JP2971927B2 - テルピリジル基を担持した親水性ポリマーおよびこれを配位した高分子錯体 - Google Patents

テルピリジル基を担持した親水性ポリマーおよびこれを配位した高分子錯体

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、テルピリジル基を担持した新規な親水性ポ
リマーおよびこれを配位した新規な高分子錯体に関す
る。
<従来の技術> 高分子配位子に金属が配位した高分子金属錯体に代表
される高分子錯体は、高分子であることと錯体であるこ
との特徴を併せ持つため、種々の機能材料として注目さ
れている。具体的には、触媒材料、分離材料、エネルギ
ー変換材料などである。
ところで、ビピリジンに代表されるポリピリジル化合
物は、種々の金属と錯体を形成し、エレクトロクロミズ
ムや光触媒等の特異な性質を示す金属配位子として興味
がもたれている。
したがって、このような錯体部分を含む高分子錯体を
得ることは、この錯体に由来る特徴を維持しつつ、高分
子に由来する利点を併せ持つことができることから、そ
の合成が期待されるところである。
このようなことから、高分子配位子として用いること
ができるテルピリジル基を疎水性主鎖に導入したポリマ
ーの合成が試みられている。
このようなものとして、具体的には、ビニルテルピリ
ジンのホモポリマーやビニルテルピリジルとスチレンモ
ノマーとのコポリマー、あるいはポリスチレン主鎖ヘテ
ルピリジン基を導入したポリマーなどを挙げることがで
きる[K.T.Potts,D.A.Usifer,A.Guadalupe,H.D.Abruna,
J.Am.Chem.Soc.,109,3961(1987)、K.T.Potts,D.A.Usi
fer,Macromolecules,21,1985(1988)、K.Hanabusa,K.N
akano,T.Koyama,H.Shirai,N.Hojo,Makromol.Chem.,191,
391(1990)、等参照]。
したがって、このような新規ポリマーを種々合成する
ことは、新規な高分子錯体を得る上で重要であり、機能
材料としての新たな展開が期待できる。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の第1の目的は、高分子配位子としての適用が
可能なテルピリジル基を担持した新規な親水性ポリマー
を提供することにある。
また、第2の目的は、種々の機能材料とすることが可
能な上記の高分子配位子を金属に配位した新規な高分子
錯体を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 上記目的は、下記(1)、(2)の本発明によって達
成される。
(1)下記一般式(I)で示されることを特徴とするテ
ルピリジル基を担持した親水性ポリマー。
{上記一般式(I)において、R1は炭化水素基を表わ
し、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原
子または1価の置換基を表わし、それぞれが同一であっ
ても異なっていてもよい。Lは2価の連結基を表わす。
X-は陰イオンを表わす。
x、yおよびzは、それぞれ、モル比を表わし、x+
y+z=1であり、x、yおよびzは、それぞれ、1未
満の数値を表わす。} (2)上記(1)に記載のテルピリジル基を担持した親
水性ポリマーを金属に配位したことを特徴とする高分子
錯体。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について、詳細に説明す
る。
本発明のテルピリジル基を担持した親水性ポリマー
は、下記一般式(I)で示されるものである。
上記一般式(I)において、R1は炭化水素基を表わ
し、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原
子または1価の置換基を表わし、それぞれが同一であっ
ても異なっていてもよい。Lは2価の連結基を表わす。
X-は陰イオンを表わす。
x、yおよびzは、それぞれ、モル比を表わし、x+
y+z=1であり、x、yおよびzは、それぞれ、1未
満の数値を表わす。
次に、一般式(I)について詳述する。
R1で表わされる炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基等が挙げられ、これらはさ
らに置換されていてもよい。
なかでも、アルキル基が好ましく、これらは直鎖状で
あっても、分岐を有するものであってもよく、とりわけ
低級アルキル基が好ましい。
炭素数は10以下、このなかでも特に炭素数の少ないも
のが好ましく、具体的にはメチル、エチル等が好ましい
ものとして挙げられる。
R2〜R7で表わされる1価の置換基としては、各々のピ
リジン環に置換可能なものであれば、特に制限はなく、
低級アルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。また、
これらのなかで置換可能な基は、さらに、エーテル基、
エステル基等によって置換されていてもよい。
R2〜R7は、それぞれ、同一であっても異なっていても
よいが、カサ高くない基であることが好ましく、特に、
すべて水素原子であることが好ましい。
Lで表わされる2価の連結基としては、アルキレン
基、アリーレン基等が挙げられ、またこれらの基が互い
に連結したものであってもよい。
Lの好ましいものとしては、炭素数1〜10のアルキレ
ン基(メチレン基、エチレン基等)、p−フェニレン基
などが挙げられる。また (ここで、kは1〜10の整数を表わし、好ましくはk=
1または2である)も好ましい。
X-は、ピリジニウムイオンのカウンターアニオンとな
りうるものであればよく、具体的には、塩化物イオン、
臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオ
ン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -などが挙げられ、なかでも臭化
物イオン等であることが好ましい。
x、y、zは、前記のとおり、それぞれ、1未満の数
値であるが、特にx=0.5〜0.7、y=0.5〜0.1、z=0.
5〜0.1であることが好ましい。
以下に、一般式(I)で示される化合物の具体例を挙
げるが、これに限定されるものではない。
このような親水性ポリマーは以下のスキームに従って
合成することができる。
すなわち、一般式(I)で示される化合物は、テルピ
リジル基を有するアルキルハライド等の化合物Aと四級
化したピリジニウムイオンを有する親水性のポリ(4−
ビニルピリジン)である化合物Bとを、所定の割合で、
封管中または窒素ガス雰囲気下で加熱することによって
得られる。このとき用いる溶媒は、メタノール等であ
り、このときの温度は60〜70℃程度とする。また、反応
時間は、6〜36時間程度とする。
一般式(I)で示される化合物は、重合度が50〜200
程度であり、数平均分子量は8,900〜71,000程度のもの
である。
また、このものは、親水基を有することから水に対す
る溶解性も大きく、その溶解度は100g/程度である。
さらに、このものは、メタノール、エタノール、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)等の各種溶媒に対しても溶解性を示す。
本発明において、一般式(I)で示される親水性ポリ
マーは、UVスペクトル、IRスペクトル、元素分析等によ
って同定することができる。
UVスペクトルでは、280nm付近にテルピリジル基に基
づく特性吸収が観測される。
また、IRスペクトルでは、KBr錠剤法で、例えば例示
化合物のように、Lにフェニレン基を含むものでは800c
m-1付近にp−二置換基を有するベンゼン環の面外変角
振動の特性吸収などが観測できる。
一般式(I)で示される親水性ポリマーは、水、メタ
ノール、DMF、DMSO等の溶媒中でFe(II)、Co(II)、C
u(II)、Ni(II)等の金属と高分子錯体を形成する。
例えば、Fe(II)の場合、水やメタノール中で、Fe
(II)イオンに対しテルピリジル基が1:2の6配位錯体
を形成する。
また、Co(II)の場合、水やメタノール中で、[金
属]/[テルピリジル基]=0.5(モル比)以下の比較
的金属濃度が低い条件下で、テルピリジル基が1:2の6
配位錯体を形成する。一方、金属濃度が高くなると、こ
の配位構造は変化し、テルピリジル基が1:1の錯体を形
成したり、さらには、金属に対してポリマー中のピリジ
ル基の配位が起きる。
このような現象は、可視吸収スペクトルの測定によっ
て容易に確認することができる。
例えば、テルピリジル基の1:2の6配位錯体に基づく
吸収は、水、メタノールのいずれにおいても、Fe(II)
錯体では、λmax=570nm付近に、一方Co(II)錯体で
は、λmax=450nm、517nm付近に観測される。
また、1:1錯体への移行は、上記の可視部における吸
光度の減少によって確認される。
一方、ピリジル基への配位は、例えばメタノール中の
Co(II)錯体では、λmax=635nm付近の新たな吸収によ
って確認することができ、この場合、このような配位に
基づくサーモクロミズムを観測することができる。
本発明の高分子錯体は、前記のテルピリジル基が1:2
の錯体を形成した6配位錯体、あるいは1:1の錯体、ま
た、これらの錯体において、さらに、金属にピリジル基
が配位した形で、さらにはこれらの錯体の混合物として
単離することもできる。
単離は、過塩素酸塩やホスホニウム塩等を添加するこ
とにより行なえばよい。
本発明の親水性ポリマーを配位した高分子錯体は、前
記のようなサーモクロミズムが観測されることから、サ
ーモクロミズムを利用した表示材料として利用すること
ができる。
また、錯体による光励起や電子移動等を利用した光エ
ネルギー変換材料、CO2固定化用触媒等の触媒としても
使用することができる。
<実施例および実験例> 以下、本発明を実施例および実験例によって具体的に
説明する。
実施例1 下記のスキームに従い、出発原料の比率を適宜かえ
て、例示のポリマー化合物(I−1−a)、(I−1−
b)、(I−1−c)、(I−1−d)を合成した。
なお、上記の4級化した親水性のポリ(4−ビニルピ
リジン)(VP)は、神原周著「高分子実験学、第7巻、
機能性高分子」p255〜256(共立出版株式会社)に記載
の方法により合成した。
化合物(I−1−a)の合成 4−(2,2′:6,2″−テルピリジン−4′−イル)フ
ェニルメチルブロマイド(terpy)を788mgと4級化した
親水性のポリ(4−ビニルピリジン)(VP)を5gとを封
管中でメタノールを溶媒として60℃で49時間反応させ
た。
反応終了後蒸発乾固させ、クロロホルムで溶解し、エ
ーテルにより再沈殿させて単離した。
化合物(I−1−b)の合成 terpyとVPの量を、それぞれ、157.61gと1gにかえて、
化合物(I−1−a)と同様に合成し、精製した。
ただし、反応終了後エバポレータで濃縮し、これにエ
ーテルを加えて再沈殿して単利した。
化合物(I−1−c)の合成 terpyとVPの量を、それぞれ、315.0mgと0.5gにかえ
て、化合物(I−1−b)と同様に合成し、精製した。
化合物(I−1−d)の合成 terpyとVPの量を、それぞれ、631.39mgと0.5gにかえ
て、化合物(I−1−b)と同様に合成し、精製した。
このように合成した化合物は、IPスペクトル、UVスペ
クトル、元素分析により同定した。
IRスペクトル KBr錠剤法により測定した。
各化合物とも、800cm-1にp−二置換基を有するベン
ゼン環の面外変角振動に基づく特性吸収を観測した。
UVスペクトル メタノールをを溶媒として測定した。
各化合物とも、テルピリジル基に基づく吸収を280nm
(ε36,000)に観測した。
元素分析 化合物(I−1−a) C H N 計算値(%) 60.71 8.94 5.73 実測値(%) 61.66 8.01 6.52 化合物(I−1−b) C H N 計算値(%) 60.48 8.88 5.81 実測値(%) 61.39 7.91 4.79 化合物(I−1−c) C H N 計算値(%) 61.60 9.21 5.43 実測値(%) 62.62 8.47 6.00 化合物(I−1−d) C H N 計算値(%) 62.69 9.54 5.05 実測値(%) 63.42 9.44 4.03 以上の同定法から、化合物(I−1−a)、(I−1
−b)、(I−1−c)、(I−1−d)であることが
確認された。
比較例 比較の低分子化合物として、以下のスキームに従っ
て、下記構造のN−[4−(2,2′:6′,2″−テルピリ
ジン−4′−イル)フェニルメチル]ピリジニウムブロ
マイド(terpy py)を合成した。
実施例2 実施例1のポリマー化合物(I−1−a)、(I−1
−b)、(I−1−c)、(I−1−d)を水またはメ
タノール中に溶解し、これにFe2+またはCo2+を加え、高
分子錯体を得た。
この場合、Fe2+、Co2+は、それぞれFeCl2、CoCl2とし
て添加した。
以下に、Fe2+、Co2+の配位挙動についてまとめる 1)鉄(II)の場合 一定濃度の上記各ポリマー化合物の水またはメタノー
ル溶液に、異なる濃度のFe2+溶液を等容量加えてゆき、
各錯体の可視吸収スペクトルを測定した。
このようにして得られた高分子錯体は、いずれもλma
x=570nmの吸収を示した。
第1図に、水系での[Fe2+]/[terpy基](モル
比)と570nmにおける吸光度(A)との関係を示す。
この場合[terpy基]=1.4×10-4Mとし、測定セル長
は1cmとして測定してした。
第1図から明らかなように、[Fe2+]/[terpy基]
=0.5のところで吸光度の増加がなくなり、以後一定と
なった。これより、Fe(II)イオンに対してterpy基が
1:2で配位することがわかった。
このような現象は、メタノール系でも全く同様であっ
た。
これは、疎水性のポリスチレンへ導入されたterpy基
が、メタノール中で1:1の錯体を形成すること[K.Hanab
usa,et al,Makromol,Chem.,191,391(1990)]と対比を
なし、上記ポリマーのテルピリジル基は、速やかに1:2
の6配位錯体を形成することが確認された。
このことは、極性溶媒中で親水性ポリマー主鎖が疎水
性のポリスチレン主鎖よりも、溶液中でより柔軟な状態
にあり、テルピリジル基が低分子のテルピリジンに近い
自由度をもっているためと考えられる。
実際、比較の低分子化合物terpy pyを用いて、同様に
錯体を形成したところ、1:2の錯体を形成することが確
かめられ、上記のことを支持する結果となった。
2)コバルト(II)の場合 2−1)水系 鉄(II)の場合と同様に、可視スペクトルを測定した
ところ、[Co2+]/[terpy基]=0.5付近までは、いず
れもλmax=450nm、517nmの吸収を示した。
また、[Co2+]/[terpy基]=0.5付近までは、λma
x=450nm、517nmの吸光度が直線的に増加し、オレンジ
色が次第に濃くなった。
このスペクトルは単離したCo(terpy)2Cl2のメタノ
ール溶液中のスペクトルと、ほぼ一致し、Co(II)に対
してterpy基が1:2の錯体を形成して行くことを示唆して
いる。
その後さらにCo(II)イオン濃度が大きくなると、1:
2の錯体から可視部の吸収の小さい1:1の錯体への移行を
示す吸光度の急激な減少が起こり、黄色に変化した。
この傾向は低分子化合物terpy pyの場合にも見られ
た。
2−2)メタノール系 ポリマー化合物(I−1−a)の場合、[Co2+]/
[terpy基]=0.5以下では、水系と同様に1:2の錯体が
形成された。
このものでは、水系と同様に、λmax=450nm、517nm
に吸収を示す。
この場合[Co2+]/[terpy基]=0.5付近までは、1:
2錯体の形成を示すλmax=450nm、517nmのピークが直線
的に増加するが、その後これら吸光度は徐々に減少する
([Co2+]/[terpy基]=0.10−2.00)。
第2図に、[terpy基]=5.0×10-4Mとしたポリマー
化合物(I−1−a)の濃度において、メタノール中の
高分子錯体の可視吸収スペクトルを示す。
図中の数値は、[Co2+]/[terpy基]を表わす。
第2図から明らかなように、さらに、[Co2+]が大き
くなると、635nmにピークを持つ新たな吸収帯が現わ
れ、増加して行った([Co2+]/[terpy基]=5.00−1
0.00)。
このスペクトル変化は、オレンジから黄、そして青緑
への鮮やかな色の変化として観察された。
この635nmに吸収極大をもつスペクトルは、ポリマー
化合物(I−1−a)中にピリジル基(py基)とCo(I
I)イオンとの錯体形成に基づくものと考えられる。
これを確認するために、まず、テルピリジル基のない
ポリマーVPを用いて同様の測定を行なった。
これを第3図に示す。図中の数値は、[Co2+]/[py
値]を表わし、[py基]=5.0×10-4Mとしたメタノール
溶液中のものである。
第3図から明らかなように、このメタノール溶液中で
は、Co(II)にピリジル基が配位可能であると思われる
が、635nmに吸収極大をもつポリマー溶液と同様のスペ
クトルが得られた。
また、ポリマー化合物(I−1−a)のかわりに、ポ
リマー化合物(I−1−b)、(I−1−c)、(I−
1−d)を用い、同様に可視吸収スペクトルを測定し
た。
第4図に、635nmにおける吸光度と[Co2+]/[terpy
基]との関係を示す。
この結果から明らかなように、同じコバルトイオン比
で比較すると、テルピリジル基の担持率が大きくなるに
従って、吸光度は小さくなった。言い換えれば、ビリジ
ル基のポリマー中の割合が大きくなるに従って、吸光度
も大きくなっている。
このとき、テルピリジル基の溶液中の濃度を統一して
いるので、テルピリジル基の担持の低いポリマーほど溶
液中のピリジル基の濃度は大きくなっているといえる。
以上の事実は、635nmの吸収極大がピリジル基とCo(I
I)イオンとの錯体形成に基づくことを裏づけるもので
ある。
実施例で得られた高分子錯体の機能材料としての適用
例を以下に実験例として示す。
実験例1 ポリマー化合物(I−1−a)のメタノール溶液系に
おいて、Co(II)錯体がサーモクロミズム材料とできる
ことを示す。
第5図には、[Co2+]/[terpy基]=10.00のメタノ
ール溶液を、30〜5℃までかえたときのスペクトル変化
を示した。
第5図から明らかなように、室温では635nmの吸収に
基づく青緑色を示したが、温度が低下するに従って、63
5nmの吸光度が大きく減少し、黄もしくは薄いオレンジ
色へと変化していった。
この色の変化は、実施例1からピリジル錯体に基づく
ものと考えられるが、テルピリジル基を導入することに
よってピリジル基とCo(II)との錯体形成に基づく青も
しくは青緑色だけではなく、テルピリジル基とCo(II)
との錯体形成に基づくオレンジから薄い黄色を同時に得
ることができる。
<発明の効果> 本発明によれば、テルピリジル基を担持した新規な親
水性ポリマーが得られる。また、このものを高分子配位
子とする新規な高分子錯体を得ることができる。この高
分子錯体は種々の機能材料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の高分子錯体の水溶液中における配位
挙動を示すグラフである。 第2図は、本発明の高分子錯体の可視吸収スペクトルを
示すグラフである。 第3図は、比較の錯体の可視吸収スペクトルを示すグラ
フである。 第4図は、本発明の高分子錯体の可視吸収スペクトルを
示すグラフである。 第5図は、本発明の高分子錯体のサーモクロミズム現象
を示す可視吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 汪芳 長野県小県郡丸子町長瀬2496 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 26/06,8/30,8/44 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されることを特徴と
    するテルピリジル基を担持した親水性ポリマー。 {上記一般式(I)において、R1は炭化水素基を表わ
    し、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原
    子または1価の置換基を表わし、それぞれが同一であっ
    ても異なっていてもよい。Lは2価の連結基を表わす。
    X-は陰イオンを表わす。 x、yおよびzは、それぞれ、モル比を表わし、x+y
    +z=1であり、x、yおよびzは、それぞれ、1未満
    の数値を表わす。}
  2. 【請求項2】請求項1に記載のテルピリジル基を担持し
    た新水性ポリマーを金属に配位したことを特徴とする高
    分子錯体。
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