JP2962235B2 - Ａｔｍ伝送網の加入者トラヒック制御方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＡＴＭ（Asynchro
nous Transfer Mode）伝送網における加入者トラヒック
制御方法とその装置に関し、特に情報の発生が一定であ
るＣＢＲ（Constant Bit Rate ）のトラヒックのセル流
を入力するＡＴＭ伝送装置におけるＵＰＣ（Usage Para
meter Control ）処理に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＡＴＭ網においては、帯域制御の自由度
が大きいので、網の品質を保証するために、ＵＰＣ（Us
age Parameter Control 使用量パラメータ制御）と呼ば
れる加入者トラヒックの制御が網の入口において実施さ
れる。すなわち、加入者は予め自己のセルの流量（トラ
ヒック）に関する申告を行い、局側ではこの各加入者の
申告に基づいて、定められた優先度によるセルの廃棄処
理等の、いわゆるポリシング制御を行ない、網内のトラ
ヒックの流量を制限するもので、このＵＰＣ処理をいか
に効率よく実施するかについて、種々の提案がなされて
いる。

【０００３】図６に示すのは、従来のＡＴＭ伝送装置の
加入者トラヒック制御方式の１例として、特開平５−２
７６１８８号公報等に開示されたＵＰＣ配備方式のブロ
ック図の１例である。

【０００４】ＡＴＭ伝送装置１は、加入者からのＮ本の
入力パスのセルをセル多重するセル多重部２、Ｎ本の入
力パスのそれぞれの契約トラヒック量、すなわち、Ｎ種
の契約トラヒック量を管理する情報テーブル５、及び各
入力パスのセルが契約トラヒック量に整合しているかを
監視するＵＰＣ回路部４を有している。

【０００５】この従来方式におけるＵＰＣ処理の流れを
図７に示す。

【０００６】すなわち、先ず、入力パスから入力された
セルを受信し（ステップＣ１）、セルのヘッダ情報を参
照する（ステップＣ２）ことにより、該セルがＮ種のト
ラヒック中のどの種のトラヒックに属しているかを判定
し、情報テーブル５に格納されている該当のトラヒック
の契約トラヒック量を参照し（ステップＣ３）、該当セ
ルのトラヒック量が参照した契約トラヒック量に整合し
ているか監視する（ステップＣ４）。

【０００７】不整合の検出されなかったセルは、下流の
装置にそのまま送信され、不整合の検出されたセルは、
タギング、もしくは廃棄される（ステップＣ５）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来の加入者トラヒッ
ク制御方式においては、Ｎ本の入力パスに対して少なく
ともＮ種の入力トラヒックを有し、入力パスのセルをセ
ル多重する場合、Ｎ種のトラヒックのセルに対し加入者
トラヒック制御を行なっている。すなわち、従来のＡＴ
Ｍ伝送装置は、入力パスと同数のＮ種の契約トラヒック
量の情報を有しているので、入力パスが増えると、それ
に比例して入力トラヒック量が最低１つずつ増えること
になり、入力パスの契約トラヒック量を管理する情報テ
ーブルの情報が増大する。

【０００９】従って、ハードウェア処理によりＵＰＣ処
理を行なう場合、入力パスが増えるたびに契約トラヒッ
ク量を管理するためのメモリ情報が増加することから、
メモリ規模が大きくなり、ハードウェア規模が増大する
という問題点があった。

【００１０】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
入力パスの増加に伴うＵＰＣ処理を行なう装置の規模の
増大を防止することができる加入者トラヒック制御方式
を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の加入者トラヒッ
ク制御方法は、Ｎ本の入力パスをＭ種、ただしＭ＜Ｎ、
のトラヒック種別に分類し、分類したトラヒックに対し
てトラヒック量が契約トラヒック量に整合しているかい
ないかを監視するＵＰＣ処理を行なう。

【００１２】また、Ｎ本の入力パスより入力されるセル
のヘッダ情報とＭ種のトラヒック番号のデータを保持
し、受信セルのヘッダを読み出し、該セルが属するトラ
ヒック番号を保持データより引き出し、該セルと同期さ
せ、トラヒック番号を出力することが望ましい。

【００１３】また、トラヒック番号とＵＰＣ処理に用い
る測定パラメータのデータをＭ種保持する情報テーブル
に従い、受信セルと同時に受信するトラヒック番号から
情報テーブルの該当する測定パラメータを引き出し、該
セルに対し引き出した測定パラメータでＵＰＣ処理を実
施することが望ましい。

【００１４】また、入力トラヒックが新規に増加した場
合、または入力トラヒックのトラヒックパラメータが変
更された場合に、そのトラヒックのセルのヘッダ情報と
トラヒックパラメータが管理する上位システムより入力
され、その入力された情報を元に、入力トラヒックをＭ
種に分類するための情報、及びＵＰＣ処理を行なうため
の測定パラメータを設定することが望ましい。

【００１５】本発明の加入者トラヒック制御装置は、入
力パスと同数のＮ種のヘッダ情報と、Ｍ種のトラヒック
番号の情報とを保持し、受信セルから読み込んだヘッダ
情報を用いてそのトラヒック番号の情報を該当セルと同
期させて出力する振分手段と、受信したセル及びトラヒ
ック番号を受信し、トラヒック番号を用いて情報テーブ
ルから該当セルの測定パラメータを引き出し、ＵＰＣ処
理を施すＵＰＣ処理手段と、Ｍ種のトラヒック番号と測
定パラメータが格納される情報テーブルとを有する。

【００１６】振分回路部には、Ｎ種のヘッダ情報とＭ種
のトラヒック番号のデータが保持される。振分回路部
は、受信セルのヘッダ情報を読み出し、そのヘッダ情報
に対応するトラヒック情報を保持データより引き出し、
引き出したトラヒック番号を該当セルに割り付ける意味
で、該当セルに対応するトラヒック番号を該当セルと同
期させ出力することで、入力トラヒックをＭ種に分類す
る。

【００１７】一般に、音声や画像等の情報は、単位時間
内の情報量が概ねある範囲に限られる特性を有し、ま
た、ディジタル符号化方式及び符号化速度も類別できる
ことから、加入者端末が発信するトラヒックの特性は、
ある程度の種類に分類することができる。ＡＴＭにより
情報をセル化して通信を行なうときのセル流のトラヒッ
ク特性は、セルレート等のトラヒックパラメータで表現
され、ＵＰＣ処理はこのトラヒックパラメータを元とし
てセル流の監視を行なうものである。

【００１８】そこで、本発明の加入者トラヒック制御方
式は、トラヒックパラメータが同一となるトラヒック
は、当然同じトラヒック特性を持つことを利用し、情報
が周期的に発生するトラヒックに対して、トラヒック特
性が同一なトラヒックごとに分類し、分類したトラヒッ
クに対してＵＰＣ処理を行なうことで、ＵＰＣ処理にお
いて使用されるメモリ容量を削減し、ハードウェア規模
を縮小することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００２０】図１は本発明の加入者トラヒック制御方式
の１実施例を示すブロック図である。

【００２１】図１において、本実施例のＡＴＭ伝送装置
１は、セル多重部２と、振分回路部３と、ＵＰＣ回路部
４と、情報テーブル５と、制御部６とによって構成され
る。

【００２２】セル多重部２は、Ｎ本の入力パスから入力
された受信セルをセル多重して振分回路部３に出力し、
振分回路部３は、Ｎ種のヘッダ情報とＭ種（Ｍ＜Ｎ）の
トラヒック番号のデータとを保持し、受信セルから読み
込んだヘッダ情報を用いて保持データよりトラヒック番
号を該当セルと同期させてＵＰＣ回路部４に出力し、Ｕ
ＰＣ回路部４は、受信したトラヒック番号を用いて情報
テーブル５から該当セルの測定パラメータを引き出し、
ＵＰＣ処理を施して出力する。

【００２３】情報テーブル５は、Ｍ種のトラヒック番号
と測定パラメータを管理し、制御部６は、トラヒックパ
ラメータ及び該当トラヒック数のデータをＭ種保持し、
入力パスが新規に増え、入力トラヒックが増えた場合や
入力トラヒックのトラヒックパラメータが変更になった
場合に、その入力トラヒックのセルのヘッダ情報とトラ
ヒックパラメータを管理情報として上位の管理システム
より入力し、入力されたトラヒックパラメータから入力
されたセルのヘッダ情報を持つトラヒックのセルに該当
するトラヒック番号を引き出し、ヘッダ情報とトラヒッ
ク番号とを振分回路部３に設定し、かつ、ＵＰＣ回路部
４が引き出されたトラヒック番号を持つトラヒックのセ
ルに対して行なうＵＰＣ処理の測定パラメータを導出
し、トラヒック番号と測定パラメータを情報テーブル５
に設定する。

【００２４】次に、図１、図２及び図３を参照して、本
実施例の動作について説明する。図２はＮ本の入力パス
のセルをセル多重した後のフローチャート、図３は入力
パスの追加等により制御部６に管理情報が入力されると
きのフローチャートである。入力パスを新規に追加して
入力トラヒックが追加された場合や、入力トラヒックの
トラヒックパラメータを変更した場合に、制御部６には
そのトラヒックのセルのヘッダ情報とトラヒックパラメ
ータが管理情報として不図示の管理システムから入力さ
れる（ステップＢ１）。制御部６は、入力されたトラヒ
ックパラメータから該当するトラヒック番号を保持デー
タから引き出し（ステップＢ２）、保持データの該当ト
ラヒック数を変更する（ステップＢ３）。次に、入力さ
れたセルのヘッダ情報と引き出したトラヒック番号を振
分回路部３に設定する（ステップＢ４）。次に、引き出
したトラヒック番号のトラヒックのセルに対してＵＰＣ
回路部４が行なうＵＰＣ処理に用いられる測定パラメー
タを、保持データのトラヒックパラメータに該当トラヒ
ック数を乗じて算出し（ステップＢ５）、トラヒック番
号と測定パラメータを情報テーブル５に設定する（ステ
ップＢ６）。

【００２５】振分回路部３は、セルを受信したとき（ス
テップＡ１）、受信セルのヘッダ情報を読み出し（ステ
ップＡ２）、読み出したヘッダ情報を元として保持デー
タから該当セルに関するトラヒック番号を引き出し（ス
テップＡ３）、そのトラヒック番号を該当セルと同期さ
せてＵＰＣ回路部４に出力する（ステップＡ４）。ＵＰ
Ｃ回路部４は、振分回路部３からセルと同時にトラヒッ
ク番号を受信し（ステップＡ５）、受信したトラヒック
番号に該当するＵＰＣ処理の測定パラメータを情報テー
ブルから引き出し（ステップＡ６）、該当セルに対して
引き出した測定パラメータを用いてＵＰＣ処理を行い
（ステップＡ７）、該当セルの属するトラヒックが契約
違反していないか監視する（ステップＡ８）。該当セル
が違反している場合には、該当セルに対してタギング、
もしくは廃棄を行い（ステップＡ９）、該当セルが違反
していない場合は処理を終了する。

【００２６】次に、本発明の他の実施例について図面を
参照して説明する。

【００２７】図４は、ＡＴＭ伝送装置１に入力されるパ
スの内の１本のパス７がＮ種のトラヒックを含み、セル
８のヘッダ情報がＮ種に分けられている場合の第２の実
施例を示す。

【００２８】この場合、振り分け回路３は、Ｎ種のヘッ
ダ情報とＭ種（Ｍ＜Ｎ）のトラヒック番号を保持し、受
信セルに対して受信セルのヘッダ情報から該当するトラ
ヒック番号を保持データから引き出し、そのトラヒック
番号を該当セルと同期させて出力する。ＵＰＣ回路部４
は、第１の実施例と同様にして受信セルに対してＵＰＣ
処理を行なう。

【００２９】さらに、本発明の第３の実施例について説
明する。

【００３０】図５は、ＡＴＭ伝送装置１に各パスに各々
Ｎ種のトラヒックが入力されるＬ本のパスが入力される
本発明の第３の実施例を示す図である。

【００３１】ＡＴＭ伝送装置１には、（Ｌ×Ｎ）種のト
ラヒックが入力される。振り分け回路３では、（Ｌ×
Ｎ）種のヘッダ情報とＭ種のトラヒック番号を保持し、
受信セルに対し、受信セルのヘッダ情報から該当するト
ラヒック番号を保持データから引き出し、そのトラヒッ
ク番号を該当セルと同期させて出力する。ＵＰＣ回路部
４は、実施例１と同様にして受信セルに対してＵＰＣ処
理を行なう。

【００３２】

【発明の効果】上述のように本発明は、Ｎ本の入力トラ
ヒックをＭ種のトラヒックに分類し、分類したトラヒッ
クに対してＵＰＣ処理を行なうため、ＵＰＣ処理に使用
される測定パラメータは、最大Ｍ種が管理されればよ
い。従って、管理する測定パラメータ数を従来は最低Ｎ
種必要とするところ、Ｍ種に削減して測定パラメータを
保持するメモリ容量を削減することを可能とし、ハード
ウェアの規模を縮小できる効果がある。

【００３３】また、入力トラヒックが増加し、管理する
測定パラメータ数が増加するために発生したＵＰＣ処理
に関するメモリ容量の増加を抑止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すブロック構成図で
ある。

【図２】第１実施例の入力トラヒックに対する処理のフ
ローチャートである。

【図３】第１実施例の入力トラヒックの変更時の処理を
示すフローチャートである。

【図４】本発明の第２の実施例のブロック構成図であ
る。

【図５】本発明の第３の実施例のブロック構成図であ
る。

【図６】従来の加入者トラヒック制御方式の１実施例の
ブロック構成図である。

【図７】従来の加入者トラヒック制御方式のフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１ ＡＴＭ伝送装置 ２ セル多重部 ３ 振分回路 ４ ＵＰＣ回路部 ５ 情報テーブル ６ 制御部 ７ パス ８ セル Ａ１〜Ａ９，Ｂ１〜Ｂ６，Ｃ１〜Ｃ５ フローチャート
のステップ

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数Ｎ本の入力パスから非同期転送モー
   ドのトラヒックのセル流が入力されるＡＴＭ伝送網の加
   入者トラヒック制御方法において、 複数Ｎ本の入力パスから入力される各セル流の種別をト
   ラヒック種別ごとにＭ種に分類して記憶装置に格納し、 入力パスから入力された受信セルのヘッダ情報により、
   該受信セルに該当するトラヒック種別を前記記憶装置か
   ら検索し、 検索したトラヒック種別により前記受信セルに対してト
   ラヒック量が契約トラヒック量と整合しているかを監視
   するＵＰＣ処理を行なうことを特徴とする加入者トラヒ
   ック制御方法。
2. 【請求項２】 Ｎ本の入力パスより入力される各セルの
   ヘッダ情報とＭ種のトラヒック番号のデータとを保持
   し、受信セルのヘッダを読み出し、該受信セルが属する
   トラヒック番号を保持データより引き出し、該受信セル
   と同期させてトラヒック番号をＵＰＣ処理部に出力する
   請求項１に記載の加入者トラヒック制御方法。
3. 【請求項３】 トラヒック番号とＵＰＣ処理に用いる測
   定パラメータのデータをＭ種保持する情報テーブルに従
   い、受信セルと同時に受信するトラヒック番号から情報
   テーブルの該当する測定パラメータを引き出し、該セル
   に対し引き出した測定パラメータでＵＰＣ処理を実施す
   る請求項１に記載の加入者トラヒック制御方法。
4. 【請求項４】 入力トラヒックが新規に増加した場合、
   または入力トラヒックのトラヒックパラメータが変更さ
   れた場合に、そのトラヒックのセルのヘッダ情報とトラ
   ヒックパラメータを上位の管理システムより入力し、入
   力トラヒックをＭ種に分類するための情報、及びＵＰＣ
   処理を行なうための測定パラメータを記憶装置に格納す
   る請求項１に記載の加入者トラヒック制御方法。
5. 【請求項５】 Ｎ本の入力パスから受信するセルを多重
   化するセル多重部と、受信セルのトラヒックをセル種別
   ごとに測定し、該セルをセルトラヒックに関する規定情
   報に基づいてポリシング制御するＵＰＣ回路部とを有す
   るＡＴＭ網の加入者トラヒック制御装置において、 入力パスと同数のＮ種のヘッダ情報と、Ｍ種のトラヒッ
   ク番号の情報とを保持し、受信セルから読み込んだヘッ
   ダ情報を用いてそのトラヒック番号の情報を該当セルと
   同期させて出力する振分手段と、 受信したセル及びトラヒック番号を受信し、トラヒック
   番号を用いて情報テーブルから該当セルの測定パラメー
   タを引き出し、ＵＰＣ処理を施すＵＰＣ処理手段と、 Ｍ種のトラヒック番号と測定パラメータが格納される情
   報テーブルとを有することを特徴とする加入者トラヒッ
   ク制御装置。
6. 【請求項６】 トラヒックパラメータ及び該当トラヒッ
   ク数のデータをＭ種保持し、入力パスが新規に増え、入
   力トラヒックが増えた場合や入力トラヒックのトラヒッ
   クパラメータが変更になった場合に、その入力トラヒッ
   クのセルのヘッダ情報とトラヒックパラメータを管理情
   報として上位の管理システムより入力し、入力されたト
   ラヒックパラメータから入力されたセルのヘッダ情報を
   持つトラヒックのセルに該当するトラヒック番号を引き
   出し、ヘッダ情報とトラヒック番号とを振分回路部に設
   定し、かつ、ＵＰＣ回路部が引き出されたトラヒック番
   号を持つトラヒックのセルに対して行なうＵＰＣ処理の
   測定パラメータを導出し、トラヒック番号と測定パラメ
   ータを情報テーブルに設定する制御部を有する請求項５
   に記載の加入者トラヒック制御装置。