JP2968995B2 - 多波長分光素子 - Google Patents
多波長分光素子Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2波長以上のX線光束を同時に取り出すこと
のできる多波長分光素子に関する。
のできる多波長分光素子に関する。
X線分光素子(モノクロメータ)は、入射X線をブラ
ッグ反射させ、単色化したX線光束を取り出すものであ
り、この素子には単結晶(平板あるいはわん曲結晶)、
モザイク結晶などが用いられる。これらの分光素子には
種々のタイプのものが提案されているが、従来の分光素
子はすべて1波長のみのX線光束を取り出す作用をする
ものであった。
ッグ反射させ、単色化したX線光束を取り出すものであ
り、この素子には単結晶(平板あるいはわん曲結晶)、
モザイク結晶などが用いられる。これらの分光素子には
種々のタイプのものが提案されているが、従来の分光素
子はすべて1波長のみのX線光束を取り出す作用をする
ものであった。
一方、結晶および非晶質の構造解析では、異常分散法
は有力な手段である。各原子の散乱因子(X線の散乱
能)は、それぞれの吸収端の波長で大きく変化する(異
常分散)。このため、測定するX線の波長として、物質
を構成する各原子の吸収端近傍の波長を用い、複数回の
測定を行うことにより、物質内での各原子の位置を解析
するのに充分な情報を得ることできる。
は有力な手段である。各原子の散乱因子(X線の散乱
能)は、それぞれの吸収端の波長で大きく変化する(異
常分散)。このため、測定するX線の波長として、物質
を構成する各原子の吸収端近傍の波長を用い、複数回の
測定を行うことにより、物質内での各原子の位置を解析
するのに充分な情報を得ることできる。
しかしながら、異なる2波長のX線を用いて回折測定
を行う場合には、同様なX線回折測定を、X線源を換え
て2度行わなければならない。また、微弱な回折強度を
測定するためにX線回折測定に長時間を必要とし、測定
中に物質が変化するなど種々の困難がある。
を行う場合には、同様なX線回折測定を、X線源を換え
て2度行わなければならない。また、微弱な回折強度を
測定するためにX線回折測定に長時間を必要とし、測定
中に物質が変化するなど種々の困難がある。
またX線を微細加工などのフォトリソグラフィーに用
いることも試みられている。このX線を用いたフォトリ
ソグラフィーにおいても所望の2波長以上のX線を含む
光束を用いると非常に効率を向上させることが可能とな
る。
いることも試みられている。このX線を用いたフォトリ
ソグラフィーにおいても所望の2波長以上のX線を含む
光束を用いると非常に効率を向上させることが可能とな
る。
しかしながら、公知のX線分光素子を用いたのでは、
白色X線光束が照射されても、このX線分光素子からの
ブラッグ反射により取り出されるX線光束は1波長のも
のであるため、何らかの手段により上記の問題を解決す
ることが望まれていた。
白色X線光束が照射されても、このX線分光素子からの
ブラッグ反射により取り出されるX線光束は1波長のも
のであるため、何らかの手段により上記の問題を解決す
ることが望まれていた。
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みなされたも
ので、1つの素子で2波長以上のX線を含む光束を同時
に取出すことのできる多波長分光素子を提供することを
目的とする。
ので、1つの素子で2波長以上のX線を含む光束を同時
に取出すことのできる多波長分光素子を提供することを
目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、ブラッグ
反射を起こす結晶面が平行な複数の結晶層より構成さ
れ、各結晶層は同一組成の多型の関係にあるかまたは一
部原子の置換による超格子構造の関係にあることを特徴
とする多波長分光素子が提供される。
反射を起こす結晶面が平行な複数の結晶層より構成さ
れ、各結晶層は同一組成の多型の関係にあるかまたは一
部原子の置換による超格子構造の関係にあることを特徴
とする多波長分光素子が提供される。
白色X線が素子表面に入射すると、多型の関係もしく
は一部原子の置換による超格子構造の関係にある各結晶
層の表面においてブラッグの条件を満足した波長のX線
が回折され、結晶層の数に応じた数の波長のX線が混合
した平行光束が取出される。
は一部原子の置換による超格子構造の関係にある各結晶
層の表面においてブラッグの条件を満足した波長のX線
が回折され、結晶層の数に応じた数の波長のX線が混合
した平行光束が取出される。
以下本発明を実施例により詳述する。
第1図は本発明の一実施例の多波長(3波長)分光素
子の概念図であり、表面側から、格子定数d1の第1結晶
層1、格子定数d2の第2結晶層2及び格子定数d3の第3
結晶層3を順次積層した構成を有する。d1,d2及びd3はd
1>d2>d3なる関係にあることが望ましい。各結晶層1,
2,3には多型(ポリタイプ)の関係にある結晶構造を有
するものを用いる。多型には、SiC、CdI2、ZnSなどで良
く知られており、基本となる層状構造を積み重ねて結晶
構造を作る場合に、積み重ねる時の規則により積み重ね
方向の周期(格子定数)に種々のものが出現できる現象
であり、ジダーノフ、ラムスデールら研究により知られ
ている。) ここで説明の簡潔化のために、一例としてZnSの多型
を2波長分光素子に用いた場合につき説明する。これは
ZnS四面体のつくる層の積み重ねにより構成される分光
素子であるが、分光素子の第1層はABCABC…、第2層は
ABABAB…の積み重ねの各結晶層となっているとする。す
なわち、ラムスデールの記号により各結晶層の構造を記
述すれば、3C及び2Hである。この場合、第1層の格子定
数d1と第2図の格子定数d2との比はd1/d2=3/2となり、
2波長分光素子が構成されたことになる。
子の概念図であり、表面側から、格子定数d1の第1結晶
層1、格子定数d2の第2結晶層2及び格子定数d3の第3
結晶層3を順次積層した構成を有する。d1,d2及びd3はd
1>d2>d3なる関係にあることが望ましい。各結晶層1,
2,3には多型(ポリタイプ)の関係にある結晶構造を有
するものを用いる。多型には、SiC、CdI2、ZnSなどで良
く知られており、基本となる層状構造を積み重ねて結晶
構造を作る場合に、積み重ねる時の規則により積み重ね
方向の周期(格子定数)に種々のものが出現できる現象
であり、ジダーノフ、ラムスデールら研究により知られ
ている。) ここで説明の簡潔化のために、一例としてZnSの多型
を2波長分光素子に用いた場合につき説明する。これは
ZnS四面体のつくる層の積み重ねにより構成される分光
素子であるが、分光素子の第1層はABCABC…、第2層は
ABABAB…の積み重ねの各結晶層となっているとする。す
なわち、ラムスデールの記号により各結晶層の構造を記
述すれば、3C及び2Hである。この場合、第1層の格子定
数d1と第2図の格子定数d2との比はd1/d2=3/2となり、
2波長分光素子が構成されたことになる。
第1図に示す実施例の分光素子は上記の2波長分光素
子の原理を第1結晶層1と第2結晶層2、第2結晶層2
と第3結晶層3に応用したもので、このような構成とす
ることで、白色X線が本実施例の分光素子の表面に入射
すると、2d1sinθ=λ1、2d2sinθ=λ2、2d3sinθ=
λ3のブラッグの条件により分光された波長入1、
λ2、λ3のX線が混合した光束が射出されることにな
る。
子の原理を第1結晶層1と第2結晶層2、第2結晶層2
と第3結晶層3に応用したもので、このような構成とす
ることで、白色X線が本実施例の分光素子の表面に入射
すると、2d1sinθ=λ1、2d2sinθ=λ2、2d3sinθ=
λ3のブラッグの条件により分光された波長入1、
λ2、λ3のX線が混合した光束が射出されることにな
る。
なお、上記実施例では3波長の分光素子を例示した
が、本発明は2波長あるいは4波長以上の分光素子にも
同様な原理で適用される。
が、本発明は2波長あるいは4波長以上の分光素子にも
同様な原理で適用される。
また、上記実施例ではZnSの多型を例示したが、SiCや
CdI2、雲母などの多型を利用することもでき、これらに
よりさまざまな格子定数の組合せをもつ多波長分光素子
の設計が可能である。
CdI2、雲母などの多型を利用することもでき、これらに
よりさまざまな格子定数の組合せをもつ多波長分光素子
の設計が可能である。
さらに、上記実施例では各結晶層に多型の関係にある
結晶構造のものを用いたが、これに代えて、一部原子の
置換による超格子構造の関係にあるものを用いても所期
の目的を達成することができる。
結晶構造のものを用いたが、これに代えて、一部原子の
置換による超格子構造の関係にあるものを用いても所期
の目的を達成することができる。
本発明によれば、前記構成としたので多波長の分光が
できるため、線スペクトルで構成されたX線光束が得ら
れ、結晶の評価、物性測定への応用が可能であり、また
光化学反応の効率化などでフォトリソグラフィーにも応
用可能である。
できるため、線スペクトルで構成されたX線光束が得ら
れ、結晶の評価、物性測定への応用が可能であり、また
光化学反応の効率化などでフォトリソグラフィーにも応
用可能である。
また、多層構造を多型あるいは一部原子の置換による
超格子構造を利用して層界面の形成を行っているので層
界面は連続しており分光素子として優れたものとなる。
超格子構造を利用して層界面の形成を行っているので層
界面は連続しており分光素子として優れたものとなる。
第1図は本発明の一実施例に係る多波長分光素子の構成
を示す断面図である。 1……第1結晶層、2……第2結晶層、3……第3結晶
層
を示す断面図である。 1……第1結晶層、2……第2結晶層、3……第3結晶
層
Claims (3)
- 【請求項1】ブラッグ反射を起こす結晶面が平行な複数
の結晶層より構成され、各結晶層は同一組成の多型の関
係にあるかまたは一部原子の置換による超格子構造の関
係にあることを特徴とする多波長分光素子。 - 【請求項2】結晶層界面での格子定数のミスフィットは
存在しないが、界面に垂直方向ではそれぞれの結晶層の
格子定数が変化していることを特徴とする請求項1に記
載の多波長分光素子。 - 【請求項3】表面側の結晶層の格子定数が内部側の結晶
層の格子定数より順次大きくなるように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多波長分光素
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33724790A JP2968995B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 多波長分光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33724790A JP2968995B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 多波長分光素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04204297A JPH04204297A (ja) | 1992-07-24 |
JP2968995B2 true JP2968995B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=18306826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33724790A Expired - Fee Related JP2968995B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 多波長分光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2968995B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6317483B1 (en) * | 1999-11-29 | 2001-11-13 | X-Ray Optical Systems, Inc. | Doubly curved optical device with graded atomic planes |
FR2881264B1 (fr) * | 2005-01-21 | 2007-06-01 | Commissariat Energie Atomique | Monochromateur a rayon x ou a neutrons |
US7738629B2 (en) | 2006-11-16 | 2010-06-15 | X-Ray Optical Systems, Inc. | X-ray focusing optic having multiple layers with respective crystal orientations |
JP4521573B2 (ja) * | 2007-01-10 | 2010-08-11 | 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 | 中性子線の反射率曲線測定方法及び測定装置 |
CN103940837A (zh) * | 2014-04-01 | 2014-07-23 | 中国科学院物理研究所 | 一种SiC晶体单色器 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP33724790A patent/JP2968995B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04204297A (ja) | 1992-07-24 |
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