JP2964314B2 - 加熱炉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉装置、特に
加熱ムラが少なく被加熱容器を正しく支持できる加熱炉
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１２は従来の加熱炉装置を示し、１は
電気炉等の筒状の加熱炉、２はこの加熱炉１の内周面に
上下に離間しながら円周方向に形成した発熱線収納溝、
３はこの発熱線収納溝２内に配置したコイル状の発熱
線、４は上記加熱炉１の底部に設けた台座、５は上記加
熱炉１内で上記台座４上に載置される加熱すべき硫酸等
の液体を入れる石英容器である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の加熱炉装置
においては、発熱線収納溝２内の発熱線３の加熱膨張・
収縮現象により発熱線３が発熱線収納溝２から飛び出す
のを防ぐため図１２に示すように発熱線収納溝２の開口
を狭める塞ぎ部６を設けているため、加熱が長時間にな
れば発熱線収納溝２内に熱がこもり、発熱状態が異常と
なり、温度ムラを生じ容器５内の被加熱体に対し悪影響
を及ぼすようになる欠点があった。

【０００４】また、従来の加熱炉装置は上記台座４が波
打ち板のみにより形成されているため変形し、容器５を
正しく支持できなくなる欠点があった。

【０００５】更に、過昇温防止熱電対を正しく設置する
ための好ましい構成が得られていない。

【０００６】本発明は上記の欠点を除くようにしたもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の加熱炉装置は、
筒状加熱炉と、この加熱炉の内周面に上下に離間しなが
ら円周方向に形成された発熱線収納溝と、この発熱線収
納溝内に挿入される発熱線と、上記筒状加熱炉内に被加
熱体を入れる容器を配置するため上記加熱炉の底部に設
けた台座と、上記加熱炉の内周面に上記発熱線収納溝の
一部を塞ぎながら軸方向に延びるように配置した発熱線
飛び出し防止杆とより成る。

【０００８】上記台座は、矩形状及び短冊状の断熱材を
寄木状に組み立てて成る断熱体を有する。

【０００９】また、本発明の加熱炉装置は、更に上記加
熱炉の外周面から上記発熱線収納溝内に達するように形
成した熱電対挿入孔を有する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下図面によって本発明の実施例
を説明する。

【００１１】本発明においては図１〜図５に示すように
発熱線収納溝２の開口を狭める塞ぎ部６を設けず、代わ
りに加熱炉１の内周面上に軸方向に延びる発熱線飛び出
し防止杆７を円周方向に互いに離間して例えば４本、上
記発熱線収納溝２の一部を塞ぐように配置し、この防止
杆の略半分を上記加熱炉１内に埋め込み、上記発熱線収
納溝２が形成されていない部分で上記加熱炉１の内周面
に接着剤８によって固定せしめる。

【００１２】本発明においては、また、図６及び図７に
示すように台座４を、中央に容器５を挿入する穴９を有
する上方底板１０と、この上方底板１０の下面に突出す
るボルト１１と、このボルト１１の下端部によって支持
した下方底板１２と、この下方底板１２上に載置した断
熱体１３と、これらを一体にその下方よりカバーする断
熱部カバー１４とにより構成する。

【００１３】上記断熱体１３は、図８及び図９に示すよ
うに例えば矩形状及び短冊状の例えば断熱レンガ１５と
１６を寄木状に組み立てて断熱レンガの熱膨張を吸収で
きるように形成する。

【００１４】更に本発明においては、図１０及び図１１
に示すように加熱炉１の外周面から上記発熱線収納溝２
内に貫通する半径方向の孔１７を設け、この孔１７内に
アルミナ保護管を配置し、この保護管内に熱電対１８を
その先端感温部１９が発熱線３の中心部に位置せしめる
ように挿入する。

【００１５】

【発明の効果】本発明の加熱炉装置は、上記のような構
成であるから発熱線収納溝２内に熱がこもるという従来
の欠点を一掃することができ、また、台座４をレンガ材
を寄木状に配置し形成しているため台座４の変形を完全
に防止でき容器５を正確に安定に支持することができ、
更に、熱電対１８によって発熱線３の温度を正確に検知
して発熱線３の過熱を防止することができる等大きな利
益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の加熱炉装置の縦断正面図である。

【図２】本発明の加熱炉装置の平面図である。

【図３】本発明の加熱炉装置の内周面の一部の正面図で
ある。

【図４】図３の一部の拡大図である。

【図５】図４の一部の拡大図である。

【図６】本発明の加熱炉装置の底面図である。

【図７】本発明の加熱炉装置における台座の一部を示す
正面図である。

【図８】本発明の加熱炉装置における台座の平面図であ
る。

【図９】本発明の加熱炉装置における台座の正面図であ
る。

【図１０】本発明の加熱炉装置の一部の縦断平面図であ
る。

【図１１】本発明の加熱炉装置の一部の正面図である。

【図１２】従来の加熱炉装置の縦断正面図である。

【符号の説明】

１ 加熱炉 ２ 発熱線収納溝 ３ 発熱線 ４ 台座 ５ 容器 ６ 塞ぎ部 ７ 発熱線飛び出し防止杆 ８ 接着剤 ９ 穴 １０ 上方底板 １１ ボルト １２ 下方底板 １３ 断熱体 １４ 断熱部カバー １５ 断熱レンガ １６ 断熱レンガ １７ 孔 １８ 熱電対 １９ 先端感温部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F27D 11/02 H05B 3/62 - 3/66

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状加熱炉と、この加熱炉の内周面に上
   下に離間しながら円周方向に形成された発熱線収納溝
   と、この発熱線収納溝内に挿入される発熱線と、上記筒
   状加熱炉内に被加熱体を入れる容器を配置するため上記
   加熱炉の底部に設けた台座と、上記加熱炉の内周面に上
   記発熱線収納溝の一部を塞ぎながら軸方向に延びるよう
   に配置した発熱線飛び出し防止杆とより成ることを特徴
   とする加熱炉装置。
2. 【請求項２】 上記台座が矩形状及び短冊状の断熱材を
   寄木状に組み立てて成る断熱体を有することを特徴とす
   る請求項１記載の加熱炉装置。
3. 【請求項３】 更に上記加熱炉の外周面から上記発熱線
   収納溝内に達するように形成した熱電対挿入孔を有する
   ことを特徴とする加熱炉装置。