JP2974305B1 - スラグ除去装置 - Google Patents

スラグ除去装置

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Abstract

【要約】 【課題】 エア駆動式多芯タガネの振動負荷を軽減して
小型のロボットハンドにも適用できるようにしたスラグ
除去装置を提供する。 【解決手段】 エア駆動式多芯タガネ等のスラグ除去工
具1を支持部材3を介して装置基盤5に取り付けたもの
であって、多芯タガネ等の工具先端部12と支持部材3
の間に第1の吸振装置13を配設してスラグ除去工具の
振動を吸収し、さらに支持部材3と装置基盤5の間に第
2の吸振装置31を備えて取付面に対する垂直方向の振
動を吸収し平行方向の動きを抑制することを特徴とす
る。なお、第1吸振装置13と第2吸振装置31の振動
吸収方向が同じ平面内で交叉するように配設することが
より好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接作業にて生成
されるスラグを多芯タガネで除去するスラグ除去装置に
関し、特に小型のロボットに搭載して自動運転を可能に
するスラグ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接は金属材料を接合する技術で、多く
は溶接トーチと母材の間で発生するアーク熱で母材と溶
接材を溶融し、接合すべき金属間に原子接合を生じさせ
て溶接する。このとき、溶融金属は凝固して溶接金属を
形成し、その表面はスラグで覆われる。スラグは、溶接
材の被覆材がアーク熱で分解して生じた金属化合物およ
び母材や溶接材の心線から生じた金属酸化物で、アーク
端からの溶融金属を大気から保護しながら溶融池に移行
し溶融池表面で凝固する。凝固したスラグは不透明なガ
ラス体であり、高温の溶接金属表面を覆って保護し急冷
を防ぐと共にビードの形状を整える作用がある。
【0003】しかし、溶接終了後は溶接表面を覆おうス
ラグを除去して美しい溶接仕上げ面が現れるようにする
必要がある。また、溶接施工時に十分注意しないとスラ
グ介在物が融合物に残留したスラグ巻込みを発生し、溶
接強度が劣化する場合がある。特に、多層溶接を行うと
きは、溶接性を良くし、スラグ巻き込みを防止するため
毎層毎にあるいは適当な層毎にスラグ除去を行う必要が
ある。従来、適当な長さの溶接が終わる毎に作業員が、
エア駆動式多芯タガネやエアチッパ等のスラグ除去工具
を溶接線に沿って少しずつ移動させながら、振動するタ
ガネ先端などを施工後の溶接面に当てて、スラグに衝撃
を与えて破砕し除去して、溶接面仕上げとスラグ巻込み
の防止を行っていた。
【0004】このような従来方法によれば、特に多層溶
接では、所定数の層を溶接する毎に溶接施工を休止し生
成したスラグを除去しては上層の溶接を行うため、溶接
にかかる時間と手間が大きかった。なお、特開平6−2
85646号公報には、柱材など軸心周りに回転させて
周方向の溶接を自動的に行う自動溶接機に併用される自
動運転が可能なスラグ除去装置が開示されている。
【0005】開示されたスラグ除去装置は、角柱などを
周方向に沿って自動溶接する場合に用いられる。溶接用
ワーク支持装置に溶接しようとする角柱を水平に保持し
水平軸心周りに回転させながら側部のレール上に配置し
た自動溶接機により溶接する装置に併用するもので、ス
ラグ除去装置を自動溶接機と対向する側部に設けたレー
ル上に配設し、自動溶接機に追従して溶接部分を追跡し
ながらスラグ除去を行うようにしたものである。従来、
自動溶接中に溶接作業を中断して作業員が手作業でスラ
グ除去を行う必要があったため長時間の連続自動溶接が
不可能で自動溶接装置の性能を十分発揮できなかった
が、このスラグ除去装置を併用することにより、長時間
の自動溶接が可能になり作業員の手作業も不要でスラグ
巻込みもない高品質溶接が可能となった。
【0006】しかし、開示されたスラグ除去装置は、多
芯タガネの振動負荷に耐えるため極めて頑丈な構造体に
搭載する必要があり、ツールのハンドリング性が良くな
く、また溶接対象が限られ各種の対象について使用する
汎用性が乏しい。なお、スラグ除去を自動化するためス
ラグ除去装置をロボットに適用することも考えられる
が、従来の溶接ロボットでは、スラグ除去装置の振動が
極めて大きくロボットの許容負荷範囲を超えるので適用
が困難である。なお、研削ロボットや切削ロボットに用
いるような大型のロボットに適用すると、溶接後のスラ
グ除去に要求されるきめ細かいハンドリング性能を達成
することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、エア駆動式多芯タガネの振動負荷
を軽減してロボットハンドに適用できるようにしたスラ
グ除去装置を提供することにある。特に溶接ロボット用
のハンドに適用できる程度の振動負荷に抑制したスラグ
除去装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のスラグ除去装置は、エア駆動式多芯タガネ
などの振動式スラグ除去工具を支持部材を介して装置基
盤に取り付けたものであって、スラグ除去工具と支持部
材の間に第1の吸振装置を配設してスラグ除去工具の振
動を吸収し、さらに支持部材と装置基盤の間に第2の吸
振装置を備えて取付面に対する垂直方向の振動を吸収し
平行方向の動きを抑制することを特徴とする。なお、第
1吸振装置と第2吸振装置の振動吸収方向が同じ平面内
で交叉するように配設することがより好ましい。
【0009】スラグ除去装置は、多芯タガネ等の振動式
スラグ除去工具に内蔵されたエアシリンダもしくはピス
トンが40〜60Hz程度の往復運動をし、これにつれ
てスラグ除去工具先端が軸方向に振動して工具先端を溶
接ビード表面に形成されるスラグに繰り返し衝突させて
スラグを破砕し剥離させる。スラグを破砕する力はスラ
グ除去工具に対する反力となるので、工具部分の振動力
はかなり大きくなり、スラグ除去工具の支持部材は強い
振動運動を行う。しかし、本発明のスラグ除去装置で
は、支持部材と振動式スラグ除去工具の間に適当な振動
吸収性を有する第1吸振装置が存在してスラグ除去工具
の駆動軸方向の振動を吸収するため、支持部材の振動は
大きく緩和される。
【0010】また、さらに支持部材と装置基盤の間に第
2吸振装置が存在して、装置基盤の支持部材取付面を押
す方向の振動を抑制するのでスラグ除去工具が作動する
ときの振動は大きく減衰した状態で装置基盤に伝達され
る。したがって、スラグ除去装置を支持する装置あるい
は作業員は工具の振動を直接受容する必要が無く、スラ
グ除去装置の静止時における荷重に近い負荷を負担すれ
ば足りる。なお、第2吸振装置は支持部材が取付面に対
して平行方向にずれにくい構造を有するので、スラグ除
去工具の多芯タガネ部分等の荷重のために工具の姿勢が
狂うことがなく、工具先端が目標とする位置に正しく当
接するように制御することができる。
【0011】特に、第1吸振装置と第2吸振装置の振動
吸収方向が45度などある角度を持って交叉するように
配設されていれば、スラグ除去工具の振動方向のうち装
置基盤が受ける振動方向の成分が小さくなるので、吸振
装置で振動が完全に吸収できない場合にも装置基盤に作
用するスラグ除去工具の振動力が小さくなり、作動中の
振動式スラグ除去工具を容易に保持できる。交叉角はス
ラグ除去工具の振動力を装置基盤の軸方向と軸に垂直な
方向に適当に分力するものであればよく、たとえば15
度から75度までの適当な値が選ばれる。
【0012】さらに、第1吸振装置と第2吸振装置は少
なくとも一方が、パッシブダンパもしくは防振樹脂で構
成されることが好ましく、特に第2吸振装置に防振樹脂
を用いることがより好ましい。また、第1吸振装置と第
2吸振装置をいずれも防振樹脂にするとより容易に振動
抑制が出来る。パッシブダンパは各種仕様のものが市場
で入手しやすく、また外部から特別のエネルギーを与え
なくても軸方向の振動を吸収するので、多芯タガネ等ス
ラグ除去工具の振動特性に応じて選んだパッシブダンパ
を振動方向に1個以上たとえば3から6個配設すること
により、適切に振動吸収することができる。特に振動式
スラグ除去工具の軸に対し同心円上に等間隔で対称的に
配設すると、製作が容易で振動吸収性も良好である。
【0013】また、防振樹脂は合成ゴムなど弾性を有す
る樹脂を剛体で挟んで接着剤などで固定し、剛体に設け
たネジ棒などの接合機構により構造体に固定できるよう
にしたものである。防振樹脂も様々な仕様に対応するも
のが容易に手にはいる。なお、防振樹脂には、樹脂の厚
さ方向の振動を吸収すると共に幅方向の動きに対しても
適当な振動吸収性を持たせたものもあり、かなり大きな
荷重や振動力が掛っても樹脂の幅方向に歪みにくいもの
を選択することもできる。防振樹脂も1個以上適当な数
のものを対称に配設して用いることが好ましい。
【0014】これらパッシブダンパと防振樹脂はそれぞ
れ第1吸振装置と第2吸振装置のいずれに用いてもよい
が、特に第2吸振装置に防振樹脂を用いると、多芯タガ
ネの振動のうち装置基盤の軸に垂直な成分を適当に吸収
するので、スラグ除去装置がより扱いやすくなる効果が
ある。もちろん、第1吸振装置と第2吸振装置の両方に
防振樹脂を用いるようにしてもよい。さらに、ロボット
ハンドに取り付けるための取付フランジを備えることが
好ましい。本発明のスラグ除去装置は振動負荷が抑制さ
れているので、比較的小型のロボットに取付けて自動的
にスラグ処理を行うようにすることができる。
【0015】また、本発明のロボット装置は、取付フラ
ンジを設けた上記記載のスラグ除去装置をロボットハン
ドに取り付けたことを特徴とする。特に、溶接ロボット
と組み合わせてスラグ処理ロボットを用いることによ
り、溶接部分を追跡しながらスラグ処理して表面仕上げ
するなど複雑な溶接作業も自動的にかつ迅速に行うよう
にすることができる。また、多層溶接を行う場合も溶接
を中断せずにきめ細かいスラグ処理を行うことができ
る。
【0016】また、取付フランジと装置基盤の間に延長
アームを介装するようにしてもよい。延長アームを用い
ると、ロボットハンドが邪魔して溶接箇所に十分近付け
ない場合にも多芯タガネの先端を溶接面に当接させてス
ラグ除去を行うことができるようになる。まお、本発明
のスラグ除去装置を構成する部材には特殊な加工を要す
るものがなく、市販の部品を組み合わせれば製作できる
ので、著しい効果を有するにもかかわらず、製作費用や
保守費用が嵩まないで経済的である。
【0017】さらに、本発明の溶接ロボットシステム
は、上記記載の取付フランジを備えたスラグ除去装置と
溶接トーチを自動で持ち替えて連続して自動溶接を行う
ことを特徴とする。このように、1台のロボット装置で
溶接を行い、次にスラグ除去装置に持ち替えてスラグ処
理をするようにすれば、それぞれ専用のロボットを用い
るより経済的である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のス
ラグ除去装置の第1の実施例を示す側面図、図2は本実
施例における多芯タガネ部分を示す一部断面側面図、図
3は図2の吸振装置ハウジングの中を左側から見た図
面、図4は本実施例の使用状態を示す構成図、図5は本
発明のスラグ除去装置の第2の実施例を示す側面図、第
6図は本発明のスラグ除去装置の第3の実施例を示す側
面図である。
【0019】
【実施例1】本実施例のスラグ除去装置は、従来よく使
用されてきたエア駆動式多芯タガネを支持部材を介して
装置基盤に固定したもので、装置基盤部分をロボットア
ームに取り付けて自動的にスラグ除去処理を行えるよう
にしたものである。図1に示したように、スラグ除去装
置10の多芯タガネ部1は途中で適当な角度θ偏向した
板材からなる支持部材3を介して装置基盤5に固定され
る。多芯タガネ部1はシリンダ部11とタガネ部12と
吸振装置13からなる。
【0020】シリンダ部11はピストンを内蔵してい
て、ノズル14から供給される圧空によりピストンが4
0〜60Hzで往復動するようになっている。タガネ部
12では、硬質な多芯タガネ15が筒体16により束ね
られていて、シリンダ部11のピストンの往復動につれ
て各タガネが筒体から伸縮動する。このように圧空シリ
ンダで駆動されるタガネ15が溶接金属の上を覆うスラ
グに繰り返し衝突すると、スラグが破砕して溶接部から
剥離して除去される。多芯タガネの振動力が所定の値以
上なければスラグを破砕することができないから、従来
の多芯タガネ支持装置では多芯タガネからの反力を確実
に受け止めるためにかなり頑丈な構造を有する必要があ
った。
【0021】本実施例のスラグ除去装置10は多芯タガ
ネ部12とそれを支持する支持部材3との間に吸振装置
13を介在させて、振動の緩和を図っている。吸振装置
13は、図2に一部切り欠いた状態で示したように、支
持部材3に止めネジ17で固定されたハウジング18の
なかに6本のパッシブダンパ19を仕込んだもので、パ
ッシブダンパ19はシリンダ部11の軸方向と平行にか
つその軸心を中心とする同心円上に等間隔に配設されて
いる。パッシブダンパ19には、伸縮機構を持ち伸びと
縮みの運動に対して抵抗力が働く構造になったもので、
オイルダンパ、摩擦ダンパ、粘弾性ダンパ、電磁ダン
パ、空気ダンパなど各種のものがある。
【0022】パッシブダンパ19の先端は、シリンダ部
11のピストン20に固定されたプレート21の面に当
接しており、支持部材3の表面に突出した調整ネジ22
でダンパの全長を変えることにより振動吸収性が調節で
きるようになっている。なお、図3に示したように、プ
レート21には案内溝23が設けられていて、これにハ
ウジング18の突起が嵌合した状態で摺動し、プレート
21がハウジング18の中で回転しないようになってい
る。吸振装置13が多芯タガネ12の軸方向の振動力を
吸収するため、支持部材3に伝わる振動は著しく緩和さ
れる。
【0023】支持部材3は1個または複数の防振樹脂3
1を介して装置基盤5の取付面51に固定されている。
防振樹脂31は防振ゴムなどの緩衝材を剛体で挟んだも
ので、必要とする振動吸収性に応じた多様な性能のもの
が市販されている。本実施例では防振樹脂31は取付面
51の中心軸に対して対称に取り付けられている。図1
においては、軸位置と上下左右に各1個、合わせて5個
の防振樹脂31を取り付けた状況を示しているが、防振
樹脂31の選択自由度は大きいので、ロボットなど支持
機構の負荷容量、スラグ除去部の振動負荷と荷重、パッ
シブダンパ19との振動吸収力の分担、経済性や取り扱
い容易性などを勘案して数量や配置を決めればよい。
【0024】支持部材3は屈折角θでくの字形に曲がっ
ているため、吸振装置13で緩和されて伝達される多芯
タガネ部1の振動力はさらに折れ角θで分力されるの
で、装置基盤5の取付面51に直接に伝播せず面に垂直
な方向の成分は十分小さくなる。従って、装置基盤5の
軸方向に作用する振動力は小さく、特に強い耐震性能を
持たないロボットハンドでもスラグ除去装置を把持して
スラグ除去処理を行うことができる。
【0025】なお、装置基盤5の取付面51には面と平
行な方向に支持部材3に作用する多芯タガネ13の減衰
した振動力成分の他に多芯タガネ部1の荷重が加わる
が、防振樹脂31の振動吸収性により大きな位置ずれを
起こすことなく多芯タガネの姿勢を保持して、処理対象
の溶接面にタガネ先端を当て続けることができる。な
お、屈折角θは多芯タガネの振動力と支持する荷重に基
づいて決めればよいが、垂直に対して15度から75度
の範囲で選択することが好ましい。
【0026】装置基盤5には、エアチャック52が設け
られていて、ホース口53から導入される操作圧空によ
り多芯タガネ部1から取付面51までの部分の着脱が自
在にできるようになっている。また、スラグ除去作業中
にロボットに極端な過負荷がかかる場合に備えて、過負
荷保護装置54を装着してある。過負荷保護装置54は
適当な遊びを設けて過剰な力を受けるときに力を逸らす
と共に、過負荷状態をロボット制御装置に報知してロボ
ットを緊急停止させる。
【0027】図4は、本実施例のスラグ除去装置を汎用
ロボットに装着した状態を示す斜視図である。スラグ除
去装置の振動負荷が大幅に軽減されたため、従来溶接ロ
ボットに使用されていた比較的小型のロボットに装着す
ることも可能である。本実施例では、動作教示が可能な
多関節ロボット6のハンド部61にスラグ除去装置10
を固定したので、任意の溶接線に沿って任意の姿勢でス
ラグを除去することができる。したがって、自動溶接ロ
ボットが溶接した部分を追跡しながらスラグを除去して
表面を仕上げていくことができる。また、多層溶接の場
合にも溶接層を重ねる毎にスラグを除去して施工するこ
とができるので溶接品質が向上する。
【0028】また、従来は溶接ロボットによる自動溶接
でも作業者によるスラグ除去作業が必要で自動運転を中
断しなければならなかったが、上記機能により、自動溶
接ロボットを停止させずに長時間連続自動運転ができる
ようになった。さらに、エアチャック52によりロボッ
トハンドが溶接トーチとスラグ除去装置を持ち替えるこ
とが可能なので、1台のロボットにより溶接動作とスラ
グ除去動作を交互に実施するようにすることも可能にな
った。
【0029】
【実施例2】本実施例のスラグ除去装置は、第1実施例
に延長アームを備えてスラグ除去装置とロボットハンド
の距離を調整できるようにしたもので、他の部分に変わ
りはない。本実施例のスラグ除去装置は図5に示すよう
に、装置基盤5の取付面51に支持部材3の防振樹脂3
1を直接取り付ける代わりに、延長アーム55を介して
取り付ける。延長アーム55は中間フランジ56と取付
フランジ58の間に複数の延長ビーム57を固定したも
ので、防振樹脂59を介して取付面51に固定される。
また、支持部材3の防振樹脂31は取付フランジ58に
固定される。
【0030】多芯タガネ部1の振動の伝播は吸振装置1
3により大幅に低減し、さらに防振樹脂31によりロボ
ットフランジ面への振動伝播が抑制されるので、多芯タ
ガネ部1をロボットフランジ面から大きく離して設置し
ても構造的な無理が無く十分支持できる。本実施例で
は、適当な長さの延長アーム55を介装することによ
り、溶接動作後のスラグ除去に最も都合の良い位置に装
置を据え付けて作業させることができる。たとえば、溶
接トーチとスラグ除去装置を取り替えながら作業する場
合には、溶接トーチの作用点近くまでタガネ先端が届く
ように設定すると、ロボットに対する動作教示が容易に
なる。なお、本実施例では延長アーム55の両端に防振
機構31、59を介装したが、いずれか一方の防振機構
を省略してフランジ面に固設して用いても良いことは言
うまでもない。
【0031】
【実施例3】本実施例のスラグ除去装置は、図6に示す
ように、第1実施例における吸振装置としてパッシブダ
ンパを用いる代わりに防振樹脂を用いたものである。タ
ガネ部12のハウジングに支持用フランジ24を固設
し、シリンダ部11に固定される支持部材3との間に防
振樹脂25を介装する。防振樹脂25は多芯タガネを中
心とする円上に等間隔に3個以上配置することが好まし
い。圧空によりピストン20が駆動されて発生する振動
は支持部材3に伝播する際に防振樹脂25により十分減
衰するので、ロボットアームに伝搬する振動負荷が小さ
くなる。適当な振動吸収性を有する防振樹脂を選択すれ
ば捻れ方向の動きを規制することもできるので、第1実
施例と比較してより簡単な構造で効果的に軸方向の振動
減衰ができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のスラグ除去
装置は、スラグを破砕するために必要とされる強力な振
動を2個の吸振装置により緩和するので、ロボットハン
ドに取り付けて自動運転によりスラグ除去処理を行うこ
とが可能になる。また特殊な部品を使用しないので、低
コストで構成できる。さらに、溶接ロボットのハンドが
自動的に溶接トーチと持ち替えるように構成することに
より、複雑な溶接や多種多様な溶接工程に適用して良好
な溶接を施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラグ除去装置の第1実施例を示す側
面図である。
【図2】本実施例における多芯タガネ部分を示す一部断
面側面図である。
【図3】本実施例に用いる吸振装置ハウジングの中を左
側から見た図面である。
【図4】本実施例の使用状態を示す構成図である。
【図5】本発明のスラグ除去装置の第2実施例を示す側
面図である。
【図6】本発明のスラグ除去装置の第3実施例を示す側
面図である。
【符号の説明】
1 多芯タガネ部 11 シリンダ部 12 タガネ部 13 吸振装置 14 ノズル 15 タガネ 16 筒体 17 止めネジ 18 ハウジング 19 パッシブダンパ 20 ピストン 21 プレート 22 調整ネジ 23 案内溝 24 フランジ 25 防振樹脂 3 支持部材 31 防振樹脂 5 装置基盤 51 取付面 52 エアチャック 53 ホース口 54 過負荷保護装置 55 延長アーム 56 中間フランジ 57 延長ビーム 58 取付フランジ 59 防振樹脂 6 ロボット装置 61 ロボットハンド 10 スラグ除去装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−90482(JP,A) 特開 昭64−78768(JP,A) 特開 平6−285646(JP,A) 特開 平8−10986(JP,A) 実開 昭61−46066(JP,U) 実開 平3−126572(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/32 B23K 9/12 B25D 3/00 F16F 15/02 F16F 15/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多芯タガネを備えた振動式スラグ除去工
    具を支持部材を介して搭載するスラグ除去装置であっ
    て、該支持部材が前記スラグ除去工具を取り付ける面と
    装置基盤に取り付ける面を互いに15度ないし75度の
    角度で交わるように構成されたものであって、該多芯タ
    ガネと前記支持部材の間にスラグ除去工具の駆動軸方向
    の振動を吸収する第1の吸振装置を配設し、該支持部材
    と前記装置基盤の間に両者の取付面に対して垂直の方
    に振動吸収し該取付面に対し平行方向の動きを抑制して
    前記スラグ除去工具を支える第2の吸振装置を備えたこ
    とを特徴とするスラグ除去装置。
  2. 【請求項2】 前記吸振装置の少なくとも一方が軸に対
    して対称に配設した1個以上のパッシブダンパで構成さ
    れることを特徴とする請求項記載のスラグ除去装置。
  3. 【請求項3】 前記吸振装置の少なくとも一方が軸に対
    して対称に配設した1個以上の防振樹脂で構成されるこ
    とを特徴とする請求項記載のスラグ除去装置。
  4. 【請求項4】 前記第1吸振装置がパッシブダンパによ
    り構成され、前記第2吸振装置が防振樹脂により構成さ
    れたものであることを特徴とする請求項1からのいず
    れかに記載のスラグ除去装置。
  5. 【請求項5】 さらにロボットハンドに取り付けるため
    の取付フランジを備えたことを特徴とする請求項1から
    のいずれかに記載のスラグ除去装置。
  6. 【請求項6】 前記取付フランジと前記装置基盤の間に
    延長アームを介装することを特徴とする請求項記載の
    スラグ除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のスラグ除去装置
    を取り付けたロボット装置。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載のスラグ除去装置
    と溶接トーチを自動で持ち替え連続自動運転を行うこと
    を特徴とする溶接ロボットシステム。
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