JP2968250B2 - ビット誤り率測定方法および装置 - Google Patents

ビット誤り率測定方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル移動無
線通信システムなどにおける伝送品質の測定に関するも
のであり、特に、疑似ランダムデータによる符号変調機
能を持つ送信設備、および、該送信設備からの電波を復
号して得たビット列と受信局内部で発生した疑似ランダ
ムデータのビット列とを比較する受信設備を用いて、受
信ビットが誤って復号される確率(ビット誤り率)を計
測する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル移動通信システムは、利用者
数の増加やマルチメディア通信の普及により、より大容
量の伝送能力が求められている。しかしながら、送信局
から受信局に至る伝搬経路が多数存在するためにその伝
送能力には限界が生じる。その限界を知り、無線回線設
計に役立てるために、ビット誤り率の場所特性を測定す
る必要がある。
【0003】まず、多数の伝搬経路が存在する環境を説
明する図3、そのときの受信波形の一例を示す図4、お
よび、信号強度に対するビット誤り率特性を示す図5を
用いて、ディジタル移動通信システムの伝送能力の限界
について説明する。図3に示すとおり、ディジタル移動
通信システムは、一般に、多くの建造物10−1〜10
−6が存在する環境のもとで利用される。そのため、送
信局20と受信局30との間には、複数の伝搬経路40
−1〜40−3が存在する。このように、多数の伝搬経
路が存在する環境はしばしば多重波環境と呼ばれる。伝
搬経路の数が増えるに従って、また、それらの強度が大
きくなるに従って、ディジタル移動通信システムのビッ
ト誤り率特性の劣化量は大きくなることが知られてい
る。劣化量の大きいところにはさらに送信局を増設して
多重波の影響を軽減させるなど、その劣化量を知ること
は重要である。実際にそのシステムが用いられる環境に
おいて、平面的にビット誤り率が調査されることが望ま
しいが、多くの場合、環境を直線で代表した測定コース
50に集中して調査される。
【0004】このように多くの伝搬経路が存在するとき
にビット誤り率特性が劣化する理由を、図4に示す波形
例を用いて説明する。送信局から送信される波形100
の周期は、伝送速度100kbpsのとき10μsであ
り、伝送速度10Mbpsのとき100nsである。送
信局から送信される基底域波形100は、伝搬経路40
−1、40−2、40−3のそれぞれを経由すること
で、受信局に到達するときにはそれぞれ110−1、1
10−2、110−3に示す基底域波形のように時間遅
れτ1、τ2が生じる。これらの基底域波形は、受信局位
置で合成され、受信局において基底域波形120に示す
ように波形ひずみを生じ、もはや、もとの送信基底域波
形100を再現することは困難である。しかしながら、
伝送速度が低速の場合には、送信基底域波形100の周
期に対する伝搬経路それぞれの遅延時間の比が小さくな
り、波形130のように波形ひずみは少なく、容易に送
信基底域波形100を再現することができる。
【0005】伝送速度が低速のとき、ビット誤りを生じ
させる原因は主に熱雑音によるものなので、送信電力を
増大させればビット誤り率は低減できる。しかし、伝送
速度が高速になり、送信波形周期よりも伝搬による遅延
時間が大きくなると(例えば、伝送速度が10Mbps
で、伝搬経路40の長さの差が30mを超えると)、送
信電力を増大してもビット誤り率を低減できない。
【0006】市街地を想定して伝搬経路長を仮定し、あ
る受信点における「1ビットあたりのエネルギーを熱雑
音で正規化したもの(Eb/N0)」とビット誤り率の関
係を、計算機シミュレーションにより求めた例を図5に
示す。伝送速度が低速であるときのビット誤り率特性1
40は、正規化エネルギーEb/N0の増大とともに改善
される。図5の例において、伝送速度が中速のときのビ
ット誤り率特性150は、低速のときのそれよりも改善
されにくくなり、伝送速度が高速のときのビット誤り率
特性160においては、送信電力をいかに増大させて
も、ビット誤り率は10-2より改善されない。
【0007】このように、伝送速度の低いディジタル移
動通信システムにおいては、多重波環境によるビット誤
り率特性の劣化は大きな問題にはならず、固定的な伝送
速度が用いられてきた。しかし、ディジタル移動通信で
使用される伝送速度が高くなるにつれ、多重波環境によ
るビット誤り率特性の劣化が顕著になり、その高い伝送
レートを維持して通信を行うことができず、通信状態が
悪いときには伝送速度を低下させる機能が装備されるよ
うになった。
【0008】このようなビット誤り率場所特性は周囲環
境によって異なるため、例えば図3に示したように、測
定コース50上の場所ごとにビット誤り率を測定し、図
6に示すような異なる伝送速度におけるビット誤り率の
場所特性を求める必要がある。図6の例において、伝送
速度が低速のときの場所特性170は全体的に誤り率が
低い良好な特性を示している。しかし、伝送速度が中速
であるときの場所特性180では、同じ場所でも誤り率
特性が劣化しており、伝送速度が高速のときの場所特性
190は全体的に悪い。このように、異なる伝送速度に
おけるビット誤り率の場所特性を得ることで、例えば、
多くの送信局を設置したり送信局の場所を変えるなど、
システム性能の改善の指針を立てることができるように
なる。
【0009】このような目的で使用されるビット誤り率
を測定する装置の一構成例を図7に示す。これは、例え
ば、Robert C. Dixon著、立野 敏他2名訳「最新スペ
クトラム拡散通信方式」(昭和53年11月30日、ジャテッ
ク出版)の第228ページに示されているような搬送波
ロック追跡システムの構成を修正したものである。図7
において、送信局200は、クロック発生手段210、
疑似ランダム符号発生手段220、送信手段230、送
信アンテナ240からなる。送信局200に具備される
クロック発生手段210は、高い安定度を有するクロッ
クを発生するものであり、このクロックは疑似ランダム
符号発生手段220と送信手段230に供給され、疑似
ランダム符号の周期と送信周波数の安定化に寄与する。
疑似ランダム符号発生手段220は、クロック発生手段
210の出力に同期して、固有の周期を持つランダムな
「0」と「1」のパターンを発生する。このランダム符
号出力は、送信手段230に供給され、ここで変調さ
れ、電波に変換される。この電波は送信アンテナ240
により、受信局300に向けて放射される。
【0010】受信局300は、受信アンテナ310、受
信手段320、疑似ランダム符号発生手段330、相関
器340、位相検出手段350、クロック発生手段36
0、ビット列比較手段370、誤り数計測手段380か
ら構成される。このように構成された受信局300にお
いて、受信アンテナ310により、送信局200からの
電波が受信され、受信手段320により復号符号が抽出
される。送信局200の疑似ランダム符号発生手段22
0と同一系列符号を発生する疑似ランダム符号発生手段
330の符号出力と前記受信手段320の符号出力は、
相関器340に入力され、その相関が求められる。この
相関出力は位相検出手段350に供給され、疑似ランダ
ム符号発生手段330の発生する符号と受信手段320
により抽出された復号符号との、疑似ランダム符号周期
の位相差が検出される。検出された位相差はクロック発
生手段360に供給される。
【0011】クロック発生手段360は、位相検出手段
350で検出された位相差に基づいて出力クロック周波
数を決定するものであり、受信手段320で抽出された
復号符号に対して疑似ランダム符号発生手段330の発
生する符号の位相が進んでいるときには、クロック周波
数を低くすることで位相を遅らせる。また、その復号符
号に対して疑似ランダム符号の位相が遅れているときに
は、その逆の動作をする。このことにより、クロック発
生手段360は、その復号符号と疑似ランダム符号の位
相を一致させるように動作し、送信局200との同期を
保つように働く。クロック発生手段360の出力は、疑
似ランダム符号発生手段330に加えられるのと同時
に、受信手段320にも供給される。
【0012】受信手段320は、送信局200のキャリ
ア周波数と、受信局300のキャリア周波数を一致させ
るように動作する。受信手段320で得た復号符号と、
疑似ランダム符号発生手段330で発生した符号は、ビ
ット列比較手段370で比較され、誤りが抽出される。
抽出された誤りは、誤り数計測手段380によって数え
られる。ビット誤り率は、誤ったビット数を送信データ
数で割ることにより求められる。
【0013】このようなビット誤り率測定装置を用いて
ビット誤り率を測定するときは、送信局200のクロッ
ク発生装置210と、受信局300のクロック発生装置
360の出力周期を、測定する伝送速度に設定し、図3
における送信局20の付近に受信局30を設置し、受信
局30を測定コース50に沿って移動させながらビット
誤り率を測定し、受信局30が所定の距離(例えば10
cm)移動するたびにくり返し記録することで行う。
【0014】前記疑似ランダム符号発生手段220およ
び330は、先出の「最新スペクトラム拡散通信方式」
の第56ページから第99ページに書かれているよう
に、その内部構成により決定される符号を一定のクロッ
ク信号に同期してくり返して送出するものであり、
(1)0と1の出現回数がほぼ等しい符号で、(2)0
および1の連なる長さの出現回数が同じ長さを持つ符号
を発生する装置である。
【0015】この疑似ランダム符号発生手段220(お
よび330)の構成例について、図8を用いて説明す
る。図8は、該疑似ランダム符号発生手段を3段の2値
シフトレジスター400−1〜400−3と排他的論理
和回路410を用いて構成した例である。シフトレジス
タ400−1の状態出力は400−2の入力に、400
−2の状態出力は400−3の入力にそれぞれ結線され
ている。全てのシフトレジスタ400は、供給される入
力クロックに同期して動作する。シフトレジスタ400
−2と400−3の状態出力は、また、排他的論理和回
路410により論理的結合が求められ、この出力はシフ
トレジスタ400−1の入力段に帰還される。シフトレ
ジスタ400に与える初期状態は、すべて0以外のもの
であればいかなる値を与えてもかまわない。全てのシフ
トレジスタ400の初期状態を1とすると、入力クロッ
クを与えるたびに「1110010」という符号系列が
周期的にくり返し出力される。
【0016】なお、この例では、シフトレジスタ400
−2と400−3の状態出力に排他的論理和を適用して
いるが、他の状態出力との排他的論理和を適用すること
により、他の出力系列を得ることもできる。また、説明
のためにシフトレジスタ3段で構成した例を示したが、
実際の測定ではシフトレジスタ10段程度で構成したも
のを用いることが多い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、高
速な伝送速度を有するディジタル移動通信システムは、
異なる伝送速度を用いる機能が具備されるようになる。
そこで、異なる伝送速度におけるビット誤り率を測定す
る必要があるが、そのためには、クロック発生装置21
0と360の出力周期を測定する伝送速度に調整し、送
信局と受信局を接近させ、測定コース50に沿って受信
局を移動させながらビット誤り率を測定するという一連
の作業を必要な伝送速度の数だけくり返せばよい。
【0018】しかしながら、実際の測定においては、一
つの伝送速度の測定のたびに測定条件が異なってしま
い、測定精度が大きく劣化する。例えば、車道における
測定においては右左折車により、歩道における測定では
人や障害物を避けるため、測定コースの変更が要求され
る。これらの環境要因は時々刻々と変化するため、測定
毎に異なった条件を与えることになる。また、伝送速度
の変更は、送信局と受信局の両方について行う必要があ
るため、伝送速度を変更するたびに受信局を停止させる
ことになる。そのため、全伝送速度を測定し終えるまで
の時間は、それぞれの伝送速度での測定時間の和よりも
多くの時間が要求される。さらに、伝送速度が高速にな
るに従い、測定されるビット誤り率は劣化する傾向にあ
るが、そのために受信局内部で再生しようとする疑似ラ
ンダム符号系列と、送信局内部で発生する疑似ランダム
符号系列とを受信局で一致させることが困難となり、受
信局との間の同期が不完全になることから実際のビット
誤り率よりも悪い値を示すようになる。
【0019】そこで、本発明の目的は、異なる伝送速度
の測定を同一条件で測定できるようにすることで、ビッ
ト誤り率特性の測定精度を改善することにある。また、
本発明の他の目的は、測定系を異なる伝送速度に切り替
えるための時間を削減することで、全ての伝送速度での
ビット誤り率の測定に要する測定時間を短縮させること
にある。本発明のさらに他の目的は、伝送速度が高速な
ときにも安定して同期を確保する手段を提供することに
より、ビット誤り率特性の測定精度を改善することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のビット誤り率測定方法は、送信局で疑似ラ
ンダム符号を変調し送信した電波を受信局で復号し、そ
の復号されたビット列と受信局内部で生成した疑似ラン
ダム符号のビット列とを比較することによってビット誤
り率を測定するビット誤り率測定方法において、前記疑
似ランダム符号の伝送速度を所定の符号数ごとに変化さ
せるようにしたものである。
【0021】また、本発明のビット誤り率測定装置は、
疑似ランダム符号を変調して送信する送信局と、該信号
を受信して得たビット列と内部で生成した疑似ランダム
符号のビット列とを比較することによってビット誤り率
を測定する受信局とからなるビット誤り率測定装置であ
って、前記送信局および前記受信局は、いずれも、疑似
ランダム符号発生手段と、クロック発生手段と、該クロ
ック発生手段の出力を分周して前記疑似ランダム符号発
生手段に入力する分周器と、前記クロック発生手段の出
力を計数し、該計数値が前記疑似ランダム符号発生手段
により発生される疑似ランダムデータの予め定められた
ビット数に対応する計数値となったときに前記分周器の
分周比を切り替えるクロック制御手段を備え、前記送信
局におけるクロック制御手段と前記受信局におけるクロ
ック制御手段とが同期して動作するようになされている
ものである。
【0022】疑似ランダム符号系列を所定の数だけ送出
する毎に、順次、伝送速度を切り替えて伝送するように
している。したがって、受信局を移動させながら測定し
ているとき、受信局での環境の変化の時間に対して、全
ての伝送速度でのビット誤り率の測定に要する時間は短
い。そのため、各伝送速度におけるビット誤り率の測定
条件は、ほぼ同一になり、測定精度が改善される。さら
に、伝送速度を変更するために受信局を停止させる必要
がなくなり、測定時間が短縮される。さらにまた、伝送
速度を固定した状態では同期捕捉が困難であるほど高速
な伝送速度のもとでも、伝送速度が逐次的に切り替えら
れるため、より低い伝送速度で捕捉された同期をもとに
して、伝送速度が高いときの同期捕捉を補助する効果が
ある。このことにより、高い伝送速度においても安定に
同期を捕捉することができ、伝送速度が高速のときのビ
ット誤り率特性の測定精度を改善することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1を用いて本発明によるビット
誤り率の測定方法について説明する。図1は本発明のビ
ット誤り率測定方法において送信局から伝送される符号
を時間的に示した図であり、この図に示すように、本発
明のビット誤り率測定方法においては、送信局から、異
なる伝送速度を持つ符号が時間的に順次、伝送される。
はじめに伝送速度R1(符号継続時間T1)で疑似ランダ
ム符号1−1、1−2、1−3、…、1−N(Nは疑似
ランダム符号のビット数)が伝送される。ここで、疑似
ランダム符号1−1、1−2、1−3、…、1−Nは、
疑似ランダム符号発生手段により発生された符号系列で
あるので「1」か「0」のどちらかの値を取るものであ
り、疑似ランダム符号発生手段を前記図8の様に構成し
たときには、それぞれ「1110010」のくり返しと
なる。なお、1つの伝送速度により伝送される疑似ラン
ダム符号のビット数Nは任意であるが、ここでは、その
疑似ランダム符号系列の周期の整数倍とされているもの
とする。
【0024】ここで、伝送速度R1が例えば100kb
psのとき、疑似ランダム符号発生手段から出力される
疑似ランダム符号の符号継続時間T1は1/R1=1×1
-5s=10μsに設定される。そして、所定のビット
数Nだけ疑似ランダム符号の送出を終えると、伝送速度
はR1からR2に切り替えられ、符号継続時間T2が1/
2である疑似ランダム符号2−1、2−2、2−3、
…、2−Nが伝送される。これら疑似ランダム符号2−
1、2−2、2−3、…、2−Nも疑似ランダム符号発
生手段で発生される符号系列であり、所定の周期分だけ
疑似ランダム符号の送出を終えると、伝送速度はR2
らR3に切り替えられ、同様に、伝送速度の切り替え手
続きと、所定の周期分の疑似ランダム符号の送出手続き
を、測定する伝送速度の数だけくり返す。伝送速度RM
(Mは測定する伝送速度の数)を用いて測定を行い、所
定の周期分だけ疑似ランダム符号の送出を終えると、伝
送速度はRMからR1に切り替えられ、再び、符号継続時
間T1による疑似ランダム符号1−1、1−2、1−
3、…、1−Nが送出される。このように、伝送速度を
順次変更しながら、疑似ランダム符号を所定のビット数
Nずつ繰り返して送信する。
【0025】受信局では、前記繰り返し伝送速度を変更
して送信される疑似ランダム符号を受信、復号し、自局
内で前記送信局と同期してビットレートを変更させて生
成した疑似ランダム符号と該復号符号とを比較して、各
伝送速度におけるビット誤り率を順次測定する。
【0026】このような本発明のビット誤り率測定方法
によれば、疑似ランダム符号系列を伝送速度を変更させ
ながら繰り返し送出してビット誤り率の測定を行うこと
ができ、受信局を移動させながら測定を行う場合などに
おける受信局での環境の変化の時間に対して、全ての伝
送速度でのビット誤り率の測定に要する時間を短くする
ことができる。したがって、各伝送速度における測定条
件をほぼ一定とすることができ、測定精度を改善するこ
とができる。
【0027】このような本発明のビット誤り率測定方法
を実現することのできるビット誤り率測定装置の構成例
について図2を用いて説明する。なお、この図におい
て、前記図7を同一の構成要素には同一の番号が付され
ている。図2において、送信局500は、クロック発生
手段210、クロック制御手段510、分周器520、
疑似ランダム符号発生手段220、送信手段230、送
信アンテナ240からなる。高い安定度を有するクロッ
ク発生手段210により生成された基準クロックは、前
述の場合と同様に送信手段230に入力されるととも
に、クロック制御手段510および分周器520にそれ
ぞれ入力される。
【0028】クロック制御手段510に加えられたクロ
ックは、疑似ランダム符号の伝送レートの決定に用いら
れ、具体的には、所定のクロック数をカウントすること
によって伝送速度切り替え信号を生成するのに用いられ
る。分周器520は、前記クロック制御手段510で決
められた伝送速度から決定される比率nに基づいて、前
記クロック発生手段210で生成したクロックの周波数
を1/nに低減する。例えば、クロック発生手段210
で発生するクロックの周波数が10MHzであるとし、
測定する伝送速度が100kbps、1Mbps、10
Mbpsとすると、分周器520に設定される分周比n
は、それぞれ100、10、1となる。前記分周器52
0の出力は、疑似ランダム符号発生手段220に供給さ
れる。疑似ランダム符号発生手段220は、分周器52
0の出力に同期して、疑似ランダム符号を発生する。該
疑似ランダム符号発生手段220で発生された疑似ラン
ダム符号出力は、送信手段230により変調され、電波
に変換される。この電波は送信アンテナ240により、
受信局600に向けて放射される。
【0029】例えば、上述のように、クロック発生手段
210で生成されるクロックの周波数が10MHzであ
るとし、測定する伝送速度が100kbps、1Mbp
s、10Mbpsであるとすると、前記クロック制御手
段510は、前記クロック発生手段210から出力され
るクロックの計数を開始するとともに、まず、100k
bpsの伝送速度の疑似ランダム符号をNビット送信す
るために、伝送速度切り替え信号により前記分周器52
0の分周比nを100に設定する。これにより、100
kHzのクロックが前記疑似ランダム符号発生手段22
0に入力され、100kbpsのビットレートを有する
疑似ランダム符号が生成されて、前述のように送信され
る。そして、前記クロックの計数値が100×Nになる
と、前記クロック制御手段510は伝送速度切り替え信
号により前記分周器520の分周器を10に設定すると
ともに、再び前記クロックの計数を開始する。これによ
り、前記疑似クロック発生手段210に1MHzのクロ
ック信号が印加され、1Mbpsのビットレートを有す
る疑似ランダム符号が生成されて、送信される。次に、
前記クロックの計数値が10×Nになると、前記クロッ
ク制御手段510は、前記伝送速度切り替え信号により
分周器520の分周比を1に変更する。これにより、疑
似ランダム符号発生手段220からはビットレート10
MHzの疑似ランダム符号が発生され、送信される。そ
して、前記計数値がNとなると、前記伝送速度切り替え
信号により、前記分周器520の分周比を再び100に
設定し、前述の動作を繰り返す。このように、送信局5
00からは、前記クロック制御手段510の制御によ
り、前記疑似ランダム符号発生手段220から所定ビッ
ト数毎に伝送速度が変更された疑似ランダム符号が生成
されて、送信される。
【0030】受信局600は、受信アンテナ310、受
信手段320、疑似ランダム符号発生手段330、相関
器340、位相検出手段350、クロック発生手段36
0、クロック制御手段610、分周器620、ビット列
比較手段370、誤り数計測手段630から構成され
る。受信アンテナ310により、送信局500からの電
波が受信され、受信手段320により復号符号が抽出さ
れる。疑似ランダム符号発生手段220と同じ系列符号
を発生する疑似ランダム符号発生手段330の符号出力
と、受信手段320により抽出された符号出力は、相関
器340に入力され、該相関器340においてそれらの
相関が求められる。その相関出力は位相検出手段350
に供給され、疑似ランダム符号発生手段330の発生す
る符号と受信手段320により抽出された復号符号との
疑似ランダム符号周期の位相差が検出される。検出され
た位相差はクロック発生手段360に供給される。
【0031】クロック発生手段360は、受信手段32
0で抽出された復号符号と、疑似ランダム符号発生手段
330との、疑似ランダム符号周期の位相差が最小にな
るように、そのクロック周波数を調整するように働く。
クロック発生手段360の出力は、受信手段320、ク
ロック制御手段610、分周器620にそれぞれ接続さ
れる。受信手段320に接続されたクロックは、受信周
波数を送信周波数に一致させるように働く。クロック制
御手段610に接続されたクロックは、送信局500に
具備されるクロック制御手段510で決定される伝送速
度切り替え信号と同等の伝送速度情報信号を発生させる
ものである。また、クロック制御手段610で判断され
た伝送速度情報信号は、誤り数計測手段630にも提供
され、異なる伝送速度におけるビット誤り率の表示に役
立てられる。
【0032】分周器620は、クロック制御手段610
により判断された伝送速度情報信号に基づいて決定され
た分周比を用いて、クロック発生手段360のクロック
を分周して、所望の伝送速度を得るための疑似ランダム
符号発生手段330の入力クロックを生成する。疑似ラ
ンダム符号発生手段330は、分周器620が発生した
クロックに同期して疑似ランダム符号を生成する。
【0033】疑似ランダム符号発生手段330の出力
は、相関器340とビット列比較手段370に供給され
る。相関器340に接続された疑似ランダム符号発生手
段330の出力は、クロック発生手段360および分周
器620とともに位相ロックループを形成し、送信局5
00の疑似ランダム符号発生手段220が発生する疑似
ランダム符号と、受信局の疑似ランダム符号発生手段3
30が発生する疑似ランダム符号との符号周期の位相の
一致に役立てられる。また、ビット列比較手段370に
接続された疑似ランダム符号発生手段330の出力は、
受信手段320で検出されたビット列と比較され、誤り
が抽出される。抽出された誤りと、クロック制御手段6
10の伝送速度切り替え信号は、誤り数計測手段640
に供給され、それぞれの伝送速度ごとにビット誤り率が
計測される。
【0034】このような受信局において、測定開始時に
は、前記クロック制御手段610は、前記測定する伝送
速度のうちのもっとも低速のもの(上述した例において
は、100kbps)に対応する伝送速度情報信号を前
記分周器620に設定する。これにより、前記分周器6
20の分周比は100に設定され、該分周器620から
は100kHzのクロック信号が前記疑似ランダム符号
発生手段330に印加される。これにより、前記相関器
340では、100kbpsのビットレートを有する疑
似ランダム符号と前記受信手段320からの復号符号と
の相関が検出されることとなる。
【0035】そして、前述のように、前記送信局500
から疑似ランダム符号が順次伝送速度が変更されて送信
され、100kbpsの疑似ランダム符号が受信される
と、前記相関器340から相関ピークが検出される。こ
の相関ピークが前記疑似ランダム符号のビット数Nに対
応する数だけ連続して検出されると、前記クロック制御
手段610は、送信局500との同期がとれたものと判
断して、前記分周器620の分周比をその次の伝送速度
(上述した例においては、1Mbps)に対応するよう
に伝送速度情報信号により設定する。これにより、前記
疑似ランダム符号発生手段330からは1Mbpsの疑
似ランダム符号が発生され、前記送信局500から送信
される1Mbpsの疑似ランダム符号の復号符号との比
較がビット列比較手段370において行われる。以下同
様にして、前記クロック制御手段610は前記分周器6
20の分周比を順次切り替えて各伝送速度のビット誤り
率を検出する。
【0036】例として、受信局の移動速度が30km/
hで、測定を行う伝送速度が100kbps、1Mbp
s、10Mbpsの3種類(M=3)であるときを考え
る。このとき、受信局が1m進むのに1.2秒を要する
が、その間に、それぞれの伝送速度で105ビット程度
の疑似ランダム符号を送信することが可能である。それ
ぞれの伝送速度で10-5までのビット誤り率の測定が可
能である。
【0037】なお、上述した例においては、疑似ランダ
ム符号の伝送速度を、低速から高速に順次変更するもの
として説明したがこれに限られることはなく、伝送速度
の変更順序は任意のものとすることができる。また、伝
送速度を変更するために分周器の分周比を制御するよう
にしたが、これに限られることはなく、疑似ランダム符
号発生手段から発生される疑似ランダム符号のビットレ
ートを測定する伝送速度に設定することができるもので
あるならば、どのような手段を用いても良いことは明ら
かである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のビット誤
り率測定方法および装置によれば、受信局を移動させな
がら測定しているとき、受信局での環境の変化の時間に
対して、全ての伝送速度でのビット誤り率の測定に要す
る時間は短い。そのため、伝送速度におけるビット誤り
率の測定条件は、ほぼ同一になり、測定精度が改善され
る。さらに、伝送速度を変更するために受信局を停止さ
せる必要がなくなり、測定時間が短縮される。また、伝
送速度を固定した状態では同期が捕捉できないほど高速
な伝送速度のもとでも、伝送速度が逐次的に切り替えら
れるため、より低い伝送速度で捕捉された同期をもとに
して、伝送速度が高いときの同期捕捉を補助する効果が
ある。このことにより、高い伝送速度においても安定に
同期を捕捉することができ、伝送速度が高速のときのビ
ット誤り率特性の測定精度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のビット誤り率測定方法において伝送
される送信符号を時間的に示す図である。
【図2】 本発明のビット誤り率測定方法によるビット
誤り率測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】 多重波環境を説明するための図である。
【図4】 受信局で観測される基底域波形例を示す図で
ある。
【図5】 多重波環境における受信電力に対するビット
誤り率の様子を示す図である。
【図6】 ビット誤り率の場所特性を示す図である。
【図7】 従来のビット誤り率測定装置の例を示すブロ
ック図である。
【図8】 疑似ランダム符号発生装置の構成例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
200、500 送信局 210、360 クロック発生手段 220、330 疑似ランダム符号発生手段 230 送信手段 240 送信アンテナ 300、600 受信局 310 受信アンテナ 320 受信手段 340 相関器 350 位相検出手段 370 ビット列比較手段 380、630 誤り数計測手段 400 シフトレジスタ 410 排他的論理和回路 510、610 クロック制御手段 520、620 分周器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信局で疑似ランダム符号を変調し送信
    した電波を受信局で復号し、その復号されたビット列と
    受信局内部で生成した疑似ランダム符号のビット列とを
    比較することによってビット誤り率を測定するビット誤
    り率測定方法において、 前記疑似ランダム符号の伝送速度を所定の符号数ごとに
    変化させることを特徴とするビット誤り率測定方法。
  2. 【請求項2】 疑似ランダム符号を変調して送信する送
    信局と、該信号を受信して得たビット列と内部で生成し
    た疑似ランダム符号のビット列とを比較することによっ
    てビット誤り率を測定する受信局とからなるビット誤り
    率測定装置であって、 前記送信局および前記受信局は、いずれも、疑似ランダ
    ム符号発生手段と、クロック発生手段と、該クロック発
    生手段の出力を分周して前記疑似ランダム符号発生手段
    に入力する分周器と、前記クロック発生手段の出力を計
    数し、該計数値が前記疑似ランダム符号発生手段により
    発生される疑似ランダムデータの予め定められたビット
    数に対応する計数値となったときに前記分周器の分周比
    切り替えるクロック制御手段を備え、 前記送信局におけるクロック制御手段と前記受信局にお
    けるクロック制御手段とが同期して動作するようになさ
    れていることを特徴とするビット誤り率測定装置。
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