JP2961628B2 - 高速走査型レーダ装置 - Google Patents

高速走査型レーダ装置

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JP2961628B2
JP2961628B2 JP3117964A JP11796491A JP2961628B2 JP 2961628 B2 JP2961628 B2 JP 2961628B2 JP 3117964 A JP3117964 A JP 3117964A JP 11796491 A JP11796491 A JP 11796491A JP 2961628 B2 JP2961628 B2 JP 2961628B2
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達郎 帯谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の探索などに利
用されるレーダ装置に関するものであり、特に高速走査
を可能とした高速走査型レーダ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】船舶や航空機などの移動体の探索に利用
されるレーダ装置は、電波を反射する反射体(リフレク
ター)と、この反射体に向けて電波を放射する放射器
と、この反射体と放射器の対を水平面などの平面内に一
定速度で回転させるための回転機構などから構成されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】探索対象の移動体が高
速で接近してくる場合などは、反射板と放射器の対を高
速回転させることにより監視周期を短縮することが必要
になる。しかしながら、上記回転速度を必要な値にまで
高めることは、回転機構の信頼性の点などから困難な場
合が多い。回転機構による機械的なスキャンの代りに電
子的なスキャンを採用することによって高速スキャンを
実現する解決方法もあるが、このような電子スキャン方
式のレーダ装置は一般に高価になるという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の高速走査型レー
ダ装置は、両面に反射面が形成された回転反射体と、こ
の回転反射体の回転軸の周りに等角度ずつ離散れた複数
の方向からこの回転反射体に電波を放射する放射機構と
を備えることにより、実効的な走査速度を大幅に高める
ように構成されている。
【0005】
【実施例】図1は本発明の一実施例の高速走査型レーダ
装置の構成を示す平面図であり、Rは回転反射体、F
a,Fbは放射器である。回転反射体Rは、紙面に垂直
な方向に直立する平板形状を呈しており、その両面には
放射電波の波長に対して滑らかな反射面が形成されてい
る。この回転反射体Rは、その中心において紙面に垂直
な方向に延在される回転軸Sの周りに、図示しない回転
機構によって一定速度で回転せしめられる。この回転軸
Sの周りに180度ずつ離散した2方向からこの回転反
射体Rに電波を放射する2個の放射器Fa,Fbが回転
軸Sに対向して設置されている。
【0006】放射器Faから放射された電波は、回転反
射体Rの一方の反射面で反射され、放射ビームBaとな
って遠方に伝播してゆき、この伝播経路上に存在する標
的によって生じた反射波が上記放射経路を逆向きにたど
って放射器Faに入射する。これと同時に、放射器Fb
から放射された電波は、回転反射体Rの他方の反射面で
反射され、放射ビームBbとなって遠方に伝播してゆ
き、この伝播経路上に存在する標的によって生じた反射
波が上記放射経路を逆向きにたどって放射器Fbに入射
する。
【0007】図1の(A),(B),(C)から判明す
るように、回転反射体Rが90度回転する間に放射ビー
ムBaとBbは180度回転する。従って、各ビームの
回転速度は回転反射体Rの回転速度の2倍に高められ
る。これに加えて、放射方向が180度ずれた2本のビ
ームBaとBbが同時に放射されることに伴い、監視対
象の空間の1点に着目すればビーム放射による監視周期
が半分に短縮されることになる。従って、従来の1本の
ビームによる場合に比べてビームの回転速度が実効的に
2倍に高められたことになる。この結果、総合的な回転
速度が2×2=4倍に高められる。
【0008】図2は本発明の他の実施例の高速走査型レ
ーダ装置の構成を示す平面図であり、Rは回転反射体、
Fa,Fb,Fc,Fdは放射器である。回転反射体R
は、図1の場合と同様の構成となっているのでこれにつ
いての重複する説明は省略する。回転反射体Rの回転軸
Sの周りに90度ずつ離散した4方向からこの回転反射
体Rに電波を放射する4個の放射器Fa,Fb,Fc,
Fdが回転軸Sに対向して設置されている。
【0007】図1の実施例の場合と同様に、回転反射体
Rが90度回転する間に4本の放射ビームBa,Bb,
Bc,Bdがいずれも180度回転することから判明す
るように、各ビームの回転速度は回転反射体Rの回転速
度の2倍に高められる。これに加えて、放射方向が90
度ずれた4本のビームBa〜Bdが同時に放射されるこ
とに伴い、着目監視点のビーム放射による監視周期が1
/4に短縮されることになる。従って、従来の1本のビ
ームによる場合に比べてビームの回転速度が実効的に4
倍に高められたことになり、総合的な回転速度が2×4
=8倍に高められる。
【0008】図3は、本発明の更に他の実施例の高速走
査型レーダ装置の構成を示す平面図であり、R’は回転
反射体、Fa,Fb,Fc,Fdは放射器、ra,r
b,rc,rdは副反射体である。回転反射体R’の形
状、両面に反射面が形成されている点、あるいは回転機
構との関係などは図1や図2の回転反射体Rと同様であ
るが、各反射面が入射した電波の偏波面を90度回転さ
せながら反射するツイスト・リフレクターで構成されて
いる点が図1や図2のものと異なっている。この回転反
射体R’の回転軸Sの周りに90度ずつ離散した4方向
に、4個の放射器Fa,Fb,Fc,Fdが回転軸Sに
背を向けて設置される共に、各放射器と対向して副反射
体ra,rb,rc,rdが設置されている。放射器F
a〜Fdのそれぞれは直線偏波の電波を放射すると共
に、副反射体ra〜rdのそれぞれは、上記直線偏波の
電波のみを選択に反射させる偏波面依存型の反射面を有
している。
【0009】放射器Faから放射された直線偏波の電波
は、対向して設置されている副反射体raで反射されて
回転反射体R’に入射し、ここで90度の偏波面の回転
を受けながら反射され、この偏波面の回転に伴い透過可
能となった副反射体raを透過して放射ビームBaとな
って遠方に伝播してゆく。この伝播経路上に存在する標
的によって生じた反射波は上記放射経路を逆向きにたど
って放射器Faに入射する。他の3個の放射器Fb〜F
dから放射される直線偏波の電波についても同様であ
る。従って、この実施例によれば、図2の場合と同様
に、実効的な走査速度が8倍に高められる。
【0010】図4は、本発明の更に他の実施例の高速走
査型レーダ装置の構成を示す平面図であり、R’はツイ
スト・リフレクターの回転反射体、Fa,Fb,Fc,
Fdは放射器、rrは円筒状の偏波面依存型の副反射体
である。図4の実施例では、図3の場合の分離した4個
の副反射体ra〜rdの代りに円筒形状の連続した1個
の副反射体rrを設置しており、他の全ての点について
は図3の場合と同様である。従って、この実施例によれ
ば、図2や図3の場合と同様に、実効的な走査速度が8
倍に高められる。
【0011】以上、複数個の放射器を回転反射体の周り
に固定する構成を例示した。しかしながら、固定された
放射器と回転反射体との位置関係に伴う固定的な死角の
発生を回避するうえで、各放射器をそれぞれの相対位置
関係を保持したまま回転反射体の回転軸の周りに連続的
に回転させたり、微小角度の回転と逆回転とを繰り返さ
せたりすることもできる。この放射器の回転方向を回転
反射体の回転方向と逆向きに設定すれば、個々の放射ビ
ームの実効的な回転速度が更に高められる。
【0012】また、回転反射体として平板形状のものを
使用する場合を例示した。しかしなから、放射ビームの
回転によって形成される走査面に平行な平面で切断した
形状が直線状であればよく、そのような走査面に直交す
る方向には湾曲した適宜な形状、例えばオフセット・パ
ラボラをその中心を通る面で切断することによって得ら
れる形状などであってもよい。
【0013】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の高
速走査型レーダ装置は、両面に反射面が形成された回転
反射体と、この回転反射体の回転軸の周りに等角度(3
60のN分の1度)ずつ離散したN個の方向からこの回
転反射体に電波を放射する放射機構とを備える構成であ
るから、実質質的な走査速度が2N倍に高められるとい
う効果が奏される。
【0014】また、放射器を固定しておく本発明の実施
例によれば、放射器を回転反射体と共に回転させる従来
装置と異なり、フィーダの途中に複雑・高価なロータリ
ージョイントを必要としないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高速走査型レーダ装置の構
成を示す平面図である。
【図2】本発明の他の実施例の高速走査型レーダ装置の
構成を示す平面図である。
【図3】本発明の更に他の実施例の高速走査型レーダ装
置の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例の高速走査型レーダ装
置の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
R 回転反射体 S 回転反射体の回転軸 Fa〜Fd 放射器 Ba〜Bd 放射ビーム R’ ツイスト・リフレクターの回転反射体 ra〜rd 偏波面依存型の副反射体 rr 偏波面依存型の副反射体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に反射面が形成された回転反射体と、
    この回転反射体の回転軸の周りに等角度ずつ離れた複数
    の方向からこの回転反射体に電波を放射する放射機構と
    を備えたことを特徴とする高速走査型レーダ装置。
  2. 【請求項2】前記放射機構は、前記回転反射体の回転軸
    の周りに等角度ずつ離れた複数の方向にこの回転反射体
    に対向して配置された複数の放射器を備えたことを特徴
    とする請求項1記載の高速走査型レーダ装置。
  3. 【請求項3】前記放射機構は、前記回転反射体の回転軸
    の周りに等角度ずつ離れた複数の方向からこの回転反射
    体に対向して配置された複数の放射器と副反射体との対
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の高速走査型レ
    ーダ装置。
  4. 【請求項4】前記反射体はツイスト・リフレクタで構成
    され、前記放射器は直線偏波の電波を放射する放射器か
    ら成り、前記副反射体は前記放射器から放射される直線
    偏波の電波のみを選択的に反射する偏波面依存型の反射
    体から構成されることを特徴とする請求項3記載の高速
    走査型レーダ装置。
  5. 【請求項5】前記放射機構は、前記回転反射体の回転軸
    の周りにこの回転反射体と逆方向に回転せしめられるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4記載の高速走査型レーダ
    装置。
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