JP2974565B2 - 生物ろ床用接触材 - Google Patents

生物ろ床用接触材

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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は生物ろ床用接触材に関
し、さらに詳しくは、廃水の生物学的処理を行うための
生物固定槽内に配置され、外部から生物固定槽内に取り
込まれた廃水と接触して主に廃水の有機物の処理を行う
生物ろ床用接触材に関する。
【0002】
【従来の技術】産業排水、下水、し尿等の廃水処理また
は生活系廃水との合併処理には、嫌気性及び好気性生物
を使用した生物学的処理が実用化されている。これらの
処理では、外部から取り込まれた廃水を処理するため
に、一連の生物固定槽が使用される。
【0003】生物固定槽は仕切られた複数の室から構成
され、生物固定槽のそれぞれの室には、嫌気性菌または
好気性菌による廃水中の有機物の分解を行うためのろ床
が形成されている。ろ床には、嫌気性菌または好気性菌
を効率的に固定しこれらの菌と廃水との接触が良好に保
たれるよう形成された生物ろ床用接触材が充填されてい
る。生物ろ床用接触材は、菌(生物)が付着しやすい形
状、寸法、材質等を有する構成で多数個が、規則的にま
たは不規則的に配列されている。これらの接触材のある
ものは、ネット状、あるいは、ボール状等に形成され、
パネル等に整列して固定され1つのブロックを形成して
いる。
【0004】また、生物ろ床用接触材は、嫌気性菌が特
にろ床に付着しにくいこと、および、生物学的処理の立
ち上がりにおいて菌が付着し難いことから、比表面積す
なわち、空間占有体積あたりの表面積が比較的大きい接
触材が使用されている。さらに、生物ろ床用接触材の表
面は、親水性が付与されるよう様々な処理が施されてい
る。
【0005】親水性を付与する接触材表面の処理とし
て、原料となる樹脂(ベース樹脂)に炭酸カルシウム等
の無機充填材を混合すること、接触材に対しコロナ放電
処理を行うこと等、表面に微細な凹凸を形成する方法が
提案されている。また、接触材を生物固定槽で使用する
前に予め水に浸漬しておく方法等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、生物
ろ床用接触材の表面に親水性を付与する処理が、種々提
案されているが、炭酸カルシウム等の無機充填材をベー
ス樹脂に混合する場合、無機充填材が樹脂で覆われてし
まい、表面に対する十分な親水性の付与ができないとい
う問題がある。また、生物ろ床用接触材に対しコロナ放
電処理を行う場合、接触材が、ネット状、あるいは、ボ
ール状等の複雑な形状であれば、全表面にわたって均一
な処理が施せないことがあり、接触材の形状が限定され
る。
【0007】一方、生物ろ床用接触材を生物固定槽で使
用する前に予め水に浸漬しておくためには、浸漬のため
の大きなスペースが必要となる。また、浸漬および浸漬
後における準備とその回収作業に手間がかかる。
【0008】この発明の目的は、生物学的廃水処理にお
ける処理効率を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】この生物ろ床用
接触材は、廃水の生物学的処理を行うための生物固定槽
内に配置され、外部から生物固定槽内に取り込まれた廃
水と接触して主に廃水中の有機物の処理を行う接触材で
ある。接触材は熱可塑性樹脂に熱可塑性ノニオン型吸水
性樹脂を混合し成形されたものである。熱可塑性ノニオ
ン型吸水性樹脂の混合量は、樹脂中の5〜50重量%で
ある。
【0010】この発明における熱可塑性樹脂とは、接触
材のベース樹脂となるものであり、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、AS樹
脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リスルホン、セルロイド、酢酸繊維素プラスチック、飽
和ポリエステル等が挙げられる。
【0011】この発明における熱可塑性ノニオン型吸水
性樹脂とは、吸液性を有する非イオン性の熱可塑性樹脂
である。熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂は、吸水性樹脂
として広く使用されている熱可塑性をもたないアクリル
酸系吸水性樹脂とは異なり、前記した各種の熱可塑性樹
脂との相溶性に優れ、表面に親水基を有し、高分子鎖中
にエーテル結合を多数もった構造となっており、水に対
する親和性が非常に高い樹脂である。この樹脂は、ポリ
エチレンオキサイドを架橋し製造されたものが好まし
く、たとえば、商品名アクアコーク(住友精化株式会
社)で呼ばれるものが好ましい。アクアコークは、密度
1.23g/立方cmの白色粉末であり、ベース樹脂と
なる熱可塑性樹脂のペレットに混合して成形することが
できる。この場合、押出成形、射出成形、真空成形等の
成形方法が使用可能である。
【0012】また、前記熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂
を混合するベース樹脂となる熱可塑性樹脂としては、上
記した熱可塑性樹脂のすべてが選択可能であるが、好ま
しくは、塩化ビニール樹脂(PVC)、ポリプロピレン
(PP)およびポリエチレン(PE)特に、高密度ポリ
エチレン(HDPE)である。さらに好ましくは、ポリ
プロピレン(PP)である。
【0013】さらに、この発明にかかる生物ろ床用接触
材では、熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂の混合量が、樹
脂中の5〜50重量%である。この熱可塑性ノニオン型
吸水性樹脂の含有量が、樹脂中の5重量%未満では、充
分な親水性を付与することができない。一方、この樹脂
の混合量が樹脂中の50重量%を超えると、成形した接
触材が吸水により過度に膨潤し、機械的物性が著しく低
下する。このため、生物固定槽内に充填されたとき、そ
の形状が保持できなくなる。したがって、熱可塑性樹脂
に対する上記熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂の混合量を
上記のように最適化することにより、生物ろ床用接触材
に対する親水性の付与と、形状の保持を両立させること
ができる。
【0014】熱可塑性樹脂に対する上記熱可塑性ノニオ
ン型吸水性樹脂の混合量は、好ましくは20〜50重量
%、さらに好ましくは50重量%である。熱可塑性ノニ
オン型吸水性樹脂の混合量は、選択された上記ベース樹
脂となる熱可塑性樹脂によって適宜調整可能である。ま
た、ベース樹脂となる熱可塑性樹脂は、相溶性が許す範
囲内での異種類の混合が可能である。
【0015】廃水の生物学的処理を行うための生物固定
槽内に配置された、この発明にかかる生物ろ床用接触材
に、外部から取り込まれた廃水が接触する。このとき、
熱可塑性樹脂と熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂とを混合
して成形された接触材の表面は水に対する高い親和性を
有しているので、接触材の表面は親水基が捉えた水分子
により接触材表面が膨潤する。その結果、接触材の表面
の平滑性が失われ、接触材の表面積が大きくなる。この
ため、微生物の付着速度が向上し、特に、生物学的処理
の稼動初期段階における微生物の付着時間,付着量が改
善されると考えられる。
【0016】なお、接触材は、生物が付着しやすい形
状、寸法を有し、規則的にまたは不規則的に生物固定槽
内に配置されるものであれば、特に限定されるものはな
い。好ましい接触材の形状は、ネット状、ボール状、ネ
ットパイプ状が挙げられる。熱可塑性ノニオン型吸水性
樹脂は、ベース樹脂となる熱可塑性樹脂との相溶性に優
れているので、各種成形が容易である。したがって、生
物が付着しやすい上記した、ネット状、ボール状、ネッ
トパイプ状等の複雑な形状の接触材を容易に形成でき
る。
【0017】
【実施例】図1および図2は、この発明の一実施例によ
る生物ろ床用接触材を示す。図1の生物ろ床用接触材と
しての球形状接触材1は、ポリプロピレン(PP)をベ
ース樹脂とする成形品である。球形状接触材1は、縦横
の円周板および羽部分からなる交差する多数の仕切り板
3からなり、比表面積が比較的大きい嫌気性菌の付着面
を形成している(57平方メートル/立方メートル)。
また、汚泥の保持性を高め、目詰まりを防止するために
所定の空隙率を有している(空隙率95.5%)。この
接触材1は、通常、嫌気性生物固定槽の各室に不規則に
充填され廃水の水面下に保持される(充填率約60
%)。これにより、嫌気性菌の付着を容易にしたろ床を
構成している。
【0018】図2の生物ろ床用接触材としての管状ネッ
ト接触材2は、高密度ポリエチレン(HDPE)をベー
ス樹脂とする成形品であり、ネットを構成する単条4
(ストランド)の交差部が一体に融着して構成されてい
る。ネット2は、その単条の巾が約3〜8mmであり網
目の大きさが単条4の巾を除いて約15mm×15mm
〜50mm×50mmの範囲が好ましい。単条4の巾が
狭すぎると、嫌気性菌の付着量が低下し(好気性菌より
もさらに付着しがたい)、生物による廃水の浄化効果が
低くなる。
【0019】一方、網目の大きさがたとえば5mm×5
mmのように小さすぎると早期に汚泥閉塞を起こし、プ
ラントの維持が面倒である。このような観点から前記の
ような網目の大きさが好ましいのである。また、管状ネ
ット接触材2は、嫌気性生物固定槽の上流側の各室では
外径約110mm、内径100mmが、また、下流側の
各室では外径約75mm、内径65mm程度が、それぞ
れ使い易い。さらに、管状ネット接触材2の長さは、取
り付け枠体(図示せず)とともに嫌気性生物固定槽に垂
直(または水平)に設置した状態で槽内水面下約50c
m程度に没しかつ槽の底部との間に汚泥の貯留空間が形
成できる程度でよい。
【0020】上記の生物ろ床用接触材としての球形状接
触材1および管状ネット接触材2は、PPおよびHDP
E等の汎用熱可塑性樹脂をベース樹脂として、熱可塑性
ノニオン型吸水性樹脂を混合し成形した成形品である。
【0021】熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂としては、
たとえば、商品名アクアコーク(住友精化株式会社)で
呼ばれる樹脂が好ましい。アクアコークは、吸水性樹脂
として広く使用されている熱可塑性をもたないアクリル
酸系吸水性樹脂とは異なり、各種熱可塑性樹脂との相溶
性に優れ、表面に親水基を有することにより吸液性を有
する非イオン性の熱可塑性樹脂である。この樹脂は、熱
可塑性樹脂であるポリエチレンオキサイドを架橋し製造
されたものであり、この樹脂が混合され成形された各接
触材1、2の表面には、多数の親水基が付与されてい
る。アクアコークの原料は、密度1.23g/立方cm
の白色粉末であり、ベース樹脂となる熱可塑性樹脂ペレ
ットに混合して成形することができる。この場合、押出
成形、射出成形、真空成形等の成形方法が使用可能であ
る。接触材1、2を構成する樹脂におけるアクアコーク
の混合量は、5〜50重量%である。アクアコークの含
有量が、樹脂中の5重量%未満では、充分な親水性を付
与することができない。一方、アクアコークの混合量が
樹脂中の50重量%を超えると、成形した接触材が吸水
により過度に膨潤し、機械的物性が著しく低下する。こ
のため、生物固定槽内に充填されたとき、その形状が保
持できなくなる。したがって、熱可塑性樹脂に対するア
クアコークの混合量を上記のように最適化することによ
り、生物ろ床用接触材に対する親水性の付与と、形状の
保持を両立させることができる。
【0022】熱可塑性樹脂に対するアクアコークの混合
量は、20〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは
50重量%である。特に、PPをベース樹脂としてアク
アコークを樹脂中に50重量%の混合量で配する場合に
は、後述の実験例で示されるように、生物学的処理効率
が著しく向上する。アクアコークの混合量は、ベース樹
脂となる熱可塑性樹脂の種類によって適宜調整可能であ
るが、HDPE、PVCではともにアクアコークを樹脂
中に50重量%の混合量で配する場合に、高い生物学的
処理効率が得られる。また、PEとPP、ABSとポリ
スチレン樹脂の混合等、ベース樹脂となる熱可塑性樹脂
は、アクアコークとの相溶性および熱可塑性樹脂間の相
溶性が許す範囲内で、異種類の混合により生物学的処理
効率の向上、親水性の付与および形状の保持性をさらに
高めうることが考えられる。
【0023】〔実験例1〕前記実施例における接触材
1,2を試料としてぬれ試薬による各試料のぬれ性につ
いて試験をおこなった。 (試験方法)ぬれ性試験は、JIS−K6768にもと
ずいておこなった。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 表1から、各接触材1,2のベース樹脂となるPVC,
HDPE,PPに対し、アクアコークの混合率を高める
ことにより、接触材の表面張力に変化がみられた。これ
により、アクアコークの混合が試料のぬれ性(親水性)
を高めていることがわかる。
【0025】〔実験例2〕前記実施例における接触材
1,2を試料として水槽に浸漬し、各試料の膨潤性につ
いて試験をおこなった。試料となる接触材の仕様を表2
のように設定した。
【0026】
【表2】 各接触材が浸漬された水槽から接触材を取り出し、接触
材の厚み、重量変化を経日的に調べた。結果を図3(接
触材1)および図4(接触材2)に示す。なお、接触材
の厚み、重量変化は、次のように調べた。 (試験方法)接触材の厚み/接触材を水中から引き上
げ、ノギス,マイクロメータで同一部分を3回測定し
た。試料の測定部分を表3のように設定した。
【0027】
【表3】 接触材の重量変化/ 接触材を水中から引き上げ、表面
に付着した水分を拭き取り、各接触材の重量を1回測定
した。ただし、0.3〜1.0%程度の拭き取りができ
ない水分が残存する。
【0028】図3および図4から、アクアコークの混合
率が20%では、接触材の厚みおよび重量に顕著な変化
がみられた。これにより、アクアコークの混合が試料の
膨潤性を高めていることがわかる。
【0029】〔実験例3〕前記実施例における接触材を
構成する原料樹脂で試料片を作成し、その試料片に対す
る嫌気性汚泥の付着量について比較試験をおこなった。
嫌気性汚泥付着実験装置は、図5の概略図のように設定
した。また、試料となる試料片の仕様を図6および表4
のように、濃縮人工下水の組成を表5のようにそれぞれ
設定した。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】試料片について表面に付着した汚泥量を経
日的に調べた。結果を表6及び図7(表6のサンプルナ
ンバー1〜4についてのグラフ)に示す。なお、汚泥付
着量は、次のように調べた。 (試験方法)
【0033】50リットルの実験槽(490×320×
320mm)を2つ用意し、一方をA槽、他方をB槽と
する。また、図6に記載した試料片(100mm×10
0mm×1mm)を2組用意し、A槽およびB槽に各試
料片を吊り下げた。また、A槽には、濃縮人工下水を、
ブランクとしてのB槽には、水のみを各試料片が浸漬す
るようそれぞれの実験槽に充填した。同時に嫌気性種汚
泥をA槽に移植した。2つの実験槽の内部をスターラー
で攪拌しながら、A槽においては、仕込み液が所定の濃
度になるように濃縮人工下水を希釈水と混合した。次
に、仕込み液を50リットル/日の流量でA槽に流入さ
せた。2つの実験槽内の温度はともに、23〜25℃に
設定した。
【0034】A槽およびB槽から同じサンプルナンバー
の各試料片を定期的に取り出し、取り出し1分後の各試
料片の湿潤重量を測定した。A槽の試料片の湿潤重量か
らB槽の試料片の湿潤重量を差引き、これを汚泥付着量
とした。なお、仕込み液の濃度は、TOC(Total
Organic Carbon)200mg/リット
ルに設定した。なお、表6は、汚泥付着量を単位面積当
たりに換算した数値を示す。
【0035】
【表6】
【0036】表6から、PPに吸水性樹脂を混合した試
料片(サンプルナンバー2〜4)の汚泥付着量が比較的
多いことがわかる。特に、吸水性樹脂の混合率が20%
の試料片(サンプルナンバー4)において顕著である。
PP以外のHDPE,PVCでは、顕著な差異は現れ
ず、PP100%の試料片(サンプルナンバー1)のお
よそ3〜5倍である。これにより、PPに吸水性樹脂を
混合したものが、他の樹脂に吸水性樹脂を混合したもの
よりも嫌気性菌の担持体となる汚泥の付着性にすぐれ、
汚泥が剥がれにくいことを示している。
【0037】〔実験例4〕前記実施例における接触材1
を試料として実験槽に浸漬し、各実験槽ごとに嫌気性処
理性能について試験をおこなった。嫌気性処理実験装置
は、図8の概略図のように設定した。試料となる接触材
の仕様を表7のように設定した。濃縮人工下水は、前記
した実験例1と同じ組成のものを使用した。
【0038】
【表7】 各接触材が浸漬された実験槽から排出された処理水のT
OC除去率を経日的に調べた。結果を表8および図9に
示す。なお、TOC除去率は、次のように調べた。 (試験方法)7リットルの実験槽(150×150×3
00mm)を4つ用意した(1〜4)。また、図1およ
び表7に記載した仕様の球形状接触材を各1組用意し、
各実験槽1〜3に各接触材を充填し混合槽から吊り下げ
た。混合槽から7リットル/日の流量で仕込み液を連続
的に流下させた(槽内の滞留時間は24時間)。なお、
混合槽には濃縮人工下水と希釈水とが供給され、スター
ラーで混合し所定濃度になるようにして送られる。各実
験槽1〜4内の温度は23〜25℃に設定した。
【0039】実験槽1〜4から排出される処理水及び混
合槽内の仕込み液を定期的に採取し、TOCを測定して
TOC除去率を算出した。次に、球形状接触材を充填し
ない実験槽4のTOC除去率を、実験槽1〜3のTOC
除去率から差引き処理効果の評価とした。なお、混合槽
内の仕込み液の濃度は、前記実験例1と同様に、TOC
200mg/リットルに設定した。
【0040】
【表8】 表8から、アクアコークの混合率が20%,5%の順
に、TOC除去率が高く、汚泥の早期付着により、生物
固定槽としての立ち上がりが早いことがわかる。なお、
アクアコークが混合された接触材のいずれも過度の膨潤
による軟質化および変形はみられなかった。
【0041】上記したように、ベース樹脂にアクアコー
クを混合し成形された接触材1,2は高い汚泥付着性、
TOC除去率が付与される。これは、熱可塑性樹脂とア
クアコークとを混合して成形された接触材の表面は水に
対する高い親和性を有しているので、接触材の表面は親
水基が捉えた水分子により接触材表面が膨潤する。その
結果、接触材の表面の平滑性が失われ、接触材の表面積
が大きくなる。このため、微生物の付着速度、付着量が
改善されると考えられる。
【0042】したがって、従来のように、無機充填材の
混入により形成された接触材では達成できなかった生物
学的処理効率の高い生物ろ床を形成できる。また、コロ
ナ放電や予備浸漬等の処理が不要となり、製造が簡略化
される。なお、上記実施例では、球形状及び管状ネット
の接触材1,2を用いて吸水性樹脂の混合による親水性
付与の詳細を示したが、接触材の形状については上記の
みに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】この発明の生物ろ床用接触材では、接触
材が熱可塑性樹脂に熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂を混
合し成形されているので、接触材表面の親水基が捉えた
水分子により接触材表面が膨潤し、接触材の表面積が大
きくなる。このため、微生物の付着性が向上し、特に、
生物学的処理の稼動初期段階における微生物の付着速
度,付着量が改善される。
【0044】また、この吸水性樹脂が、熱可塑性樹脂で
あるため、接触材のベース樹脂である熱可塑性樹脂との
相溶性に優れる。このため、接触材を、生物が付着しや
すい、ネット状、ボール状、ネットパイプ状等の複雑な
形状に容易に成形できる。
【0045】さらに、この発明の生物ろ床用接触材で
は、熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂の混合量が、樹脂中
に5〜50重量%である。このため、親水性の付与と、
形状の保持を両立させることができる。したがって、生
物の付着性がより一層向上し、廃水の生物学的処理効率
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による生物ろ床用接触材と
しての球形状接触材(クレオボール)の斜視図である。
【図2】この発明の一実施例による生物ろ床用接触材と
しての管状ネット接触材(ネトロンパイプ)の斜視図で
ある。
【図3】図1の球形状接触材を試料とする膨潤性実験の
結果を示すグラフである。
【図4】図2の管状ネット接触材を試料とする膨潤性実
験の結果を示すグラフである。
【図5】汚泥付着実験装置の概略構成図である。
【図6】図5の汚泥付着実験装置に使用された試料片の
形状およびその充填方法を示す概略説明図である。
【図7】汚泥付着実験の結果を示すグラフである。
【図8】TOC除去実験装置の概略構成図である。
【図9】TOC除去実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 球形状接触材(生物ろ床用接触材) 2 管状ネット接触材(生物ろ床用接触材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 3/06 - 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃水の生物学的処理を行うための生物固
    定槽内に配置され、外部から前記生物固定槽内に取り込
    まれた廃水と接触して主に廃水中の有機物の処理を行う
    生物ろ床用接触材であって、 その接触材が、熱可塑性樹脂に熱可塑性ノニオン型吸水
    性樹脂を混合し成形されたことを特徴とする生物ろ床用
    接触材。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ノニオン型吸水性樹脂の混合量
    が、樹脂中の5〜50重量%である請求項1記載の生物
    ろ床用接触材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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