が採用される。
【0018】2.本発明に使用するフラボノイド フラボノイドには過酸化脂質の生成を抑制する作用があ
り、セレン化合物と併用することにより、頭髪の黄ばみ
抑制効果を一層発揮することができる。
【0019】本発明には、一般に知られているフラボノ
イドをそのまま、あるいは加工して使用することができ
る。
【0020】例えばフラボンに分類されるアピゲニン、
ルテオリン、バイカリンなど、またフラボノールに分類
されるケンフェロール、クエルセチン、ミリセチンや配
糖体のクエルシトリンやルチンなど、あるいはフラバノ
ンに分類されるナリンゲニン、ヘスペレチンや配糖体の
ヘスペリジンなどを挙げることができる(三橋 博ら
編、天然物化学、203頁(株式会社南江堂)など参
照)。
【0021】これらのフラボノイドを、前述したセレン
化合物と共に頭髪化粧料に配合することにより、セレン
化合物を単独で配合した場合に比べ、頭髪の黄ばみ抑制
効果を相乗的に高めることができる。
【0022】フラボノイドの配合量としては、好ましく
は頭髪化粧料全体に対して0.0001〜1.0重量%
であり、より好ましくは0.001〜0.1重量%であ
る。
【0023】0.0001重量%より少ないと頭髪の黄
ばみを抑制する効果が弱く、また、配合量がある程度を
越えると、それ以上配合しても黄ばみ抑制効果の向上は
ほとんど望めず、むしろフラボノイドの沈澱がおこり好
ましくない。
【0024】3.セレン化合物を配合した頭髪化粧料 本発明の頭髪化粧料に用いるセレン化合物以外の成分と
しては、必要に応じて一般に頭髪化粧料に配合される原
料をそのまま使用することができる。
【0025】例えば、保湿剤、増粘剤、油分、界面活性
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粉体、着色料、各種有
効成分、香料などを配合することができる。
【0026】又、本発明の頭髪化粧料の剤型については
とくに制約はなく、溶液系、可溶化系、乳化系などの剤
型を適宜使用し得る。
【0027】
【実施例】次に、本発明を、頭髪化粧料として従来の成
分からなる比較例と、セレン化合物を配合し、あるいは
これにフラボノイドを併用した実施例とにより、さらに
詳細に説明する。尚、配合量は重量部である。
【0028】始めに、頭髪化粧料としてヘアコンディシ
ョナー(透明タイプのジェル)における実施例を説明す
る。
【0029】[実施例1〜5] (製法)表1、の成分にの成分を徐々に加え、攪拌
を行い均質に分散させた。これにの成分を加えて、中
和し、均質にした。
【0030】さらに、これに予め混合溶解させた、
の成分を加え、均質に混合することにより、比較例1、
実施例1〜5の計6種のヘアコンディショナーを得た。
【0031】すなわち、比較例1はセレン化合物を含ま
ず、実施例1、2、3、5はセレン化合物を、実施例4
はセレン化合物とフラボノイドの両方を含むヘアコンデ
ィショナーである。
【0032】
【表1】
【0033】(頭髪の黄ばみ抑制効果の試験)長期間に
わたって人間に使用した場合の実証評価に代替する方法
として、日本人の白髪を用いて、上記ヘアコンディショ
ナーの頭髪黄ばみ抑制効果の評価を行った。
【0034】10cm×50本の頭髪の毛束に本発明の
ヘアコンディショナー0.1gを塗布し、この毛束を生
活の中で毛髪の劣化の原因となる紫外線および熱で処理
し、毛髪の黄ばみを調べた。紫外線照射は200cal
/cm2の日光照射(晴天における10〜20日の照射
量に相当)により、熱処理は50℃の恒温ボックス内に
1ケ月放置することにより行った。
【0035】一製品につき5束ずつ試験を行った。 (結果)毛束に黄ばみを生じた程度を以下のように分類
し、結果を表2に示した。 ◎ 試験前と比較して頭髪の劣化(黄ばみ)に差が認め
られない。 ○ 試験前と比較してほとんど差が認められない。 △ 試験前と比較してやや劣化が認められる。 × 試験前と比較して明らかに劣化が認められる。
【0036】
【表2】
【0037】この結果から明らかなように、本発明品を
塗布した場合、頭髪の黄ばみはほとんど認められず、顕
著な黄ばみ抑制効果が認められた。
【0038】それに比べて、セレン化合物を含有してい
ない比較例では、5束とも頭髪の黄ばみが認められた。
また、セレン化合物の含量が0.0001%である実施
例1では、頭髪の黄ばみ抑制効果は認められたが、0.
001%以上含有する実施例3〜5に比べ、効果がやや
劣っていた。
【0039】一方、セレン化合物が高濃度に含まれてい
る実施例3では、黄ばみ抑制効果は認められたが、頭髪
化粧中にセレン化合物が少量析出していた。従って、
本発明の頭髪化粧料のセレン化合物の配合量は0.00
01〜1.0重量%が好ましい。
【0040】また、セレン化合物単独で配合しても十分
な黄ばみ抑制効果が得られるが、フラボノイドを併用す
ることによって、さらに優れた効果が得られることがわ
かった。
【0041】
【実施例6】次に、頭髪化粧料として整髪料における実
施例を説明する。 (製法)表3、の成分にの成分を徐々に加え、攪拌
を行い均質に分散させた。これにの成分を加えて中和
し均質にした。
【0042】さらに、予め混合融解させたを加えて均
質に混合し、製品を得た。このようにして得られた整髪
料を上述した評価法により調べたところ、同様の頭髪の
黄ばみ抑制効果を有していた。
【0043】
【表3】
【0044】
【実施例7】続いて、頭髪化粧料として水中油型ヘアコ
ンディショナーにおける実施例を説明する。 (製法)表4の成分を加熱混合し、均質に溶解させ
た。続いてこれに、予め混合分散させたの成分を加熱
し、加えた。
【0045】さらに、の成分を加え攪拌しながら均質
にし、これにを加え均質に攪拌、冷却し、製品を得
た。
【0046】このようにして得られたヘアコンディショ
ナーは、頭髪の黄ばみ抑制効果を有していた。
【0047】
【表4】
【0048】
【実施例8】頭髪化粧料としてヘアトニックにおける実
施例を説明する。 (製法)表5の成分を混合溶解し、予め混合しておい
たの成分を加え、攪拌しながら均質に溶解させた。
【0049】さらに、 の成分を加え、均質に溶解し、
製品を得た。このようにして得たヘアトニックは、頭髪
の黄ばみ抑制効果を有していた。
【0050】
【表5】
【0051】
【発明の効果】セレン化合物を頭髪化粧料に配合するこ
とによって、頭髪の黄ばみを抑制し、頭髪の自然な色、
艶を維持させることに優れた頭髪化粧料を提供すること
ができる。また、フラボノイドを併用することによって
さらに黄ばみ抑制効果を高めることができる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン化合物を配合してなる頭髪の黄ば
    み抑制用頭髪化粧料。
  2. 【請求項2】 前記セレン化合物が有機セレン化合物で
    あることを特徴とする請求項1記載の頭髪の黄ばみ抑制
    用頭髪化粧料。
  3. 【請求項3】 前記有機セレン化合物がセレノアミノ酸
    またはその塩であることを特徴とする請求項2記載の頭
    髪の黄ばみ抑制用頭髪化粧料。
  4. 【請求項4】 前記セレン化合物が無機セレン化合物で
    あることを特徴とする請求項1記載の頭髪の黄ばみ抑制
    用頭髪化粧料。
  5. 【請求項5】 前記無機セレン化合物がアルカリ金属亜
    セレン酸塩、セレン酸塩であることを特徴とする請求項
    4記載の頭髪の黄ばみ抑制用頭髪化粧料。
  6. 【請求項6】 前記セレン化合物の配合量が0.000
    1〜1.0重量%であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の頭髪の黄ばみ抑制用頭髪化粧
    料。
  7. 【請求項7】 フラボノイドを頭髪化粧料の全量に対し
    て0.0001〜1.0重量%の割合で、前記セレン化
    合物と共に含有することを特徴とする請求項1記載の頭
    髪の黄ばみ抑制用頭髪化粧料。
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