JP2963809B2 - 共重合ポリエーテルグリコールおよびその製造方法 - Google Patents

共重合ポリエーテルグリコールおよびその製造方法

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JP2963809B2 JP244992A JP244992A JP2963809B2 JP 2963809 B2 JP2963809 B2 JP 2963809B2 JP 244992 A JP244992 A JP 244992A JP 244992 A JP244992 A JP 244992A JP 2963809 B2 JP2963809 B2 JP 2963809B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性機能良好なポリウ
レタン重合体組成物の原料として優れたポリエーテルグ
リコール及びその製造方法に関するものである。即ち、
本発明のポリエーテルグリコールを主原料のひとつとす
ることによって、高い破断伸度、伸張時の変形歪に対し
小さな応力変動、伸縮時の小さなヒステリシス損失、極
低温下でも優れた弾性の保持を示すポリウレタン重合体
を得る事が出来る。この他に、本発明のポリエーテルグ
リコールは、ポリウレタン重合体のみならず、ポリエス
テル、エポキシ等の原料として、フォーム、エラストマ
ー、繊維、塗料、接着剤、床材、シーラント、医用材
料、人工皮革等の用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】テトラヒドロフラン(以下、THFとい
う)とジメチルオキセタン或はネオペンチルグリコール
(以下、NPGという)との共重合体は種々の公知文献
に記載されている。例えば、THFとジメチルオキセタ
ンの共重合体は、J.Polym.Sci.,Poly
m.Chem.Ed.,20(12),3377−85
(1982)に、J.Polym.Sci.,Poly
m.Chem.Ed.,23(8),2283−9(1
985)には、理想的なランダム共重合が実現される事
が示されている。また、共重合比が低い例であるが、T
HFとNPGの共重合が可能であることは、特開昭60
−203633号公報、及び特開昭61−120830
号公報に示されている。また、THFとジメチルオキセ
タン或はNPGとの共重合体ジオールは、ブロック共重
合体であってもランダム共重合体であっても、優れた弾
性特性、低温特性を有するポリウレタン弾性体組成物を
与える事が、特開平2−49022号公報に示されてい
る。
【0003】しかしながら、従来の共重合体では、ブロ
ック共重合体はもちろん、ランダム共重合体でも共重合
比の高い場合は顕著に、下記ネオペンチレンオキサイド
構造単位(以下、Nという)(化3)が分子鎖中に連続
して存在し、共重合効果に限界があった。
【0004】
【化3】
【0005】特開昭60−203633号公報及び特開
昭61−120830号公報に開示されているものは、
NPG等共重合グリコール類の共重合比率が低いもので
ある。即ち、特開昭60−203633号公報の実施例
1は、THFと共重合させるエチレングリコール8.5
gに対し、無水の燐タングステン酸を100g使用し、
触媒に対するグリコールのモル比を4とした場合を例示
しているが、得られた共重合体中のエチレングリコール
成分の比率は高々10モル%である。実施例2では、ポ
リマー1分子に平均1分子のジオール類という低い共重
合比率ならば好ましく重合が行なえる事を示している
が、実施例4及び比較例2を示す表3では、1、3プロ
パンジオールの量が増すと水の量を増すのと同じ効果を
示し、得られるポリマー量もその分子量も減少し、触媒
に配位している水が2モルと少なくても、1、3−プロ
パンジオールが触媒1モルに対して16モルあれば殆ん
ど反応が進まない事を示している。ここで反応を促進す
るため反応温度を高くすることは、得られるポリマーの
分子量をより低くするので好ましくない、と説明されて
いる。
【0006】これら以外に、環状エーテルをTHFと共
重合させることが、特開昭61−123628号公報に
述べられている。この場合、触媒活性が抑制される事な
く重合反応は円滑に進む。しかし、NPGを脱水環化せ
しめた構造の3、3−ジメチルオキセタンの合成が困難
な為、高価になり、経済的に不利である。特開平2−4
9022号公報には、共重合体中のNが50を越えたも
のの記載がある。この場合は、Nが50を越えているこ
とから共重合体中に複数のN,Nの連鎖がが含まれてい
るものと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はN,N連鎖が
なく、比較的NPG濃度の高いTHFとの共重合体とそ
の製造方法を提供するものである。本共重合体より得ら
れるウレタンは極低温下でも優れた弾性を有する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記に示すN
(化4)とテトラメチレンオキサイド構造単位(以下、
Tという)(化5)よりなり、両末端がアルコール性水
酸基であるポリエーテルであり、Nが10モル%から5
0モル%、かつ、Nを夾んで隣接する構造単位が必ずT
であるか、Nが末端にある場合には片方がアルコール性
水酸基であることを特徴とする共重合ポリエーテルグリ
コール(以下、新規ポリエーテルグリコールと略称する
ことがある。)である。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】本発明のポリエーテルグリコールはNPG
とTHFを原料として、アルコール性水酸基及び活性を
示す触媒の存在下、共重合反応の過程で生成するポリ
トラメチレンエーテルグリコール(以下、純ポリテトラ
メチレングリコールまたは純PTMGと略称する。)の
解重合が進行する反応条件において製造することが出来
る。本発明のポリエーテルグリコールは、ランダム共重
合体グリコールよりも大きい共重合効果を発現させ、優
れた弾性特性、低温特性を有するポリウレタン弾性体組
成物を与える。しかしながら、Nが10モル%に満たな
い共重合組成ではNの均一分散性の差は小さく、より発
明の効果を発揮するには15モル%以上が好ましく、更
に好ましくは20モル%以上である。
【0012】本発明のポリエーテルグリコールは、アル
コール性水酸基の存在下で活性を示す触媒の存在下、多
量のNPGを仕込み、共重合反応の過程で生成する純P
TMGの解重合が進む高い温度と、低いTHF濃度、即
ち高いポリマー濃度での反応条件で製造される。アルコ
ール性水酸基の存在下で活性を示す触媒としては、特開
昭60−203633号公報に記載されているヘテロポ
リ酸、特開昭61−120830号公報に記載されてい
るヘテロポリ酸の塩等を用いることが出来る。しかし、
これらに限定されるものではない。適正な水の存在量の
もとで公知の酸性触媒を使用することができる。例え
ば、ベンゼンスルフォン酸、トルエンスルフォン酸など
のスルフォン酸類を使用できる。しかしこれらの内で好
ましいのは、ヘテロポリ酸と同様に反応後に反応液から
容易に分離でき、そのまま次の反応に使用できるもので
あり、例えばスルフォン酸基を含み、膨潤するが溶解し
ない高分子、即ち、スルフォン酸系のイオン交換樹脂
や、ナフィオンなどである。
【0013】本発明のポリエーテルグリコールを与える
特殊な反応条件方法に於てNPGの共重合比率を高める
ことが出来る理由は、触媒に対するジオールのモル比が
30であっても重合を進めることが出来るので、多量の
NPGを仕込む事が出来ること、共重合反応の過程で生
成する純PTMGの解重合条件で重合を進めるためにT
HFのみが連なるポリマー分子鎖の形成が抑制されるこ
と等が挙げられる。本発明のポリエーテルグリコールに
於てNPGの共重合比率が50%以下であるのは、本発
明のポリエーテルグリコールの特徴として、NとNが直
接連結する構造がNMRの解析から、無い事が証明で
き、従ってNPGの共重合比率が50%を超えることが
無いためである。
【0014】本発明のポリエーテルグリコールを用いた
ポリウレタンを、繊維、フィルム、コート材、塗料、ゴ
ム、プラスチック等に使用した場合、従来のポリテトラ
メチレングリコールを用いたものに較べ、低温特性およ
びヒステリシス損失が大きく改善される。本発明の製造
方法であるPTMGの解重合が進行する反応条件を具体
的に説明する。THFのみを原料として重合反応を進め
純PTMGを得ようとするとき、到達可能なポリマー濃
度の最大値、言い替えるとTHF濃度の最低値は温度に
よって定まる。THF濃度がこの最低値よりも低いと純
PTMGは解重合してTHFを生成し、THF濃度がこ
の最低値よりも高いとTHFは重合して純PTMGを生
成する。この関係に付いてはいくつかの文献があるが、
M.P.DREYFUSSらの報告(JOURNAL
OF POLYMER SCIENCE:PART A
−1 VOL.4 2179−2200(1966))
にまとまったものを見ることができる。この報文中にあ
るFig.2を図17に示す。この図は、純PTMG重
合に関して重合温度と平衡ポリマー濃度の関係を示して
いる。
【0015】例えば、ある温度で純PTMGを重合する
場合、この平衡曲線の上側の領域(ポリマー濃度が平衡
濃度より高い領域)では解重合が進むことによって、ま
た、下側の領域(ポリマー濃度が平衡濃度より低い領
域)では、重合が進むことによって平衡曲線上の平衡濃
度に達する。即ち、図17の曲線の右上の領域(より高
い温度、より高いポリマー濃度の領域)が、純PTMG
の解重合が進行する反応条件であり、本発明の製造条件
である。
【0016】本発明に関わる触媒についてもこの報文に
適合するかを確認するための実験を行った。即ち、15
0gのTHF、200gの3水配位燐タングステン酸
を、反応器内圧力を0.8kg/cm2 ・G、反応液の
温度を85℃に保ちつつ3時間撹拌し、上の液層82g
を取り出した所、取り出し液はPTMGを僅か1.3g
含んでいたにすぎず、報文の内容と合っていた。それで
は何故、純PTMGが解重合する条件下で重合を進める
ことが出来るのか、かつ進めるべきなのか、この理由を
推定する為の実験事実を紹介する。先ず第一の実験事実
は、解重合の実験である。純PTMGは燐タングステン
酸の存在下で加熱した時、77℃付近の温度で激しく解
重合してTHFを留出するが、本発明の共重合PTMG
は、燐タングステン酸の存在下で90℃の加熱浴で加熱
しても、実質的に解重合しなかった。
【0017】第二の実験事実は、液体クロマトグラフに
よる重合反応の初期の生成物の追跡である。本発明で行
う実施例に於いても、重合初期のポリマーは、2量体を
主とする低分子量体であり、重合時間の経過と共に3量
体、4量体が増え、徐々に高分子量化していく事が分か
った。そして、これはポリエステル、ポリアミド等にあ
る重縮合の挙動と一致する。即ち、本発明で行う重合反
応は、水の生成を伴う重縮合反応を主反応と見なすこと
が出来る。
【0018】従って、開環付加重合が主要な役割を果た
すTHFの重合、従来より知られているTHFと他の環
状エーテル化合物との共重合、或は少量のジオールとの
共重合とは、重合の主反応が異なっている。そして重縮
合においては、反応初期から多量にあるNPGのアルコ
ール性水酸基、水とTHFに由来するアルコール性水酸
基及びこれらが重縮合する為、生成する共重合PTMG
には多量のNPGを含むことができる。
【0019】以上から、本発明のポリエーテルグリコー
ルを得るために、純PTMGが解重合する条件下で共重
合を進め得る理由は、本発明の共重合体ではこの条件下
で解重合が進行しないという事及び、純PTMGの解重
合を進める条件が、NPGの共重合比率の高い本発明の
共重合体を生成する重縮合を主として進める条件であ
る、という事にある。重縮合反応の内容を具体的に推定
すれば、ポリエーテル分子鎖の末端オキシテトラメチレ
ンアルコールが水を生成しつつ環化してオキソニウムカ
チオンとなった重合解重合活性点と、NPG或いはTH
F由来のアルコールが付加し結合している。
【0020】解重合する条件下でNとNが直接連結する
構造がなく、かつNPGの共重合比率の高い本発明の共
重合体を生成する理由は、重合、解重合活性点は必ずT
HF由来のオキソニウムカチオンであり、NPGはこれ
との反応によってのみポリエーテル分子鎖に組み入れら
れ、かつ、重合、解重合活性点に連なるポリオキシテト
ラメチレン鎖は解重合反応により、THFを放出しつつ
消滅する傾向にあるためである。
【0021】結局、本発明のポリエーテルグリコールを
好ましく製造する必要要件をまとめると3要件あり、第
一に、アルコール性水酸基の存在下で活性を示す触媒、
例えばヘテロポリ酸やスルフォン酸などを用いること、
第二に、共重合グリコールとして解重合の伝播を阻止す
るジオール、即ち、NPGを使用すること、第三に、共
重合比率が高くなる重縮合を主反応とするために、純P
TMGの解重合が進む温度、ポリマー濃度で反応を進め
ることである。この重縮合反応を好ましい速度で進める
ための反応温度は70℃以上、好ましくは75℃以上で
ある。純PTMGの解重合が激しく進行する反応条件に
おいては、重合反応が促進され、充分高い共重合比率が
達成される。但し、反応温度を上げすぎると反応液や触
媒の着色が強くなり好ましくない。例えば燐タングステ
ン酸を触媒として用いた場合、通常110℃を超えると
着色がひどくなる。
【0022】先に、本発明で使用する触媒をあげたがこ
れらのうち、好ましい触媒としては、高温度に於ける安
定性が良く、反応活性も高い、燐タングステン酸を挙げ
ることが出来る。そして、燐タングステン酸などのヘテ
ロポリ酸を触媒として使用する場合、反応が進むに従い
反応液は触媒濃度が高い触媒層と、触媒を1%以下の低
濃度に含む液層とに分離し、2層の分散状態で反応が行
われるようになる。反応終了時に撹拌を止めて静置すれ
ば、重い触媒層は下に、軽い液層は上に分かれる。上の
液層を取り出し、THF、オリゴマー、溶存触媒を除去
して目的とするポリマーを得る。下に残された触媒層に
新しくNPG、THFを供給し、新しいバッチの反応を
開始する。このようにして、触媒を繰り返し使用しなが
ら本発明を実施することが出来る。
【0023】また、スルフォン酸を触媒として使用する
場合、ナフィオンのように、反応液に溶解しない触媒
は、触媒の分離が簡単なので好ましい。触媒1当量に対
し2〜10モルのNPGを仕込むのが適当である。NP
Gの量が少ないと、反応終了時に採取すべきポリマー量
が少なくなり、NPGの量が多いと、重縮合反応が遅く
ポリマーの重合度が上昇するのに長時間を要する。重縮
合によって生成する水は、反応系の気相水分として取り
出し、除く事が出来る。気相の組成は大部分THFであ
り、気相水分は0.4〜2.0wt%含まれているのが
通常である。
【0024】従って、水分を除去する際にTHFも共に
取り出すことになり、新しいTHFをその分多く補給す
る必要がある。このように反応系の気相を取り出す必要
がある為、反応液は沸騰温度である。反応温度を所定に
コントロールするには、THFの濃度をコントロールす
るのが容易な方法である。具体的な操作として液温を所
定に保つようにTHFの補給速度をコントロールすれ
ば、気相水分と共に取り出されたTHF、反応の進行に
伴う組成変化及び重合によるTHFの消費、これら全て
の変化に対応出来る基準操作をTHFに関して定め得た
ことになる。
【0025】反応液にあるTHF濃度は、反応圧力と反
応温度、即ち、沸騰圧力、温度で変わる。従って、TH
F濃度は反応温度を与件として反応圧力によってコント
ロールできる。反応液にある水濃度は、反応系の気相の
水濃度と動的平衡にある。従って反応液にある水濃度
は、反応系の気相の水濃度によってコントロールでき
る。本発明及び比較例のポリエーテルグリコールの構造
を解析するためホモポリテトラメチレングリコール(以
下、ホモPTMGという)とホモポリネオペンチルグリ
コール(以下、ホモPNPGという)の試料の調製、解
析を参考例1及び2に説明する。
【0026】
【参考例1】撹拌機及び還流コンデンサーを取り付けた
500cc3つ口フラスコを60℃の温浴にセットし、
これに200gのテトラヒドロフランと300gの6水
配位燐タングステン酸を仕込み、6時間撹拌を続けたの
ち撹拌を止めて静置した。かくして2層に分離した上層
を取り出し、これに1gの消石灰を加え、濾過した後、
含まれるTHFを減圧除去し、ポリテトラメチレングリ
コールを得た。このものの 1H−NMRスペクトルを図
5に示し、ジグナルa〜dを帰属した結果を(化6)に
示す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。
【0027】
【化6】
【0028】同様に13C−NMRスペクトルを図11に
示し、シグナルa〜fを帰属した結果を(化7)に示
す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。
【0029】
【化7】
【0030】この結果、ホモPTMGの主鎖と末端基の
1H及び13CNMRスペクトルのケミカルシフトが確認
された。
【0031】
【参考例2】撹拌機及び還流コンデンサーを取り付けた
100cc3つ口フラスコを20℃の水浴にセットし、
これに20gのNPGと20gのヂメチルオキセタンを
しこんだ。これに撹拌しつつ0.1gの6水配位燐タン
グステン酸を加える。しばらくすると急激な反応がみら
れ、おさまる。これに1gの炭酸ナトリウムを加え、濾
過してNPGオリゴマーを得た。このものの 1H−NM
Rスペクトルを図6に示し、シグナルa〜gを帰属した
結果を(化8)に示す。なお、NMRの測定条件は表7
に示す。
【0032】
【化8】
【0033】同様に13C−NMRスペクトルを図12に
示し、シグナルa〜hを帰属した結果を(化9)に示
す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。
【0034】
【化9】
【0035】この結果、ホモPTMGの主鎖と末端基の
1H及び13CNMRスペクトルのケミカルシフトが確認
された。以下、実施例、比較例を述べるが、本発明のポ
リエーテルグリコールが従来の、即ちNN連鎖を含むポ
リエーテルグリコールに較べ高い共重合比に於ては共重
合比に応じてより好ましい特長を有していることが分か
る。
【0036】
【実施例1】分留塔、コンデンサー、還流バルブ等一式
よりなる分留装置とアンカー羽根を有する電磁撹拌機と
THF供給口を備えたステンレス板の蓋と、熱媒の循環
するジャケット付きの10リットルステンレス釜が組合
わさる反応器に、1200gのNPGと1000gのT
HFを仕込み、撹拌し均一に溶解してからも撹拌しつつ
3000gの6水配位燐タングステン酸を仕込んだ。循
環する熱媒の温度を95℃一定とし、反応液の温度が8
5℃に達した時を反応開始時間とし、以降THFの供給
により反応液の温度を85℃にコントロールした。反応
開始20分後、分留塔頂温度を約63℃に設定し、含水
THFを留出し始めた。かくして10時間反応を続行さ
せた。反応の途中から触媒層が分離し始め、触媒層は液
滴の分散状態に変化し粘度が増していった。
【0037】反応終了時、撹拌を止め、15分経過後、
上の液層3180gを取り出した。約2000ccの触
媒層が残った。取り出した液層3180gを分析した結
果、ポリマーを70wt%、触媒を灰分として0.3w
t%含んでいた。ポリマー、即ち、共重合PTMGのO
H価を定量し、これより分子量を求めると1873であ
り、 1H−NMRよりNPGの共重合比は38モル%で
あった。
【0038】この分子量1873のポリエーテルジオー
ル1.873gと、これに対し1.6モル倍の4、4′
−ジフェニルメタンジイソシアネートと、更に溶媒とし
てのジメチルアセトアミド4000gを加え、乾燥窒素
下で40℃に8時間、撹拌して反応させ、プレポリマー
を得た。エチレンジアミン35.4g(0.59モ
ル)、ジエチルアミン0.72g(0.01モル)をジ
メチルアセトアミド1100gに溶解した溶液を、上記
プレポリマー溶液に高速撹拌下で一気に加え、さらに室
温で1時間反応させ、ポリウレタン重合体溶液を得た。
この溶液を4ホールの紡糸ノズルより200℃の熱風に
押しだし、毎分400mの速度で巻取って、40デニー
ルの繊維を得た。
【0039】繊維としての特性は、室温に於ける破断強
伸度、実用上は破断伸度が重要であり、かつ伸ばされた
状態でへたらず応力を保持することが重要である。特
に、本発明のポリエーテルグリコールから得られる繊維
は、伸度があり、および低温に於いてもよく応力を保持
する特長がある。破断強伸度は、試料長5cmのサンプ
ルを50cm/分の速度で引っ張りテストを20℃で行
った時の、破断強度及び破断伸度である。200%での
応力保持率は、毎分1.000%の歪み速度で300%
までの伸張回復を3回繰り返した時の、3回目の200
%歪み時の伸張時の応力に対する回復時の応力の保持率
を示す。
【0040】20℃で行った時の、破断強度及び破断伸
度、及び、20℃、−30℃で行った時の200%での
応力保持率を表1に示す。このものの 1H−NMRスペ
クトルを図1に示し、参考例2、3を参考に、シグナル
a〜iを帰属した結果を(化10)に示す。なお、NM
Rの測定条件は表7に示す。
【0041】
【化10】
【0042】本発明のポリエーテルジオールは、NのO
CH2 基のシグナル(e)が、以下に示した参考例3の
ホモPNPGの3.11ppmに対して3.14ppm
とわずかに低磁場側に観測されており、N連鎖によるケ
ミカルシフトと異なることがわかった。更に、このもの
13C−NMRスペクトルを図7に示し、参考例2、3
を参考に、シグナルa〜lを帰属した結果を(化11)
に示す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。
【0043】
【化11】
【0044】本発明のポリエーテルジオールは、NのO
CH2 基のシグナル(k)には多重線が認められず、ま
たそのケミカルシフトは77.17ppmで、参考例3
のホモPNPGのN連鎖に由来するシグナル(77.8
7ppm)と明らかに異なっている。これらの情報を明
確にするため、スペクトルの拡大を行なって解析した。
主鎖のNに関連するシグナルの13C−NMRスペクトル
拡大図を図13に示し、シグナルの帰属結果を(化12
〜14)に示す。NのCH3 基がb、>C<基がf、O
CH2 基がkに帰属される。これからNに関連するシー
クエンスをトリアド構造で解析した結果について以下に
述べる。
【0045】
【化12】
【0046】参考例3のホモPNPGの解析結果から〜
NNN〜があれば、22.56ppm(CH3 基)、3
7.09ppm(>C<基)、77.87ppm(−C
2−基)にシグナルが観測されるが、本発明のポリエ
ーテルジオールではこのケミカルシフトにシグナルは観
測されず、〜NNN〜結合は無しである。
【0047】
【化13】
【0048】〜NNT〜があれば、Nユニットの2個の
OCH2 基はN側とT側で非等価となり、同じ大きさの
シグナルが2本観測されるはずである。本発明のポリエ
ーテルジオールは、シグナル(k1)が単一であり、〜
NNT〜の存在が否定される。
【0049】
【化14】
【0050】本発明のポリエーテルジオールのNユニッ
トの各シグナル(b:22.49ppm、f1:36.
57ppm、k1:77.19ppm)は、ケミカルシ
フトが参考例3のホモPNPGの〜NNN〜(22.5
6ppm、37.09ppm、77.87ppm)と異
なり、OCH2 基のシグナル(k1)が1本であること
から、〜TNT〜の構造が示唆された。以上の結果か
ら、本発明で得られたポリエーテルジオールのNに関連
するシークエンスは、〜TNT〜のみが存在することが
わかった。
【0051】
【実施例2】実施例1に記述した反応器に、1100g
のNPGと1300gのTHFを仕込み、撹拌し均一に
溶解してからも撹拌しつつ3000gの6水配位燐タン
グステン酸を仕込んだ。循環する熱媒の温度を100℃
一定とし、同時にコンデンサー上部に連結する調圧窒素
吹き込み弁とパージ弁により反応器内圧力を0.2Kg
/cm2 ・Gに調圧した。
【0052】反応液の温度が85℃に達した時を反応開
始時間とし、以降THFの供給により反応液の温度を8
5℃にコントロールした。反応時間40分後、分留塔下
部温度を約70.3℃に設定し、含水THFを留出し始
めた。この分留塔下部の含水THFは1%前後の水を含
んでいた。かくして14時間反応を続行した。反応の途
中から触媒層が分離し始め、液滴の分散状態に変化し粘
度が増して行った。反応終了時に撹拌を止め、20分経
過後、上の液層3880gを取り出した。約2000c
cの触媒層が残った。取り出した液層3880gを分析
した結果、ポリマーを64wt%、触媒を灰分として
0.5wt%含んでいた。ポリマー、即ち、共重合PT
MGのOH価を定量し、これより分子量を求めると18
30であり、 1H−NMRよりNPGの共重合比は29
モル%であった。
【0053】実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維
を得て、これについて20℃で行った時の、破断強度及
び破断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の20
0%での応力保持率を表1に示す。このものの 1H−N
MRスペクトルを図2に、13C−NMRスペクトルを図
8、主鎖のNに関連するシグナルの13C−NMRスペク
トル拡大図を図14に示した。なお、NMRの測定条件
は表7に示す。実施例1と同様に解析した結果、本発明
で得られたポリエーテルジオールのNに関連するシーク
エンスは、〜TNT〜のみが存在することがわかった。
【0054】20℃、0℃、−20℃、−40℃におけ
るNMRのシグナル半値幅を表4に、そのNMR測定条
件を表2に示す。分子の運動性とNMR現象の関係を表
3に示す。従って、スピン−スピン緩和時間(T2 )も
しくは、NMRシグナル幅を測定することで、分子の運
動性に関する情報が得られる。本発明のポリエーテルグ
リコールは以下に示す比較例2の試料に比べて、低温領
域(0℃〜40℃)においてNMRシグナル半値幅が狭
いことがわかった。これは、低温下で分子が運動しやす
く、比較例の試料は分子の運動が抑制されている。
【0055】次に25℃、10℃、0℃、−10℃、−
20℃、−30℃、−40℃における拡散透過率を表6
にその拡散透過率測定条件を表5に示す。透明物質が、
凝固等によって濁りはじめると平行光線を拡散するよう
になる。この拡散光量を測定することで、濁り度合に関
する情報が得られる。拡散透過率は、本発明のポリエー
テルグリコールに比べ比較例2の試料が大きい(特に−
20℃位で差が顕著になる)ことから、本発明のポリエ
ーテルグリコールは分子が凝集又は結晶化しにくい構造
になっている。
【0056】
【実施例3】実施例1に記述した反応器に、900gの
NPGと1300gのTHFを仕込み、撹拌し均一に溶
解してからも撹拌しつつ3000gの6水配位燐タング
ステン酸を仕込んだ。循環する熱媒の温度を85℃一定
とし、同時にコンデンサー上部に連結する調圧窒素吹き
込み弁とパージ弁により反応器内圧力を0.2Kg/c
2 ・Gに調圧した。
【0057】反応液の温度が74℃に達した時を反応開
始時間とし、以降THFの供給により反応液の温度を7
4℃にコントロールした。反応時間40分後、分留塔下
部温度を約70.3℃に設定し、含水THFを留出し始
めた。この分留塔下部の含水THFは1%前後の水を含
んでいた。かくして18時間反応を続行した。反応の途
中から触媒層が分離し始め、液滴の分散状態に変化し粘
度が増して行った。反応終了時に撹拌を止め、20分経
過後、上の液層4450gを取り出した。約2000c
cの触媒層が残った。
【0058】取り出した液層4450gを分析した結
果、ポリマーを50wt%、触媒を灰分として0.4w
t%含んでいた。ポリマー、即ち、共重合PTMGのO
H価を定量し、これより分子量を求めると1839であ
り、 1H−NMRよりNPGの共重合比は21モル%で
あった。実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維を得
て、これについて20℃で行った時の、破断強度及び破
断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の200%
での応力保持率を表1に示す。
【0059】このものの 1H−NMRスペクトルを図3
に、13C−NMRスペクトルを図9、主鎖のNに関連す
るシグナルの13C−NMRスペクトル拡大図を図15に
示す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。実施例1
と同様に解析した結果、本発明で得られたポリエーテル
ジオールのNに関連するシークエンスは、〜TNT〜の
みが存在することがわかった。実施例2と同様に、25
℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、−
40℃における拡散透過率を表6にその拡散透過率測定
条件を表5に示す。実施例2と同様に本発明のポリエー
テルグリコールは分子が凝集又は結晶化しにくい構造に
なっている。
【0060】
【実施例4】実施例1に記述した反応器に、450gの
NPGと1300gのTHFを仕込み、撹拌し均一に溶
解してからも撹拌しつつ3000gの6水配位燐タング
ステン酸を仕込んだ。循環する熱媒の温度を80℃一定
とし、反応液の温度が71℃に達した時を反応開始時間
とし、以降THFの供給により反応液の温度を71℃に
コントロールした。
【0061】反応時間40分後、分留塔下部温度を約6
9.5℃に設定し、含水THFを留出し始めた。この分
留塔下部の含水THFは0.8%前後の水を含んでい
た。かくして24時間反応を続行した。反応の途中から
触媒層が分離し始め、液滴の分散状態に変化し粘度が増
して行った。反応終了時に撹拌を止め、20分経過後、
上の液層5550gを取り出した。約2000ccの触
媒層が残った。取り出した液層5550gを分析した結
果、ポリマーを45wt%、触媒を灰分として0.4w
t%含んでいた。ポリマー、即ち共重合PTMGのOH
価を定量し、これより分子量を求めると1733であ
り、 1H−NMRよりNPGの共重合比は10モル%で
あった。実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維を得
て、これについて20℃で行った時の、破断強度及び破
断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の200%
での応力保持率を表1に示す。
【0062】
【実施例5】実施例1に記述した反応器と同様の構造で
あるが1L容量の反応器に、104gのNPGと130
gのTHFを仕込み、触媒としてアルドリッチ社のカタ
ログにあるNAFIO(R)NR50.10−30メッ
シュを130gを仕込んだ。循環する熱媒の温度を92
℃一定とし、反応液の温度が80℃に達した時を反応開
始時間とし、以降THFの供給により反応液の温度を8
0℃にコントロールした。同時に、流出液の水分が0.
6%以上の時にそれを取り出し、0.6%以下の時は反
応器に戻すという操作により反応系の気相水分を0.6
%にコントロールした。かくして32時間反応を続行し
た。反応終了時に撹拌を止め、145gの反応液を触媒
から濾別した。濾液はポリマーを65wt%含んでい
た。ポリマー、即ち共重合PTMGのOH価を定量し、
これより分子量を求めると1000であり、 1H−NM
RよりNPGの共重合比は37モル%であった。
【0063】
【比較例1】実施例1に記述した反応器に、2400g
のTHFと40gの6水配位燐タングステン酸を仕込ん
だ。循環する熱媒の温度を25℃一定とし、反応液の温
度を30℃以下に保つように1600gのジメチルオキ
セタンと2000gのTHFと36gの水の混合液を4
時間にわたって連続的に添加し、その後も2時間撹拌を
続けた。取り出した液を分析した結果、ポリマーを61
wt%含んでいた。ポリマー、即ち共重合PTMGのO
H価を定量し、これより分子量を求めると1833であ
り、 1H−NMRよりNPGの共重合比は38モル%で
あった。
【0064】実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維
を得、これについて20℃で行った時の、破断強度及び
破断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の200
%での応力保持率を表1に示す。
【0065】
【比較例2】実施例1に記述した反応器に、2400g
のTHFと80gの6水配位燐タングステン酸を仕込ん
だ。循環する熱媒の温度を55℃一定とし、反応液の温
度を60℃以下に保つように1100gのジメチルオキ
セタンと2500gのTHFと30gの水の混合液を4
時間にわたって連続的に添加し、その後も2時間撹拌を
続けた。
【0066】取り出した液を分析した結果、ポリマーを
56wt%含んでいた。ポリマー、即ち、共重合PTM
GのOH価を定量し、これより分子量を求めると180
7であり、 1H−NMRよりNPGの共重合比は30モ
ル%であった。実施例1と同様にして、ポリウレタン繊
維を得、これについて20℃で行った時の、破断強度及
び破断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の20
0%での応力保持率を表1に示す。20℃、0℃、−2
0℃、−40℃におけるNMRのシグナル半値幅を表4
に、そのNMR測定条件を表2に示す。25℃、10
℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、−40℃に
おける拡散透過率を表6にその拡散透過率測定条件を表
5に示す。
【0067】
【比較例3】実施例1に記述した反応器に、2400g
のTHFと100gの6水配位燐タングステン酸を仕込
んだ。循環する熱媒の温度を55℃一定とし、反応液の
温度を60℃以下に保つように800gのジメチルオキ
セタンと2800gのTHFと25gの水の混合液を4
時間にわたって連続的に添加し、その後も2時間撹拌を
続けた。取り出した液を分析した結果、ポリマーを51
wt%含んでいた。ポリマー、即ち、共重合PTMGの
OH価を定量し、これより分子量を求めると1839で
あり、 1H−NMRよりNPGの共重合比は23モル%
であった。実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維を
得、これについて20℃で行った時の、破断強度及び破
断伸度、及び、20℃、−30℃で行った時の200%
での応力保持率を表1に示す。このものの 1H−NMR
スペクトルを図4に示し、参考例2、3を参考に、シグ
ナルa〜iを帰属した結果を(化14)に示す。なお、
NMRの測定条件は表7に示す。
【0068】
【化15】
【0069】比較例で得られたポリエーテルジオール
は、NのOCH2 基のシグナル(e)が、以下に示した
参考例3のホモPNPGの3.11ppmと3.14p
pmに観測されており、N連鎖によるケミカルシフトが
共存していると推定される。更に、このものの13C−N
MRスペクトルを図10に示し、参考例2、3を参考
に、シグナルa〜lを帰属した結果を(化15)に示
す。なお、NMRの測定条件は表7に示す。
【0070】
【化16】
【0071】比較例で得られたポリエーテルジオール
は、NのOCH2 基のシグナル(k)は3重線であり、
そのケミカルシフトも参考例3のホモPNPGに由来す
るシグナル(77.87ppm)と明らかに異なってい
る。これらの情報を明確にするため、スペクトルの拡大
を行なって解析した。主鎖のNに関連するシグナルの13
C−NMRスペクトル拡大図を図16に示し、シグナル
の帰属結果を(化16〜18)に示す。NのCH3 基が
b、>C<基がf、OCH2 基がkに帰属される。これ
からNに関連するのシークエンスをトリアド構造で解析
した結果について以下に述べる。
【0072】
【化17】
【0073】参考例3のホモPNPGの解析結果から〜
NNN〜があれば、22.56ppm(CH3 基)、3
7.09ppm(>C<基)、77.87ppm(−C
2−基)にシグナルが観測されるが、比較例で得られ
たポリエーテルジオールではこのケミカルシフトにシグ
ナルは観測されず、〜NNN〜結合は無しである。
【0074】
【化18】
【0075】〜NNT〜があれば、Nユニットの2個の
OCH2 基はN側とT側で非等価となり、同じ大きさの
シグナルが2本観測されるはずである。k2とk3のシ
グナル強度がほぼ等しく、そのケミカルシフト(k2:
77.30ppm、k3:77.61ppm)から〜N
NT〜構造が推定される。また、>C<基(f2)の3
6.77ppmのシグナルもケミカルシフトから推定し
て、〜NNT〜構造に由来するものである。
【0076】
【化19】
【0077】Nのユニットの各シグナル(b:22.4
9ppm、f1:36.57ppm、k1:77.19
ppm)は、ケミカルシフトが参考例3のホモPNPG
の〜NNN〜(22.56ppm、37.09ppm、
77.87ppm)と異なり、OCH2 基のシグナル
(k1)が1本であることから、〜TNT〜の構造が示
唆された。以上の結果から、本発明で得られたポリエー
テルジオールのNに関連するシークエンスは、〜TNT
〜と〜TNN〜が存在することがわかった。25℃、1
0℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、−40℃
における拡散透過率を表6にその拡散透過率測定条件を
表5に示す。
【0078】
【比較例4】実施例1に記述した反応器に、2400g
のTHFと400gの6水配位燐タングステン酸を仕込
んだ。循環する熱媒の温度を60℃一定とし、反応液の
温度を60℃に保つように280gのジメチルオキセタ
ンと2800gのTHFと20gの水の混合液を7時間
にわたって連続的に添加し、その後も2時間撹拌を続け
た。取り出した液を分析した結果、ポリマーを43wt
%を含んでいた。ポリマー、即ち共重合PTMGのOH
価を定量し、これより分子量を求めると1789でり、
1H−NMRよりNPGの共重合比は11モル%であっ
た。実施例1と同様にして、ポリウレタン繊維を得て、
これについて20℃で行った時の、破断強度及び破断伸
度、及び、20℃、−30℃で行った時の200%での
応力保持率を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【発明の効果】本発明のポリエーテルグリコールを主原
料のひとつとすることによって、高い破断伸度、伸張時
の変形歪に対し小さな応力変動、伸縮時の小さなヒステ
リシス損失、極低温下でも優れた弾性の保持を示すポリ
ウレタン重合体を得ることが出来る。また、ポリウレタ
ン重合体の原料のみならず、ポリエステル、エポキシな
どの重合体原料として用いることによって、フォーム、
エラストマー、繊維、塗料、接着剤、床材、シーラン
ト、医用材料、人工皮革などの用途に用いることができ
る。更に、低温に於いても良好な流動性を保持する加工
性の優れた特徴を有する原料となるのみならず、最終製
品に優れた低温特性を付与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の実施例1のH−NMRスペ
クトル図である。
【図2】本発明の化合物の実施例2のH−NMRスペ
クトル図である。
【図3】本発明の化合物の実施例3のH−NMRスペ
クトル図である。
【図4】比較例3のH−NMRスペクトル図である。
【図5】テトラメチレンオキサイド構造のみであり、両
末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルグリコー
ル(ホモPTMG)のH−NMRスペクトル図であ
る。
【図6】ネオペンチレンオキサイド構造のみであり、両
末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルグリコー
ル(ホモPNPG)のH−NMRスペクトル図であ
る。
【図7】本発明の化合物の実施例1の13C−NMRス
ペクトル図である。
【図8】本発明の化合物の実施例2の13C−NMRス
ペクトル図である。
【図9】本発明の化合物の実施例3の13C−NMRス
ペクトル図である。
【図10】比較例3の13C−NMRスペクトル図であ
る。
【図11】テトラメチレンオキサイド構造のみであり、
両末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルグリコ
ール(ホモPTMG)の13C−NMRスペクトル図で
ある。
【図12】ネオペンチレンオキサイド構造のみであり、
両末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルグリコ
ール(ホモPNPG)の13C−NMRスペクトル図で
ある。
【図13】本発明の化合物の実施例1の13C−NMR
スペクトル拡大図である。
【図14】本発明の化合物の実施例2の13C−NMR
スペクトル拡大図である。
【図15】本発明の化合物の実施例3の13C−NMR
スペクトル拡大図である。
【図16】比較例3の13C−NMRスペクトル拡大図
である。
【図17】ポリテトラメチレンエーテルグリコール重合
の際の、重合温度と平衡ポリマー濃度の関係を示す図で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示すネオペンチレンオキサイド構
    造単位(以下、Nという)(化1)とテトラメチレンオ
    キサイド構造単位(以下、Tという)(化2)よりな
    り、両末端がアルコール性水酸基であるポリエーテルで
    あり、Nが10モル%から50モル%、かつ、Nを夾ん
    で隣接する構造単位が必ずTであるか、Nが末端にある
    場合には片方がアルコール性水酸基で、分子量が800
    以上あることを特徴とする共重合ポリエーテルグリコー
    ル。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 ネオペンチルグリコールとテトラヒドロ
    フランを原料として、アルコール性水酸基の存在下で活
    性を示す燐タングステン酸触媒の存在下、ポリテトラメ
    チレンエーテルグリコールの解重合が進行する反応条件
    において70℃以上の重合温度で製造することを特徴と
    する請求項1記載の共重合ポリエーテルグリコールの製
    造方法。
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